イザヤ書

1章
1 アモツの子イザヤの幻。これは彼が、ユダとエルサレムについて、ユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に見たものである。
2 天よ、聞け。地も耳を傾けよ。
主が語られるからだ。
「子らはわたしが大きくし、育てた。
しかし彼らはわたしに逆らった。
3 牛はその飼い主を、ろばは持ち主の飼葉おけを知っている。
それなのに、イスラエルは知らない。
わたしの民は悟らない。」

4 ああ。罪を犯す国、咎重き民、悪を行う者どもの子孫、堕落した子ら。
彼らは主を捨て、イスラエルの聖なる方を侮り、背を向けて離れ去った。
5 あなたがたは、なおも
どこを打たれようというのか。
反逆に反逆を重ねて。
頭は残すところなく病にかかり、心臓もすっかり弱り果てている。
6 足の裏から頭まで、健全なところはなく、傷と、打ち傷と、打たれた生傷。
絞り出してももらえず、包んでももらえず、油で和らげてももらえない。
7 あなたがたの国は荒れ果てている。
あなたがたの町々は火で焼かれ、畑は、あなたがたの前で、他国人が食い荒らし、他国人の破滅にも似て荒れ果てている。
8 しかし、シオンの娘は残された。
あたかもぶどう畑の小屋のように、きゅうり畑の番小屋のように、包囲された町のように。
9 もしも、万軍の主が、少しの生き残りの者を
私たちに残されなかったら、私たちもソドムのようになり、ゴモラと同じようになっていた。

10 聞け。ソドムの首領たち。主のことばを。
耳を傾けよ。ゴモラの民。
私たちの神のみおしえに。
11 「あなたがたの多くのいけにえは、わたしに何になろう」と、主は仰せられる。
「わたしは、雄羊の全焼のいけにえや、肥えた家畜の脂肪に飽きた。
雄牛、子羊、雄やぎの血も喜ばない。
12 あなたがたは、わたしに会いに出て来るが、だれが、わたしの庭を踏みつけよ、と
あなたがたに求めたのか。

13 もう、むなしいささげ物を携えて来るな。
香の煙――それもわたしの忌みきらうもの。
新月の祭りと安息日――会合の召集、不義と、きよめの集会、これにわたしは耐えられない。
14 あなたがたの新月の祭りや例祭を、わたしの心は憎む。
それはわたしの重荷となり、わたしは負うのに疲れ果てた。
15 あなたがたが手を差し伸べて祈っても、わたしはあなたがたから目をそらす。
どんなに祈りを増し加えても、聞くことはない。
あなたがたの手は血まみれだ。
16 洗え。身をきよめよ。
わたしの前で、あなたがたの悪を取り除け。
悪事を働くのをやめよ。
17 善をなすことを習い、公正を求め、しいたげる者を正し、みなしごのために正しいさばきをなし、やもめのために弁護せよ。」
18 「さあ、来たれ。論じ合おう」と主は仰せられる。
「たとい、あなたがたの罪が緋のように赤くても、雪のように白くなる。
たとい、紅のように赤くても、羊の毛のようになる。
19 もし喜んで聞こうとするなら、あなたがたは、この国の良い物を食べることができる。
20 しかし、もし拒み、そむくなら、あなたがたは剣にのまれる」と、主の御口が語られたからである。

21 どうして、遊女になったのか、忠信な都が。
公正があふれ、正義がそこに宿っていたのに。
今は人殺しばかりだ。
22 おまえの銀は、かなかすになった。
おまえの良い酒も、水で割ってある。
23 おまえのつかさたちは反逆者、盗人の仲間。
みな、わいろを愛し、報酬を追い求める。
みなしごのために正しいさばきをせず、やもめの訴えも彼らは取り上げない。

24 それゆえに、――万軍の主、イスラエルの全能者、主の御告げ――
「ああ。
わたしの仇に思いを晴らし、わたしの敵に復讐しよう。
25 しかし、おまえの上に再びわが手を伸ばし、おまえのかなかすを灰汁のように溶かし、その浮きかすをみな除こう。
26 こうして、おまえのさばきつかさたちを初めのように、おまえの議官たちを昔のようにしよう。
そうして後、おまえは正義の町、忠信な都と呼ばれよう。」

27 シオンは公正によって贖われ、その町の悔い改める者は
正義によって贖われる。

28 そむく者は罪人とともに破滅し、主を捨てる者は、うせ果てる。
29 まことに、彼らは、あなたがたの慕った樫の木で恥を見、あなたがたは、みずから選んだ園によって
はずかしめを受けよう。
30 あなたがたは葉のしぼんだ樫の木のように、水のない園のようになるからだ。
31 つわものは麻くずに、そのわざは火花になり、その二つとも燃え立って、これを消す者がいない。

2章
1 アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて示された先見のことば。
2 終わりの日に、主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、丘々よりもそびえ立ち、すべての国々がそこに流れて来る。
3 多くの民が来て言う。
「さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。
主はご自分の道を、私たちに教えてくださる。
私たちはその小道を歩もう。」
それは、シオンからみおしえが出、エルサレムから主のことばが出るからだ。
4 主は国々の間をさばき、多くの国々の民に、判決を下す。
彼らはその剣を鋤に、その槍をかまに打ち直し、国は国に向かって剣を上げず、二度と戦いのことを習わない。

5 来たれ。ヤコブの家よ。
私たちも主の光に歩もう。

6 まことに、あなたは、あなたの民、ヤコブの家を捨てられた。
彼らがペリシテ人のように
東方からの者、卜者で満ち、外国人の子らであふれているからだ。
7 その国は金や銀で満ち、その財宝は限りなく、その国は馬で満ち、その戦車も数限りない。
8 その国は偽りの神々で満ち、彼らは、自分の手で造った物、指で造った物を拝んでいる。
9 こうして人はかがめられ、人間は低くされた。
――彼らをお赦しにならないように。――

10 岩の間に入り、ちりの中に身を隠せ。
主の恐るべき御顔を避け、そのご威光の輝きを避けて。
11 その日には、高ぶる者の目も低くされ、高慢な者もかがめられ、主おひとりだけが高められる。

12 まことに、万軍の主の日は、すべておごり高ぶる者、すべて誇る者に
襲いかかり、これを低くする。
13 高くそびえるレバノンのすべての杉の木と、バシャンのすべての樫の木、
14 すべての高い山々と、すべてのそびえる峰々、
15 すべてのそそり立つやぐらと、堅固な城壁、
16 タルシシュのすべての船、すべての慕わしい船に襲いかかる。
17 その日には、高ぶる者はかがめられ、高慢な者は低くされ、主おひとりだけが高められる。
18 偽りの神々は消えうせる。

19 主が立ち上がり、地をおののかせるとき、人々は主の恐るべき御顔を避け、ご威光の輝きを避けて、岩のほら穴や、土の穴に入る。
20 その日、人は、拝むために造った
銀の偽りの神々と金の偽りの神々を、もぐらや、こうもりに投げやる。
21 主が立ち上がり、地をおののかせるとき、人々は主の恐るべき御顔を避け、ご威光の輝きを避けて、岩の割れ目、巌の裂け目に入る。
22 鼻で息をする人間をたよりにするな。
そんな者に、何の値うちがあろうか。

3章
1 まことに、見よ、万軍の主、主は、エルサレムとユダから、ささえとたよりを除かれる。
――すべて頼みのパン、すべて頼みの水、
2 勇士と戦士、さばきつかさと預言者、占い師と長老、
3 五十人隊の長と高官、議官と賢い細工人、巧みにまじないをかける者。

4 わたしは、若い者たちを彼らのつかさとし、気まぐれ者に彼らを治めさせる。
5 民はおのおの、仲間同士で相しいたげ、若い者は年寄りに向かって高ぶり、身分の低い者は高貴な者に向かって高ぶる。
6 そのとき、人が父の家で、自分の兄弟をとらえて言う。
「あなたは着る物を持っている。
私たちの首領になってくれ。
この乱れた世を、あなたの手で治めてくれ。」
7 その日、彼は声を張り上げて言う。
「私は医者にはなれない。
私の家にはパンもなく、着る物もない。
私を民の首領にはしてくれるな。」

8 これはエルサレムがつまずき、ユダが倒れたからであり、彼らの舌と行いとが主にそむき、主のご威光に逆らったからである。
9 彼らの顔つきが、そのことを表している。
彼らは罪を、ソドムのように現して、隠そうともしなかった。
ああ、彼らにわざわいあれ。
彼らは悪の報いを受けるからだ。
10 義人は幸いだと言え。
彼らは、その行いの実を食べる。
11 悪者にはわざわいあれ。
わざわいが彼にふりかかり、その手の報いがふりかかる。
12 わが民よ。幼子が彼をしいたげ、女たちが彼を治める。
わが民よ。あなたの指導者は迷わす者、あなたの歩む道をかき乱す。

13 主は論争するために立ち上がり、民をさばくために立つ。
14 主は民の長老たちや、民のつかさたちと、さばきの座に入る。
「あなたがたは、ぶどう畑を荒れすたらせ、貧しい者からかすめた物を、あなたがたの家に置いている。
15 なぜ、あなたがたは、わが民を砕き、貧しい者の顔をすりつぶすのか。
――万軍の神、主の御告げ――」

16 主は仰せられた。
「シオンの娘たちは高ぶり、首を伸ばし、色目を使って歩き、足に鈴を鳴らしながら小またで歩いている。」
それゆえ、
17 主はシオンの娘たちの頭の頂を
かさぶただらけにし、主はその額をむき出しにされる。
18 その日、主はもろもろの飾り――足飾り、髪の輪飾り、三日月形の飾り物、
19 耳輪、腕輪、ベール、
20 頭飾り、くるぶしの鎖、飾り帯、香の入れ物、お守り札、
21 指輪、鼻輪、
22 礼服、羽織、外套、財布、
23 手鏡、亜麻布の着物、ターバン、かぶり物を除かれる。
24 こうして、良いかおりは腐ったにおいとなり、帯は荒なわ、結い上げた髪ははげ頭、晴れ着は荒布の腰巻きとなる。
その美しさは焼け傷となる。
25 あなたの男たちは剣に倒れ、あなたの勇士たちは戦いに倒れ、
26 その門はみな、悲しみ嘆き、シオンはさびれ果てて地に座す。

4章
1 その日、七人の女が
ひとりの男にすがりついて言う。
「私たちは自分たちのパンを食べ、自分たちの着物を着ます。
私たちをあなたの名で呼ばれるようにし、私たちへのそしりを除いてください。」

2 その日、主の若枝は、麗しく、栄光に輝き、地の実は、イスラエルののがれた者の
威光と飾りになる。
3 シオンに残された者、エルサレムに残った者は、聖と呼ばれるようになる。みなエルサレムでいのちの書にしるされた者である。
4 主が、さばきの霊と焼き尽くす霊によって、シオンの娘たちの汚れを洗い、エルサレムの血をその中からすすぎ清めるとき、
5 主は、シオンの山のすべての場所とその会合の上に、昼は雲、夜は煙と燃える火の輝きを創造される。それはすべての栄光の上に、おおいとなり、仮庵となり、
6 昼は暑さを避ける陰となり、あらしと雨を防ぐ避け所と隠れ家になるからだ。

5章
1 「さあ、わが愛する者のためにわたしは歌おう。
そのぶどう畑についてのわが愛の歌を。
わが愛する者は、よく肥えた山腹に、ぶどう畑を持っていた。
2 彼はそこを掘り起こし、石を取り除き、そこに良いぶどうを植え、その中にやぐらを立て、酒ぶねまでも掘って、甘いぶどうのなるのを待ち望んでいた。
ところが、酸いぶどうができてしまった。

3 そこで今、エルサレムの住民とユダの人よ、さあ、わたしとわがぶどう畑との間をさばけ。
4 わがぶどう畑になすべきことで、なお、何かわたしがしなかったことがあるのか。
なぜ、甘いぶどうのなるのを待ち望んだのに、酸いぶどうができたのか。
5 さあ、今度はわたしが、あなたがたに知らせよう。
わたしがわがぶどう畑に対してすることを。
その垣を除いて、荒れすたれるに任せ、その石垣をくずして、踏みつけるままにする。
6 わたしは、これを滅びるままにしておく。
枝はおろされず、草は刈られず、いばらとおどろが生い茂る。
わたしは雲に命じて、この上に雨を降らせない。」

7 まことに、万軍の主のぶどう畑はイスラエルの家。
ユダの人は、主が喜んで植えつけたもの。
主は公正を待ち望まれたのに、見よ、流血。
正義を待ち望まれたのに、見よ、泣き叫び。

8 ああ。家に家を連ね、畑に畑を寄せている者たち。
あなたがたは余地も残さず、自分たちだけが国の中に住もうとしている。
9 私の耳に、万軍の主は告げられた。
「必ず、多くの家は荒れすたれ、大きな美しい家々も住む人がなくなる。
10 十ツェメドのぶどう畑が一バテを産し、一ホメルの種が一エパを産するからだ。」

11 ああ。朝早くから強い酒を追い求め、夜をふかして、ぶどう酒をあおっている者たち。
12 彼らの酒宴には、立琴と十弦の琴、タンバリンと笛とぶどう酒がある。
彼らは、主のみわざを見向きもせず、御手のなされたことを見もしない。
13 それゆえ、わが民は無知のために捕らえ移される。
その貴族たちは、飢えた人々。
その群衆は、渇きで干からびる。
14 それゆえ、よみは、のどを広げ、口を限りなくあける。
その威光も、その騒音も、そのどよめきも、そこでの歓声も、よみに落ち込む。
15 こうして人はかがめられ、人間は低くされ、高ぶる者の目も低くされる。
16 しかし、万軍の主は、さばきによって高くなり、聖なる神は正義によって、みずから聖なることを示される。
17 子羊は自分の牧場にいるように草を食べ、肥えた獣は廃墟にとどまって食をとる。

18 ああ。
うそを綱として咎を引き寄せ、車の手綱でするように、罪を引き寄せている者たち。
19 彼らは言う。「彼のすることを早くせよ。
急がせよ。それを見たいものだ。
イスラエルの聖なる方のはかりごとが、近づけばよい。それを知りたいものだ」と。

20 ああ。
悪を善、善を悪と言っている者たち。
彼らはやみを光、光をやみとし、苦みを甘み、甘みを苦みとしている。

21 ああ。おのれを知恵ある者とみなし、おのれを、悟りがある者と見せかける者たち。
22 ああ。酒を飲むことでの勇士、強い酒を混ぜ合わせることにかけての豪の者。
23 彼らはわいろのために、悪者を正しいと宣言し、義人からその義を取り去っている。
24 それゆえ、火の舌が刈り株を焼き尽くし、炎が枯れ草をなめ尽くすように、彼らの根は腐れ、その花も、ちりのように舞い上がる。
彼らが万軍の主のみおしえをないがしろにし、イスラエルの聖なる方のみことばを
侮ったからだ。
25 このゆえに、主の怒りが、その民に向かって燃え、これに御手を伸ばして打った。
山々は震え、彼らのしかばねは、ちまたで、あくたのようになった。
それでも、御怒りは去らず、なおも、御手は伸ばされている。

26 主が遠く離れた国に旗を揚げ、地の果てから来るように合図されると、見よ、それは急いで、すみやかに来る。
27 その中には、疲れる者もなく、つまずく者もない。
それはまどろまず、眠らず、その腰の帯は解けず、くつひもも切れない。
28 その矢はとぎすまされ、弓はみな張ってあり、馬のひづめは火打石のように、その車輪はつむじ風のように思われる。
29 それは、獅子のようにほえる。
若獅子のようにほえ、うなり、獲物を捕らえる。
救おうとしても救い出す者がいない。
30 その日、その民は海のとどろきのように、イスラエルにうなり声をあげる。
地を見やると、見よ、やみと苦しみ。
光さえ雨雲の中で暗くなる。

6章
1 ウジヤ王が死んだ年に、私は、高くあげられた王座に座しておられる主を見た。そのすそは神殿に満ち、
2 セラフィムがその上に立っていた。彼らはそれぞれ六つの翼があり、おのおのその二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでおり、
3 互いに呼びかわして言っていた。
「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の主。
その栄光は全地に満つ。」
4 その叫ぶ者の声のために、敷居の基はゆるぎ、宮は煙で満たされた。
5 そこで、私は言った。
「ああ。私は、もうだめだ。
私はくちびるの汚れた者で、くちびるの汚れた民の間に住んでいる。
しかも万軍の主である王を、この目で見たのだから。」
6 すると、私のもとに、セラフィムのひとりが飛んで来たが、その手には、祭壇の上から火ばさみで取った燃えさかる炭があった。
7 彼は、私の口に触れて言った。
「見よ。これがあなたのくちびるに触れたので、あなたの不義は取り去られ、あなたの罪も贖われた。」
8 私は、「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」と言っておられる主の声を聞いたので、言った。「ここに、私がおります。私を遣わしてください。」
9 すると仰せられた。
「行って、この民に言え。
『聞き続けよ。だが悟るな。
見続けよ。だが知るな。』
10 この民の心を肥え鈍らせ、その耳を遠くし、その目を堅く閉ざせ。
自分の目で見ず、自分の耳で聞かず、自分の心で悟らず、立ち返っていやされることのないように。」
11 私が「主よ、いつまでですか」と言うと、主は仰せられた。
「町々は荒れ果てて、住む者がなく、家々も人がいなくなり、土地も滅んで荒れ果て、
12 主が人を遠くに移し、国の中に捨てられた所がふえるまで。
13 そこにはなお、十分の一が残るが、それもまた、焼き払われる。
テレビンの木や樫の木が
切り倒されるときのように。
しかし、その中に切り株がある。
聖なるすえこそ、その切り株。」

7章
1 ウジヤの子のヨタムの子、ユダの王アハズの時のこと、アラムの王レツィンと、イスラエルの王レマルヤの子ペカが、エルサレムに上って来てこれを攻めたが、戦いに勝てなかった。
2 ところが、「エフライムにアラムがとどまった」という報告がダビデの家に告げられた。すると、王の心も民の心も、林の木々が風で揺らぐように動揺した。
3 そこで主はイザヤに仰せられた。「あなたとあなたの子シェアル・ヤシュブとは出かけて行って、布さらしの野への大路のそばにある上の池の水道の端でアハズに会い、
4 そこで彼に言え。
気をつけて、静かにしていなさい。恐れてはなりません。あなたは、これら二つの木切れの煙る燃えさし、レツィンすなわちアラムとレマルヤの子との燃える怒りに、心を弱らせてはなりません。
5 アラムはエフライムすなわちレマルヤの子とともに、あなたに対して悪事を企ててこう言っています。
6 『われわれはユダに上って、これを脅かし、これに攻め入り、わがものとし、タベアルの子をそこの王にしよう』と。
7 神である主はこう仰せられる。
『そのことは起こらないし、ありえない。
8 実に、アラムのかしらはダマスコ、ダマスコのかしらはレツィン。
――六十五年のうちに、エフライムは粉砕されて、もう民ではなくなる。――
9 また、エフライムのかしらはサマリヤ、サマリヤのかしらはレマルヤの子。
もし、あなたがたが信じなければ、長く立つことはできない。』」
10 主は再び、アハズに告げてこう仰せられた。
11 「あなたの神、主から、しるしを求めよ。よみの深み、あるいは、上の高いところから。」
12 するとアハズは言った。「私は求めません。主を試みません。」
13 そこでイザヤは言った。「さあ、聞け。ダビデの家よ。あなたがたは、人々を煩わすのは小さなこととし、私の神までも煩わすのか。
14 それゆえ、主みずから、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ。処女がみごもっている。そして男の子を産み、その名を『インマヌエル』と名づける。
15 この子は、悪を退け、善を選ぶことを知るころまで、凝乳と蜂蜜を食べる。
16 それは、まだその子が、悪を退け、善を選ぶことも知らないうちに、あなたが恐れているふたりの王の土地は、捨てられるからだ。
17 主は、あなたとあなたの民とあなたの父の家に、エフライムがユダから離れた日以来、まだ来たこともない日を来させる。それは、アッシリヤの王だ。」
18 その日になると、主はエジプトの川々の果てにいるあのはえ、アッシリヤの地にいるあの蜂に合図される。
19 すると、彼らはやって来て、みな、険しい谷、岩の割れ目、すべてのいばらの茂み、すべての牧場に巣くう。
20 その日、主はユーフラテス川の向こうで雇ったかみそり、すなわち、アッシリヤの王を使って、頭と足の毛をそり、ひげまでもそり落とす。
21 その日になると、ひとりの人が雌の子牛一頭と羊二頭を飼う。
22 これらが乳を多く出すので、凝乳を食べるようになる。
国のうちに残されたすべての者が
凝乳と蜂蜜を食べるようになる。
23 その日になると、ぶどう千株のある、銀千枚に値する地所もみな、いばらとおどろのものとなる。
24 全土がいばらとおどろになるので、人々は弓矢を持ってそこに行く。
25 くわで耕されたすべての山も、あなたはいばらとおどろを恐れて、そこに行かない。
そこは牛の放牧地、羊の踏みつける所となる。

8章
1 主は私に仰せられた。「一つの大きな板を取り、その上に普通の文字で、『マヘル・シャラル・ハシュ・バズのため』と書け。
2 そうすれば、わたしは、祭司ウリヤとエベレクヤの子ゼカリヤをわたしの確かな証人として証言させる。」
3 そののち、私は女預言者に近づいた。彼女はみごもった。そして男の子を産んだ。すると、主は私に仰せられた。「その名を、『マヘル・シャラル・ハシュ・バズ』と呼べ。
4 それは、この子がまだ『お父さん。お母さん』と呼ぶことも知らないうちに、ダマスコの財宝とサマリヤの分捕り物が、アッシリヤの王の前に持ち去られるからである。」
5 主はさらに、続けて私に仰せられた。
6 「この民は、ゆるやかに流れるシロアハの水を
ないがしろにして、レツィンとレマルヤの子を喜んでいる。
7 それゆえ、見よ、主は、あの強く水かさの多いユーフラテス川の水、アッシリヤの王と、そのすべての栄光を、彼らの上にあふれさせる。
それはすべての運河にあふれ、すべての堤を越え、
8 ユダに流れ込み、押し流して進み、首にまで達する。
インマヌエル。その広げた翼は
あなたの国の幅いっぱいに広がる。」

9 国々の民よ。打ち破られて、わななけ。
遠く離れたすべての国々よ。耳を傾けよ。
腰に帯をして、わななけ。
腰に帯をして、わななけ。
10 はかりごとを立てよ。
しかし、それは破られる。
申し出をせよ。しかし、それは成らない。
神が、私たちとともにおられるからだ。

11 まことに主は強い御手をもって私を捕らえ、私にこう仰せられた。この民の道に歩まないよう、私を戒めて仰せられた。
12 「この民が謀反と呼ぶことをみな、謀反と呼ぶな。
この民の恐れるものを恐れるな。おののくな。
13 万軍の主、この方を、聖なる方とし、この方を、あなたがたの恐れ、この方を、あなたがたのおののきとせよ。
14 そうすれば、この方が聖所となられる。
しかし、イスラエルの二つの家には
妨げの石とつまずきの岩、エルサレムの住民には
わなとなり、落とし穴となる。
15 多くの者がそれにつまずき、倒れて砕かれ、わなにかけられて捕らえられる。

16 このあかしをたばねよ。
このおしえを
わたしの弟子たちの心のうちに封ぜよ。」

17 私は主を待つ。
ヤコブの家から御顔を隠しておられる方を。
私はこの方に、望みをかける。
18 見よ。私と、主が私に下さった子たちとは、シオンの山に住む万軍の主からの
イスラエルでのしるしとなり、不思議となっている。
19 人々があなたがたに、「霊媒や、さえずり、ささやく口寄せに尋ねよ」と言うとき、民は自分の神に尋ねなければならない。生きている者のために、死人に伺いを立てなければならないのか。
20 おしえとあかしに尋ねなければならない。もし、このことばに従って語らなければ、その人には夜明けがない。
21 彼は、迫害され、飢えて、国を歩き回り、飢えて、怒りに身をゆだねる。上を仰いでは自分の王と神をのろう。
22 地を見ると、見よ、苦難とやみ、苦悩の暗やみ、暗黒、追放された者。

9章
1 しかし、苦しみのあった所に、やみがなくなる。先にはゼブルンの地とナフタリの地は、はずかしめを受けたが、後には海沿いの道、ヨルダン川のかなた、異邦人のガリラヤは光栄を受けた。
2 やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。
死の陰の地に住んでいた者たちの上に
光が照った。
3 あなたはその国民をふやし、その喜びを増し加えられた。
彼らは刈り入れ時に喜ぶように、分捕り物を分けるときに楽しむように、あなたの御前で喜んだ。
4 あなたが彼の重荷のくびきと、肩のむち、彼をしいたげる者の杖を、ミデヤンの日になされたように
粉々に砕かれたからだ。
5 戦場ではいたすべてのくつ、血にまみれた着物は、焼かれて、火のえじきとなる。

6 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。
ひとりの男の子が、私たちに与えられる。
主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
7 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これをささえる。今より、とこしえまで。
万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。

8 主がヤコブに一つのことばを送られた。
それはイスラエルに落ちた。
9 この民、エフライムとサマリヤに住む者たちは
みな、それを知り、高ぶり、思い上がって言う。
10 「れんがが落ちたから、切り石で建て直そう。
いちじく桑の木が切り倒されたから、杉の木でこれに代えよう。」
11 そこで主は、レツィンに仇する者たちをのし上がらせ、その敵たちをあおりたてる。
12 東からはアラムが、西からはペリシテ人が、イスラエルをほおばって食らう。
それでも、御怒りは去らず、なおも、御手は伸ばされている。

13 しかし、この民は、自分を打った方に帰らず、万軍の主を求めなかった。
14 そこで、主はイスラエルから、かしらも尾も、なつめやしの葉も葦も、ただ一日で切り取られた。
15 そのかしらとは、長老や身分の高い者。
その尾とは、偽りを教える預言者。
16 この民の指導者は迷わす者となり、彼らに導かれる者は惑わされる。
17 それゆえ、主はその若い男たちを喜ばず、そのみなしごをも、やもめをもあわれまない。
みなが神を敬わず、悪を行い、すべての口が恥ずべきことを語っているからだ。
それでも、御怒りは去らず、なおも、御手は伸ばされている。

18 悪は火のように燃えさかり、いばらとおどろをなめ尽くし、林の茂みに燃えついて、煙となって巻き上がる。
19 万軍の主の激しい怒りによって地は焼かれ、民は火のえじきのようになり、だれも互いにいたわり合わない。
20 右にかぶりついても、飢え、左に食いついても、満ち足りず、おのおの自分の腕の肉を食べる。
21 マナセはエフライムとともに、エフライムはマナセとともに、彼らはいっしょにユダを襲う。
それでも、御怒りは去らず、なおも、御手は伸ばされている。

10章
1 ああ。不義のおきてを制定する者、わざわいを引き起こす判決を書いている者たち。
2 彼らは、寄るべのない者の正しい訴えを退け、わたしの民のうちの悩む者の権利をかすめ、やもめを自分のとりこにし、みなしごたちをかすめ奪っている。
3 刑罰の日、遠くからあらしが来るときに、あなたがたはどうするのか。
だれに助けを求めて逃げ、どこに自分の栄光を残すのか。
4 ただ、捕らわれ人の足もとにひざをつき、殺された者たちのそばに倒れるだけだ。
それでも、御怒りは去らず、なおも、御手は伸ばされている。

5 ああ。
アッシリヤ、わたしの怒りの杖。
彼らの手にあるわたしの憤りのむち。
6 わたしはこれを神を敬わない国に送り、わたしの激しい怒りの民を襲えと、これに命じ、物を分捕らせ、獲物を奪わせ、ちまたの泥のように、これを踏みにじらせる。

7 しかし、彼自身はそうとは思わず、彼の心もそうは考えない。
彼の心にあるのは、滅ぼすこと、多くの国々を断ち滅ぼすことだ。
8 なぜなら、彼はこう思っている。
「私の高官たちはみな、王ではないか。
9 カルノもカルケミシュのよう、ハマテもアルパデのようではないか。
サマリヤもダマスコのようではないか。
10 エルサレム、サマリヤにまさる刻んだ像を持つ
偽りの神々の王国を私が手に入れたように、
11 サマリヤとその偽りの神々に私がしたように、エルサレムとその多くの偶像にも
私が同じようにしないだろうか」と。

12 主はシオンの山、エルサレムで、ご自分のすべてのわざを成し遂げられるとき、アッシリヤの王の高慢の実、その誇らしげな高ぶりを罰する。
13 それは、彼がこう言ったからである。
「私は自分の手の力でやった。私の知恵でやった。
私は賢いからだ。
私が、国々の民の境を除き、彼らのたくわえを奪い、全能者のように、住民をおとしめた。
14 私の手は国々の民の財宝を巣のようにつかみ、また私は、捨てられた卵を集めるように、すべての国々を集めたが、翼を動かす者も、くちばしを大きく開く者も、さえずる者もいなかった。」

15 斧は、それを使って切る人に向かって
高ぶることができようか。
のこぎりは、それをひく人に向かって
おごることができようか。
それは棒が、それを振り上げる人を動かし、杖が、木でない人を
持ち上げるようなものではないか。
16 それゆえ、万軍の主、主は、その最もがんじょうな者たちのうちに
やつれを送り、その栄光のもとで、火が燃えるように、それを燃やしてしまう。
17 イスラエルの光は火となり、その聖なる方は炎となる。
燃え上がって、そのおどろといばらを
一日のうちになめ尽くす。
18 主はその美しい林も、果樹園も、また、たましいも、からだも滅ぼし尽くす。
それは病人がやせ衰えるようになる。
19 その林の木の残りは数えるほどになり、子どもでもそれらを書き留められる。

20 その日になると、イスラエルの残りの者、ヤコブの家ののがれた者は、もう再び、自分を打つ者にたよらず、イスラエルの聖なる方、主に、まことをもって、たよる。
21 残りの者、ヤコブの残りの者は、力ある神に立ち返る。
22 たとい、あなたの民イスラエルが
海辺の砂のようであっても、その中の残りの者だけが立ち返る。
壊滅は定められており、義があふれようとしている。
23 すでに定められた全滅を、万軍の神、主が、全世界のただ中で行おうとしておられるからだ。
24 それゆえ、万軍の神、主は、こう仰せられる。「シオンに住むわたしの民よ。アッシリヤを恐れるな。彼がむちであなたを打ち、エジプトがしたように杖をあなたに振り上げても。
25 もうしばらくすれば、憤りは終わり、わたしの怒りが彼らを滅ぼしてしまうから。
26 オレブの岩でミデヤンを打ったときのように、万軍の主がアッシリヤにむちを振り上げる。杖を海にかざして、エジプトにしたように、それを上げる。
27 その日になると、彼の重荷はあなたの肩から、彼のくびきはあなたの首から除かれる。
くびきはあなたの肩からもぎ取られる。」

28 彼はアヤテに着き、ミグロンを過ぎ、ミクマスに荷を置く。
29 彼らは渡し場を過ぎ、ゲバで野営する。
ラマはおののき、サウルのギブアは逃げる。
30 ガリムの娘よ。かん高く叫べ。
よく聞け、ラユシャよ。
哀れなアナトテ。
31 マデメナは逃げ去り、ゲビムの住民は身を避ける。
32 その日、彼はノブで立ちとどまり、シオンの娘の山、エルサレムの丘に向かって、こぶしを振り上げる。

33 見よ。万軍の主、主が
恐ろしい勢いで枝を切り払う。
たけの高いものは切り落とされ、そびえたものは低くされる。
34 主は林の茂みを斧で切り落とし、レバノンは力強い方によって倒される。

11章
1 エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。
2 その上に、主の霊がとどまる。
それは知恵と悟りの霊、はかりごとと能力の霊、主を知る知識と主を恐れる霊である。
3 この方は主を恐れることを喜び、その目の見るところによってさばかず、その耳の聞くところによって判決を下さず、
4 正義をもって寄るべのない者をさばき、公正をもって国の貧しい者のために判決を下し、口のむちで国を打ち、くちびるの息で悪者を殺す。
5 正義はその腰の帯となり、真実はその胴の帯となる。

6 狼は子羊とともに宿り、ひょうは子やぎとともに伏し、子牛、若獅子、肥えた家畜が共にいて、小さい子どもがこれを追っていく。
7 雌牛と熊とは共に草をはみ、その子らは共に伏し、獅子も牛のようにわらを食う。
8 乳飲み子はコブラの穴の上で戯れ、乳離れした子はまむしの子に手を伸べる。
9 わたしの聖なる山のどこにおいても、これらは害を加えず、そこなわない。
主を知ることが、海をおおう水のように、地を満たすからである。

10 その日、エッサイの根は、国々の民の旗として立ち、国々は彼を求め、彼のいこう所は栄光に輝く。

11 その日、主は再び御手を伸ばし、ご自分の民の残りを買い取られる。
残っている者をアッシリヤ、エジプト、パテロス、クシュ、エラム、シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。
12 主は、国々のために旗を揚げ、イスラエルの散らされた者を取り集め、ユダの追い散らされた者を
地の四隅から集められる。
13 エフライムのねたみは去り、ユダに敵する者は断ち切られる。
エフライムはユダをねたまず、ユダもエフライムを敵としない。
14 彼らは、西の方、ペリシテ人の肩に飛びかかり、共に東の人々をかすめ奪う。
彼らはエドムとモアブにも手を伸ばし、アモン人も彼らに従う。
15 主はエジプトの海の入江を干上がらせ、また、その焼けつく風の中に
御手を川に向かって振り動かし、それを打って、七つの水無し川とし、くつばきのままで歩けるようにする。
16 残される御民の残りの者のために
アッシリヤからの大路が備えられる。
イスラエルがエジプトの国から上って来た日に、イスラエルのために備えられたように。

12章
1 その日、あなたは言おう。
「主よ。感謝します。
あなたは、私を怒られたのに、あなたの怒りは去り、私を慰めてくださいました。」

2 見よ。神は私の救い。
私は信頼して恐れることはない。
ヤハ、主は、私の力、私のほめ歌。
私のために救いとなられた。

3 あなたがたは喜びながら
救いの泉から水を汲む。
4 その日、あなたがたは言う。
「主に感謝せよ。
その御名を呼び求めよ。
そのみわざを、国々の民の中に知らせよ。
御名があがめられていることを語り告げよ。
5 主をほめ歌え。
主はすばらしいことをされた。
これを、全世界に知らせよ。
6 シオンに住む者。
大声をあげて、喜び歌え。
イスラエルの聖なる方は、あなたの中におられる、大いなる方。」

13章
1 アモツの子イザヤの見たバビロンに対する宣告。
2 はげ山の上に旗を掲げ、彼らに向かって声をあげ、手を振って、彼らを貴族の門に、入らせよ。
3 わたしは怒りを晴らすために、わたしに聖別された者たちに命じ、またわたしの勇士、わたしの勝利を誇る者たちを呼び集めた。

4 聞け。おびただしい民にも似た山々のとどろきを。
聞け。寄り合った王国、国々のどよめきを。
万軍の主が、軍隊を召集しておられるのだ。

5 彼らは遠い国、天の果てからやって来る。
彼らは全世界を滅ぼすための、主とその憤りの器だ。
6 泣きわめけ。主の日は近い。
全能者から破壊が来る。
7 それゆえ、すべての者は気力を失い、すべての者の心がしなえる。
8 彼らはおじ惑い、子を産む女が身もだえするように、苦しみと、ひどい痛みが彼らを襲う。
彼らは驚き、燃える顔で互いを見る。

9 見よ。主の日が来る。残酷な日だ。
憤りと燃える怒りをもって、地を荒れすたらせ、罪人たちをそこから根絶やしにする。
10 天の星、天のオリオン座は光を放たず、太陽は日の出から暗く、月も光を放たない。
11 わたしは、その悪のために世を罰し、その罪のために悪者を罰する。
不遜な者の誇りをやめさせ、横暴な者の高ぶりを低くする。
12 わたしは、人間を純金よりもまれにし、人をオフィルの金よりも少なくする。

13 それゆえ、わたしは天を震わせる。
万軍の主の憤りによって、その燃える怒りの日に、大地はその基から揺れ動く。
14 追い立てられたかもしかのように、集める者のいない羊の群れのようになって、彼らはおのおの自分の民に向かい、おのおの自分の国に逃げ去る。
15 見つけられた者はみな、刺され、連れて行かれた者はみな、剣に倒れる。
16 彼らの幼子たちは目の前で八つ裂きにされ、彼らの家は略奪され、彼らの妻は犯される。

17 見よ。わたしは彼らに対して、メディヤ人を奮い立たせる。
彼らは銀をものともせず、金をも喜ばず、
18 その弓は若者たちをなぎ倒す。
彼らは胎児もあわれまず、子どもたちを見ても惜しまない。
19 こうして、王国の誉れ、カルデヤ人の誇らかな栄えであるバビロンは、神がソドム、ゴモラを滅ぼした時のようになる。

20 そこには永久に住む者もなく、代々にわたり、住みつく者もなく、アラビヤ人も、そこには天幕を張らず、牧者たちも、そこには群れを伏させない。
21 そこには荒野の獣が伏し、そこの家々にはみみずくが満ち、そこにはだちょうが住み、野やぎがそこにとびはねる。
22 山犬は、そこのとりでで、ジャッカルは、豪華な宮殿で、ほえかわす。
その時の来るのは近く、その日はもう延ばされない。

14章
1 まことに、主はヤコブをあわれみ、再びイスラエルを選び、彼らを自分たちの土地にいこわせる。在留異国人も彼らに連なり、ヤコブの家に加わる。
2 国々の民は彼らを迎え、彼らの所に導き入れる。イスラエルの家は主の土地でこの異国人を奴隷、女奴隷として所有し、自分たちをとりこにした者をとりこにし、自分たちをしいたげた者を支配するようになる。
3 主が、あなたの痛み、あなたへの激しい怒りを除き、あなたに負わせた過酷な労役を解いてあなたをいこわせる日に、
4 あなたは、バビロンの王について、このようなあざけりの歌を歌って言う。
「しいたげる者はどのようにして果てたのか。
横暴はどのようにして終わったのか。
5 主が悪者の杖と、支配者の笏とを折られたのだ。
6 彼は憤って、国々の民を打ち、絶え間なく打ち、怒って、国々を容赦なくしいたげて
支配したのだが。

7 全地は安らかにいこい、喜びの歌声をあげている。
8 もみの木も、レバノンの杉も、あなたのことを喜んで、言う。
『あなたが倒れ伏したので、もう、私たちを切る者は上って来ない。』

9 下界のよみは、あなたの来るのを迎えようとざわめき、死者の霊たち、地のすべての指導者たちを
揺り起こし、国々のすべての王を、その王座から立ち上がらせる。
10 彼らはみな、あなたに告げて言う。
『あなたもまた、私たちのように弱くされ、私たちに似た者になってしまった。』
11 あなたの誇り、あなたの琴の音はよみに落とされ、あなたの下には、うじが敷かれ、虫けらが、あなたのおおいとなる。

12 暁の子、明けの明星よ。
どうしてあなたは天から落ちたのか。
国々を打ち破った者よ。
どうしてあなたは地に切り倒されたのか。
13 あなたは心の中で言った。
『私は天に上ろう。
神の星々のはるか上に私の王座を上げ、北の果てにある会合の山にすわろう。
14 密雲の頂に上り、いと高き方のようになろう。』
15 しかし、あなたはよみに落とされ、穴の底に落とされる。

16 あなたを見る者は、あなたを見つめ、あなたを見きわめる。
『この者が、地を震わせ、王国を震え上がらせ、
17 世界を荒野のようにし、町々を絶滅し、捕虜たちを家に帰さなかった者なのか。』
18 すべての国の王たちはみな、おのおの自分の墓で、尊ばれて眠っている。
19 しかし、あなたは、忌みきらわれる若枝のように
墓の外に投げ出された。
剣で刺し殺されて墓穴に下る者でおおわれ、踏みつけられるしかばねのようだ。
20 あなたは墓の中で彼らとともになることはない。
あなたは自分の国を滅ぼし、自分の民を虐殺したからだ。
悪を行う者どもの子孫については
永久に語られない。
21 先祖の咎のゆえに、彼の子らのために、ほふり場を備えよ。
彼らが立って地を占領し、世界の面を彼らの町々で満たさないためだ。」

22 「わたしは彼らに向かって立ち上がる。――万軍の主の御告げ――わたしはバビロンからその名と、残りの者、および、後に生まれる子孫とを断ち滅ぼす。――主の御告げ――
23 わたしはこれを針ねずみの領地、水のある沢とし、滅びのほうきで一掃する。――万軍の主の御告げ――」

24 万軍の主は誓って仰せられた。
「必ず、わたしの考えたとおりに事は成り、わたしの計ったとおりに成就する。
25 わたしはアッシリヤをわたしの国で打ち破り、わたしの山で踏みつける。
アッシリヤのくびきは彼らの上から除かれ、その重荷は彼らの肩から除かれる。
26 これが、全地に対して立てられたはかりごと、これが、万国に対して伸ばされた御手。
27 万軍の主が立てられたことを、だれが破りえよう。
御手が伸ばされた。
だれがそれを戻しえよう。」

28 アハズ王が死んだ年、この宣告があった。
29 「喜ぶな、ペリシテの全土よ。
おまえを打った杖が折られたからと言って。
蛇の子孫からまむしが出、その子は飛びかける燃える蛇となるからだ。
30 寄るべのない者たちの初子は養われ、貧しい者は安らかに伏す。
しかし、わたしは、おまえの子孫を
飢えで、死なせる。
おまえの残りの者は殺される。
31 門よ、泣きわめけ。町よ、叫べ。
ペリシテの全土は、震えおののけ。
北から煙が上がり、その編隊から抜ける者がないからだ。

32 異邦の使者たちに何と答えようか。
『主はシオンの礎を据えられた。
主の民の悩む者たちは、これに身を避ける。』」

15章
1 モアブに対する宣告。
ああ、一夜のうちに
アルは荒らされ、モアブは滅びうせた。
ああ、一夜のうちに
キル・モアブは荒らされ、滅びうせた。
2 モアブは宮に、ディボンは高き所に、泣くために上る。
ネボとメデバのことで、モアブは泣きわめく。
頭をみなそり落とし、ひげもみな切り取って。
3 そのちまたでは、荒布を腰にまとい、その屋上や広場では、みな涙を流して泣きわめく。
4 ヘシュボンとエルアレは叫び、その叫び声がヤハツまで聞こえる。
それで、モアブの武装した者たちはわめく。
そのたましいはわななく。

5 わたしの心はモアブのために叫ぶ。
その逃げ延びる者はツォアルまで、エグラテ・シェリシヤまでのがれる。
ああ、彼らはルヒテの坂を泣きながら上り、ホロナイムの道で、破滅の叫びをあげる。
6 ああ、ニムリムの水は荒廃した地となり、草は枯れ、若草も尽き果て、緑もなくなった。

7 それゆえ彼らは、残していた物や、たくわえていた物を、アラビム川を越えて運んで行く。
8 ああ、叫ぶ声がモアブの領土に響き渡り、その泣き声がエグライムまで、その泣き声がベエル・エリムまで届いた。
9 ああ、ディモンの水は血で満ちた。
わたしはさらにディモンにわざわいを増し加え、モアブののがれた者と、その土地の残りの者とに獅子を向けよう。

16章
1 子羊を、この国の支配者に送れ。
セラから荒野を経てシオンの娘の山に。
2 モアブの娘たちはアルノンの渡し場で、逃げ惑う鳥、投げ出された巣のようになる。

3 助言を与え、事を決めよ。
昼のさなかにも、あなたの影を夜のようにせよ。
散らされた者をかくまい、のがれて来る者を渡すな。
4 あなたの中に、モアブの散らされた者を宿らせ、荒らす者からのがれて来る者の隠れ家となれ。
しいたげる者が死に、破壊も終わり、踏みつける者が地から消えうせるとき、
5 一つの王座が恵みによって堅く立てられ、さばきをなし、公正を求め、正義をすみやかに行う者が、ダビデの天幕で、真実をもって、そこにすわる。

6 われわれはモアブの高ぶりを聞いた。
彼は実に高慢だ。
その誇りと高ぶりとおごり、その自慢話は正しくない。
7 それゆえ、モアブは、モアブ自身のために泣きわめく。
みなが泣きわめく。
あなたがたは打ちのめされて、キル・ハレセテの干しぶどうの菓子のために嘆く。
8 ヘシュボンの畑も、シブマのぶどうの木も、しおれてしまった。
国々の支配者たちがそのふさを打ったからだ。
それらはヤゼルまで届き、荒野をさまよい、そのつるは伸びて海を越えた。
9 それゆえ、わたしはヤゼルのために、シブマのぶどうの木のために、涙を流して泣く。
ヘシュボンとエルアレ。
わたしはわたしの涙であなたを潤す。
あなたの夏のくだものと刈り入れとを喜ぶ声が
やんでしまったからだ。
10 喜びと楽しみは果樹園から取り去られ、ぶどう畑の中では、喜び歌うこともなく、大声で叫ぶこともない。
酒ぶねで酒を踏む者も、もう踏まない。
わたしが喜びの声をやめさせたのだ。
11 それゆえ、わたしのはらわたはモアブのために、わたしの内臓はキル・ヘレスのために
立琴のようにわななく。
12 モアブが高き所にもうでて身を疲れさせても、祈るためにその聖所に入って行っても、もうむだだ。
13 これが、以前から主がモアブに対して語っておられたみことばである。
14 今や、主は次のように告げられる。「雇い人の年期のように、三年のうちに、モアブの栄光は、そのおびただしい群衆とともに軽んじられ、残りの者もしばらくすれば、力がなくなる。」

17章
1 ダマスコに対する宣告。
見よ。ダマスコは取り去られて町でなくなり、廃墟となる。
2 アロエルの町々は捨てられて、家畜の群れのものとなり、群れはそこに伏すが、それを脅かす者もいなくなる。
3 エフライムは要塞を失い、ダマスコは王国を失う。
アラムの残りの者は、イスラエル人の栄光のように扱われる。
――万軍の主の御告げ――

4 その日、ヤコブの栄光は衰え、その肉の脂肪はやせ細る。
5 刈り入れ人が立穂を集め、その腕が穂を刈り入れるときのように、レファイムの谷で落穂を拾うときのようになる。
6 オリーブを打ち落とすときのように、取り残された実がその中に残される。
二つ三つのうれた実がこずえに、四つ五つが実りのある枝に残される。
――イスラエルの神、主の御告げ――

7 その日、人は自分を造られた方に目を向け、その目はイスラエルの聖なる方を見、
8 自分の手で造った祭壇に目を向けず、自分の指で造ったもの、アシェラ像や香の台を見もしない。
9 その日、その堅固な町々は、森の中の見捨てられた所のようになり、かつてイスラエル人によって捨てられた山の頂のようになり、そこは荒れ果てた地となる。
10 あなたが救いの神を忘れて
あなたの力の岩を覚えていなかったからだ。
それで、あなたは好ましい植木を植え、他国のぶどうのつるをさす。
11 あなたが植えたものを育てるときに、朝、あなたの種を花咲かせても、病といやしがたい痛みの日に、その刈り入れは逃げうせる。

12 ああ。多くの国々の民がざわめき――
海のとどろきのように、ざわめいている。
ああ、国民の騒ぎ――
大水の騒ぐように、騒いでいる。
13 国民は、大水が騒ぐように、騒いでいる。
しかし、それをしかると、遠くへ逃げる。
山の上で風に吹かれるもみがらのよう、つむじ風の前でうず巻くちりのように、彼らは吹き飛ばされる。
14 夕暮れには、見よ、突然の恐怖。
夜明けの前に、彼らはいなくなる。
これこそ、私たちから奪い取る者たちの分け前、私たちをかすめ奪う者たちの受ける割り当て。

18章
1 ああ。
クシュの川々のかなたにある羽こおろぎの国。
2 この国は、パピルスの船を水に浮かべて、海路、使いを送る。
すばやい使者よ、行け。
背の高い、はだのなめらかな国民のところに。
あちこちで恐れられている民のところに。
多くの川の流れる国、力の強い、踏みにじる国に。
3 世界のすべての住民よ。
地に住むすべての者よ。
山々に旗の揚がるときは見よ。
角笛が吹き鳴らされるときは聞け。
4 主が私にこう仰せられたからだ。
「わたしは静まって、わたしの所からながめよう。
照りつける暑さで暑いころ、刈り入れ時の暑いときの露の濃い雲のように。」
5 刈り入れ前につぼみが開き、花ぶさが育って、酸いぶどうになるとき、人はその枝をかまで切り、そのつるを取り去り、切り除くからだ。
6 それらはいっしょにして、山々の猛禽や野獣のために投げ捨てられ、猛禽はその上で夏を過ごし、野獣はみな、その上で冬を過ごす。
7 そのとき、万軍の主のために、背の高い、はだのなめらかな民、あちこちで恐れられている民、多くの川の流れる国、力の強い、踏みにじる国から、万軍の主の名のある所、シオンの山に、贈り物が運ばれて来る。

19章
1 エジプトに対する宣告。
見よ。主は速い雲に乗って
エジプトに来る。
エジプトの偽りの神々はその前にわななき、エジプト人の心も真底からしなえる。
2 わたしは、エジプト人を駆り立てて
エジプト人にはむかわせる。
兄弟は兄弟と、友人は友人と、町は町と、王国は王国と、相逆らって争う。
3 エジプトの霊はその中で衰える。
わたしがその計画をかき乱す。
彼らは偽りの神々や死霊、霊媒や口寄せに伺いを立てる。
4 わたしは、エジプト人を
きびしい主人の手に引き渡す。
力ある王が彼らを治める。
――万軍の主、主の御告げ――

5 海から水が干され、川は干上がり、かれる。
6 多くの運河は臭くなり、エジプトの川々は、水かさが減って、干上がり、葦や蘆も枯れ果てる。
7 ナイル川やその河口のほとりの水草も、その川の種床もみな枯れ、吹き飛ばされて何もない。
8 漁夫たちは悲しみ、ナイル川で釣りをする者もみな嘆き、水の上に網を打つ者も打ちしおれる。
9 亜麻をすく労務者や、白布を織る者は恥を見、
10 この国の機織人たちは砕かれ、雇われて働く者はみな、心を痛める。
11 ツォアンの首長たちは全く愚か者だ。
パロの知恵ある議官たちも
愚かなはかりごとをする。
どうして、あなたがたはパロに向かって、「私は、知恵ある者の子、昔の王たちの子です」と言えようか。
12 あなたの知恵ある者たちは
いったいどこにいて、あなたに告げ知らせようというのか。
万軍の主がエジプトに何を計られたかを。
13 ツォアンの首長たちは愚か者、ノフの首長たちはごまかす者。
その諸族のかしらたちは、エジプトを迷わせた。
14 主が、彼らの中に、よろめく霊を吹き入れられたので、彼らは、あらゆることでエジプトを迷わせ、酔いどれがへどを吐き吐きよろめくようにした。
15 それで、頭も尾も、なつめやしの葉も葦も、エジプト人のために、なすべきわざがない。
16 その日、エジプト人は、女のようになり、万軍の主が自分たちに向かって振り上げる御手を見て、恐れおののく。
17 ユダの地はエジプトにとっては恐れとなる。これを思い出す者はみな、万軍の主がエジプトに対して計るはかりごとのためにおののく。
18 その日、エジプトの国には、カナン語を話し、万軍の主に誓いを立てる五つの町が起こり、その一つは、イル・ハヘレスと言われる。
19 その日、エジプトの国の真ん中に、主のために、一つの祭壇が建てられ、その国境のそばには、主のために一つの石の柱が立てられ、
20 それがエジプトの国で、万軍の主のしるしとなり、あかしとなる。彼らがしいたげられて主に叫ぶとき、主は、彼らのために戦って彼らを救い出す救い主を送られる。
21 そのようにして主はエジプト人にご自身を示し、その日、エジプト人は主を知り、いけにえとささげ物をもって仕え、主に誓願を立ててこれを果たす。
22 主はエジプト人を打ち、打って彼らをいやされる。彼らが主に立ち返れば、彼らの願いを聞き入れ、彼らをいやされる。
23 その日、エジプトからアッシリヤへの大路ができ、アッシリヤ人はエジプトに、エジプト人はアッシリヤに行き、エジプト人はアッシリヤ人とともに主に仕える。
24 その日、イスラエルはエジプトとアッシリヤと並んで、第三のものとなり、大地の真ん中で祝福を受ける。
25 万軍の主は祝福して言われる。「わたしの民エジプト、わたしの手でつくったアッシリヤ、わたしのものである民イスラエルに祝福があるように。」

20章
1 アッシリヤの王サルゴンによって派遣されたタルタンがアシュドデに来て、アシュドデを攻め、これを取った年――
2 そのとき、主はアモツの子イザヤによって、語られた。こうである。「行って、あなたの腰の荒布を解き、あなたの足のはきものを脱げ。」それで、彼はそのようにし、裸になり、はだしで歩いた。
3 そのとき、主は仰せられた。「わたしのしもべイザヤが、三年間、エジプトとクシュに対するしるしとして、また前兆として、裸になり、はだしで歩いたように、
4 アッシリヤの王は、エジプトのとりことクシュの捕囚の民を、若い者も年寄りも裸にし、はだしにし、尻をまくり、エジプトの隠しどころをむき出しにして連れて行く。
5 人々は、クシュを頼みとし、エジプトを栄えとしていたので、おののき恥じる。
6 その日、この海辺の住民は言う。『見よ。アッシリヤの王の手から救ってもらおうと、助けを求めて逃げて来た私たちの拠り所は、この始末だ。私たちはどうしてのがれることができようか。』」

21章
1 海の荒野に対する宣告。
ネゲブに吹きまくるつむじ風のように、それは、荒野から、恐ろしい地からやって来る。
2 きびしい幻が、私に示された。
裏切る者は裏切り、荒らす者は荒らす。
エラムよ、上れ。メディヤよ、囲め。
すべての嘆きを、私は終わらせる。
3 それゆえ、私の腰は苦痛で満ちた。
女の産みの苦しみのような苦しみが
私を捕らえた。
私は、心乱れて聞くにたえない。
恐ろしさのあまり、見るにたえない。
4 私の心は迷い、恐怖が私を震え上がらせた。
私が恋い慕っていたたそがれも、私にとっては恐れとなった。
5 彼らは食卓を整え、座席を並べて、飲み食いしている。
「立ち上がれ、首長たち。
盾に油を塗れ。」

6 主は私にこう仰せられた。
「さあ、見張りを立たせ、見たことを告げさせよ。
7 戦車や、二列に並んだ騎兵、ろばに乗った者や、らくだに乗った者を見たなら、よくよく注意を払わせよ。」

8 すると獅子が叫んだ。
「主よ。私は昼間はずっと物見の塔の上に立ち、夜はいつも私の見張り所についています。
9 ああ、今、戦車や兵士、二列に並んだ騎兵がやって来ます。
彼らは互いに言っています。
『倒れた。バビロンは倒れた。
その神々のすべての刻んだ像も
地に打ち砕かれた』と。」

10 踏みにじられた私の民、打ち場の私の子らよ。
私はイスラエルの神、万軍の主から聞いた事を、あなたがたに告げたのだ。

11 ドマに対する宣告。
セイルから、私に叫ぶ者がある。
「夜回りよ。今は夜の何時か。
夜回りよ。今は夜の何時か。」
12 夜回りは言った。
「朝が来、また夜も来る。尋ねたければ尋ねよ。
もう一度、来るがよい。」

13 アラビヤに対する宣告。
デダン人の隊商よ。アラビヤの林に宿れ。
14 テマの地の住民よ。
渇いている者に会って、水をやれ。
のがれて来た者にパンを与えてやれ。
15 彼らは、剣や、抜き身の剣から、張られた弓や激しい戦いから
のがれて来たのだから。
16 まことに主は私に、こう仰せられる。「雇い人の年季のように、もう一年のうちに、ケダルのすべての栄光は尽き果て、
17 ケダル人の勇士たちで、残った射手たちの数は少なくなる。」
イスラエルの神、主が告げられたのだ。

22章
1 幻の谷に対する宣告。
これはいったいどうしたことか。
おまえたちみな、屋根に上って。
2 喧噪に満ちた、騒がしい町、おごった都よ。
おまえのうちの殺された者たちは、剣で刺し殺されたのでもなく、戦死したのでもない。
3 おまえの首領たちは、こぞって逃げた。
彼らは弓を引かないうちに捕らえられ、おまえのうちの見つけられた者も、遠くへ逃げ去る前に、みな捕らえられた。
4 それで、私は言う。
「私から目をそらしてくれ、私は激しく泣きたいのだ。
私の民、この娘の破滅のことで、無理に私を慰めてくれるな。」

5 なぜなら、恐慌と蹂躙と混乱の日は、万軍の神、主から来るからだ。
幻の谷では、城壁の崩壊、山への叫び。
6 エラムは矢筒を負い、戦車と兵士と騎兵を引き連れ、キルは盾のおおいを取った。
7 おまえの最も美しい谷は戦車で満ち、騎兵は城門で立ち並んだ。
8 こうしてユダのおおいは除かれ、その日、おまえは森の宮殿の武器に目を向けた。
9 おまえたちは、ダビデの町の破れの多いのを見て、下の池の水を集めた。
10 また、エルサレムの家を数え、その家をこわして城壁を補強し、
11 二重の城壁の間に貯水池を造って、古い池の水を引いた。
しかし、おまえたちは、これをなさった方に目もくれず、昔からこれを計画された方を
目にも留めなかった。

12 その日、万軍の神、主は、「泣け。悲しめ。頭を丸めて、荒布をまとえ」と
呼びかけられたのに、
13 なんと、おまえたちは楽しみ喜び、牛を殺し、羊をほふり、肉を食らい、ぶどう酒を飲み、「飲めよ。食らえよ。
どうせ、あすは死ぬのだから」と言っている。
14 そこで万軍の主は、私の耳を開かれた。
「この罪は、おまえたちが死ぬまでは決して赦されない」と、万軍の神、主は仰せられた。

15 万軍の神、主は、こう仰せられる。

さあ、宮廷をつかさどる
あの執事シェブナのところに行け。

16 あなたは自分のために、ここに墓を掘ったが、ここはあなたに何のかかわりがあるのか。
ここはあなたのだれにかかわりがあるのか。
高い所に自分の墓を掘り、岩に自分の住まいを刻んで。
17 ああ、ますらおよ。
主はあなたを遠くに投げやる。
主はあなたをわしづかみにし、
18 あなたをまりのように、くるくる丸めて、広い広い地に投げ捨てる。
あなたはそこで死ぬ。
あなたの誇った車もそこで。
主人の家の恥さらしよ。
19 わたしはあなたをその職から追放し、あなたの地位から引き降ろす。

20 その日、わたしは、わたしのしもべ、ヒルキヤの子エルヤキムを召し、
21 あなたの長服を彼に着せ、あなたの飾り帯を彼に締め、あなたの権威を彼の手にゆだねる。
彼はエルサレムの住民とユダの家の父となる。
22 わたしはまた、ダビデの家のかぎを彼の肩に置く。
彼が開くと、閉じる者はなく、彼が閉じると、開く者はない。
23 わたしは、彼を一つの釘として、確かな場所に打ち込む。
彼はその父の家にとって栄光の座となる。
24 彼の上に、父の家のすべての栄光がかけられる。
子も孫も、すべての小さい器も、鉢の類からすべてのつぼの類に至るまで。

25 その日、――万軍の主の御告げ――
確かな場所に打ち込まれた一つの釘は
抜き取られ、折られて落ち、その上にかかっていた荷も取りこわされる。
主が語られたのだ。

23章
1 ツロに対する宣告。
タルシシュの船よ。泣きわめけ。
ツロは荒らされて、家も港もなくなった、と
キティムの地から、彼らに示されたのだ。
2 海辺の住民よ。黙せ。
海を渡るシドンの商人はあなたを富ませていた。
3 大海によって、シホルの穀物、ナイルの刈り入れがあなたの収穫となり、あなたは諸国と商いをしていた。
4 シドンよ、恥を見よ、と海が言う。
海のとりでがこう言っている。
「私は産みの苦しみをせず、子を産まず、若い男を育てず、若い女を養ったこともない。」
5 エジプトがこのツロのうわさを聞いたなら、ひどく苦しもう。

6 海辺の住民よ。
タルシシュへ渡り、泣きわめけ。
7 これが、あなたがたのおごった町なのか。
その起こりは古く、その足を遠くに運んで移住したものを。
8 だれが、王冠をいただくツロに対して
これを計ったのか。
その商人は君主たち、そのあきゅうどは世界で最も尊ばれていたのに。
9 万軍の主がそれを計り、すべての麗しい誇りを汚し、すべて世界で最も尊ばれている者を
卑しめられた。

10 タルシシュの娘よ。
ナイル川のように、自分の国にあふれよ。
だが、もうこれを制する者がいない。
11 主は御手を海の上に伸ばし、王国をおののかせた。
主は命令を下してカナンのとりでを滅ぼした。
12 そして仰せられた。
「もう二度とこおどりして喜ぶな。
しいたげられたおとめ、シドンの娘よ。
立ってキティムに渡れ。
そこでもあなたは休めない。」
13 見よ、カルデヤ人の国を。
――この民はもういない。
アッシリヤ人が
これを荒野の獣の住む所にした。――
彼らは、やぐらを立てて、その宮殿をかすめ、そこを廃墟にした。
14 タルシシュの船よ。泣きわめけ。
あなたがたのとりでが荒らされたからだ。
15 その日になると、ツロは、ひとりの王の年代の七十年の間忘れられる。七十年が終わって、ツロは遊女の歌のようになる。
16 「立琴を取り、町を巡れ、忘れられた遊女よ。
うまくひけ、もっと歌え、思い出してもらうために。」
17 七十年がたつと、主はツロを顧みられるので、彼女は再び遊女の報酬を得、地のすべての王国と地上で淫行を行う。
18 その儲け、遊女の報酬は、主にささげられ、それはたくわえられず、積み立てられない。その儲けは、主の前に住む者たちが、飽きるほど食べ、上等の着物を着るためのものとなるからだ。

24章
1 見よ。主は地を荒れすたらせ、その面をくつがえして、その住民を散らされる。
2 民は祭司と等しくなり、奴隷はその主人と、女奴隷はその女主人と、買い手は売り手と、貸す者は借りる者と、債権者は債務者と等しくなる。
3 地は荒れに荒れ、全くかすめ奪われる。
主がこのことばを語られたからである。
4 地は嘆き悲しみ、衰える。
世界はしおれ、衰える。
天も地とともにしおれる。
5 地はその住民によって汚された。
彼らが律法を犯し、定めを変え、とこしえの契約を破ったからである。
6 それゆえ、のろいは地を食い尽くし、その地の住民は罪ある者とされる。
それゆえ、地の住民は減り、わずかな者が残される。
7 新しいぶどう酒は嘆き悲しみ、ぶどうの木はしおれ、心楽しむ者はみな、ため息をつく。

8 陽気なタンバリンの音は終わり、はしゃぐ者の騒ぎもやみ、陽気な立琴の音も終わる。
9 歌いながらぶどう酒を飲むこともなく、強い酒を飲んでも、それは苦い。
10 都はこわされて荒地のようになり、すべての家は閉ざされて、入れない。
11 ちまたには、ぶどう酒はなく、悲しみの叫び。
すべての喜びは薄れ、地の楽しみは取り去られる。
12 町はただ荒れ果てたままに残され、城門は打ち砕かれて荒れ果てる。
13 それは、世界の真ん中で、国々の民の間で、オリーブの木を打つときのように、ぶどうの取り入れが終わって、取り残しの実を集めるときのようになるからだ。

14 彼らは、声を張り上げて喜び歌い、海の向こうから主の威光をたたえて叫ぶ。
15 それゆえ、東の国々で主をあがめ、西の島々で、イスラエルの神、主の御名をあがめよ。
16 私たちは、「正しい者に誉れあれ」という
地の果てからのほめ歌を聞く。
しかし、私は言った。
「私はだめだ、私はだめだ。
なんと私は不幸なことか。
裏切る者は裏切り、裏切り者は、裏切り、裏切った。」
17 地上の住民よ。
恐れと、落とし穴と、わなとがあなたにかけられ、
18 その恐れの叫びから逃げる者は、その落とし穴に落ち、落とし穴からはい上がる者は、そのわなに捕らえられる。
天の窓が開かれ、地の基が震えるからだ。
19 地は裂けに裂け、地はゆるぎにゆるぎ、地はよろめきによろめく。
20 地は酔いどれのように、ふらふら、ふらつき、仮小屋のように揺り動かされる。
そのそむきの罪が地の上に重くのしかかり、地は倒れて、再び起き上がれない。

21 その日、主は天では天の大軍を、地では地上の王たちを罰せられる。
22 彼らは囚人が地下牢に集められるように
集められ、牢獄に閉じ込められ、それから何年かたって後、罰せられる。
23 月ははずかしめを受け、日も恥を見る。
万軍の主がシオンの山、エルサレムで王となり、栄光がその長老たちの前に輝くからである。

25章
1 主よ。あなたは私の神。
私はあなたをあがめ、あなたの御名をほめたたえます。
あなたは遠い昔からの不思議なご計画を、まことに、忠実に成し遂げられました。

2 あなたは町を石くれの山とし、城壁のある都を廃墟にされたので、他国人の宮殿は町からうせ、もう、永久に建てられることはありません。
3 それで、力強い民も、あなたをほめたたえ、横暴な国々の都も、あなたを恐れます。
4 あなたは弱っている者のとりで、貧しい者の悩みのときのとりで、あらしのときの避け所、暑さを避ける陰となられたからです。
横暴な者たちの息は、壁に吹きつけるあらしのようだからです。
5 砂漠のひでりのように、あなたは他国人の騒ぎを押さえ、濃い雲の陰になってしずまる暑さのように、横暴な者たちの歌はしずめられます。

6 万軍の主はこの山の上で万民のために、あぶらの多い肉の宴会、良いぶどう酒の宴会、髄の多いあぶらみと
よくこされたぶどう酒の宴会を催される。
7 この山の上で、万民の上をおおっている顔おおいと、万国の上にかぶさっているおおいを取り除き、
8 永久に死を滅ぼされる。
神である主はすべての顔から涙をぬぐい、ご自分の民へのそしりを全地の上から除かれる。
主が語られたのだ。
9 その日、人は言う。
「見よ。この方こそ、私たちが救いを待ち望んだ私たちの神。
この方こそ、私たちが待ち望んだ主。
その御救いを楽しみ喜ぼう。」
10 主の御手がこの山にとどまるとき、わらが肥だめの水の中で踏みつけられるように、モアブはその所で踏みつけられる。
11 泳ぐ者が泳ごうとして手を伸ばすように、モアブはその中で手を伸ばすが、その手を伸ばしてみるごとに、主はその高ぶりを低くされる。
12 主はあなたの城壁のそそり立つ要塞を
引き倒して、低くし、地に投げつけて、ちりにされる。

26章
1 その日、ユダの国でこの歌が歌われる。

私たちには強い町がある。
神はその城壁と塁で私たちを救ってくださる。
2 城門をあけて、誠実を守る正しい民を入らせよ。

3 志の堅固な者を、あなたは全き平安のうちに守られます。
その人があなたに信頼しているからです。

4 いつまでも主に信頼せよ。
ヤハ、主は、とこしえの岩だから。
5 主は高い所、そびえ立つ都に住む者を引き倒し、これを下して地に倒し、これを投げつけて、ちりにされる。
6 貧しい者の足、弱い者の歩みが、これを踏みつける。

7 義人の道は平らです。
あなたは義人の道筋をならして平らにされます。
8 主よ。まことにあなたのさばきの道で、私たちはあなたを待ち望み、私たちのたましいは、あなたの御名、あなたの呼び名を慕います。
9 私のたましいは、夜あなたを慕います。
まことに、私の内なる霊は
あなたを切に求めます。
あなたのさばきが地に行われるとき、世界の住民は義を学んだからです。
10 悪者はあわれみを示されても、義を学びません。
正直の地で不正をし、主のご威光を見ようともしません。
11 主よ。あなたの御手が上げられても、彼らは認めません。
どうか彼らが、この民へのあなたの熱心を認めて
恥じますように。
まことに火が、あなたに逆らう者を
なめ尽くしますように。
12 主よ。あなたは、私たちのために平和を備えておられます。
私たちのなすすべてのわざも、あなたが私たちのために
してくださったのですから。
13 私たちの神、主よ。
あなた以外の多くの君主が、私たちを治めましたが、私たちは、ただあなたによってのみ、御名を唱えます。
14 死人は生き返りません。
死者の霊はよみがえりません。
それゆえ、あなたは彼らを罰して滅ぼし、彼らについてのすべての記憶を
消し去られました。

15 主よ。あなたはこの国民を増し加え、増し加えて、この国民に栄光を現し、この国のすべての境を広げられました。
16 主よ。苦難の時に、彼らはあなたを求め、あなたが彼らを懲らしめられたので、彼らは祈ってつぶやきました。
17 子を産む時が近づいて、そのひどい痛みに、苦しみ叫ぶ妊婦のように。
主よ。私たちは御前にそのようでした。
18 私たちもみごもり、産みの苦しみをしましたが、それはあたかも、風を産んだようなものでした。
私たちは救いを地にもたらさず、世界の住民はもう生まれません。

19 あなたの死人は生き返り、私のなきがらはよみがえります。
さめよ、喜び歌え。ちりに住む者よ。
あなたの露は光の露。
地は死者の霊を生き返らせます。

20 さあ、わが民よ。
あなたの部屋に入り、うしろの戸を閉じよ。
憤りの過ぎるまで、ほんのしばらく、身を隠せ。
21 見よ。主はご自分の住まいから出て来て、地に住む者の罪を罰せられるからだ。
地はその上に流された血を現し、その上で殺された者たちを、もう、おおうことをしない。

27章
1 その日、主は、鋭い大きな強い剣で、逃げ惑う蛇レビヤタン、曲がりくねる蛇レビヤタンを罰し、海にいる竜を殺される。

2 その日、麗しいぶどう畑、これについて歌え。
3 わたし、主は、それを見守る者。
絶えずこれに水を注ぎ、だれも、それをそこなわないように、夜も昼もこれを見守っている。
4 わたしはもう怒らない。
もしも、いばらとおどろが、わたしと戦えば、わたしはそれを踏みつぶし、それをみな焼き払う。
5 しかし、もし、わたしのとりでにたよりたければ、わたしと和を結ぶがよい。
和をわたしと結ぶがよい。
6 時が来れば、ヤコブは根を張り、イスラエルは芽を出し、花を咲かせ、世界の面に実を満たす。

7 主は、イスラエルを打った者を打つように、イスラエルを打たれただろうか。
あるいは、イスラエルを殺した者を殺すように、イスラエルを殺されただろうか。
8 あなたは彼らを追い立て、追い出し、彼らと争い、東風の日、激しい風で彼らを追放された。
9 それゆえ、次のことによってヤコブの不義は赦される。
祭壇のすべての石を
粉々にされた石灰のようにし、アシェラ像と香の台をもう立てなくすること、これが、自分の罪を除いて得られる報酬の
すべてだ。
10 城壁のある町は、ひとり寂しく、ほうっておかれる牧場のようになり、荒野のように見捨てられる。
子牛はそこで草をはみ、そこに伏して、木の枝を食い尽くす。
11 その大枝が枯れると、それは折られ、女たちが来てこれを燃やす。
これは悟りのない民だからだ。
それゆえ、これを造った方は、これをあわれまず、これを形造った方は、これに恵みを与えない。

12 その日、主はユーフラテス川からエジプト川までの
穀物の穂を打ち落とされる。
イスラエルの子らよ。
あなたがたは、ひとりひとり拾い上げられる。
13 その日、大きな角笛が鳴り渡り、アッシリヤの地に失われていた者や、エジプトの地に散らされていた者たちが来て、エルサレムの聖なる山で、主を礼拝する。

28章
1 ああ。
エフライムの酔いどれの誇りとする冠、その美しい飾りのしぼんでゆく花。
これは、酔いつぶれた者たちの
肥えた谷の頂にある。
2 見よ。主は強い、強いものを持っておられる。
それは、刺し通して荒れ狂う雹のあらしのようだ。
激しい勢いで押し流す豪雨のようだ。
主はこれを力いっぱい地に投げつける。
3 エフライムの酔いどれの誇りとする冠は、足の下に踏みにじられ、
4 肥えた谷の頂にあって
これを美しく飾る花もしぼみ、夏前の初なりのいちじくの実のようになる。
だれかがそれを見つけると、それを手に取って、すぐのみこんでしまう。
5 その日、万軍の主は、民の残りの者にとって、美しい冠、栄えの飾り輪となり、
6 さばきの座に着く者にとって、さばきの霊となり、攻撃して来る者を城門で追い返す者にとって、力となられる。

7 しかし、これらの者もまた、ぶどう酒のためによろめき、強い酒のためにふらつき、祭司も預言者も、強い酒のためによろめき、ぶどう酒のために混乱し、強い酒のためにふらつき、幻を見ながらよろめき、さばきを下すときよろける。
8 どの食卓も吐いた汚物でいっぱいで、余す所もない。

9 「彼はだれに知識を教えようとしているのか。
だれに啓示を悟らせようとしているのか。
乳離れした子にか。乳房を離された子にか。
10 彼は言っている。
『戒めに戒め、戒めに戒め、規則に規則、規則に規則、ここに少し、あそこに少し』と。」

11 まことに主は、もつれた舌で、外国のことばで、この民に語られる。
12 主は、彼らに「ここにいこいがある。
疲れた者をいこわせよ。ここに休みがある」
と仰せられたのに、彼らは聞こうとはしなかった。
13 主は彼らに告げられる。
「戒めに戒め、戒めに戒め、規則に規則、規則に規則、ここに少し、あそこに少し。」
これは、彼らが歩くとき、うしろざまに倒れ、手足を折られ、わなにかかって
捕らえられるためである。

14 それゆえ、あざける者たち――
エルサレムにいてこの民を
物笑いの種にする者たちよ。
主のことばを聞け。
15 あなたがたは、こう言ったからだ。
「私たちは死と契約を結び、よみと同盟を結んでいる。
たとい、にわか水があふれ、越えて来ても、それは私たちには届かない。
私たちは、まやかしを避け所とし、偽りに身を隠してきたのだから。」

16 だから、神である主は、こう仰せられる。
「見よ。わたしはシオンに
一つの石を礎として据える。
これは、試みを経た石、堅く据えられた礎の、尊いかしら石。
これを信じる者は、あわてることがない。
17 わたしは公正を、測りなわとし、正義を、おもりとする。
雹は、まやかしの避け所を一掃し、水は隠れ家を押し流す。
18 あなたがたの死との契約は解消され、よみとの同盟は成り立たない。
にわか水があふれ、越えて来ると、あなたがたはそれに踏みにじられる。
19 それは押し寄せるたびに、あなたがたを捕らえる。
それは朝ごとに押し寄せる。昼も夜も。
この啓示を悟らせることは全く恐ろしい。」

20 寝床は、身を伸ばすには短すぎ、毛布も、身をくるむには狭すぎるようになる。
21 実に、主はペラツィムの山でのように起き上がり、ギブオンの谷でのように奮い立ち、そのみわざを行われる。
そのみわざは異なっている。
また、その働きをされる。
その働きは比類がない。
22 だから今、あなたがたはあざけり続けるな。
あなたがたを縛るかせが、きつくされるといけないから。
私は万軍の神、主から、全世界に下る決定的な全滅について
聞いているのだ。

23 あなたがたは、私の声に耳を傾けて聞け。
私の言うことを、注意して聞け。
24 農夫は、種を蒔くために、いつも耕して、その土地を起こし、まぐわでならしてばかりいるだろうか。
25 その地面をならしたら、ういきょうを蒔き、クミンの種を蒔き、小麦をうねに、大麦を定まった場所に、裸麦をその境に植えるではないか。
26 農夫を指図する神は、彼に正しく教えておられる。
27 ういきょうは打穀機で打たれず、クミンの上では脱穀車の車輪を回さない。
ういきょうは杖で、クミンは棒で打たれるからである。
28 パンのための麦は砕かれない。
打穀をいつまでも続けることがないからだ。
脱穀車の車輪を回しても、馬がこれを砕きはしない。
29 これもまた、万軍の主のもとから出ることで、そのはかりごとは奇しく、そのおもんぱかりはすばらしい。

29章
1 ああ。アリエル、アリエル。
ダビデが陣を敷いた都よ。
年に年を加え、祭りを巡って来させよ。
2 わたしはアリエルをしいたげるので、そこにはうめきと嘆きが起こり、そこはわたしにとっては祭壇の炉のようになる。
3 わたしは、あなたの回りに陣を敷き、あなたを前哨部隊で囲み、あなたに対して塁を築く。
4 あなたは倒れて、地の中から語りかけるが、あなたの言うことは、ちりで打ち消される。
あなたが地の中から出す声は、死人の霊の声のようになり、あなたの言うことは、ちりの中からのささやきのようになる。
5 しかし、あなたの敵の群れも、細かいほこりのようになり、横暴な者の群れは、吹き飛ぶもみがらのようになる。
しかも、それはにわかに、急に起こる。
6 万軍の主は、雷と地震と大きな音をもって、つむじ風と暴風と焼き尽くす火の炎をもって、あなたを訪れる。
7 アリエルに戦いをいどむすべての民の群れ、これを攻めて、これを取り囲み、これをしいたげる者たちはみな、夢のようになり、夜の幻のようになる。
8 飢えた者が、夢の中で食べ、目がさめると、その腹はからであるように、渇いている者が、夢の中で飲み、目がさめると、なんとも疲れて、のどが干からびているように、シオンの山に戦いをいどむすべての民の群れも、そのようになる。

9 のろくなれ。驚け。
目を堅くつぶって見えなくなれ。
彼らは酔うが、ぶどう酒によるのではない。
ふらつくが、強い酒によるのではない。
10 主が、あなたがたの上に深い眠りの霊を注ぎ、あなたがたの目、預言者たちを閉じ、あなたがたの頭、先見者たちをおおわれたから。
11 そこで、あなたがたにとっては、すべての幻が、封じられた書物のことばのようになった。これを、読み書きのできる人に渡して、「どうぞ、これを読んでください」と言っても、「これは、封じられているから読めない」と言い、
12 また、その書物を、読み書きのできない人に渡して、「どうぞ、これを読んでください」と言っても、「私は、読み書きができない」と答えよう。

13 そこで主は仰せられた。
「この民は口先で近づき、くちびるでわたしをあがめるが、その心はわたしから遠く離れている。
彼らがわたしを恐れるのは、人間の命令を教え込まれてのことにすぎない。
14 それゆえ、見よ、わたしはこの民に再び不思議なこと、驚き怪しむべきことをする。
この民の知恵ある者の知恵は滅び、悟りある者の悟りは隠される。」

15 ああ。
主に自分のはかりごとを深く隠す者たち。
彼らはやみの中で事を行い、そして言う。「だれが、私たちを見ていよう。
だれが、私たちを知っていよう」と。
16 ああ、あなたがたは、物をさかさに考えている。
陶器師を粘土と同じにみなしてよかろうか。
造られた者が、それを造った者に、「彼は私を造らなかった」と言い、陶器が陶器師に、「彼はわからずやだ」と言えようか。

17 もうしばらくすれば、確かに、レバノンは果樹園に変わり、果樹園は森とみなされるようになる。
18 その日、耳の聞こえない者が書物のことばを聞き、目の見えない者の目が暗黒とやみから物を見る。
19 へりくだる者は主によっていよいよ喜び、貧しい人はイスラエルの聖なる方によって
楽しむ。
20 横暴な者はいなくなり、あざける者は滅びてしまい、悪をしようとうかがう者はみな、断ち滅ぼされるからだ。
21 彼らは、うわさ話で他人を罪に陥れ、城門でさばきをする者のあげあしを取り、正しい人を、むなしい理由でくつがえす。

22 それゆえ、アブラハムを贖われた主は、ヤコブの家について、こう仰せられる。
「今からは、ヤコブは恥を見ることがない。
今からは、顔色を失うことがない。
23 彼が自分の子らを見、自分たちの中で、わたしの手のわざを見るとき、彼らはわたしの名を聖とし、ヤコブの聖なる方を聖とし、イスラエルの神を恐れるからだ。
24 心の迷っている者は悟りを得、つぶやく者もおしえを学ぶ。」

30章
1 「ああ。反逆の子ら。
――主の御告げ――
彼らははかりごとをめぐらすが、わたしによらず、同盟を結ぶが、わたしの霊によらず、罪に罪を増し加えるばかりだ。
2 彼らはエジプトに下って行こうとするが、わたしの指示をあおごうとしない。
パロの保護のもとに身を避け、エジプトの陰に隠れようとする。
3 しかし、パロの保護にたよることは、あなたがたの恥をもたらし、エジプトの陰に身を隠すことは、侮辱をもたらす。
4 その首長たちがツォアンにいても、その使者たちがハネスに着いても、
5 彼らはみな、自分たちの役に立たない民のため、はずかしめられる。
その民は彼らの助けとならず、役にも立たない。
かえって、恥となり、そしりとなる。」

6 ネゲブの獣に対する宣告。
「苦難と苦悩の地を通り、雌獅子や雄獅子、まむしや飛びかける燃える蛇のいる所を通り、彼らはその財宝をろばの背に載せ、宝物をらくだのこぶに載せて、役にも立たない民のところに運ぶ。
7 そのエジプトの助けはむなしく、うつろ。
だから、わたしはこれを
『何もしないラハブ』と呼んでいる。」

8 今、行って、これを彼らの前で板に書き、書物にこれを書きしるし、後の日のためとせよ。世々限りなく。
9 彼らは反逆の民、うそつきの子ら、主のおしえを聞こうとしない子らだから。
10 彼らは予見者に「見るな」と言い、先見者にはこう言う。
「私たちに正しいことを預言するな。
私たちの気に入ることを語り、偽りの預言をせよ。
11 道から離れ、小道からそれ、私たちの前からイスラエルの聖なる方を消せ。」

12 それゆえ、イスラエルの聖なる方は、こう仰せられる。
「あなたがたはわたしの言うことを
ないがしろにし、しいたげと悪巧みに拠り頼み、これにたよった。
13 それゆえ、このあなたがたの不義は、そそり立つ城壁に広がって
今にもそれを倒す裂け目のようになる。
それは、にわかに、急に、破滅をもたらす。
14 その破滅は、陶器師のつぼが
容赦なく打ち砕かれるときのような破滅。
その破片で、炉から火を集め、水ためから水を汲むほどのかけらさえ
見いだされない。」

15 神である主、イスラエルの聖なる方は、こう仰せられる。
「立ち返って静かにすれば、あなたがたは救われ、落ち着いて、信頼すれば、あなたがたは力を得る。」
しかし、あなたがたは、これを望まなかった。
16 あなたがたは言った。
「いや、私たちは馬に乗って逃げよう。」
それなら、あなたがたは逃げてみよ。
「私たちは早馬に乗って。」
それなら、あなたがたの追っ手はなお速い。
17 ひとりのおどしによって千人が逃げ、五人のおどしによってあなたがたが逃げ、ついに、山の頂の旗ざお、丘の上の旗ぐらいしか残るまい。

18 それゆえ、主は
あなたがたに恵もうと待っておられ、あなたがたをあわれもうと立ち上がられる。
主は正義の神であるからだ。
幸いなことよ。主を待ち望むすべての者は。
19 ああ、シオンの民、エルサレムに住む者。もうあなたは泣くことはない。あなたの叫び声に応じて、主は必ずあなたに恵み、それを聞かれるとすぐ、あなたに答えてくださる。
20 たとい主があなたがたに、乏しいパンとわずかな水とを賜っても、あなたの教師はもう隠れることなく、あなたの目はあなたの教師を見続けよう。
21 あなたが右に行くにも左に行くにも、あなたの耳はうしろから「これが道だ。これに歩め」と言うことばを聞く。
22 あなたは、銀をかぶせた刻んだ像と、金をかぶせた鋳物の像を汚し、汚れた物としてそれをまき散らし、これに「出て行け」と言うであろう。
23 主は、あなたが畑に蒔く種に雨を降らせ、その土地の産する食物は豊かで滋養がある。その日、あなたの家畜の群れは、広々とした牧場で草をはみ、
24 畑を耕す牛やろばは、シャベルや熊手でふるい分けられた味の良いまぐさを食べる。
25 大いなる虐殺の日、やぐらの倒れる日に、すべての高い山、すべてのそびえる丘の上にも、水の流れる運河ができる。
26 主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日に、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍になって、七つの日の光のようになる。

27 見よ。主の御名が遠くから来る。
その怒りは燃え、その燃え上がることはものすごく、くちびるは憤りで満ち、舌は焼き尽くす火のようだ。
28 その息は、ほとばしって、首に達するあふれる流れのようだ。
破滅のふるいで国々をふるい、迷い出させる手綱を、国々の民のあごにかける。

29 あなたがたは、祭りを祝う夜のように歌い、主の山、イスラエルの岩に行くために、笛に合わせて進む者のように心楽しむ。
30 しかし、主は威厳のある御声を聞かせ、激しい怒りと、焼き尽くす火の炎と、大雨と、あらしと、雹の石をもって、御腕の下るのを示される。

31 主の御声を聞いてアッシリヤはおののく。
主が杖でこれを打たれるからだ。
32 主がこれに下す懲らしめのむちのしなうごとに、タンバリンと立琴が鳴らされる。
主は武器を振り動かして、これと戦う。
33 すでにトフェテも整えられ、特に王のために備えられているからだ。
それは深く、広くされてあり、そこには火とたきぎとが多く積んである。
主の息は硫黄の流れのように、それを燃やす。

31章
1 ああ。
助けを求めてエジプトに下る者たち。
彼らは馬にたより、多数の戦車と、非常に強い騎兵隊とに拠り頼み、イスラエルの聖なる方に目を向けず、主を求めない。
2 しかし主は、知恵ある方、わざわいをもたらし、みことばを取り消さない。
主は、悪を行う者の家と、不法を行う者を助ける者とを攻めたてられる。
3 エジプト人は人間であって神ではなく、彼らの馬も、肉であって霊ではない。
主が御手を伸ばすと、助ける者はつまずき、助けられる者は倒れて、みな共に滅び果てる。

4 まことに主は、私にこう仰せられる。
「獅子、あるいは若獅子が
獲物に向かってほえるとき、牧者がみなそのところに集められても、それは、彼らの声に脅かされず、彼らの騒ぎにも動じない。
そのように、万軍の主は下って来て、シオンの山とその丘を攻める。
5 万軍の主は飛びかける鳥のように、エルサレムを守り、これを守って救い出し、これを助けて解放する。」

6 イスラエルの子らよ。あなたがたが反逆を深めているその方のもとに帰れ。
7 その日、イスラエルの子らは、おのおの自分のために自分の手で造って罪を犯した銀の偽りの神々や金の偽りの神々を退けるからだ。
8 アッシリヤは人間のものでない剣に倒れ、人間のものでない剣が彼らを食い尽くす。
アッシリヤは剣の前から逃げ、若い男たちは苦役につく。
9 岩も恐れのために過ぎ去り、首長たちも旗を捨てておののき逃げる。
――シオンに火を持ち、エルサレムにかまどを持つ主の御告げ――

32章
1 見よ。ひとりの王が正義によって治め、首長たちは公義によってつかさどる。
2 彼らはみな、風を避ける避け所、あらしを避ける隠れ場のようになり、砂漠にある水の流れ、かわききった地にある
大きな岩の陰のようになる。
3 見る者は目を堅く閉ざさず、聞く者は耳を傾ける。
4 気短な者の心も知識を悟り、どもりの舌も、はっきりと早口で語ることができる。
5 もはや、しれ者が
高貴な人と呼ばれることがなく、ならず者が上流の人と言われることもない。

6 なぜなら、しれ者は恥ずべきことを語り、その心は不法をたくらんで、神を敬わず、主に向かって迷いごとを語り、飢えている者を飢えさせ、渇いている者に飲み物を飲ませないからだ。
7 ならず者、そのやり方は悪い。
彼はみだらなことをたくらみ、貧しい者が正しいことを申し立てても、偽りを語って身分の低い者を滅ぼす。
8 しかし、高貴な人は高貴なことを計画し、高貴なことを、いつもする。

9 のんきな女たちよ。
立ち上がって、わたしの声を聞け。
うぬぼれている娘たちよ。
わたしの言うことに耳を傾けよ。
10 うぬぼれている女たちよ。
一年と少しの日がたつと、あなたがたはわななく。
ぶどうの収穫がなくなり、その取り入れもできなくなるからだ。
11 のんきな女たちよ。おののけ。
うぬぼれている女たちよ。わななけ。
着物を脱ぎ、裸になり、腰に荒布をまとえ。
12 胸を打って嘆け。
麗しい畑、実りの多いぶどうの木のために。
13 いばらやおどろの生い茂る
わたしの民の土地のために。
そして、すべての楽しい家々、おごる都のために。
14 なぜなら、宮殿は見捨てられ、町の騒ぎもさびれ、オフェルと見張りの塔は、いつまでも荒地となり、野ろばの喜ぶ所、羊の群れの牧場となるからだ。

15 しかし、ついには、上から霊が私たちに注がれ、荒野が果樹園となり、果樹園が森とみなされるようになる。
16 公正は荒野に宿り、義は果樹園に住む。
17 義は平和をつくり出し、義はとこしえの平穏と信頼をもたらす。
18 わたしの民は、平和な住まい、安全な家、安らかないこいの場に住む。
19 ――雹が降ってあの森を倒し、あの町は全く卑しめられる。――
20 ああ、幸いなことよ。
すべての水のほとりに種を蒔き、牛とろばとを放し飼いするあなたがたは。

33章
1 ああ。
自分は踏みにじられなかったのに、人を踏みにじり、自分は裏切られなかったのに、人を裏切るあなたは。
あなたが踏みにじることを終えるとき、あなたは踏みにじられ、あなたが裏切りをやめるとき、あなたは裏切られる。

2 主よ。私たちをあわれんでください。
私たちはあなたを待ち望みます。
朝ごとに、私たちの腕となり、苦難の時の私たちの救いとなってください。
3 騒ぎの声に国々の民は逃げ、あなたが立ち上がると、国は散らされます。

4 あなたがたの分捕り物は、油虫が物を集めるように集められ、いなごの群れが飛びつくように飛びつかれる。

5 主はいと高き方で、高い所に住み、シオンを公正と正義で満たされる。

6 あなたの時代は堅く立つ。
知恵と知識とが、救いの富である。
主を恐れることが、その財宝である。

7 見よ。彼らの勇士はちまたで叫び、平和の使者たちは激しく泣く。
8 大路は荒れ果て、道行く者はとだえ、契約は破られ、町々は捨てられ、人は顧みられない。
9 国は喪に服し、しおれ、レバノンははずかしめを受けて、しなび、シャロンは荒地のようになり、バシャンもカルメルも葉を振り落とす。

10 「今、わたしは立ち上がる」と主は仰せられる。
「今、わたしは自分を高め、今、あがめられるようにしよう。
11 あなたがたは枯れ草をはらみ、わらを産む。
あなたがたの息は、あなたがたを食い尽くす火だ。
12 国々の民は焼かれて石灰となり、刈り取られて火をつけられるいばらとなる。

13 遠くの者よ。わたしのしたことを聞け。
近くの者よ。わたしの力を知れ。」
14 罪人たちはシオンでわななき、神を敬わない者は恐怖に取りつかれる。
「私たちのうち、だれが焼き尽くす火に耐えられよう。
私たちのうち、だれがとこしえに燃える炉に耐えられよう。」
15 正義を行う者、まっすぐに語る者、強奪による利得を退ける者、手を振ってわいろを取らない者、耳を閉じて血なまぐさいことを聞かない者、目を閉じて悪いことを見ない者、
16 このような人は、高い所に住み、そのとりでは岩の上の要害である。
彼のパンは与えられ、その水は確保される。

17 あなたの目は、麗しい王を見、遠く広がった国を見る。
18 あなたの心は、恐ろしかった事どもを思い起こす。
「数えた者はどこへ行ったのか。
測った者はどこへ行ったのか。
やぐらを数えた者はどこへ行ったのか。」
19 あなたは、もう横柄な民を見ない。
この民のことばはわかりにくく、その舌はどもって、わけがわからない。

20 私たちの祝祭の都、シオンを見よ。
あなたの目は、安らかな住まい、取り払われることのない天幕、エルサレムを見る。
その鉄のくいはとこしえに抜かれず、その綱は一つも切られない。
21 しかも、そこには威厳のある主が
私たちとともにおられる。
そこには多くの川があり、広々とした川がある。
櫓をこぐ船もそこを通わず、大船もそこを通らない。
22 まことに、主は私たちをさばく方、主は私たちの立法者、主は私たちの王、この方が私たちを救われる。

23 あなたの帆の綱は解け、帆柱の基は、結びつけることができず、帆は、張ることもできない。
そのとき、おびただしい分捕り物や獲物は
分け取られ、足のなえた者も獲物をかすめる。
24 そこに住む者は、だれも
「私は病気だ」とは言わず、そこに住む民の罪は赦される。

34章
1 国々よ。近づいて聞け。
諸国の民よ。耳を傾けよ。
地と、それに満ちるもの、世界と、そこから生え出たすべてのものよ。聞け。
2 主がすべての国に向かって怒り、すべての軍勢に向かって憤り、彼らを聖絶し、彼らが虐殺されるままにされたからだ。
3 彼らの殺された者は投げやられ、その死体は悪臭を放ち、山々は、その血によって溶ける。
4 天の万象は朽ち果て、天は巻き物のように巻かれる。
その万象は、枯れ落ちる。
ぶどうの木から葉が枯れ落ちるように。
いちじくの木から葉が枯れ落ちるように。

5 天ではわたしの剣に血がしみ込んでいる。
見よ。これがエドムの上に下り、わたしが聖絶すると定めた民の上に下るからだ。
6 主の剣は血で満ち、脂肪で肥えている。
子羊ややぎの血と、雄羊の腎臓の脂肪で肥えている。
主がボツラでいけにえをほふり、エドムの地で大虐殺をされるからだ。
7 野牛は彼らとともに、雄牛は荒馬とともに倒れる。
彼らの地には血がしみ込み、その土は脂肪で肥える。
8 それは主の復讐の日であり、シオンの訴えのために仇を返す年である。

9 エドムの川はピッチに、その土は硫黄に変わり、その地は燃えるピッチになる。
10 それは夜も昼も消えず、いつまでもその煙は立ち上る。
そこは代々にわたって、廃墟となり、だれも、もうそこを通る者はない。
11 ペリカンと針ねずみがそこをわがものとし、みみずくと烏がそこに住む。
主はその上に虚空の測りなわを張り、虚無のおもりを下げられる。
12 そのおもだった人たちのうち、王権を宣言する者が、だれもそこにはいない。
すべての首長たちもいなくなる。
13 そこの宮殿にはいばらが生え、要塞にはいらくさやあざみが生え、ジャッカルの住みか、だちょうの住む所となる。
14 荒野の獣は山犬に会い、野やぎはその友を呼ぶ。
そこにはこうもりもいこい、自分の休み場を見つける。
15 蛇もそこに巣を作って卵を産み、それをかえして、自分の陰に集める。
とびもそれぞれ自分の連れ合いとそこに集まる。

16 主の書物を調べて読め。
これらのもののうちどれも失われていない。
それぞれ自分の連れ合いを欠くものはいない。
それは、主の口がこれを命じ、主の御霊が、これらを集めたからである。
17 主はこれらのもののために
受ける割り当てをくじで定め、御手が測りなわで測ってこれを分け与えたので、とこしえまでも彼らはこれを所有し、代々にわたって、ここに住む。

35章
1 荒野と砂漠は楽しみ、荒地は喜び、サフランのように花を咲かせる。
2 盛んに花を咲かせ、喜び喜んで歌う。
レバノンの栄光と、カルメルやシャロンの威光をこれに賜るので、彼らは主の栄光、私たちの神の威光を見る。

3 弱った手を強め、よろめくひざをしっかりさせよ。
4 心騒ぐ者たちに言え。
「強くあれ、恐れるな。
見よ、あなたがたの神を。
復讐が、神の報いが来る。
神は来て、あなたがたを救われる。」
5 そのとき、目の見えない者の目は開き、耳の聞こえない者の耳はあく。
6 そのとき、足のなえた者は鹿のようにとびはね、口のきけない者の舌は喜び歌う。
荒野に水がわき出し、荒地に川が流れるからだ。
7 焼けた地は沢となり
潤いのない地は水のわく所となり、ジャッカルの伏したねぐらは、葦やパピルスの茂みとなる。

8 そこに大路があり、その道は聖なる道と呼ばれる。
汚れた者はそこを通れない。
これは、贖われた者たちのもの。
旅人も愚か者も、これに迷い込むことはない。
9 そこには獅子もおらず、猛獣もそこに上って来ず、そこで出会うこともない。
ただ、贖われた者たちがそこを歩む。
10 主に贖われた者たちは帰って来る。
彼らは喜び歌いながらシオンに入り、その頭にはとこしえの喜びをいただく。
楽しみと喜びがついて来、悲しみと嘆きとは逃げ去る。

36章
1 ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブが、ユダのすべての城壁のある町々を攻めて、これを取った。
2 アッシリヤの王は、ラブ・シャケに大軍をつけて、ラキシュからエルサレムに、ヒゼキヤ王のところへ送った。ラブ・シャケは布さらしの野への大路にある上の池の水道のそばに立った。
3 そこで、ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、および、アサフの子である参議ヨアフが、彼のもとに出て行った。
4 ラブ・シャケは彼らに言った。「ヒゼキヤに伝えよ。大王、アッシリヤの王がこう言っておられる。
いったい、おまえは何に拠り頼んでいるのか。
5 口先だけのことばが、戦略であり戦力だと思い込んでいるのか。今、おまえはだれに拠り頼んで私に反逆するのか。
6 おまえは、あのいたんだ葦の杖、エジプトに拠り頼んでいるが、これは、それに寄りかかる者の手を刺し通すだけだ。エジプトの王、パロは、すべて彼に拠り頼む者たちにそうするのだ。
7 おまえは私に『われわれは、われわれの神、主に拠り頼む』と言う。その主とは、ヒゼキヤが高き所と祭壇を取り除いておいて、ユダとエルサレムに向かい『この祭壇の前で拝め』と言ったそういう主ではないか、と。
8 さあ、今、私の主君、アッシリヤの王と、かけをしないか。もしおまえのほうで乗り手をそろえることができれば、私はおまえに二千頭の馬を与えよう。
9 おまえは戦車と騎兵のことでエジプトに拠り頼んでいるが、私の主君の最も小さい家来のひとりの総督をさえ撃退することはできないのだ。
10 今、私がこの国を滅ぼすために上って来たのは、主をさしおいてのことであろうか。主が私に『この国に攻め上って、これを滅ぼせ』と言われたのだ。」
11 エルヤキムとシェブナとヨアフとは、ラブ・シャケに言った。「どうかしもべたちには、アラム語で話してください。われわれはアラム語がわかりますから。城壁の上にいる民の聞いている所では、われわれにユダのことばで話さないでください。」
12 すると、ラブ・シャケは言った。「私の主君がこれらのことを告げに私を遣わされたのは、おまえの主君や、おまえのためだろうか。むしろ、城壁の上にすわっている者たちのためではないか。彼らはおまえたちといっしょに、自分の糞を食らい、自分の尿を飲むようになるのだ。」
13 こうして、ラブ・シャケはつっ立って、ユダのことばで大声に呼ばわって、言った。「大王、アッシリヤの王のことばを聞け。
14 王はこう言われる。ヒゼキヤにごまかされるな。あれはおまえたちを救い出すことはできない。
15 ヒゼキヤが、主は必ずわれわれを救い出してくださる、この町は決してアッシリヤの王の手に渡されることはない、と言って、おまえたちに主を信頼させようとするが、そうはさせない。
16 ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリヤの王はこう言っておられるからだ。私と和を結び、私に降参せよ。そうすれば、おまえたちはみな、自分のぶどうと自分のいちじくを食べ、また、自分の井戸の水を飲めるのだ。
17 その後、私が来て、おまえたちの国と同じような国におまえたちを連れて行こう。そこは穀物とぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地である。
18 おまえたちは、ヒゼキヤが、主がわれわれを救い出してくださると言っているのに、そそのかされないようにせよ。国々の神々が、だれか、自分の国をアッシリヤの王の手から救い出しただろうか。
19 ハマテやアルパデの神々は今、どこにいるのか。セファルワイムの神々はどこにいるのか。彼らはサマリヤを私の手から救い出したか。
20 これらの国々のすべての神々のうち、だれが自分たちの国を私の手から救い出しただろうか。主がエルサレムを私の手から救い出すとでもいうのか。」
21 しかし人々は黙っており、彼に一言も答えなかった。「彼に答えるな」というのが、王の命令だったからである。
22 ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、アサフの子である参議ヨアフは、自分たちの衣を裂いてヒゼキヤのもとに行き、ラブ・シャケのことばを告げた。

37章
1 ヒゼキヤ王は、これを聞いて、自分の衣を裂き、荒布を身にまとって、主の宮に入った。
2 彼は、宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、年長の祭司たちに荒布をまとわせて、アモツの子、預言者イザヤのところに遣わした。
3 彼らはイザヤに言った。「ヒゼキヤはこう言っておられます。『きょうは、苦難と、懲らしめと、侮辱の日です。子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がないのです。
4 おそらく、あなたの神、主は、ラブ・シャケのことばを聞かれたことでしょう。彼の主君、アッシリヤの王が、生ける神をそしるために彼を遣わしたのです。あなたの神、主は、その聞かれたことばを責められますが、あなたはまだいる残りの者のため、祈りをささげてください。』」
5 ヒゼキヤ王の家来たちがイザヤのもとに来たとき、
6 イザヤは彼らに言った。「あなたがたの主君にこう言いなさい。
主はこう仰せられる。『あなたが聞いたあのことば、アッシリヤの王の若い者たちがわたしを冒瀆したあのことばを恐れるな。
7 今、わたしは彼のうちに一つの霊を入れる。彼は、あるうわさを聞いて、自分の国に引き揚げる。わたしは、その国で彼を剣で倒す。』」
8 ラブ・シャケは退いて、リブナを攻めていたアッシリヤの王と落ち合った。王がラキシュから移動したことを聞いたからである。
9 王は、クシュの王ティルハカについて、「彼はあなたと戦うために出て来ている」と聞いた。彼はそれを聞くと、使者たちをヒゼキヤに送って言った。
10 「ユダの王ヒゼキヤにこう伝えよ。『おまえの信頼するおまえの神にごまかされるな。おまえは、エルサレムはアッシリヤの王の手に渡されないと言っている。
11 おまえは、アッシリヤの王たちがすべての国々にしたこと、それらを絶滅させたことを聞いている。それでも、おまえは救い出されるというのか。
12 私の先祖たちはゴザン、ハラン、レツェフ、および、テラサルにいたエデンの人々を滅ぼしたが、その国々の神々が彼らを救い出したのか。
13 ハマテの王、アルパデの王、セファルワイムの町の王、また、ヘナやイワの王は、どこにいるか。』」
14 ヒゼキヤは、使者の手からその手紙を受け取り、それを読み、主の宮に上って行って、それを主の前に広げた。
15 ヒゼキヤは主に祈って言った。
16 「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、万軍の主よ。ただ、あなただけが、地のすべての王国の神です。あなたが天と地を造られました。
17 主よ。御耳を傾けて聞いてください。主よ。御目を開いてご覧ください。生ける神をそしるために言ってよこしたセナケリブのことばをみな聞いてください。
18 主よ。アッシリヤの王たちが、すべての国々と、その国土とを廃墟としたのは事実です。
19 彼らはその神々を火に投げ込みました。それらは神ではなく、人の手の細工、木や石にすぎなかったので、滅ぼすことができたのです。
20 私たちの神、主よ。今、私たちを彼の手から救ってください。そうすれば、地のすべての王国は、あなただけが主であることを知りましょう。」
21 アモツの子イザヤはヒゼキヤのところに人をやって言わせた。「イスラエルの神、主は、こう仰せられます。あなたがアッシリヤの王セナケリブについて、わたしに祈ったことを、わたしは聞いた。
22 主が彼について語られたことばは次のとおりである。
処女であるシオンの娘は
あなたをさげすみ、あなたをあざける。
エルサレムの娘は、あなたのうしろで、頭を振る。
23 あなたはだれをそしり、ののしったのか。
だれに向かって声をあげ、高慢な目を上げたのか。
イスラエルの聖なる方に対してだ。
24 あなたはしもべたちを使って、主をそしって言った。
『多くの戦車を率いて、私は山々の頂に、レバノンの奥深く上って行った。
そのそびえる杉の木と、美しいもみの木を切り倒し、私はその果ての高地、木の茂った園にまで入って行った。
25 私は井戸を掘って水を飲み、足の裏で
エジプトのすべての川を干上がらせた』と。
26 あなたは聞かなかったのか。
昔から、それをわたしがなし、大昔から、それをわたしが計画し、今、それを果たしたことを。
それであなたは城壁のある町々を荒らして
廃墟の石くれの山としたのだ。
27 その住民は力うせ、おののいて、恥を見、野の草や青菜、育つ前に干からびる屋根の草のようになった。
28 あなたがすわるのも、出て行くのも、入るのも、わたしは知っている。
あなたがわたしに向かっていきりたつのも。
29 あなたがわたしに向かっていきりたち、あなたの高ぶりが、わたしの耳に届いたので、あなたの鼻には鉤輪を、あなたの口にはくつわをはめ、あなたを、もと来た道に引き戻そう。

30 あなたへのしるしは次のとおりである。
ことしは、落ち穂から生えたものを食べ、二年目も、またそれから生えたものを食べ、三年目は、種を蒔いて刈り入れ、ぶどう畑を作ってその実を食べる。
31 ユダの家ののがれて残った者は
下に根を張り、上に実を結ぶ。
32 エルサレムから、残りの者が出て来、シオンの山から、のがれた者が出て来るからである。
万軍の主の熱心がこれをする。

33 それゆえ、アッシリヤの王について、主はこう仰せられる。
彼はこの町に侵入しない。
また、ここに矢を放たず、これに盾をもって迫らず、塁を築いてこれを攻めることもない。
34 彼はもと来た道から引き返し、この町には入らない。
――主の御告げ――
35 わたしはこの町を守って、これを救おう。
わたしのために、わたしのしもべダビデのために。」

36 主の使いが出て行って、アッシリヤの陣営で、十八万五千人を打ち殺した。人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな、死体となっていた。
37 アッシリヤの王セナケリブは立ち去り、帰ってニネベに住んだ。
38 彼がその神ニスロクの宮で拝んでいたとき、その子のアデラメレクとサルエツェルは、剣で彼を打ち殺し、アララテの地へのがれた。それで彼の子エサル・ハドンが代わって王となった。

38章
1 そのころ、ヒゼキヤは病気になって死にかかっていた。そこへ、アモツの子、預言者イザヤが来て、彼に言った。「主はこう仰せられます。『あなたの家を整理せよ。あなたは死ぬ。直らない。』」
2 そこでヒゼキヤは顔を壁に向けて、主に祈って、
3 言った。「ああ、主よ。どうか思い出してください。私が、まことを尽くし、全き心をもって、あなたの御前に歩み、あなたがよいと見られることを行ってきたことを。」こうして、ヒゼキヤは大声で泣いた。
4 そのとき、イザヤに次のような主のことばがあった。
5 「行って、ヒゼキヤに告げよ。
あなたの父ダビデの神、主は、こう仰せられます。『わたしはあなたの祈りを聞いた。あなたの涙も見た。見よ。わたしはあなたの寿命にもう十五年を加えよう。
6 わたしはアッシリヤの王の手から、あなたとこの町を救い出し、この町を守る。』
7 これがあなたへの主からのしるしです。主は約束されたこのことを成就されます。
8 見よ。わたしは、アハズの日時計におりた時計の影を、十度あとに戻す。」すると、日時計におりた日が十度戻った。
9 ユダの王ヒゼキヤが、病気になって、その病気から回復したときにしるしたもの。
10 私は言った。
私は生涯の半ばで、よみの門に入る。
私は、私の残りの年を失ってしまった。
11 私は言った。
私は主を見ない。生ける者の地で主を見ない。
死人の国の住人とともに、再び人を見ることがない。
12 私の住みかは牧者の天幕のように引き抜かれ、私から取り去られた。
私は、私のいのちを機織りのように巻いた。
主は私を、機から断ち切る。
あなたは昼も夜も、私を全く捨てておかれます。
13 私は朝まで叫びました。
主は、雄獅子のように
私のすべての骨を砕かれます。
あなたは昼も夜も、私を全く捨てておかれます。
14 つばめや、つるのように、私は泣き、鳩のように、うめきました。
私の目は、上を仰いで衰えました。
主よ。私はしいたげられています。
私の保証人となってください。
15 何を私は語れましょう。
主が私に語り、主みずから行われたのに。
私は私のすべての年月、私のたましいの苦しみのために、静かに歩みます。
16 主よ。これらによって、人は生きるのです。
私の息のいのちも、すべてこれらに従っています。
どうか、私を健やかにし、私を生かしてください。
17 ああ、私の苦しんだ苦しみは
平安のためでした。
あなたは、滅びの穴から、私のたましいを引き戻されました。
あなたは私のすべての罪を、あなたのうしろに投げやられました。
18 よみはあなたをほめたたえず、死はあなたを賛美せず、穴に下る者たちは、あなたのまことを待ち望みません。
19 生きている者、ただ生きている者だけが
今日の私のように、あなたをほめたたえるのです。
父は子らにあなたのまことについて知らせます。
20 主は、私を救ってくださる。
私たちの生きている日々の間、主の宮で琴をかなでよう。

21 イザヤは言った。「ひとかたまりの干しいちじくを持って来させ、腫物の上に塗りつけなさい。そうすれば直ります。」
22 ヒゼキヤは言った。「私が主の宮に上れるそのしるしは何ですか。」

39章
1 そのころ、バルアダンの子、バビロンの王メロダク・バルアダンは、使者を遣わし、手紙と贈り物をヒゼキヤに届けた。彼が病気だったが、元気になった、ということを聞いたからである。
2 ヒゼキヤはそれらを喜び、宝庫、銀、金、香料、高価な油、いっさいの武器庫、彼の宝物倉にあるすべての物を彼らに見せた。ヒゼキヤがその家の中、および国中で、彼らに見せなかった物は一つもなかった。
3 そこで預言者イザヤが、ヒゼキヤ王のところに来て、彼に尋ねた。「あの人々は何を言いましたか。どこから来たのですか。」ヒゼキヤは答えた。「遠い国、バビロンから、私のところに来たのです。」
4 イザヤはまた言った。「彼らは、あなたの家で何を見たのですか。」ヒゼキヤは答えた。「私の家の中のすべての物を見ました。私の宝物倉の中で彼らに見せなかった物は一つもありません。」
5 すると、イザヤはヒゼキヤに言った。「万軍の主のことばを聞きなさい。
6 見よ。あなたの家にある物、あなたの先祖たちが今日まで、たくわえてきた物がすべて、バビロンへ運び去られる日が来ている。何一つ残されまい、と主は仰せられます。
7 また、あなたの生む、あなた自身の息子たちのうち、捕らえられてバビロンの王の宮殿で宦官となる者があろう。」
8 ヒゼキヤはイザヤに言った。「あなたが告げてくれた主のことばはありがたい。」彼は、自分が生きている間は、平和で安全だろう、と思ったからである。

40章
1 「慰めよ。慰めよ。わたしの民を」と
あなたがたの神は仰せられる。
2 「エルサレムに優しく語りかけよ。
これに呼びかけよ。
その労苦は終わり、その咎は償われた。
そのすべての罪に引き替え、二倍のものを主の手から受けたと。」
3 荒野に呼ばわる者の声がする。
「主の道を整えよ。
荒地で、私たちの神のために、大路を平らにせよ。
4 すべての谷は埋め立てられ、すべての山や丘は低くなる。
盛り上がった地は平地に、険しい地は平野となる。
5 このようにして、主の栄光が現されると、すべての者が共にこれを見る。
主の御口が語られたからだ。」

6 「呼ばわれ」と言う者の声がする。
私は、「何と呼ばわりましょう」と答えた。
「すべての人は草、その栄光は、みな野の花のようだ。
7 主のいぶきがその上に吹くと、草は枯れ、花はしぼむ。
まことに、民は草だ。
8 草は枯れ、花はしぼむ。
だが、私たちの神のことばは永遠に立つ。」

9 シオンに良い知らせを伝える者よ。
高い山に登れ。
エルサレムに良い知らせを伝える者よ。
力の限り声をあげよ。
声をあげよ。恐れるな。
ユダの町々に言え。
「見よ。あなたがたの神を。」
10 見よ。神である主は力をもって来られ、その御腕で統べ治める。
見よ。その報いは主とともにあり、その報酬は主の前にある。
11 主は羊飼いのように、その群れを飼い、御腕に子羊を引き寄せ、ふところに抱き、乳を飲ませる羊を優しく導く。

12 だれが、手のひらで水を量り、手の幅で天を推し量り、地のちりを枡に盛り、山をてんびんで量り、丘をはかりで量ったのか。
13 だれが主の霊を推し量り、主の顧問として教えたのか。
14 主はだれと相談して悟りを得られたのか。
だれが公正の道筋を主に教えて、知識を授け、英知の道を知らせたのか。
15 見よ。国々は、手おけの一しずく、はかりの上のごみのようにみなされる。
見よ。主は島々を細かいちりのように取り上げる。
16 レバノンも、たきぎにするには、足りない、その獣も、全焼のいけにえにするには、足りない。
17 すべての国々も主の前では無いに等しく、主にとっては
むなしく形もないものとみなされる。

18 あなたがたは、神をだれになぞらえ、神をどんな似姿に似せようとするのか。
19 鋳物師は偶像を鋳て造り、金細工人はそれに金をかぶせ、銀の鎖を作る。
20 貧しい者は、奉納物として、朽ちない木を選び、巧みな細工人を捜して、動かない偶像を据える。

21 あなたがたは知らないのか。聞かないのか。
初めから、告げられなかったのか。
地の基がどうして置かれたかを
悟らなかったのか。
22 主は地をおおう天蓋の上に住まわれる。
地の住民はいなごのようだ。
主は天を薄絹のように延べ、これを天幕のように広げて住まわれる。
23 君主たちを無に帰し、地のさばきつかさをむなしいものにされる。
24 彼らが、やっと植えられ、やっと蒔かれ、やっと地に根を張ろうとするとき、主はそれに風を吹きつけ、彼らは枯れる。
暴風がそれを、わらのように散らす。
25 「それなのに、わたしを、だれになぞらえ、だれと比べようとするのか」と
聖なる方は仰せられる。
26 目を高く上げて、だれがこれらを創造したかを見よ。
この方は、その万象を数えて呼び出し、一つ一つ、その名をもって、呼ばれる。
この方は精力に満ち、その力は強い。
一つももれるものはない。

27 ヤコブよ。なぜ言うのか。
イスラエルよ。なぜ言い張るのか。
「私の道は主に隠れ、私の正しい訴えは、私の神に見過ごしにされている」と。
28 あなたは知らないのか。聞いていないのか。
主は永遠の神、地の果てまで創造された方。
疲れることなく、たゆむことなく、その英知は測り知れない。
29 疲れた者には力を与え、精力のない者には活気をつける。
30 若者も疲れ、たゆみ、若い男もつまずき倒れる。
31 しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼をかって上ることができる。
走ってもたゆまず、歩いても疲れない。

41章
1 島々よ。わたしの前で静まれ。
諸国の民よ。新しい力を得よ。
近寄って、今、語れ。
われわれは、こぞって、さばきの座に近づこう。
2 だれが、ひとりの者を東から起こし、彼の行く先々で勝利を収めさせるのか。
彼の前に国々を渡し、王たちを踏みにじらせ、その剣で彼らをちりのようにし、その弓でわらのように吹き払う。
3 彼は彼らを追い、まだ歩いて行ったことのない道を
安全に通って行く。
4 だれが、これを成し遂げたのか。
初めから代々の人々に呼びかけた者ではないか。
わたし、主こそ初めであり、また終わりとともにある。わたしがそれだ。

5 島々は見て恐れた。
地の果ては震えながら
近づいて来た。
6 彼らは互いに助け合い、その兄弟に「強くあれ」と言う。
7 鋳物師は金細工人を力づけ、金槌で打つ者は、鉄床をたたく者に、はんだづけについて「それで良い」と言い、釘で打ちつけて動かないようにする。

8 しかし、わたしのしもべ、イスラエルよ。
わたしが選んだヤコブ、わたしの友、アブラハムのすえよ。
9 わたしは、あなたを地の果てから連れ出し、地のはるかな所からあなたを呼び出して言った。
「あなたは、わたしのしもべ。
わたしはあなたを選んで、捨てなかった。」
10 恐れるな。わたしはあなたとともにいる。
たじろぐな。わたしがあなたの神だから。
わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。
11 見よ。あなたに向かっていきりたつ者はみな、恥を見、はずかしめを受け、あなたと争う者たちは、無いもののようになって滅びる。
12 あなたと言い争いをする者を捜しても、あなたは見つけることはできず、あなたと戦う者たちは、全くなくなってしまう。
13 あなたの神、主であるわたしが、あなたの右の手を堅く握り、「恐れるな。わたしがあなたを助ける」
と言っているのだから。
14 恐れるな。虫けらのヤコブ、イスラエルの人々。
わたしはあなたを助ける。
――主の御告げ――
あなたを贖う者はイスラエルの聖なる者。
15 見よ。わたしはあなたを
鋭い、新しいもろ刃の打穀機とする。
あなたは、山々を踏みつけて粉々に砕く。
丘をもみがらのようにする。
16 あなたがそれをあおぐと、風が運び去り、暴風がそれをまき散らす。
あなたは主によって喜び、イスラエルの聖なる者によって誇る。

17 悩んでいる者や貧しい者が水を求めても
水はなく、その舌は渇きで干からびるが、わたし、主は、彼らに答え、イスラエルの神は、彼らを見捨てない。
18 わたしは、裸の丘に川を開き、平地に泉をわかせる。
荒野を水のある沢とし、砂漠の地を水の源とする。
19 わたしは荒野の中に杉や、アカシヤ、ミルトス、オリーブの木を植え、荒地にもみの木、すずかけ、檜も共に植える。
20 主の手がこのことをし、イスラエルの聖なる者がこれを創造したことを、彼らが見て知り、心に留めて、共に悟るためである。

21 あなたがたの訴えを出せ、と主は仰せられる。
あなたがたの証拠を持って来い、と
ヤコブの王は仰せられる。
22 持って来て、後に起ころうとする事を告げよ。
先にあった事は何であったのかを告げよ。
そうすれば、われわれもそれに心を留め、また後の事どもを知ることができよう。
または、来たるべき事をわたしたちに聞かせよ。
23 後に起ころうとする事を告げよ。
そうすれば、われわれは、あなたがたが神であることを知ろう。
良いことでも、悪いことでもしてみよ。
そうすれば、われわれは共に見て驚こう。
24 見よ。あなたがたは無に等しい。
あなたがたのわざはむなしい。
あなたがたを選んだことは忌まわしい。

25 わたしが北から人を起こすと、彼は来て、日の出る所から、わたしの名を呼ぶ。
彼は長官たちを
しっくいのように踏む。
陶器師が粘土を踏みつけるように。
26 だれか、初めから告げて、われわれに
このことを知るようにさせただろうか。
だれか、あらかじめ、われわれに
「それは正しい」と言うようにさせただろうか。
告げた者はひとりもなく、聞かせた者もひとりもなく、あなたがたの言うことを聞いた者も
だれひとり、いなかった。
27 わたしが、最初にシオンに、「見よ。これを見よ」と言い、わたしが、エルサレムに、良い知らせを伝える者を与えよう。
28 わたしが見回しても、だれもいない。
彼らの中には、わたしが尋ねても返事のできる助言者もいない。
29 見よ。彼らはみな、偽りを言い、彼らのなすことはむなしい。
彼らの鋳た像は風のように形もない。

42章
1 見よ。わたしのささえるわたしのしもべ、わたしの心の喜ぶわたしが選んだ者。
わたしは彼の上にわたしの霊を授け、彼は国々に公義をもたらす。
2 彼は叫ばず、声をあげず、ちまたにその声を聞かせない。
3 彼はいたんだ葦を折ることもなく、くすぶる燈心を消すこともなく、まことをもって公義をもたらす。
4 彼は衰えず、くじけない。
ついには、地に公義を打ち立てる。
島々も、そのおしえを待ち望む。

5 天を造り出し、これを引き延べ、地とその産物を押し広め、その上の民に息を与え、この上を歩む者に霊を授けた神なる主は
こう仰せられる。
6 「わたし、主は、義をもってあなたを召し、あなたの手を握り、あなたを見守り、あなたを民の契約とし、国々の光とする。
7 こうして、見えない目を開き、囚人を牢獄から、やみの中に住む者を獄屋から連れ出す。
8 わたしは主、これがわたしの名。
わたしの栄光を他の者に、わたしの栄誉を刻んだ像どもに与えはしない。
9 先の事は、見よ、すでに起こった。
新しい事を、わたしは告げよう。
それが起こる前に、あなたがたに聞かせよう。」

10 主に向かって新しい歌を歌え、その栄誉を地の果てから。
海に下る者、そこを渡るすべての者、島々とそこに住む者よ。
11 荒野とその町々、ケダル人の住む村々よ。声をあげよ。
セラに住む者は喜び歌え。
山々の頂から声高らかに叫べ。
12 主に栄光を帰し、島々にその栄誉を告げ知らせよ。
13 主は勇士のようにいで立ち、戦士のように激しく奮い立ち、ときの声をあげて叫び、敵に向かって威力を現す。

14 わたしは久しく黙っていた。
静かに自分を押さえていた。
今は、子を産む女のようにうめき、激しい息づかいであえぐ。
15 わたしは山や丘を荒らし、そのすべての青草を枯らし、川をかわいた地とし、沢をからす。
16 わたしは目の見えない者に、彼らの知らない道を歩ませ、彼らの知らない通り道を行かせる。
彼らの前でやみを光に、でこぼこの地を平らにする。
これらのことをわたしがして、彼らを見捨てない。
17 彫像に拠り頼み、鋳像に、「あなたがたこそ、私たちの神々」と言う者は、退けられて、恥を見る。

18 耳の聞こえない者たちよ、聞け。
目の見えない者たちよ、目をこらして見よ。
19 わたしのしもべほどの盲目の者が、だれかほかにいようか。
わたしの送る使者のような耳の聞こえない者が、ほかにいようか。
わたしに買い取られた者のような盲目の者、主のしもべのような盲目の者が、だれかほかにいようか。
20 あなたは多くのことを見ながら、心に留めず、耳を開きながら、聞こうとしない。
21 主は、ご自分の義のために、みおしえを広め、これを輝かすことを望まれた。
22 これは、かすめ奪われ、略奪された民のことであって、若い男たちはみな、わなにかかり、獄屋に閉じ込められた。
彼らはかすめ奪われたが、助け出す者もなく、奪い取られても、それを返せと言う者もいない。
23 あなたがたのうち、だれが、これに耳を傾け、だれが、後々のために注意して聞くだろうか。
24 だれが、ヤコブを、奪い取る者に渡し、イスラエルを、かすめ奪う者に渡したのか。
それは主ではないか。
この方に、私たちは罪を犯し、主の道に歩むことを望まず、そのおしえに聞き従わなかった。
25 そこで主は、燃える怒りをこれに注ぎ、激しい戦いをこれに向けた。
それがあたりを焼き尽くしても、彼は悟らず、自分に燃えついても、心に留めなかった。

43章
1 だが、今、ヤコブよ。
あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。
イスラエルよ。
あなたを形造った方、主はこう仰せられる。
「恐れるな。わたしがあなたを贖ったのだ。
わたしはあなたの名を呼んだ。
あなたはわたしのもの。
2 あなたが水の中を過ぎるときも、わたしはあなたとともにおり、川を渡るときも、あなたは押し流されない。
火の中を歩いても、あなたは焼かれず、炎はあなたに燃えつかない。
3 わたしが、あなたの神、主、イスラエルの聖なる者、あなたの救い主であるからだ。
わたしは、エジプトをあなたの身代金とし、クシュとセバをあなたの代わりとする。
4 わたしの目には、あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。
だからわたしは人をあなたの代わりにし、国民をあなたのいのちの代わりにするのだ。
5 恐れるな。
わたしがあなたとともにいるからだ。
わたしは東から、あなたの子孫を来させ、西から、あなたを集める。
6 わたしは、北に向かって『引き渡せ』と言い、南に向かって『引き止めるな』と言う。
わたしの子らを遠くから来させ、わたしの娘らを地の果てから来させよ。
7 わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造った。

8 目があっても盲目の民、耳があっても聞こえない者たちを連れ出せ。
9 すべての国々をつどわせ、諸国の民を集めよ。
彼らのうちのだれが、このことを告げ、先の事をわれわれに聞かせることができようか。
彼らの証人を出して証言させ、それを聞く者に『ほんとうだ』と言わせよ。

10 あなたがたはわたしの証人、――主の御告げ――
わたしが選んだわたしのしもべである。
これは、あなたがたが知って、わたしを信じ、わたしがその者であることを悟るためだ。
わたしより先に造られた神はなく、わたしより後にもない。
11 わたし、このわたしが、主であって、わたしのほかに救い主はいない。
12 このわたしが、告げ、救い、聞かせたのだ。
あなたがたのうちに、異なる神はなかった。
だから、あなたがたはわたしの証人。
――主の御告げ――わたしは神だ。
13 これから後もわたしは神だ。
わたしの手から救い出せる者はなく、わたしが事を行えば、だれがそれを戻しえよう。」

14 あなたがたを贖われたイスラエルの聖なる方、主はこう仰せられる。
「あなたがたのために、わたしはバビロンに使いを送り、彼らの横木をみな突き落とし、カルデヤ人を喜び歌っている船から突き落とす。
15 わたしは主、あなたがたの聖なる者、イスラエルの創造者、あなたがたの王である。」
16 海の中に道を、激しく流れる水の中に通り道を設け、
17 戦車と馬、強力な軍勢を連れ出した主は
こう仰せられる。
「彼らはみな倒れて起き上がれず、燈心のように消える。
18 先の事どもを思い出すな。
昔の事どもを考えるな。
19 見よ。わたしは新しい事をする。
今、もうそれが起ころうとしている。
あなたがたは、それを知らないのか。
確かに、わたしは荒野に道を、荒地に川を設ける。
20 野の獣、ジャッカルや、だちょうも、わたしをあがめる。
わたしが荒野に水をわき出させ、荒地に川を流し、わたしの民、わたしの選んだ者に飲ませるからだ。
21 わたしのために造ったこの民は
わたしの栄誉を宣べ伝えよう。

22 しかしヤコブよ。
あなたはわたしを呼び求めなかった。
イスラエルよ。
あなたはわたしのために労苦しなかった。
23 あなたはわたしに、全焼のいけにえの羊を携えて来ず、いけにえをささげて、わたしをあがめようともしなかった。
わたしは穀物のささげ物のことで、あなたに苦労をさせず、乳香のことであなたを煩わせもしなかった。
24 あなたはわたしのために、金を払って菖蒲を買わず、いけにえの脂肪で、わたしを満足させなかった。
かえって、あなたの罪で、わたしに苦労をさせ、あなたの不義で、わたしを煩わせただけだ。

25 わたし、このわたしは、わたし自身のために
あなたのそむきの罪をぬぐい去り、もうあなたの罪を思い出さない。
26 わたしに思い出させよ。
共に論じ合おう。
身の潔白を明かすため、あなたのほうから述べたてよ。
27 あなたの最初の先祖は罪を犯し、あなたの代言者たちは、わたしにそむいた。
28 それで、わたしは聖所のつかさたちを汚し、ヤコブが聖絶されるようにし、イスラエルが、ののしられるようにした。」

44章
1 今、聞け、わたしのしもべヤコブ、わたしの選んだイスラエルよ。
2 あなたを造り、あなたを母の胎内にいる時から形造って、あなたを助ける主はこう仰せられる。
「恐れるな。わたしのしもべヤコブ、わたしの選んだエシュルンよ。
3 わたしは潤いのない地に水を注ぎ、かわいた地に豊かな流れを注ぎ、わたしの霊をあなたのすえに、わたしの祝福をあなたの子孫に注ごう。
4 彼らは、流れのほとりの柳の木のように、青草の間に芽ばえる。
5 ある者は『私は主のもの』と言い、ある者はヤコブの名を名のり、ある者は手に『主のもの』としるして、イスラエルの名を名のる。」

6 イスラエルの王である主、これを贖う方、万軍の主はこう仰せられる。
「わたしは初めであり、わたしは終わりである。
わたしのほかに神はない。
7 わたしが永遠の民を起こしたときから、だれが、わたしのように宣言して、これを告げることができたか。
これをわたしの前で並べたててみよ。
彼らに未来の事、来たるべき事を
告げさせてみよ。
8 恐れるな、おののくな。
わたしが、もう古くからあなたに聞かせ、告げてきたではないか。
あなたがたはわたしの証人。
わたしのほかに神があろうか。
ほかに岩はない。わたしは知らない。
9 偶像を造る者はみな、むなしい。彼らの慕うものは何の役にも立たない。彼らの仕えるものは、見ることもできず、知ることもできない。彼らはただ恥を見るだけだ。
10 だれが、いったい、何の役にも立たない神を造り、偶像を鋳たのだろうか。
11 見よ。その信徒たちはみな、恥を見る。それを細工した者が人間にすぎないからだ。彼らはみな集まり、立つがよい。彼らはおののいて共に恥を見る。
12 鉄で細工する者はなたを使い、炭火の上で細工し、金槌でこれを形造り、力ある腕でそれを造る。彼も腹がすくと力がなくなり、水を飲まないと疲れてしまう。
13 木で細工する者は、測りなわで測り、朱で輪郭をとり、かんなで削り、コンパスで線を引き、人の形に造り、人間の美しい姿に仕上げて、神殿に安置する。
14 彼は杉の木を切り、あるいはうばめがしや樫の木を選んで、林の木の中で自分のために育てる。また、月桂樹を植えると、大雨が育てる。
15 それは人間のたきぎになり、人はそのいくらかを取って暖まり、また、これを燃やしてパンを焼く。また、これで神を造って拝み、それを偶像に仕立てて、これにひれ伏す。
16 その半分は火に燃やし、その半分で肉を食べ、あぶり肉をあぶって満腹する。また、暖まって、『ああ、暖まった。熱くなった』と言う。
17 その残りで神を造り、自分の偶像とし、それにひれ伏して拝み、それに祈って『私を救ってください。あなたは私の神だから』と言う。
18 彼らは知りもせず、悟りもしない。彼らの目は固くふさがって見ることもできず、彼らの心もふさがって悟ることもできない。
19 彼らは考えてもみず、知識も英知もないので、『私は、その半分を火に燃やし、その炭火でパンを焼き、肉をあぶって食べた。その残りで忌みきらうべき物を造り、木の切れ端の前にひれ伏すのだろうか』とさえ言わない。
20 灰にあこがれる者の心は欺かれ、惑わされて、自分を救い出すことができず、『私の右の手には偽りがないのだろうか』とさえ言わない。
21 ヤコブよ。これらのことを覚えよ。
イスラエルよ。あなたはわたしのしもべ。
わたしが、あなたを造り上げた。
あなたは、わたし自身のしもべだ。
イスラエルよ。
あなたはわたしに忘れられることがない。
22 わたしは、あなたのそむきの罪を雲のように、あなたの罪をかすみのようにぬぐい去った。
わたしに帰れ。
わたしは、あなたを贖ったからだ。」

23 天よ。喜び歌え。
主がこれを成し遂げられたから。
地のどん底よ。喜び叫べ。
山々よ。喜びの歌声をあげよ。
林とそのすべての木も。
主がヤコブを贖い、イスラエルのうちに、その栄光を現されるからだ。

24 あなたを贖い、あなたを母の胎内にいる時から形造った方、主は
こう仰せられる。
「わたしは万物を造った主だ。
わたしはひとりで天を張り延ばし、ただ、わたしだけで、地を押し広げた。
25 わたしは自慢する者らのしるしを破り、占い師を狂わせ、知恵ある者を退けて、その知識を愚かにする。
26 わたしは、わたしのしもべのことばを成就させ、わたしの使者たちの計画を成し遂げさせる。
エルサレムに向かっては、『人が住むようになる』と言い、ユダの町々に向かっては、『町々は再建され、その廃墟はわたしが復興させる』と言う。
27 淵に向かっては、『干上がれ。
わたしはおまえの川々をからす』と言う。
28 わたしはクロスに向かっては、『わたしの牧者、わたしの望む事をみな成し遂げる』と言う。
エルサレムに向かっては、『再建される。
神殿は、その基が据えられる』と言う。」

45章
1 主は、油そそがれた者クロスに、こう仰せられた。
「わたしは彼の右手を握り、彼の前に諸国を下らせ、王たちの腰の帯を解き、彼の前にとびらを開いて、その門を閉じさせないようにする。
2 わたしはあなたの前に進んで、険しい地を平らにし、青銅のとびらを打ち砕き、鉄のかんぬきをへし折る。
3 わたしは秘められている財宝と、ひそかな所の隠された宝をあなたに与える。
それは、わたしが主であり、あなたの名を呼ぶ者、イスラエルの神であることを
あなたが知るためだ。
4 わたしのしもべヤコブ、わたしが選んだイスラエルのために、わたしはあなたをあなたの名で呼ぶ。
あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに肩書を与える。
5 わたしが主である。ほかにはいない。
わたしのほかに神はいない。
あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに力を帯びさせる。
6 それは、日の上る方からも、西からも、わたしのほかには、だれもいないことを、人々が知るためだ。
わたしが主である。ほかにはいない。
7 わたしは光を造り出し、やみを創造し、平和をつくり、わざわいを創造する。
わたしは主、これらすべてを造る者。」

8 「天よ。上から、したたらせよ。
雲よ。正義を降らせよ。
地よ。開いて救いを実らせよ。
正義も共に芽ばえさせよ。
わたしは主、わたしがこれを創造した。」

9 ああ。
陶器が陶器を作る者に抗議するように
自分を造った者に抗議する者。
粘土は、形造る者に、「何を作るのか」とか、「あなたの作った物には、手がついていない」
などと言うであろうか。
10 ああ。
自分の父に「なぜ、子どもを生むのか」と言い、母に「なぜ、産みの苦しみをするのか」と言う者。

11 イスラエルの聖なる方、これを形造った方、主はこう仰せられる。
「これから起こる事を、わたしに尋ねようとするのか。
わたしの子らについて、わたしの手で造ったものについて、わたしに命じるのか。
12 このわたしが地を造り、その上に人間を創造した。
わたしはわたしの手で天を引き延べ、その万象に命じた。
13 わたしは勝利のうちに彼を奮い立たせ、彼の道をみな、平らにする。
彼はわたしの町を建て、わたしの捕囚の民を解放する。
代価を払ってでもなく、わいろによってでもない」と
万軍の主は仰せられる。

14 主はこう仰せられる。
「エジプトの産物と、クシュの商品、それに背の高いセバ人も、あなたのところにやって来て、あなたのものとなる。
彼らは鎖につながれて、あなたに従って来、あなたにひれ伏して、あなたに祈って言う。
『神はただあなたのところにだけおられ、ほかにはなく、ほかに神々はいない。』」

15 イスラエルの神、救い主よ。
まことに、あなたはご自身を隠す神。

16 偶像を細工する者どもはみな、恥を見、みな共に、はずかしめを受け、恥の中に去る。
17 イスラエルは主によって救われ、永遠の救いに入る。
あなたがたは恥を見ることがなく、いつまでも、はずかしめを受けることがない。

18 天を創造した方、すなわち神、地を形造り、これを仕上げた方、すなわちこれを堅く立てた方、これを茫漠としたものに創造せず、人の住みかにこれを形造った方、まことに、この主がこう仰せられる。
「わたしが主である。ほかにはいない。
19 わたしは隠れた所、やみの地の場所で語らなかった。
荒地で、ヤコブの子らに
わたしを尋ね求めよと言わなかった。
わたしは主、正義を語り、公正を告げる者。

20 諸国からの逃亡者たちよ。
集まって来て、共に近づけ。
木の偶像をになう者、救えもしない神に祈る者らは、何も知らない。
21 告げよ。証拠を出せ。共に相談せよ。
だれが、これを昔から聞かせ、以前からこれを告げたのか。
わたし、主ではなかったか。
わたしのほかに神はいない。
正義の神、救い主、わたしをおいてほかにはいない。

22 地の果てのすべての者よ。
わたしを仰ぎ見て救われよ。
わたしが神である。ほかにはいない。
23 わたしは自分にかけて誓った。
わたしの口から出ることばは正しく、取り消すことはできない。
すべてのひざはわたしに向かってかがみ、すべての舌は誓い、
24 わたしについて、『ただ、主にだけ、正義と力がある』と言う。
主に向かっていきりたつ者はみな、主のもとに来て恥じ入る。
25 イスラエルの子孫はみな、主によって義とされ、誇る。」

46章
1 「ベルはひざまずき、ネボはかがむ。
彼らの偶像は獣と家畜に載せられ、あなたがたの運ぶものは荷物となり、疲れた獣の重荷となる。
2 彼らは共にかがみ、ひざまずく。
彼らは重荷を解くこともできず、彼ら自身もとりことなって行く。

3 わたしに聞け、ヤコブの家と、イスラエルの家の
すべての残りの者よ。
胎内にいる時からになわれており、生まれる前から運ばれた者よ。
4 あなたがたが年をとっても、わたしは同じようにする。
あなたがたがしらがになっても、わたしは背負う。
わたしはそうしてきたのだ。
なお、わたしは運ぼう。
わたしは背負って、救い出そう。

5 わたしをだれになぞらえて比べ、わたしをだれと並べて、なぞらえるのか。
6 袋から金を惜しげなく出し、銀をてんびんで量る者たちは、金細工人を雇って、それで神を造り、これにひざまずいて、すぐ拝む。
7 彼らはこれを肩にかついで運び、下に置いて立たせる。
これはその場からもう動けない。
これに叫んでも答えず、悩みから救ってもくれない。

8 このことを思い出し、しっかりせよ。
そむく者らよ。心に思い返せ。

9 遠い大昔の事を思い出せ。
わたしが神である。ほかにはいない。
わたしのような神はいない。
10 わたしは、終わりの事を初めから告げ、まだなされていない事を昔から告げ、『わたしのはかりごとは成就し、わたしの望む事をすべて成し遂げる』と言う。
11 わたしは、東から猛禽を、遠い地から、わたしのはかりごとを行う者を呼ぶ。
わたしが語ると、すぐそれを行い、わたしが計ると、すぐそれをする。

12 わたしに聞け。
強情な者、正義から遠ざかっている者たちよ。
13 わたしは、わたしの勝利を近づける。
それは遠くはない。
わたしの救いは遅れることがない。
わたしはシオンに救いを与え、イスラエルにわたしの光栄を与える。」

47章
1 「おとめバビロンの娘よ。
下って、ちりの上にすわれ。
カルデヤ人の娘よ。王座のない地にすわれ。
もうあなたは、優しい上品な女と呼ばれないからだ。
2 ひき臼を取って粉をひけ。
顔おおいを取り去り、すそをまくって、すねを出し、川を渡れ。
3 あなたの裸は現れ、あなたの恥もあらわになる。
わたしは復讐をする。だれひとり容赦しない。」
4 私たちを贖う方、その名は万軍の主、イスラエルの聖なる方。

5 「カルデヤ人の娘よ。
黙ってすわり、やみに入れ。
あなたはもう、王国の女王と呼ばれることはないからだ。
6 わたしは、わたしの民を怒って、わたしのゆずりの民を汚し、彼らをあなたの手に渡したが、あなたは彼らをあわれまず、老人にも、ひどく重いくびきを負わせた。
7 あなたは『いつまでも、私は女王でいよう』
と考えて、これらのことを心に留めず、自分の終わりのことを思ってもみなかった。

8 だから今、これを聞け。
楽しみにふけり、安心して住んでいる女。
心の中で、『私だけは特別だ。
私はやもめにはならないし、子を失うことも知らなくて済もう』と言う者よ。
9 子を失うことと、やもめになること、この二つが一日のうちに、またたくまにあなたに来る。
あなたがどんなに多く呪術を行っても、どんなに強く呪文を唱えても、これらは突然、あなたを見舞う。

10 あなたは自分の悪に拠り頼み、『私を見る者はない』と言う。
あなたの知恵と知識、これがあなたを迷わせた。
だから、あなたは心の中で言う。
『私だけは特別だ。』
11 しかしわざわいがあなたを見舞う。
それを払いのけるまじないをあなたは知らない。
災難があなたを襲うが、あなたはそれを避けることはできない。
破滅はあなたの知らないうちに、突然あなたにやって来る。

12 さあ、若い時からの使い古しの呪文や、多くの呪術を使って、立ち上がれ。
あるいは役立つかもしれない。
おびえさせることができるかもしれない。
13 あなたに助言する者が多すぎて、あなたは疲れている。
さあ、天を観測する者、星を見る者、新月ごとにあなたに起こる事を知らせる者を
並べたてて、あなたを救わせてみよ。
14 見よ。彼らは刈り株のようになり、火が彼らを焼き尽くす。
彼らは自分のいのちを
炎の手から救い出すこともできない。
これは身を暖める炭火でもなく、その前にすわれる火でもない。
15 あなたが若い時から仕え、行き来してきた者たちは、このようになる。
彼らはおのおの自分かってに迷い出て、あなたを救う者はひとりもいない。」

48章
1 これを聞け。ヤコブの家よ。
あなたはイスラエルの名で呼ばれ、ユダの源から出て、主の御名によって誓い、イスラエルの神を呼び求めるが、誠実をもってせず、また正義をもってしない。
2 確かに彼らは聖なる都の名を名のり、イスラエルの神――その名は万軍の主――に
寄りかかっている。
3 「先に起こった事は、前からわたしが告げていた。
それらはわたしの口から出、わたしはそれらを聞かせた。
にわかに、わたしは行い、それは成就した。
4 あなたがかたくなであり、首筋は鉄の腱、額は青銅だと知っているので、
5 わたしは、かねてからあなたに告げ、まだ起こらないうちに、聞かせたのだ。
『私の偶像がこれをした』とか、『私の彫像や鋳た像がこれを命じた』とか
あなたが言わないためだ。
6 あなたは聞いた。さあ、これらすべてを見よ。
あなたがたは告げ知らせないのか。
わたしは今から、新しい事、あなたの知らない秘め事をあなたに聞かせよう。

7 それは今、創造された。ずっと前からではない。
きょうまで、あなたはこれを聞いたこともない。
『ああ、私は知っていた』と
あなたが言わないためだ。
8 あなたは聞いたこともなく、知っていたこともない。
ずっと前から、あなたの耳は開かれていなかった。
わたしは、あなたがきっと裏切ること、母の胎内にいる時から
そむく者と呼ばれていることを、知っていたからだ。
9 わたしは、わたしの名のために、怒りを遅らせ、わたしの栄誉のために、これを押さえて、あなたを断ち滅ぼさなかった。
10 見よ。わたしはあなたを練ったが、銀の場合とは違う。
わたしは悩みの炉であなたを試みた。
11 わたしのため、わたしのために、わたしはこれを行う。
どうしてわたしの名が汚されてよかろうか。
わたしはわたしの栄光を他の者には与えない。

12 わたしに聞け。ヤコブよ。
わたしが呼び出したイスラエルよ。
わたしがそれだ。
わたしは初めであり、また、終わりである。
13 まことに、わたしの手が地の基を定め、わたしの右の手が天を引き延ばした。
わたしがそれらに呼びかけると、それらはこぞって立ち上がる。
14 あなたがた、みな集まって聞け。
だれがこれらの事を告げたのか。
主に愛される者が、主の喜ばれる事をバビロンにしむける。
主の御腕はカルデヤ人に向かう。
15 わたしが、このわたしが語り、そして彼を呼んだのだ。
わたしは彼を来させ、彼の行うことを成功させる。
16 わたしに近づいて、これを聞け。
わたしは初めから、隠れた所で語らなかった。
それが起こった時から、わたしはそこにいた。」
今、神である主は私を、その御霊とともに遣わされた。

17 あなたを贖う主、イスラエルの聖なる方は
こう仰せられる。
「わたしは、あなたの神、主である。
わたしは、あなたに益になることを教え、あなたの歩むべき道にあなたを導く。
18 あなたがわたしの命令に耳を傾けさえすれば、あなたのしあわせは川のように、あなたの正義は海の波のようになるであろうに。
19 あなたの子孫は砂のように、あなたの身から出る者は、真砂のようになるであろうに。
その名はわたしの前から断たれることも、滅ぼされることもないであろうに。」

20 バビロンから出よ。カルデヤからのがれよ。
喜びの歌声をあげて、これを告げ知らせよ。
地の果てにまで響き渡らせよ。
「主が、そのしもべヤコブを贖われた」と言え。
21 主がかわいた地を通らせたときも、彼らは渇かなかった。
主は彼らのために岩から水を流れ出させ、岩を裂いて水をほとばしり出させた。
22 「悪者どもには平安がない」と主は仰せられる。

49章
1 島々よ。私に聞け。
遠い国々の民よ。耳を傾けよ。
主は、生まれる前から私を召し、母の胎内にいる時から私の名を呼ばれた。
2 主は私の口を鋭い剣のようにし、御手の陰に私を隠し、私をとぎすました矢として、矢筒の中に私を隠した。
3 そして、私に仰せられた。
「あなたはわたしのしもべ、イスラエル。
わたしはあなたのうちに、わたしの栄光を現す。」

4 しかし、私は言った。
「私はむだな骨折りをして、いたずらに、むなしく、私の力を使い果たした。
それでも、私の正しい訴えは、主とともにあり、私の報酬は、私の神とともにある。」

5 今、主は仰せられる。
――主はヤコブをご自分のもとに帰らせ、イスラエルをご自分のもとに集めるために、私が母の胎内にいる時、私をご自分のしもべとして造られた。
私は主に尊ばれ、私の神は私の力となられた。――
6 主は仰せられる。
「ただ、あなたがわたしのしもべとなって、ヤコブの諸部族を立たせ、イスラエルのとどめられている者たちを
帰らせるだけではない。
わたしはあなたを諸国の民の光とし、地の果てにまでわたしの救いを
もたらす者とする。」

7 イスラエルを贖う、その聖なる方、主は、人にさげすまれている者、民に忌みきらわれている者、支配者たちの奴隷に向かってこう仰せられる。
「王たちは見て立ち上がり、首長たちもひれ伏す。
主が真実であり、イスラエルの聖なる方が
あなたを選んだからである。」
8 主はこう仰せられる。
「恵みの時に、わたしはあなたに答え、救いの日にあなたを助けた。
わたしはあなたを見守り、あなたを民の契約とし、国を興し、荒れ果てたゆずりの地を継がせよう。
9 わたしは捕らわれ人には『出よ』と言い、やみの中にいる者には『姿を現せ』と言う。
彼らは道すがら羊を飼い、裸の丘の至る所が、彼らの牧場となる。
10 彼らは飢えず、渇かず、熱も太陽も彼らを打たない。
彼らをあわれむ者が彼らを導き、水のわく所に連れて行くからだ。
11 わたしは、わたしの山々をすべて道とし、わたしの大路を高くする。
12 見よ。ある者は遠くから来る。
また、ある者は北から西から、また、ある者はシニムの地から来る。」

13 天よ。喜び歌え。地よ。楽しめ。
山々よ。喜びの歌声をあげよ。
主がご自分の民を慰め、その悩める者をあわれまれるからだ。

14 しかし、シオンは言った。
「主は私を見捨てた。主は私を忘れた」と。

15 「女が自分の乳飲み子を忘れようか。
自分の胎の子をあわれまないだろうか。
たとい、女たちが忘れても、このわたしはあなたを忘れない。
16 見よ。わたしは手のひらに
あなたを刻んだ。
あなたの城壁は、いつもわたしの前にある。
17 あなたの子どもたちは急いで来る。
あなたを滅ぼし、あなたを廃墟とした者は、あなたのところから出て行く。
18 目を上げて、あたりを見回せ。
彼らはみな集まって、あなたのところに来る。
わたしは生きている。――主の御告げ――
あなたは必ず、彼らをみな飾り物として身につけ、花嫁のように彼らを帯に結ぶ。
19 必ず、あなたの廃墟と荒れ跡と滅びた地は、いまに、人が住むには狭すぎるようになり、あなたを滅ぼした者たちは
遠くへ離れ去る。
20 あなたが子を失って後に生まれた子らが、再びあなたの耳に言おう。
『この場所は、私には狭すぎる。
私が住めるように、場所をあけてもらいたい』と。
21 そのとき、あなたは心の中で言おう。
『だれが私に、この者たちを
生んでくれたのだろう。
私は子に死なれた女、うまずめ、亡命のさすらい者であったのに。
だれがこの者たちを育てたのだろう。
見よ。私は、ただひとり、残されていたのに、この者たちはどこから来たのだろう。』」

22 神である主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしの旗を国々の民に向かって揚げる。
彼らは、あなたの息子たちを
ふところに抱いて来、あなたの娘たちは肩に負われて来る。
23 王たちはあなたの世話をする者となり、王妃たちはあなたのうばとなる。
彼らは顔を地につけて、あなたを伏し拝み、あなたの足のちりをなめる。
あなたは、わたしが主であることを知る。
わたしを待ち望む者は恥を見ることがない。」

24 奪われた物を勇士から取り戻せようか。
罪のないとりこたちを助け出せようか。
25 まことに、主はこう仰せられる。
「勇士のとりこは取り戻され、横暴な者に奪われた物も奪い返される。
あなたの争う者とわたしは争い、あなたの子らをこのわたしが救う。
26 わたしは、あなたをしいたげる者に、彼ら自身の肉を食らわせる。
彼らは甘いぶどう酒に酔うように、自分自身の血に酔う。
すべての者が、わたしが主、あなたの救い主、あなたの贖い主、ヤコブの力強き者であることを知る。」

50章
1 主はこう仰せられる。
「あなたがたの母親の離婚状は、どこにあるか。
わたしが彼女を追い出したというのなら。
あるいは、その債権者はだれなのか。
わたしがあなたがたを売ったというのなら。
見よ。あなたがたは、自分の咎のために売られ、あなたがたのそむきの罪のために、あなたがたの母親は追い出されたのだ。
2 なぜ、わたしが来たとき、だれもおらず、わたしが呼んだのに、だれも答えなかったのか。
わたしの手が短くて贖うことができないのか。
わたしには救い出す力がないと言うのか。
見よ。わたしは、しかって海を干上がらせ、多くの川を荒野とする。
その魚は水がなくて臭くなり、渇きのために死に絶える。
3 わたしは天をやみでおおい、荒布をそのおおいとする。」

4 神である主は、私に弟子の舌を与え、疲れた者をことばで励ますことを教え、朝ごとに、私を呼びさまし、私の耳を開かせて、私が弟子のように聞くようにされる。
5 神である主は、私の耳を開かれた。
私は逆らわず、うしろに退きもせず、
6 打つ者に私の背中をまかせ、ひげを抜く者に私の頬をまかせ、侮辱されても、つばきをかけられても、私の顔を隠さなかった。

7 しかし、神である主は、私を助ける。
それゆえ、私は、侮辱されなかった。
それゆえ、私は顔を火打石のようにし、恥を見てはならないと知った。
8 私を義とする方が近くにおられる。
だれが私と争うのか。
さあ、さばきの座に共に立とう。
どんな者が、私を訴えるのか。
私のところに出て来い。
9 見よ。神である主が、私を助ける。
だれが私を罪に定めるのか。
見よ。彼らはみな、衣のように古び、しみが彼らを食い尽くす。

10 あなたがたのうち、だれが主を恐れ、そのしもべの声に聞き従うのか。
暗やみの中を歩き、光を持たない者は、主の御名に信頼し、自分の神に拠り頼め。
11 見よ。あなたがたはみな、火をともし、燃えさしを身に帯びている。
あなたがたは自分たちの火のあかりを持ち、火をつけた燃えさしを持って歩くがよい。
このことはわたしの手によって
あなたがたに起こり、あなたがたは、苦しみのうちに伏し倒れる。

51章
1 義を追い求める者、主を尋ね求める者よ。
わたしに聞け。
あなたがたの切り出された岩、掘り出された穴を見よ。
2 あなたがたの父アブラハムと、あなたがたを産んだサラのことを考えてみよ。
わたしが彼ひとりを呼び出し、わたしが彼を祝福し、彼の子孫をふやしたことを。
3 まことに主はシオンを慰め、そのすべての廃墟を慰めて、その荒野をエデンのようにし、その砂漠を主の園のようにする。
そこには楽しみと喜び、感謝と歌声とがある。

4 わたしの民よ。わたしに心を留めよ。
わたしの国民よ。わたしに耳を傾けよ。
おしえはわたしから出、わたしはわたしの公義を定め、国々の民の光とする。
5 わたしの義は近い。
わたしの救いはすでに出ている。
わたしの腕は国々の民をさばく。
島々はわたしを待ち望み、わたしの腕に拠り頼む。
6 目を天に上げよ。また下の地を見よ。
天は煙のように散りうせ、地も衣のように古びて、その上に住む者は、ぶよのように死ぬ。
しかし、わたしの救いはとこしえに続き、わたしの義はくじけないからだ。
7 義を知る者、心にわたしのおしえを持つ民よ。
わたしに聞け。
人のそしりを恐れるな。
彼らのののしりにくじけるな。
8 しみが彼らを衣のように食い尽くし、虫が彼らを羊毛のように食い尽くす。
しかし、わたしの義はとこしえに続き、わたしの救いは代々にわたるからだ。

9 さめよ。さめよ。力をまとえ。主の御腕よ。
さめよ。昔の日、いにしえの代のように。
ラハブを切り刻み、竜を刺し殺したのは、あなたではないか。
10 海と大いなる淵の水を干上がらせ、海の底に道を設けて、贖われた人々を通らせたのは、あなたではないか。
11 主に贖われた者たちは帰って来る。
彼らは喜び歌いながらシオンに入り、その頭にはとこしえの喜びをいただく。
楽しみと喜びがついて来、悲しみと嘆きとは逃げ去る。

12 わたし、このわたしが、あなたがたを慰める。
あなたは、何者なのか。
死ななければならない人間や、草にも等しい人の子を恐れるとは。
13 天を引き延べ、地の基を定め、あなたを造った主を、あなたは忘れ、一日中、絶えず、しいたげる者の憤りを恐れている。
まるで滅びに定められているかのようだ。
そのしいたげる者の憤りはどこにあるのか。
14 捕らわれ人は、すぐ解き放たれ、死んで穴に下ることがなく、パンにも事欠かない。
15 わたしは、あなたの神、主であって、海をかき立て、波をとどろかせる。
その名は万軍の主。
16 わたしは、わたしのことばをあなたの口に置き、わたしの手の陰にあなたをかばい、天を引き延べ、地の基を定め、「あなたはわたしの民だ」とシオンに言う。

17 さめよ。さめよ。立ち上がれ。エルサレム。
あなたは、主の手から、憤りの杯を飲み、よろめかす大杯を飲み干した。
18 彼女が産んだすべての子らのうち、だれも彼女を導く者がなく、彼女が育てたすべての子らのうち、だれも彼女の手を取る者がない。
19 これら二つの事が、あなたを見舞う。
だれが、あなたのために嘆くだろうか。
滅亡と破滅、ききんと剣――
わたしはどのようにしてあなたを慰めようか。
20 あなたの子らは
網にかかった大かもしかのように気を失って、すべての町かどに倒れ伏す。
彼らには、主の憤りと、あなたの神のとがめとが満ちている。

21 それゆえ、さあ、これを聞け。悩んでいる者、酔ってはいても、酒のせいではない者よ。
22 あなたの主、ご自分の民を弁護するあなたの神、主は、こう仰せられる。
「見よ。わたしはあなたの手から、よろめかす杯を取り上げた。
あなたはわたしの憤りの大杯を
もう二度と飲むことはない。
23 わたしはこれを、あなたを悩ます者たちの手に渡す。
彼らはかつてあなたに、『ひれ伏せ。われわれは乗り越えて行こう』
と言ったので、あなたは背中を地面のようにし、また、歩道のようにして、彼らが乗り越えて行くのにまかせた。」

52章
1 さめよ。さめよ。力をまとえ。シオン。
あなたの美しい衣を着よ。
聖なる都エルサレム。
無割礼の汚れた者が、もう、あなたの中に入って来ることはない。
2 ちりを払い落として立ち上がり、もとの座に着け、エルサレム。
あなたの首からかせをふりほどけ、捕囚のシオンの娘よ。
3 まことに主はこう仰せられる。「あなたがたは、ただで売られた。だから、金を払わずに買い戻される。」
4 まことに神である主がこう仰せられる。「わたしの民は昔、エジプトに下って行ってそこに寄留した。またアッシリヤ人がゆえなく彼らを苦しめた。
5 さあ、今、ここでわたしは何をしよう。――主の御告げ――わたしの民はただで奪い取られ、彼らを支配する者たちはわめいている。――主の御告げ――また、わたしの名は一日中絶えず侮られている。
6 それゆえ、わたしの民はわたしの名を知るようになる。その日、『ここにわたしがいる』と告げる者がわたしであることを知るようになる。」
7 良い知らせを伝える者の足は
山々の上にあって、なんと美しいことよ。
平和を告げ知らせ、幸いな良い知らせを伝え、救いを告げ知らせ、「あなたの神が王となる」と
シオンに言う者の足は。
8 聞け。あなたの見張り人たちが、声を張り上げ、共に喜び歌っている。
彼らは、主がシオンに帰られるのを、まのあたりに見るからだ。
9 エルサレムの廃墟よ。
共に大声をあげて喜び歌え。
主がその民を慰め、エルサレムを贖われたから。
10 主はすべての国々の目の前に、聖なる御腕を現した。
地の果て果てもみな、私たちの神の救いを見る。

11 去れよ。去れよ。そこを出よ。
汚れたものに触れてはならない。
その中から出て、身をきよめよ。
主の器をになう者たち。
12 あなたがたは、あわてて出なくてもよい。
逃げるようにして去らなくてもよい。
主があなたがたの前に進み、イスラエルの神が、あなたがたのしんがりとなられるからだ。

13 見よ。わたしのしもべは栄える。
彼は高められ、上げられ、非常に高くなる。
14 多くの者があなたを見て驚いたように、――その顔だちは、そこなわれて人のようではなく、その姿も人の子らとは違っていた――
15 そのように、彼は多くの国々を驚かす。
王たちは彼の前で口をつぐむ。
彼らは、まだ告げられなかったことを見、まだ聞いたこともないことを悟るからだ。

53章
1 私たちの聞いたことを、だれが信じたか。
主の御腕は、だれに現れたのか。
2 彼は主の前に若枝のように芽ばえ、砂漠の地から出る根のように育った。
彼には、私たちが見とれるような姿もなく、輝きもなく、私たちが慕うような見ばえもない。
3 彼はさげすまれ、人々からのけ者にされ、悲しみの人で病を知っていた。
人が顔をそむけるほどさげすまれ、私たちも彼を尊ばなかった。

4 まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。
だが、私たちは思った。
彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。
5 しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた。
彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、彼の打ち傷によって、私たちはいやされた。
6 私たちはみな、羊のようにさまよい、おのおの、自分かってな道に向かって行った。
しかし、主は、私たちのすべての咎を
彼に負わせた。

7 彼は痛めつけられた。
彼は苦しんだが、口を開かない。
ほふり場に引かれて行く羊のように、毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように、彼は口を開かない。
8 しいたげと、さばきによって、彼は取り去られた。
彼の時代の者で、だれが思ったことだろう。
彼がわたしの民のそむきの罪のために打たれ、生ける者の地から絶たれたことを。
9 彼の墓は悪者どもとともに設けられ、彼は富む者とともに葬られた。
彼は暴虐を行わず、その口に欺きはなかったが。

10 しかし、彼を砕いて、痛めることは
主のみこころであった。
もし彼が、自分のいのちを
罪過のためのいけにえとするなら、彼は末長く、子孫を見ることができ、主のみこころは彼によって成し遂げられる。
11 彼は、自分のいのちの
激しい苦しみのあとを見て、満足する。
わたしの正しいしもべは、その知識によって多くの人を義とし、彼らの咎を彼がになう。
12 それゆえ、わたしは、多くの人々を彼に分け与え、彼は強者たちを分捕り物としてわかちとる。
彼が自分のいのちを死に明け渡し、そむいた人たちとともに数えられたからである。
彼は多くの人の罪を負い、そむいた人たちのためにとりなしをする。

54章
1 「子を産まない不妊の女よ。喜び歌え。
産みの苦しみを知らない女よ。
喜びの歌声をあげて叫べ。
夫に捨てられた女の子どもは、夫のある女の子どもよりも多いからだ」
と主は仰せられる。

2 「あなたの天幕の場所を広げ、あなたの住まいの幕を惜しみなく張り伸ばし、綱を長くし、鉄のくいを強固にせよ。
3 あなたは右と左にふえ広がり、あなたの子孫は、国々を所有し、荒れ果てた町々を人の住む所とするからだ。
4 恐れるな。あなたは恥を見ない。
恥じるな。あなたははずかしめを受けないから。
あなたは自分の若かったころの恥を忘れ、やもめ時代のそしりを、もう思い出さない。
5 あなたの夫はあなたを造った者、その名は万軍の主。
あなたの贖い主は、イスラエルの聖なる方で、全地の神と呼ばれている。
6 主は、あなたを、夫に捨てられた、心に悲しみのある女と呼んだが、若い時の妻をどうして見捨てられようか」
とあなたの神は仰せられる。

7 「わたしはほんのしばらくの間、あなたを見捨てたが、大きなあわれみをもって、あなたを集める。
8 怒りがあふれて、ほんのしばらく、わたしの顔をあなたから隠したが、永遠に変わらぬ愛をもって、あなたをあわれむ」と
あなたを贖う主は仰せられる。

9 「このことは、わたしにとっては、ノアの日のようだ。
わたしは、ノアの洪水を
もう地上に送らないと誓ったが、そのように、あなたを怒らず、あなたを責めないとわたしは誓う。
10 たとい山々が移り、丘が動いても、わたしの変わらぬ愛はあなたから移らず、わたしの平和の契約は動かない」と
あなたをあわれむ主は仰せられる。

11 「苦しめられ、もてあそばれて、慰められなかった女よ。
見よ。わたしはあなたの石を
アンチモニーでおおい、サファイヤであなたの基を定め、
12 あなたの塔をルビーにし、あなたの門を紅玉にし、あなたの境をすべて宝石にする。
13 あなたの子どもたちはみな、主の教えを受け、あなたの子どもたちには、豊かな平安がある。
14 あなたは義によって堅く立ち、しいたげから遠ざかれ。恐れることはない。
恐れから遠ざかれ。それが近づくことはない。
15 見よ。攻め寄せる者があっても、それはわたしから出た者ではない。
あなたを攻める者は、あなたによって倒される。
16 見よ。
炭火を吹きおこし武器を作り出す職人を
創造したのはわたしである。
それをこわしてしまう破壊者を
創造したのもわたしである。
17 あなたを攻めるために作られる武器は、どれも役に立たなくなる。
また、さばきの時、あなたを責めたてるどんな舌でも、あなたはそれを罪に定める。
これが、主のしもべたちの受け継ぐ分、わたしから受ける彼らの義である。
――主の御告げ――」

55章
1 ああ。渇いている者はみな、水を求めて出て来い。金のない者も。
さあ、穀物を買って食べよ。
さあ、金を払わないで、穀物を買い、代価を払わないで、ぶどう酒と乳を買え。
2 なぜ、あなたがたは、食糧にもならない物のために金を払い、腹を満たさない物のために労するのか。
わたしに聞き従い、良い物を食べよ。
そうすれば、あなたがたは脂肪で元気づこう。
3 耳を傾け、わたしのところに出て来い。
聞け。そうすれば、あなたがたは生きる。
わたしはあなたがたととこしえの契約、ダビデへの変わらない愛の契約を結ぶ。
4 見よ。わたしは彼を諸国の民への証人とし、諸国の民の君主とし、司令官とした。
5 見よ。
あなたの知らない国民をあなたが呼び寄せると、あなたを知らなかった国民が、あなたのところに走って来る。
これは、あなたの神、主のため、また、あなたを輝かせた
イスラエルの聖なる方のためである。

6 主を求めよ。お会いできる間に。
近くにおられるうちに、呼び求めよ。
7 悪者はおのれの道を捨て、不法者はおのれのはかりごとを捨て去れ。
主に帰れ。そうすれば、主はあわれんでくださる。
私たちの神に帰れ。豊かに赦してくださるから。
8 「わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、わたしの道は、あなたがたの道と異なるからだ。
――主の御告げ――
9 天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。
10 雨や雪が天から降ってもとに戻らず、必ず地を潤し、それに物を生えさせ、芽を出させ、種蒔く者には種を与え、食べる者にはパンを与える。
11 そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。
必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。
12 まことに、あなたがたは喜びをもって出て行き、安らかに導かれて行く。
山と丘は、あなたがたの前で喜びの歌声をあげ、野の木々もみな、手を打ち鳴らす。
13 いばらの代わりにもみの木が生え、おどろの代わりにミルトスが生える。
これは主の記念となり、絶えることのない永遠のしるしとなる。」

56章
1 主はこう仰せられる。
「公正を守り、正義を行え。
わたしの救いが来るのは近く、わたしの義が現れるのも近いからだ。」
2 幸いなことよ。
安息日を守ってこれを汚さず、どんな悪事にもその手を出さない、このように行う人、これを堅く保つ人の子は。
3 主に連なる外国人は言ってはならない。
「主はきっと、私をその民から切り離される」と。
宦官も言ってはならない。
「ああ、私は枯れ木だ」と。

4 まことに主はこう仰せられる。
「わたしの安息日を守り、わたしの喜ぶ事を選び、わたしの契約を堅く保つ宦官たちには、
5 わたしの家、わたしの城壁のうちで、息子、娘たちにもまさる分け前と名を与え、絶えることのない永遠の名を与える。
6 また、主に連なって主に仕え、主の名を愛して、そのしもべとなった外国人がみな、安息日を守ってこれを汚さず、わたしの契約を堅く保つなら、
7 わたしは彼らを、わたしの聖なる山に連れて行き、わたしの祈りの家で彼らを楽しませる。彼らの全焼のいけにえやその他のいけにえは、わたしの祭壇の上で受け入れられる。わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれるからだ。
8 ――イスラエルの散らされた者たちを集める神である主の御告げ――わたしは、すでに集められた者たちに、さらに集めて加えよう。」

9 野のすべての獣、林の中のすべての獣よ。
食べに来い。
10 見張り人はみな目が見えず、知ることがない。
彼らはみな口のきけない犬、ほえることもできない。
あえいで、横になり、眠りをむさぼる。
11 この貪欲な犬どもは、足ることを知らない。
彼らは、悟ることも知らない牧者で、みな、自分かってな道に向かい、ひとり残らず自分の利得に向かって行く。
12 「やって来い。ぶどう酒を持って来るから、強い酒を浴びるほど飲もう。
あすもきょうと同じだろう。
もっと、すばらしいかもしれない。」

57章
1 義人が滅びても心に留める者はなく、誠実な人が取り去られても、心を向ける者もいない。
まことに、義人はわざわいから取り去られて、
2 平安に入り、まっすぐに歩む人は、自分の寝床で休むことができる。
3 しかし、あなたがた、女卜者の子ら、姦夫と遊女のすえよ。
ここに近寄れ。
4 あなたがたは、だれをからかい、だれに向かって口を大きく開いて、舌を出すのか。
あなたがたはそむきの子ら、偽りのすえではないか。
5 あなたがたは、樫の木の間や、すべての生い茂る木の下で、身を焦がし、谷や、岩のはざまで
子どもをほふっているではないか。
6 谷川のなめらかな石がおまえの分け前、そこいらの石が、おまえの受ける割り当て。
それらに、おまえは、注ぎのぶどう酒を注ぎ、穀物のささげ物をささげているが、こんな物で、わたしが慰められようか。
7 そびえる高い山の上に、あなたは寝床を設け、そこにも、上って行って
あなたはいけにえをささげた。
8 あなたは、とびらと柱のうしろに、あなたを象徴する像を置いた。
あなたはわたしを捨てて、裸になり、寝床に上ってそれを広げ、彼らと契りを結び、彼らの寝床を愛し、その象徴物を見た。
9 あなたは油を携えてモレクのところまで旅し、香料を増し加え、あなたの使者たちを遠くまで送り出し、よみにまでも下らせた。
10 あなたは、長い旅に疲れても、「あきらめた」とは言わなかった。
あなたは元気を回復し、弱らなかった。
11 あなたは、だれにおじけ、だれを恐れて、まやかしを言うのか。
あなたはわたしを思い出さず、心にも留めなかった。
わたしが久しく、黙っていたので、わたしを恐れないのではないか。
12 わたしは、あなたの義と、あなたのした事どもを告げよう。
しかし、それはあなたの益にはならない。
13 あなたが叫ぶとき、あなたが集めたものどもに、あなたを救わせよ。
風が、それらをみな運び去り、息がそれらを連れ去ってしまう。
しかし、わたしに身を寄せる者は、地を受け継ぎ、わたしの聖なる山を所有することができる。

14 主は仰せられる。
「盛り上げよ。土を盛り上げて、道を整えよ。
わたしの民の道から、つまずきを取り除け。」

15 いと高くあがめられ、永遠の住まいに住み、その名を聖ととなえられる方が、こう仰せられる。
「わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。
へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである。
16 わたしはいつまでも争わず、いつも怒ってはいない。
わたしから出る霊と、わたしが造ったたましいが衰え果てるから。
17 彼のむさぼりの罪のために、わたしは、怒って彼を打ち、顔を隠して怒った。
しかし、彼はなおそむいて、自分の思う道を行った。
18 わたしは彼の道を見たが、彼をいやそう。
わたしは彼を導き、彼と、その悲しむ者たちとに、慰めを報いよう。
19 わたしはくちびるの実を創造した者。
平安あれ。遠くの者にも近くの者にも平安あれ。
わたしは彼をいやそう」と主は仰せられる。

20 しかし悪者どもは、荒れ狂う海のようだ。
静まることができず、水が海草と泥を吐き出すからである。
21 「悪者どもには平安がない」と
私の神は仰せられる。

58章
1 せいいっぱい大声で叫べ。
角笛のように、声をあげよ。
わたしの民に彼らのそむきの罪を告げ、ヤコブの家にその罪を告げよ。

2 しかし、彼らは日ごとにわたしを求め、わたしの道を知ることを望んでいる。
義を行い、神の定めを捨てたことのない国のように、彼らはわたしの正しいさばきをわたしに求め、神に近づくことを望んでいる。
3 「なぜ、私たちが断食したのに、あなたはご覧にならなかったのですか。
私たちが身を戒めたのに、どうしてそれを認めてくださらないのですか。」

見よ。あなたがたは
断食の日に自分の好むことをし、あなたがたの労働者をみな、圧迫する。
4 見よ。あなたがたが断食をするのは、争いとけんかをするためであり、不法にこぶしを打ちつけるためだ。
あなたがたは今、断食をしているが、あなたがたの声はいと高き所に届かない。
5 わたしの好む断食、人が身を戒める日は、このようなものだろうか。
葦のように頭を垂れ、荒布と灰を敷き広げることだけだろうか。
これを、あなたがたは断食と呼び、主に喜ばれる日と呼ぶのか。

6 わたしの好む断食は、これではないか。
悪のきずなを解き、くびきのなわめをほどき、しいたげられた者たちを自由の身とし、すべてのくびきを砕くことではないか。
7 飢えた者にはあなたのパンを分け与え、家のない貧しい人々を家に入れ、裸の人を見て、これに着せ、あなたの肉親の世話をすることではないか。
8 そのとき、暁のようにあなたの光がさしいで、あなたの傷はすみやかにいやされる。
あなたの義はあなたの前に進み、主の栄光が、あなたのしんがりとなられる。
9 そのとき、あなたが呼ぶと、主は答え、あなたが叫ぶと、「わたしはここにいる」と仰せられる。
もし、あなたの中から、くびきを除き、うしろ指をさすことや、つまらないおしゃべりを除き、
10 飢えた者に心を配り、悩む者の願いを満足させるなら、あなたの光は、やみの中に輝き上り、あなたの暗やみは、真昼のようになる。
11 主は絶えず、あなたを導いて、焼けつく土地でも、あなたの思いを満たし、あなたの骨を強くする。
あなたは、潤された園のようになり、水のかれない源のようになる。
12 あなたのうちのある者は、昔の廃墟を建て直し、あなたは古代の礎を築き直し、「破れを繕う者、市街を住めるように回復する者」と呼ばれよう。

13 もし、あなたが安息日に出歩くことをやめ、わたしの聖日に自分の好むことをせず、安息日を「喜びの日」と呼び、主の聖日を「はえある日」と呼び、これを尊んで旅をせず、自分の好むことを求めず、むだ口を慎むなら、
14 そのとき、あなたは主をあなたの喜びとしよう。
「わたしはあなたに地の高い所を踏み行かせ、あなたの父ヤコブのゆずりの地で
あなたを養う」と
主の御口が語られたからである。

59章
1 見よ。主の御手が短くて救えないのではない。
その耳が遠くて、聞こえないのではない。
2 あなたがたの咎が、あなたがたと、あなたがたの神との仕切りとなり、あなたがたの罪が御顔を隠させ、聞いてくださらないようにしたのだ。
3 実に、あなたがたの手は血で汚れ、指は咎で汚れ、あなたがたのくちびるは偽りを語り、舌は不正をつぶやく。
4 正しい訴えをする者はなく、真実をもって弁護する者もなく、むなしいことにたより、うそを言い、害毒をはらみ、悪意を産む。
5 彼らはまむしの卵をかえし、くもの巣を織る。
その卵を食べる者は死に、卵をつぶすと、毒蛇がとび出す。
6 そのくもの巣は着物にはならず、自分の作ったもので身をおおうこともできない。
彼らのわざは不義のわざ、彼らの手のなすことは、ただ暴虐。
7 彼らの足は悪に走り、罪のない者の血を流すのに速い。
彼らの思いは不義の思い。
破壊と破滅が彼らの大路にある。
8 彼らは平和の道を知らず、その道筋には公義がない。
彼らは自分の通り道を曲げ、そこを歩む者はだれも、平和を知らない。

9 それゆえ、公義は私たちから遠ざかり、義は私たちに追いつかない。
私たちは光を待ち望んだが、見よ、やみ。
輝きを待ち望んだが、暗やみの中を歩む。
10 私たちは盲人のように壁を手さぐりし、目のない者のように手さぐりする。
真昼でも、たそがれ時のようにつまずき、やみの中にいる死人のようだ。
11 私たちはみな、熊のようにほえ、鳩のようにうめきにうめく。
公義を待ち望むが、それはなく、救いを待ち望むが、それは私たちから遠く離れている。

12 それは、私たちがあなたの御前で
多くのそむきの罪を犯し、私たちの罪が、私たちに不利な証言をするからです。

私たちのそむきの罪は、私たちとともにあり、私たちは自分の咎を知っている。
13 私たちは、そむいて、主を否み、私たちの神に従うことをやめ、しいたげと反逆を語り、心に偽りのことばを抱いて、つぶやいている。
14 こうして公正は退けられ、正義は遠く離れて立っている。
真理は広場でつまずき、正直は中に入ることもできない。
15 そこでは真理は失われ、悪から離れる者も、そのとりこになる。

主はこれを見て、公義のないのに心を痛められた。
16 主は人のいないのを見、とりなす者のいないのに驚かれた。
そこで、ご自分の御腕で救いをもたらし、ご自分の義を、ご自分のささえとされた。
17 主は義をよろいのように着、救いのかぶとを頭にかぶり、復讐の衣を身にまとい、ねたみを外套として身をおおわれた。
18 主は彼らのしうちに応じて報い、その仇には憤りを報い、その敵には報復をし、島々にも報復をする。
19 そうして、西のほうでは、主の御名が、日の上るほうでは、主の栄光が恐れられる。
主は激しい流れのように来られ、その中で主の息が吹きまくっている。
20 「しかし、シオンには贖い主として来る。
ヤコブの中の
そむきの罪を悔い改める者のところに来る。」
――主の御告げ――

21 「これは、彼らと結ぶわたしの契約である」と
主は仰せられる。
「あなたの上にあるわたしの霊、わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、すえのすえの口からも、今よりとこしえに離れない」と主は仰せられる。

60章
1 起きよ。光を放て。
あなたの光が来て、主の栄光があなたの上に輝いているからだ。
2 見よ。やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。
しかし、あなたの上には主が輝き、その栄光があなたの上に現れる。
3 国々はあなたの光のうちに歩み、王たちはあなたの輝きに照らされて歩む。

4 目を上げて、あたりを見よ。
彼らはみな集まって、あなたのもとに来る。
あなたの息子たちは遠くから来、娘たちはわきに抱かれて来る。
5 そのとき、あなたはこれを見て、晴れやかになり、心は震えて、喜ぶ。
海の富はあなたのところに移され、国々の財宝はあなたのものとなるからだ。
6 らくだの大群、ミデヤンとエファの若いらくだが、あなたのところに押し寄せる。
これらシェバから来るものはみな、金と乳香を携えて来て、主の奇しいみわざを宣べ伝える。
7 ケダルの羊の群れもみな、あなたのところに集まり、ネバヨテの雄羊は、あなたに仕え、これらは受け入れられるいけにえとして、わたしの祭壇にささげられる。
わたしは、わたしの美しい家を輝かす。

8 雲のように飛び、巣に帰る鳩のように飛んでくる者は、だれか。
9 まことに、島々はわたしを待ち望み、タルシシュの船は真っ先に、あなたの子らを遠くから来させ、彼らの金銀もいっしょに、あなたの神、主の名のために、イスラエルの聖なる者のために運んでくる。
主があなたを輝かされたからである。

10 外国人もあなたの城壁を建て直し、その王たちもあなたに仕える。
実に、わたしは怒って、あなたを打ったが、恵みをもって、あなたをあわれんだ。
11 あなたの門はいつも開かれ、昼も夜も閉じられない。
国々の財宝があなたのところに運ばれ、その王たちが導かれて来るためである。
12 あなたに仕えない国民や王国は滅び、これらの国々は荒廃する。
13 レバノンの栄光は、もみの木、すずかけ、檜も、共に、あなたのもとに来て、わたしの聖所を美しくする。
わたしは、わたしの足台を尊くする。

14 あなたを苦しめた者たちの子らは、身をかがめてあなたのところに来、あなたを侮った者どもはみな、あなたの足もとにひれ伏し、あなたを、主の町、イスラエルの聖なる方のシオン、と呼ぶ。
15 あなたは捨てられ、憎まれ、通り過ぎる人もなかったが、わたしはあなたを永遠の誇り、代々の喜びの町に変える。
16 あなたは国々の乳を吸い、王たちの乳房を吸う。
あなたは、わたしが、あなたを救う主、あなたを贖うヤコブの全能者であることを知る。

17 わたしは青銅の代わりに金を運び入れ、鉄の代わりに銀、木の代わりに青銅、石の代わりに鉄を運び入れ、平和をあなたの管理者とし、義をあなたの監督者とする。
18 あなたの国の中の暴虐、あなたの領土のうちの破壊と破滅は、もう聞かれない。
あなたは、あなたの城壁を救いと呼び、あなたの門を賛美と呼ぼう。

19 太陽がもうあなたの昼の光とはならず、月の輝きもあなたを照らさず、主があなたの永遠の光となり、あなたの神があなたの光栄となる。
20 あなたの太陽はもう沈まず、あなたの月はかげることがない。
主があなたの永遠の光となり、あなたの嘆き悲しむ日が終わるからである。
21 あなたの民はみな正しくなり、とこしえにその地を所有しよう。
彼らはわたしの栄光を現す、わたしの植えた枝。
わたしの手で造ったもの。
22 最も小さい者も氏族となり、最も弱い者も強国となる。
時が来れば、わたし、主が、すみやかにそれをする。

61章
1 神である主の霊が、わたしの上にある。
主はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。
捕らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ、
2 主の恵みの年と、われわれの神の復讐の日を告げ、すべての悲しむ者を慰め、
3 シオンの悲しむ者たちに、灰の代わりに頭の飾りを、悲しみの代わりに喜びの油を、憂いの心の代わりに賛美の外套を
着けさせるためである。
彼らは、義の樫の木、栄光を現す主の植木と呼ばれよう。

4 彼らは昔の廃墟を建て直し、先の荒れ跡を復興し、廃墟の町々、代々の荒れ跡を一新する。
5 他国人は、あなたがたの羊の群れを
飼うようになり、外国人が、あなたがたの農夫となり、ぶどう作りとなる。
6 しかし、あなたがたは主の祭司ととなえられ、われわれの神に仕える者と呼ばれる。
あなたがたは国々の力を食い尽くし、その富を誇る。
7 あなたがたは恥に代えて、二倍のものを受ける。
人々は侮辱に代えて、その分け前に喜び歌う。
それゆえ、その国で二倍のものを所有し、とこしえの喜びが彼らのものとなる。
8 まことに、わたしは公義を愛する主だ。
わたしは不法な略奪を憎む。
わたしは誠実を尽くして彼らに報い、とこしえの契約を彼らと結ぶ。
9 彼らの子孫は国々のうちで、彼らのすえは国々の民のうちで知れ渡る。
彼らを見る者はみな、彼らが主に祝福された子孫であることを認める。

10 わたしは主によって大いに楽しみ、わたしのたましいも、わたしの神によって喜ぶ。
主がわたしに、救いの衣を着せ、正義の外套をまとわせ、花婿のように栄冠をかぶらせ、花嫁のように宝玉で飾ってくださるからだ。
11 地が芽を出し、園が蒔かれた種を芽ばえさせるように、神である主が義と賛美とを、すべての国の前に芽ばえさせるからだ。

62章
1 シオンのために、わたしは黙っていない。
エルサレムのために、黙りこまない。
その義が朝日のように光を放ち、その救いが、たいまつのように燃えるまでは。
2 そのとき、国々はあなたの義を見、すべての王があなたの栄光を見る。
あなたは、主の口が名づける新しい名で呼ばれよう。
3 あなたは主の手にある輝かしい冠となり、あなたの神の手のひらにある
王のかぶり物となる。
4 あなたはもう、「見捨てられている」と言われず、あなたの国はもう、「荒れ果てている」とは言われない。
かえって、あなたは
「わたしの喜びは、彼女にある」と呼ばれ、あなたの国は夫のある国と呼ばれよう。
主の喜びがあなたにあり、あなたの国が夫を得るからである。
5 若い男が若い女をめとるように、あなたの子らはあなたをめとり、花婿が花嫁を喜ぶように、あなたの神はあなたを喜ぶ。

6 エルサレムよ。
わたしはあなたの城壁の上に見張り人を置いた。
昼の間も、夜の間も、彼らは決して黙っていてはならない。
主に覚えられている者たちよ。
黙りこんではならない。
7 主がエルサレムを堅く立て、この地でエルサレムを栄誉とされるまで、黙っていてはならない。
8 主は右の手と、力強い腕によって誓われた。
「わたしは再びあなたの穀物を、あなたの敵に食物として与えない。
あなたの労して作った新しいぶどう酒を、外国人に決して飲ませない。
9 取り入れをした者がそれを食べて、主をほめたたえ、ぶどうを取り集めた者が、わたしの聖所の庭で、それを飲む。」

10 通れ、通れ、城門を。
この民の道を整え、盛り上げ、土を盛り上げ、大路を造れ。
石を取り除いて国々の民の上に旗を揚げよ。
11 見よ。
主は、地の果てまで聞こえるように仰せられた。
「シオンの娘に言え。
『見よ。あなたの救いが来る。
見よ。その報いは主とともにあり、その報酬は主の前にある』と。
12 彼らは、聖なる民、主に贖われた者と呼ばれ、あなたは、尋ね求められる者、見捨てられない町と呼ばれる。」

63章
1 「エドムから来る者、ボツラから深紅の衣を着て来るこの者は、だれか。
その着物には威光があり、大いなる力をもって進んで来るこの者は。」
「正義を語り、救うに力強い者、それがわたしだ。」
2 「なぜ、あなたの着物は赤く、あなたの衣は酒ぶねを踏む者のようなのか。」
3 「わたしはひとりで酒ぶねを踏んだ。
国々の民のうちに、わたしと事を共にする者はいなかった。
わたしは怒って彼らを踏み、憤って彼らを踏みにじった。
それで、彼らの血のしたたりが、わたしの衣にふりかかり、わたしの着物を、すっかり汚してしまった。
4 わたしの心のうちに復讐の日があり、わたしの贖いの年が来たからだ。
5 わたしは見回したが、だれも助ける者はなく、いぶかったが、だれもささえる者はいなかった。
そこで、わたしの腕で救いをもたらし、わたしの憤りを、わたしのささえとした。
6 わたしは、怒って国々の民を踏みつけ、憤って彼らを踏みつぶし、彼らの血のしたたりを地に流した。」

7 私は、主の恵みと、主の奇しいみわざをほめ歌おう。
主が私たちに報いてくださった
すべての事について、そのあわれみと、豊かな恵みによって
報いてくださったイスラエルの家への
豊かないつくしみについて。

8 主は仰せられた。
「まことに彼らはわたしの民、偽りのない子たちだ」と。
こうして、主は彼らの救い主になられた。
9 彼らが苦しむときには、いつも主も苦しみ、ご自身の使いが彼らを救った。
その愛とあわれみによって主は彼らを贖い、昔からずっと、彼らを背負い、抱いて来られた。
10 しかし、彼らは逆らい、主の聖なる御霊を痛ませたので、主は彼らの敵となり、みずから彼らと戦われた。

11 そのとき、主の民は、いにしえのモーセの日を思い出した。
「羊の群れの牧者たちとともに、彼らを海から上らせた方は、どこにおられるのか。
その中に主の聖なる御霊を置かれた方は、どこにおられるのか。
12 その輝かしい御腕をモーセの右に進ませ、彼らの前で水を分け、永遠の名を成し、
13 荒野の中を行く馬のように、つまずくことなく彼らに深みの底を
歩ませた方は、どこにおられるのか。
14 家畜が谷に下るように、主の御霊が彼らをいこわせた。」

このようにして、あなたは、あなたの民を導き、あなたの輝かしい御名をあげられたのです。
15 どうか、天から見おろし、聖なる輝かしい御住まいからご覧ください。
あなたの熱心と、力あるみわざは、どこにあるのでしょう。
私へのあなたのたぎる思いとあわれみを、あなたは押さえておられるのですか。
16 まことに、あなたは私たちの父です。
たとい、アブラハムが私たちを知らず、イスラエルが私たちを認めなくても、主よ、あなたは、私たちの父です。
あなたの御名は、とこしえから
私たちの贖い主です。
17 主よ。なぜあなたは、私たちをあなたの道から迷い出させ、私たちの心をかたくなにして、あなたを恐れないようにされるのですか。
あなたのしもべたち、あなたのゆずりの地の部族のために、どうかお帰りください。
18 あなたの聖なる民がこの地を所有して間もなく、私たちの敵は、あなたの聖所を踏みつけました。
19 私たちは、とこしえからあなたに支配されたことも、あなたの御名で呼ばれたこともない者のように
なりました。

64章
1 ああ、あなたが天を裂いて降りて来られると、山々は御前で揺れ動くでしょう。
2 火が柴に燃えつき、火が水を沸き立たせるように、あなたの御名はあなたの敵に知られ、国々は御前で震えるでしょう。
3 私たちが予想もしなかった恐ろしい事を
あなたが行われるとき、あなたが降りて来られると、山々は御前で揺れ動くでしょう。
4 神を待ち望む者のために、このようにしてくださる神は、あなた以外にとこしえから聞いたこともなく、耳にしたこともなく、目で見たこともありません。
5 あなたは迎えてくださいます。
喜んで正義を行う者、あなたの道を歩み、あなたを忘れない者を。
ああ、あなたは怒られました。
私たちは昔から罪を犯し続けています。
それでも私たちは救われるでしょうか。
6 私たちはみな、汚れた者のようになり、私たちの義はみな、不潔な着物のようです。
私たちはみな、木の葉のように枯れ、私たちの咎は風のように私たちを吹き上げます。
7 しかし、あなたの御名を呼ぶ者もなく、奮い立って、あなたにすがる者もいません。
あなたは私たちから御顔を隠し、私たちの咎のゆえに、私たちを弱められました。

8 しかし、主よ。
今、あなたは私たちの父です。
私たちは粘土で、あなたは私たちの陶器師です。
私たちはみな、あなたの手で造られたものです。
9 主よ。どうかひどく怒らないでください。
いつまでも、咎を覚えないでください。
どうか今、私たちがみな、あなたの民であることに
目を留めてください。
10 あなたの聖なる町々は荒野となっています。
シオンは荒野となり、エルサレムは荒れ果てています。
11 私たちの先祖があなたをほめたたえた
私たちの聖なる美しい宮は、火で焼かれ、私たちの宝とした物すべてが荒廃しました。
12 主よ。これでも、あなたはじっとこらえ、黙って、私たちをこんなにも悩まされるのですか。

65章
1 わたしに問わなかった者たちに、わたしは尋ねられ、わたしを捜さなかった者たちに、見つけられた。
わたしは、わたしの名を呼び求めなかった国民に向かって、「わたしはここだ、わたしはここだ」と言った。
2 わたしは、反逆の民、自分の思いに従って良くない道を歩む者たちに、一日中、わたしの手を差し伸べた。
3 この民は、いつもわたしに逆らって
わたしの怒りを引き起こし、園の中でいけにえをささげ、れんがの上で香をたき、
4 墓地にすわり、見張り小屋に宿り、豚の肉を食べ、汚れた肉の吸い物を器に入れ、
5 「そこに立っておれ。私に近寄るな。
私はあなたより
聖なるものになっている」と言う。
「これらは、わたしの怒りの煙、一日中燃え続ける火である。
6 見よ。これは、わたしの前に書かれている。
わたしは黙っていない。必ず報復する。
わたしは彼らのふところに報復する。――
7 山の上で香をたき、丘の上でわたしをそしったあなたがたの咎と、あなたがたの先祖の咎とをともどもに。
わたしは、彼らの先のしわざを量って、彼らのふところに、報復する」と主は仰せられる。

8 主はこう仰せられる。
「ぶどうのふさの中に甘い汁があるのを見れば、『それをそこなうな。その中に祝福があるから』
と言うように、わたしも、わたしのしもべたちのために、その全部は滅ぼさない。
9 わたしは、ヤコブから子孫を、ユダからわたしの山々を所有する者を
生まれさせよう。
わたしの選んだ者がこれを所有し、わたしのしもべたちがそこに住む。
10 わたしを求めたわたしの民にとって、シャロンは羊の群れの牧場、アコルの谷は牛の群れの伏す所となる。
11 しかし、あなたがた、主を捨てる者、わたしの聖なる山を忘れる者、ガドのために食卓を整える者、メニのために、混ぜ合わせた酒を盛る者たちよ。
12 わたしはあなたがたを剣に渡す。
それであなたがたはみな、虐殺されて倒れる。
わたしが呼んでも答えず、わたしが語りかけても聞かず、わたしの目の前に悪を行い、わたしの喜ばない事を選んだからだ。」

13 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
「見よ。わたしのしもべたちは食べる。
しかし、あなたがたは飢える。
見よ。わたしのしもべたちは飲む。
しかし、あなたがたは渇く。
見よ。わたしのしもべたちは喜ぶ。
しかし、あなたがたは恥を見る。
14 見よ。わたしのしもべたちは
心の楽しみによって喜び歌う。
しかし、あなたがたは心の痛みによって叫び、たましいの傷によって泣きわめく。
15 あなたがたは自分の名を、わたしの選んだ者たちののろいとして残す。
それで神である主は、あなたがたを殺される。
ご自分のしもべたちを、ほかの名で呼ばれるようにされる。
16 この世にあって祝福される者は、まことの神によって祝福され、この世にあって誓う者は、まことの神によって誓う。
先の苦難は忘れられ、わたしの目から隠されるからだ。

17 見よ。まことにわたしは新しい天と新しい地を
創造する。
先の事は思い出されず、心に上ることもない。
18 だから、わたしの創造するものを、いついつまでも楽しみ喜べ。
見よ。わたしはエルサレムを創造して喜びとし、その民を楽しみとする。
19 わたしはエルサレムを喜び、わたしの民を楽しむ。
そこにはもう、泣き声も叫び声も聞かれない。
20 そこにはもう、数日しか生きない乳飲み子も、寿命の満ちない老人もない。
百歳で死ぬ者は若かったとされ、百歳にならないで死ぬ者は、のろわれた者とされる。
21 彼らは家を建てて住み、ぶどう畑を作って、その実を食べる。
22 彼らが建てて他人が住むことはなく、彼らが植えて他人が食べることはない。
わたしの民の寿命は、木の寿命に等しく、わたしの選んだ者は、自分の手で作った物を
存分に用いることができるからだ。
23 彼らはむだに労することもなく、子を産んで、突然その子が死ぬこともない。
彼らは主に祝福された者のすえであり、その子孫たちは彼らとともにいるからだ。
24 彼らが呼ばないうちに、わたしは答え、彼らがまだ語っているうちに、わたしは聞く。
25 狼と子羊は共に草をはみ、獅子は牛のように、わらを食い、蛇は、ちりをその食べ物とし、わたしの聖なる山のどこにおいても、これらは害を加えず、そこなわない」
と主は仰せられる。

66章
1 主はこう仰せられる。
「天はわたしの王座、地はわたしの足台。
わたしのために、あなたがたの建てる家は、いったいどこにあるのか。
わたしのいこいの場は、いったいどこにあるのか。
2 これらすべては、わたしの手が造ったもの、これらすべてはわたしのものだ。
――主の御告げ――
わたしが目を留める者は、へりくだって心砕かれ、わたしのことばにおののく者だ。

3 牛をほふる者は、人を打ち殺す者。
羊をいけにえにする者は、犬をくびり殺す者。
穀物のささげ物をささげる者は、豚の血をささげる者。
乳香をささげる者は、偶像をほめたたえる者。
実に彼らは自分かってな道を選び、その心は忌むべき物を喜ぶ。
4 わたしも、彼らを虐待することを選び、彼らに恐怖をもたらす。
わたしが呼んでもだれも答えず、わたしが語りかけても聞かず、わたしの目の前に悪を行い、わたしの喜ばない事を彼らが選んだからだ。」

5 主のことばにおののく者たちよ。
主のことばを聞け。
「あなたがたを憎み、わたしの名のためにあなたがたを押しのける、あなたがたの同胞は言った。
『主に栄光を現させよ。
そうすれば、あなたがたの楽しみを見てやろう。』
しかし、彼らは恥を見る。」

6 聞け。町からの騒ぎ、宮からの声、敵に報復しておられる主の御声を。
7 彼女は産みの苦しみをする前に産み、陣痛の起こる前に男の子を産み落とした。
8 だれが、このような事を聞き、だれが、これらの事を見たか。
地は一日の陣痛で産み出されようか。
国は一瞬にして生まれようか。
ところがシオンは、陣痛を起こすと同時に子らを産んだのだ。
9 「わたしが産み出させるようにしながら、産ませないだろうか」と主は仰せられる。
「わたしは産ませる者なのに、胎を閉ざすだろうか」と
あなたの神は仰せられる。

10 エルサレムとともに喜べ。
すべてこれを愛する者よ。これとともに楽しめ。
すべてこれのために悲しむ者よ。
これとともに喜び喜べ。
11 あなたは、彼女の慰めの乳房から乳を飲んで飽き足り、その豊かな乳房から吸って喜んだからだ。

12 主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは川のように繁栄を彼女に与え、あふれる流れのように国々の富を与える。
あなたがたは乳を飲み、わきに抱かれ、ひざの上でかわいがられる。
13 母に慰められる者のように、わたしはあなたがたを慰め、エルサレムであなたがたは慰められる。
14 あなたがたはこれを見て、心喜び、あなたがたの骨は若草のように生き返る。
主の御手は、そのしもべたちに知られ、その憤りは敵たちに向けられる。」

15 見よ。まことに、主は火の中を進んで来られる。
その戦車はつむじ風のようだ。
その怒りを激しく燃やし、火の炎をもって責めたてる。
16 実に、主は火をもってさばき、その剣ですべての肉なる者をさばく。
主に刺し殺される者は多い。

17 おのが身を聖別し、身をきよめて、園に行き、その中にある一つのものに従って、豚の肉や、忌むべき物や、ねずみを食らう者たちはみな、絶ち滅ぼされる。
――主の御告げ――

18 「わたしは、彼らのわざと、思い計りとを知っている。わたしは、すべての国々と種族とを集めに来る。彼らは来て、わたしの栄光を見る。
19 わたしは彼らの中にしるしを置き、彼らのうちののがれた者たちを諸国に遣わす。すなわち、タルシシュ、プル、弓を引く者ルデ、トバル、ヤワン、遠い島々に。これらはわたしのうわさを聞いたこともなく、わたしの栄光を見たこともない。彼らはわたしの栄光を諸国の民に告げ知らせよう。
20 彼らは、すべての国々から、あなたがたの同胞をみな、主への贈り物として、馬、車、かご、騾馬、らくだに乗せて、わたしの聖なる山、エルサレムに連れて来る」と主は仰せられる。「それはちょうど、イスラエル人がささげ物をきよい器に入れて主の宮に携えて来るのと同じである。
21 わたしは彼らの中からある者を選んで祭司とし、レビ人とする」と主は仰せられる。

22 「わたしの造る新しい天と新しい地が、わたしの前にいつまでも続くように、――主の御告げ――
あなたがたの子孫と、あなたがたの名も
いつまでも続く。
23 毎月の新月の祭りに、毎週の安息日に、すべての人が、わたしの前に礼拝に来る」と
主は仰せられる。

24 「彼らは出て行って、わたしにそむいた者たちのしかばねを見る。
そのうじは死なず、その火も消えず、それはすべての人に、忌みきらわれる。」