エレミヤ書

1章
1 ベニヤミンの地アナトテにいた祭司のひとり、ヒルキヤの子エレミヤのことば。
2 アモンの子、ユダの王ヨシヤの時代、その治世の第十三年に、エレミヤに主のことばがあった。
3 それはさらに、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの時代にもあり、ヨシヤの子、ユダの王ゼデキヤの第十一年の終わりまで、すなわち、その年の第五の月、エルサレムの民の捕囚の時まであった。
4 次のような主のことばが私にあった。
5 「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、あなたを知り、あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、あなたを国々への預言者と定めていた。」
6 そこで、私は言った。
「ああ、神、主よ。
ご覧のとおり、私はまだ若くて、どう語っていいかわかりません。」
7 すると、主は私に仰せられた。
「まだ若い、と言うな。
わたしがあなたを遣わすどんな所へでも行き、わたしがあなたに命じるすべての事を語れ。
8 彼らの顔を恐れるな。
わたしはあなたとともにいて、あなたを救い出すからだ。
――主の御告げ――」
9 そのとき、主は御手を伸ばして、私の口に触れ、主は私に仰せられた。
「今、わたしのことばをあなたの口に授けた。
10 見よ。わたしは、きょう、あなたを諸国の民と王国の上に任命し、あるいは引き抜き、あるいは引き倒し、あるいは滅ぼし、あるいはこわし、あるいは建て、また植えさせる。」
11 次のような主のことばが私にあった。「エレミヤ。あなたは何を見ているのか。」そこで私は言った。「アーモンドの枝を見ています。」
12 すると主は私に仰せられた。「よく見たものだ。わたしのことばを実現しようと、わたしは見張っているからだ。」
13 再び、私に次のような主のことばがあった。「何を見ているのか。」そこで私は言った。「煮え立っているかまを見ています。それは北のほうからこちらに傾いています。」
14 すると主は私に仰せられた。
「わざわいが、北からこの地の全住民の上に、降りかかる。
15 今、わたしは北のすべての王国の民に
呼びかけているからだ。
――主の御告げ――
彼らは来て、エルサレムの門の入口と、周囲のすべての城壁と、ユダのすべての町に向かって、それぞれの王座を設ける。
16 しかし、わたしは、彼らのすべての悪にさばきを下す。
彼らはわたしを捨てて、ほかの神々にいけにえをささげ、自分の手で造った物を拝んだからだ。
17 さあ、あなたは腰に帯を締め、立ち上がって、わたしがあなたに命じることをみな語れ。
彼らの顔におびえるな。
さもないと、わたしはあなたを彼らの面前で打ち砕く。
18 見よ。わたしはきょう、あなたを、全国に、ユダの王たち、首長たち、祭司たち、この国の人々に対して、城壁のある町、鉄の柱、青銅の城壁とした。
19 だから、彼らがあなたと戦っても、あなたには勝てない。
わたしがあなたとともにいて、――主の御告げ――
あなたを救い出すからだ。」

2章
1 ついで、私に次のような主のことばがあった。
2 「さあ、行って、主はこう仰せられると言って、エルサレムの人々の耳に呼ばわれ。
わたしは、あなたの若かったころの誠実、婚約時代の愛、荒野の種も蒔かれていない地での
わたしへの従順を覚えている。
3 イスラエルは主の聖なるもの、その収穫の初穂であった。
これを食らう者はだれでも罪に定められ、わざわいをこうむったものだ。
――主の御告げ――」

4 ヤコブの家と、イスラエルの家のすべてのやからよ。
主のことばを聞け。
5 主はこう仰せられる。
「あなたがたの先祖は、わたしにどんな不正を見つけて、わたしから遠く離れ、むなしいものに従って行って、むなしいものとなったのか。
6 彼らは尋ねもしなかった。
『主はどこにおられるのか。
私たちをエジプトの国から上らせた方、私たちに、荒野の荒れた穴だらけの地、砂漠の死の陰の地、人も通らず、だれも住まない地を
行かせた方は』と。
7 しかし、わたしはあなたがたを、実り豊かな地に連れて入り、その良い実を食べさせた。
ところが、あなたがたは、入って来て、わたしの国を汚し、わたしのゆずりの地を
忌みきらうべきものにした。
8 祭司たちは、『主はどこにおられるのか』と言わず、律法を取り扱う者たちも、わたしを知らず、牧者たちもわたしにそむき、預言者たちはバアルによって預言して、無益なものに従って行った。
9 そのため、わたしはなお、あなたがたと争う。
――主の御告げ――
また、あなたがたの子孫と争う。

10 キティムの島々に渡ってよく見よ。
ケダルに人を遣わして調べてみよ。
このようなことがあったかどうか、よく見よ。
11 かつて、神々を神々でないものに、取り替えた国民があっただろうか。
ところが、わたしの民は、その栄光を
無益なものに取り替えた。
12 天よ。このことに色を失え。
おぞ気立て。干上がれ。
――主の御告げ――
13 わたしの民は二つの悪を行った。
湧き水の泉であるわたしを捨てて、多くの水ためを、水をためることのできない、こわれた水ためを、自分たちのために掘ったのだ。

14 イスラエルは奴隷なのか。
それとも家に生まれたしもべなのか。
なぜ、獲物にされたのか。
15 若獅子は、これに向かってほえたけり、叫び声をあげて、その地を荒れ果てさせ、その町々は焼かれて住む者もいなくなる。
16 ノフとタフパヌヘスの子らも、あなたの頭の頂をそり上げる。
17 あなたの神、主が、あなたを道に進ませたとき、あなたは主を捨てたので、このことがあなたに起こるのではないか。
18 今、ナイル川の水を飲みに
エジプトの道に向かうとは、いったいどうしたことか。
ユーフラテス川の水を飲みに
アッシリヤの道に向かうとは、いったいどうしたことか。
19 あなたの悪が、あなたを懲らし、あなたの背信が、あなたを責める。
だから、知り、見きわめよ。
あなたが、あなたの神、主を捨てて、わたしを恐れないのは、どんなに悪く、苦々しいことかを。
――万軍の神、主の御告げ――

20 実に、あなたは昔から自分のくびきを砕き、自分のなわめを断ち切って、『私は逃げ出さない』と言いながら、すべての高い丘の上や、すべての青々とした木の下で、寝そべって淫行を行っている。
21 わたしは、あなたをことごとく
純良種の良いぶどうとして植えたのに、どうしてあなたは、わたしにとって、質の悪い雑種のぶどうに変わったのか。
22 たとい、あなたがソーダで身を洗い、たくさんの灰汁を使っても、あなたの咎は、わたしの前では汚れている。
――神である主の御告げ――
23 どうしてあなたは、『私は汚れていない。
バアルたちには従わなかった』と言えようか。
谷の中でのあなたの道を省み、何をしたかを知れ。
あなたは、道をあちこち走り回る
すばやい雌のらくだ、
24 また、荒野に慣れた野ろばだ。
欲情に息はあえぐ。
そのさかりのとき、だれがこれを静めえようか。
これを捜す者は苦労しない。
その発情期に、これを見つけることができる。
25 はだしにならないよう、のどが渇かないようにせよ。
しかし、あなたは言う。
『あきらめられません。
私は他国の男たちが好きです。
それについて行きたいのです』と。

26 盗人が、見つけられたときに、はずかしめられるように、イスラエルの家もはずかしめられる。
彼らの王たち、首長たち、祭司たち、預言者たちがそうである。
27 彼らは木に向かっては、『あなたは私の父』、石に向かっては、『あなたは私を生んだ』と
言っている。
実に、彼らはわたしに背を向けて、顔を向けなかった。
それなのに、わざわいのときには、『立って、私たちを救ってください』と言う。
28 では、あなたが造った神々はどこにいるのか。
あなたのわざわいのときには、彼らが立って救えばよい。
ユダよ。あなたの神々は、あなたの町の数ほどもいるからだ。

29 なぜ、あなたがたは、わたしと争うのか。
あなたがたはみな、わたしにそむいている。
――主の御告げ――
30 わたしはあなたがたの子らを打ったが、むだだった。
その懲らしめは役に立たなかった。
あなたがたの剣は、食い滅ぼす獅子のように、あなたがたの預言者たちを食い尽くした。
31 あなたがた、この時代の人々よ。
主のことばに心せよ。
わたしはイスラエルにとって、荒野であったのか。
あるいは暗黒の地であったのか。
どうしてわたしの民は、『私たちはさまよい出て、もうあなたのところには帰りません』と
言うのか。
32 おとめが自分の飾り物を忘れ、花嫁が自分の飾り帯を忘れるだろうか。
それなのに、わたしの民が
わたしを忘れた日数は数えきれない。
33 あなたが愛を求める方法は、なんと巧みなことか。
それであなたは、悪い女にも、自分の方法を巧みに教えたのだ。
34 あなたのすそには、罪のない貧しい人たちの、いのちの血が見える。
彼らの押し入るのを、あなたが見つけたわけでもないのに。
しかも、これらのことがあるにもかかわらず、
35 あなたは『私には罪がない。
確かに、御怒りは私から去った』と言っている。
『私は罪を犯さなかった』と言うから、今、わたしはあなたをさばく。
36 なんと、簡単に自分の道を変えることか。
あなたは
アッシリヤによってはずかしめられたと同様に、エジプトによってもはずかしめられる。
37 そこからもあなたは、両手を頭にのせて出て来よう。
主があなたの拠り頼む者を退けるので、あなたは彼らによって栄えることは決してない。

3章
1 もし、人が自分の妻を去らせ、彼女が彼のもとを去って、ほかの男のものになれば、この人は再び先の妻のもとに戻れるだろうか。
この国も大いに汚れていないだろうか。
あなたは、多くの愛人と淫行を行って、しかも、わたしのところに帰ると言っている。
――主の御告げ――
2 目を上げて裸の丘を見よ。
どこに、あなたが共寝をしなかった所があろう。
荒野のアラビヤ人がするように、道ばたで相手を待ってすわり込み、あなたの淫行と悪行によって、この地を汚した。
3 それで夕立はとどめられ、後の雨はなかった。
それでも、あなたは遊女の額をしていて、恥じようともしない。
4 今でも、わたしに、こう呼びかけているではないか。
『父よ。
あなたは私の若いころの連れ合いです。
5 いつまでも怒られるのですか。
永久に怒り続けるのですか』と。
なんと、あなたはこう言っていても、できるだけ多くの悪を行っている。」

6 ヨシヤ王の時代に、主は私に仰せられた。「あなたは、背信の女イスラエルが行ったことを見たか。彼女はすべての高い山の上、すべての茂った木の下に行って、そこで淫行を行った。
7 わたしは、彼女がすべてこれらのことをしたあとで、わたしに帰って来るだろうと思ったのに、帰らなかった。また裏切る女、妹のユダもこれを見た。
8 背信の女イスラエルは、姦通したというその理由で、わたしが離婚状を渡してこれを追い出したのに、裏切る女、妹のユダは恐れもせず、自分も行って、淫行を行ったのをわたしは見た。
9 彼女は、自分の淫行を軽く見て、国を汚し、石や木と姦通した。
10 このようなことをしながら、裏切る女、妹のユダは、心を尽くしてわたしに帰らず、ただ偽っていたにすぎなかった。――主の御告げ――」
11 主はまた、私に仰せられた。「背信の女イスラエルは、裏切る女ユダよりも正しかった。
12 行って、次のことばを北のほうに呼ばわって言え。
背信の女イスラエル。帰れ。
――主の御告げ――
わたしはあなたがたをしからない。
わたしは恵み深いから。
――主の御告げ――
わたしは、いつまでも怒ってはいない。
13 ただ、あなたは自分の咎を知れ。
あなたは自分の神、主にそむいて、すべての茂った木の下で、他国の男とかってなまねをし、わたしの声を聞き入れなかった。
――主の御告げ――

14 背信の子らよ。帰れ。――主の御告げ――わたしが、あなたがたの夫になるからだ。わたしはあなたがたを、町からひとり、氏族からふたり選び取り、シオンに連れて行こう。
15 また、あなたがたに、わたしの心にかなった牧者たちを与える。彼らは知識と分別をもってあなたがたを育てよう。
16 その日、あなたがたが国中にふえて多くなるとき、――主の御告げ――彼らはもう、主の契約の箱について何も言わず、心にも留めず、思い出しもせず、調べもせず、再び作ろうともしない。
17 そのとき、エルサレムは『主の御座』と呼ばれ、万国の民はこの御座、主の名のあるエルサレムに集められ、二度と彼らは悪いかたくなな心のままに歩むことはない。
18 その日、ユダの家はイスラエルの家といっしょになり、彼らはともどもに、北の国から、わたしが彼らの先祖に継がせた国に帰って来る。」

19 「わたしはどのようにして、あなたを息子たちの中に入れ、あなたに、慕わしい地、諸国のうちで最も麗しいゆずりの地を授けようかと思っていた。また、わたしは、あなたがわたしを父と呼び、わたしに従って、もう離れまい、と思っていた。
20 ところが、なんと、妻が夫を裏切るように、あなたがたはわたしを裏切った。イスラエルの家よ。――主の御告げ――

21 一つの声が裸の丘の上で聞こえる。
イスラエルの子らの哀願の泣き声だ。
彼らは自分たちの道を曲げ、自分たちの神、主を忘れたからだ。
22 背信の子らよ。帰れ。
わたしがあなたがたの背信をいやそう。」

「今、私たちはあなたのもとにまいります。
あなたこそ、私たちの神、主だからです。
23 確かに、もろもろの丘も、山の騒ぎも、偽りでした。
確かに、私たちの神、主に、イスラエルの救いがあります。
24 しかし、私たちの若いころから、バアルが、私たちの先祖の勤労の実、彼らの羊の群れ、牛の群れ、息子、娘たちを食い尽くしました。
25 私たちは恥の中に伏し、侮辱が私たちのおおいとなっています。
私たちの神、主に対し、私たちも先祖たちも、私たちの若いころから今日まで罪を犯して、私たちの神、主の御声に
聞き従わなかったからです。」

4章
1 「イスラエルよ。もし帰るのなら、――主の御告げ――
わたしのところに帰って来い。
もし、あなたが忌むべき物を
わたしの前から除くなら、あなたは迷うことはない。
2 あなたが真実と公義と正義とによって
『主は生きておられる』と誓うなら、国々は主によって互いに祝福し合い、主によって誇り合う。」
3 まことに主は、ユダの人とエルサレムとに、こう仰せられる。
「耕地を開拓せよ。いばらの中に種を蒔くな。
4 ユダの人とエルサレムの住民よ。
主のために割礼を受け、心の包皮を取り除け。
さもないと、あなたがたの悪い行いのため、わたしの憤りが火のように出て燃え上がり、消す者もいないだろう。」

5 「ユダに告げ、エルサレムに聞かせて言え。
国中に角笛を吹け。大声で叫んで言え。
『集まれ。城壁のある町に行こう。』
6 シオンのほうに旗を掲げよ。
のがれよ。立ち止まるな。
わたしがわざわいを北からもたらし、大いなる破滅をもたらすから。
7 獅子はその茂みから上って来、国々を滅ぼす者は彼らの国から進み出た。
あなたの国を荒れ果てさせるために。
あなたの町々は滅び、住む者もいなくなろう。」

8 そのために荒布をまとい、悲しみ嘆け。
主の燃える怒りが、私たちから去らないからだ。

9 「その日には、――主の御告げ――
王の心、つかさたちの心は、ついえ去り、祭司はおののき、預言者は驚く。」

10 そこで、私は言った。
「ああ、神、主よ。
まことに、あなたはこの民とエルサレムを
全く欺かれました――
『あなたがたには平和が来る』と仰せられて。
それなのに、剣が私ののどに触れています。」

11 その時、この民とエルサレムにこう告げられる。
荒野にある裸の丘の熱風が、わたしの民の娘のほうに吹いて来る。――
吹き分けるためでもなく、清めるためでもない。
12 これよりも、もっと激しい風が、わたしのために吹いて来る。
今、わたしは彼らにさばきを下そう。

13 見よ。それは雲のように上って来る。
その戦車はつむじ風のよう、その馬は鷲よりも速い。
ああ。私たちは荒らされる。
14 エルサレムよ。救われるために、心を洗って悪を除け。
いつまで、あなたの中には邪念が宿っているのか。
15 ああ、ダンから告げる声がある。
エフライムの山から
わざわいを告げ知らせている。

16 国々に知らせよ。
さあ、エルサレムに告げ知らせよ。
包囲する者たちが遠くの地から来て、ユダの町々に叫び声をあげる。
17 彼らは畑の番人のように、ユダを取り囲む。
それは、ユダがわたしに逆らったからだ。
――主の御告げ――
18 あなたの行いと、あなたのわざが、あなたの身にこれを招いたのだ。
これがあなたへのわざわいで、実に苦い。
もう、あなたの心臓にまで達している。

19 私のはらわた、私のはらわた。
私は痛み苦しむ。私の心臓の壁よ。
私の心は高鳴り、私はもう、黙っていられない。
私のたましいよ。
おまえが角笛の音と、戦いの雄たけびを聞くからだ。
20 破滅に次ぐ破滅が知らされる。
全国が荒らされるからだ。
たちまち、私の天幕も荒らされ、私の幕屋も倒される。
21 いつまで私は、旗を見、角笛の音を聞かなければならないのだ。

22 実に、わたしの民は愚か者で、わたしを知らない。
彼らは、ばかな子らで、彼らは悟りがない。
彼らは悪事を働くのに賢くて、善を行うことを知らない。

23 私が地を見ると、見よ、茫漠として何もなく、天を見ると、その光はなかった。
24 私が山々を見ると、見よ、揺れ動き、すべての丘は震えていた。
25 私が見ると、見よ、人はひとりもいなく、空の鳥もみな飛び去っていた。
26 私が見ると、見よ、果樹園は荒野となり、町々は主の御前で、その燃える怒りによって、取りこわされていた。
27 まことに主はこう仰せられる。
「全地は荒れ果てる。
しかし、わたしはことごとくは滅ぼさない。
28 このために、地は嘆き悲しみ、上の天も暗くなる。
わたしが語り、わたしが企てたからだ。
わたしは悔いず、取りやめもしない。」

29 騎兵と射手の叫びに、町中の人が逃げ去った。
彼らは草むらに入り、岩によじのぼった。
すべての町が捨てられ、そこに住む人もない。
30 踏みにじられた女よ。
あなたが緋の衣をまとい、金の飾りで身を飾りたてても、それが何の役に立とう。
目を塗って大きく見せても、美しく見せても、かいがない。
恋人たちは、あなたをうとみ、あなたのいのちを取ろうとしている。

31 まことに、わたしは、産みの苦しみをする女のような声、初子を産む女のようなうめき、シオンの娘の声を聞いた。
彼女はあえぎ、手を伸べて言う。
「ああ。私は殺す者たちのために疲れ果てた。」

5章
1 エルサレムのちまたを行き巡り、さあ、見て知るがよい。
その広場で捜して、だれか公義を行い、真実を求める者を見つけたら、わたしはエルサレムを赦そう。
2 たとい彼らが、「主は生きておられる」と言っても、実は、彼らは偽って誓っているのだ。

3 主よ。あなたの目は、真実に向けられていないのでしょうか。
あなたが彼らを打たれたのに、彼らは痛みもしませんでした。
彼らを絶ち滅ぼそうとされたのに、彼らは懲らしめを受けようともしませんでした。
彼らは顔を岩よりも堅くし、悔い改めようともしませんでした。
4 そこで、私は思いました。
「彼らは、実に卑しい愚か者だ。
主の道も、神のさばきも知りもしない。
5 だから、身分の高い者たちのところへ行って、彼らと語ろう。
彼らなら、主の道も、神のさばきも知っているから。」
ところが、彼らもみな、くびきを砕き、なわめを断ち切っていました。

6 それゆえ、森の獅子が彼らを殺し、荒れた地の狼が彼らを荒らす。
ひょうが彼らの町々をうかがう。
町から出る者をみな、引き裂こう。
彼らが多くの罪を犯し、その背信がはなはだしかったからだ。
7 これでは、どうして、わたしがあなたを赦せよう。
あなたの子らはわたしを捨て、神でないものによって誓っていた。
わたしが彼らを満ち足らせたときも、彼らは姦通をし、遊女の家で身を傷つけた。
8 彼らは、肥え太ってさかりのついた馬のように、おのおの隣の妻を慕っていななく。
9 これらに対して、わたしが罰しないだろうか。
――主の御告げ――
このような国に、わたしが復讐しないだろうか。
10 ぶどう畑の石垣に上って滅ぼせ。
しかし、ことごとく滅ぼしてはならない。
そのつるを除け。
それらは主のものではないからだ。
11 イスラエルの家とユダの家とは、大いにわたしを裏切ったからだ。
――主の御告げ――

12 彼らは主を否んでこう言った。
「主が何だ。
わざわいは私たちを襲わない。
剣もききんも、私たちは、見はしない。
13 預言者たちは風になり、みことばは彼らのうちにない。
彼らはこのようになる。」

14 それゆえ、万軍の神、主は、こう仰せられる。
「あなたがたが、このようなことを言ったので、見よ、わたしは、あなたの口にあるわたしのことばを火とし、この民をたきぎとする。
火は彼らを焼き尽くす。
15 イスラエルの家よ。
見よ。わたしはあなたがたを攻めに、遠くの地から一つの国民を連れて来る。
――主の御告げ――
それは古くからある国、昔からある国、そのことばをあなたは知らず、何を話しているのか聞き取れない国。
16 その矢筒は開いた墓のようだ。
彼らはみなつわもの。
17 彼らはあなたの刈り入れたものと
あなたのパンを食らい、あなたの息子、娘を食らい、あなたの羊の群れと牛の群れを食らい、あなたのぶどうと、いちじくを食らい、あなたの拠り頼む城壁のある町々を、剣で打ち破る。
18 しかし、その日にも、――主の御告げ――
わたしはあなたがたを、ことごとくは滅ぼさない。」
19 「あなたがたが、『何のために、私たちの神、主は、これらすべての事を私たちにしたのか』と尋ねるときは、あなたは彼らにこう言え。『あなたがたが、わたしを捨て、あなたがたの国内で、外国の神々に仕えたように、あなたがたの国ではない地で、他国人に仕えるようになる。』
20 ヤコブの家にこう告げ、ユダに言い聞かせよ。
21 さあ、これを聞け。
愚かで思慮のない民よ。
彼らは、目があっても見えず、耳があっても聞こえない。
22 あなたがたは、わたしを恐れないのか。
――主の御告げ――
それとも、わたしの前でおののかないのか。
わたしは砂を、海の境とした。
越えられない永遠の境界として。
波が逆巻いても勝てず、鳴りとどろいても越えられない。
23 ところが、この民には、かたくなで、逆らう心があり、彼らは、そむいて去って行った。
24 彼らは心の中でも、こう言わなかった。
『さあ、私たちの神、主を恐れよう。
主は大雨を、先の雨と後の雨を、季節にしたがって与え、刈り入れのために定められた数週を
私たちのために守ってくださる』と。
25 あなたがたの咎が、これを追い払い、あなたがたの罪が、この良い物を拒んだのだ。
26 それは、わたしの民のうちに、悪者たちがいるからだ。
彼らは、待ち伏せして鳥を取る者のように、わなをしかけて人々を捕らえる。
27 鳥でいっぱいの鳥かごのように、彼らの家は欺きでいっぱいだ。
だから、彼らは偉い者となって富む。
28 彼らは、肥えて、つややかになり、悪事に進み、さばきについては、みなしごのためにさばいて幸いを見させず、貧しい者たちの権利を弁護しない。
29 これらに対して、わたしが罰しないだろうか。
――主の御告げ――
このような国に、わたしが復讐しないだろうか。
30 恐怖と、戦慄が、この国のうちにある。
31 預言者は偽りの預言をし、祭司は自分かってに治め、わたしの民はそれを愛している。
その末には、あなたがたは、どうするつもりだ。」

6章
1 ベニヤミンの子らよ。
エルサレムの中からのがれよ。
テコアで角笛を吹き、ベテ・ハケレムでのろしを上げよ。
わざわいと大いなる破滅が、北から見おろしているからだ。
2 私は、シオンの娘を、麗しい牧場になぞらえる。
3 羊飼いは自分の群れを連れて、そこに行き、その回りに天幕を張り、その群れはおのおの、自分の草を食べる。
4 「シオンに向かって聖戦をふれよ。
立て。われわれは真昼に上ろう。」
「ああ、残念だ。
日が傾いた。夕べの影も伸びる。」
5 「立て。われわれは夜の間に上って、その宮殿を滅ぼそう。」

6 まことに万軍の主はこう仰せられる。
「木を切って、エルサレムに対して塁を築け。
これは罰せられる町。
その中には、しいたげだけがある。
7 井戸が水をわき出させるように、エルサレムは自分の悪をわき出させた。
暴虐と暴行が、その中で聞こえる。
わたしの前には、いつも病と打ち傷がある。
8 エルサレムよ。戒めを受けよ。
さもないと、わたしの心はおまえから離れ、おまえを住む人もない荒れ果てた地とする。」

9 万軍の主はこう仰せられる。
「ぶどうの残りを摘むように、イスラエルの残りの者をすっかり摘み取れ。
ぶどうを収穫する者のように、あなたの手をもう一度、その枝に伸ばせ。」

10 私はだれに語りかけ、だれをさとして、聞かせようか。
見よ。彼らの耳は閉じたままで、聞くこともできない。
見よ。主のことばは、彼らにとって、そしりとなる。
彼らはそれを喜ばない。
11 私の身には主の憤りが満ち、これに耐えるのに、私は疲れ果てた。

「それを、道ばたにいる子どもの上にも、若い男の集まりの上にも、ぶちまけよ。
夫も妻も、ともどもに、年寄りも齢の満ちた者も共に捕らえられ、
12 彼らの家は、畑や妻もろともに、他人のものとなる。
それは、わたしが
この国の住民に手を伸ばすからだ。
――主の御告げ――
13 なぜなら、身分の低い者から高い者まで、みな利得をむさぼり、預言者から祭司に至るまで、みな偽りを行っているからだ。
14 彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ』と言っている。
15 彼らは忌みきらうべきことをして、恥を見ただろうか。
彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。
だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、わたしが彼らを罰する時に、よろめき倒れる」と
主は仰せられる。

16 主はこう仰せられる。
「四つ辻に立って見渡し、昔からの通り道、幸いの道はどこにあるかを尋ね、それを歩んで、あなたがたのいこいを見いだせ。
しかし、彼らは『そこを歩まない』と言った。
17 また、わたしは、あなたがたの上に
見張り人を立て、『角笛の音に注意せよ』と言わせたのに、彼らは『注意しない』と言った。
18 それゆえ、諸国の民よ。聞け。
会衆よ。知れ。
彼らに何が起こるかを。
19 この国よ。聞け。
見よ。わたしはこの民にわざわいをもたらす。
これは彼らのたくらみの実。
彼らが、わたしのことばに注意せず、わたしの律法を退けたからだ。
20 いったい、何のため、シェバから乳香や、遠い国からかおりの良い菖蒲が
わたしのところに来るのか。
あなたがたの全焼のいけにえは受け入れられず、あなたがたのいけにえはわたしを喜ばせない。」
21 それゆえ、主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはこの民につまずきを与える。
父も子も共にこれにつまずき、隣人も友人も滅びる。」

22 主はこう仰せられる。
「見よ。一つの民が北の地から来る。
大きな国が地の果てから奮い立つ。
23 彼らは弓と投げ槍を堅く握り、残忍で、あわれみがない。
その声は海のようにとどろく。
シオンの娘よ。彼らは馬にまたがり、ひとりのように陣備えをして、あなたを攻める。」
24 私たちは、そのうわさを聞いて、気力を失い、産婦のような苦しみと苦痛が私たちを捕らえた。
25 畑に出るな。道を歩くな。
敵の剣がそこにあり、恐れが回りにあるからだ。
26 私の民の娘よ。
荒布を身にまとい、灰の中をころび回れ。
ひとり子のために苦しみ嘆いて、喪に服せ。
たちまち、荒らす者が私たちに襲いかかるからだ。

27 「わたしはあなたを、わたしの民の中で、ためす者とし、試みる者とした。
彼らの行いを知り、これをためせ。」

28 彼らはみな、かたくなな反逆者、中傷して歩き回り、青銅や鉄のようだ。
彼らはみな、堕落した者たちだ。
29 ふいごで激しく吹いて、鉛を火で溶かす。
鉛は溶けた。溶けたが、むだだった。
悪いものは除かれなかった。
30 彼らは廃物の銀と呼ばれている。
主が彼らを退けたからだ。

7章
1 主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「主の家の門に立ち、そこでこのことばを叫んで言え。
主を礼拝するために、この門に入るすべてのユダの人々よ。主のことばを聞け。
3 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。あなたがたの行いと、わざとを改めよ。そうすれば、わたしは、あなたがたをこの所に住ませよう。
4 あなたがたは、『これは主の宮、主の宮、主の宮だ』と言っている偽りのことばを信頼してはならない。
5 もし、ほんとうに、あなたがたが行いとわざとを改め、あなたがたの間で公義を行い、
6 在留異国人、みなしご、やもめをしいたげず、罪のない者の血をこの所で流さず、ほかの神々に従って自分の身にわざわいを招くようなことをしなければ、
7 わたしはこの所、わたしがあなたがたの先祖に与えたこの地に、とこしえからとこしえまで、あなたがたを住ませよう。
8 なんと、あなたがたは、役にも立たない偽りのことばにたよっている。
9 しかも、あなたがたは盗み、殺し、姦通し、偽って誓い、バアルのためにいけにえを焼き、あなたがたの知らなかったほかの神々に従っている。
10 それなのに、あなたがたは、わたしの名がつけられているこの家のわたしの前にやって来て立ち、『私たちは救われている』と言う。それは、このようなすべての忌みきらうべきことをするためか。
11 わたしの名がつけられているこの家は、あなたがたの目には強盗の巣と見えたのか。そうだ。わたしにも、そう見えていた。――主の御告げ――
12 それなら、さあ、シロにあったわたしの住まい、先にわたしの名を住ませた所へ行って、わたしの民イスラエルの悪のために、そこでわたしがしたことを見よ。
13 今、あなたがたは、これらの事をみな行っている。――主の御告げ――わたしがあなたがたに絶えず、しきりに語りかけたのに、あなたがたは聞こうともせず、わたしが呼んだのに、答えもしなかった。
14 それで、あなたがたの頼みとするこの家、わたしの名がつけられているこの家、また、わたしが、あなたがたと、あなたがたの先祖に与えたこの場所に、わたしはシロにしたのと同様なことを行おう。
15 わたしは、かつて、あなたがたのすべての兄弟、エフライムのすべての子孫を追い払ったように、あなたがたを、わたしの前から追い払おう。
16 あなたは、この民のために祈ってはならない。彼らのために叫んだり、祈りをささげたりしてはならない。わたしにとりなしをしてはならない。わたしはあなたの願いを聞かないからだ。
17 彼らがユダの町々や、エルサレムのちまたで何をしているのか、あなたは見ていないのか。
18 子どもたちはたきぎを集め、父たちは火をたき、女たちは麦粉をこねて『天の女王』のための供えのパン菓子を作り、わたしの怒りを引き起こすために、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いでいる。
19 彼らはわたしの怒りを引き起こすのか。――主の御告げ――自分たちを怒らせ、自分たちの赤恥をさらすためではないか。」
20 それで、神である主はこう仰せられる。「見よ。わたしの怒りと憤りは、この場所と、人間と、家畜と、畑の木と、地の産物とに注がれ、それは燃えて、消えることがない。」
21 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「全焼のいけにえを、あなたがたのほかのいけにえに加えて、その肉を食べよ。
22 わたしは、あなたがたの先祖をエジプトの国から連れ出したとき、全焼のいけにえや、ほかのいけにえについては何も語らず、命じもしなかった。
23 ただ、次のことを彼らに命じて言った。『わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしは、あなたがたの神となり、あなたがたは、わたしの民となる。あなたがたをしあわせにするために、わたしが命じるすべての道を歩め。』
24 しかし、彼らは聞かず、耳を傾けず、悪いかたくなな心のはかりごとのままに歩み、前進するどころか後退した。
25 あなたがたの先祖がエジプトの国を出た日から今日まで、わたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを、毎日朝早くから、たびたび送ったが、
26 彼らはわたしに聞かず、耳を傾けず、うなじのこわい者となって、先祖たちよりも悪くなった。
27 あなたが彼らにこれらのことをすべて語っても、彼らはあなたに聞かず、彼らを呼んでも、彼らはあなたに答えまい。
28 そこであなたは彼らに言え。この民は、自分の神、主の声を聞かず、懲らしめを受けなかった民だ。真実は消えうせ、彼らの口から断たれた。

29 『あなたの長い髪を切り捨て、裸の丘の上で哀歌を唱えよ。
主は、この世代の者を、激しく怒って、退け、捨てたからだ。』

30 それは、ユダの子らが、わたしの目の前に悪を行ったからだ。――主の御告げ――彼らは、わたしの名がつけられているこの家に自分たちの忌むべき物を置いて、これを汚した。
31 また自分の息子、娘を火で焼くために、ベン・ヒノムの谷にあるトフェテに高き所を築いたが、これは、わたしが命じたこともなく、思いつきもしなかったことだ。
32 それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日には、もはや、そこはトフェテとかベン・ヒノムの谷と呼ばれない。ただ虐殺の谷と呼ばれる。人々はトフェテに、余地がないほどに葬る。
33 この民のしかばねは、空の鳥、地の獣のえじきとなるが、これを追い払う者もない。
34 わたしは、ユダの町々とエルサレムのちまたから、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やす。この国は廃墟となるからである。

8章
1 その時、――主の御告げ――人々は、ユダの王たちの骨、首長たちの骨、祭司たちの骨、預言者たちの骨、エルサレムの住民の骨を、彼らの墓からあばき、
2 それらを、彼らが愛し、仕え、従い、伺いを立て、拝んだ日や月や天の万象の前にさらす。それらは集められることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。
3 また、この悪い一族の中から残された残りの者はみな、わたしが追い散らした残りの者のいるどんな所でも、いのちよりも死を選ぶようになる。――万軍の主の御告げ――」

4 あなたは、彼らに言え。
主はこう仰せられる。
「倒れたら、起き上がらないのだろうか。
背信者となったら、悔い改めないのだろうか。
5 なぜ、この民エルサレムは、背信者となり、背信を続けているのか。
彼らは欺きにすがりつき、帰って来ようとしない。
6 わたしは注意して聞いたが、彼らは正しくないことを語り、『私はなんということをしたのか』と言って、自分の悪行を悔いる者は、ひとりもいない。
彼らはみな、戦いに突入する馬のように、自分の走路に走り去る。
7 空のこうのとりも、自分の季節を知っており、山鳩、つばめ、つるも、自分の帰る時を守るのに、わたしの民は主の定めを知らない。

8 どうして、あなたがたは、『私たちは知恵ある者だ。
私たちには主の律法がある』と言えようか。
確かにそうだが、書記たちの偽りの筆が、これを偽りにしてしまっている。
9 知恵ある者たちは恥を見、驚きあわてて、捕らえられる。
見よ。主のことばを退けたからには、彼らに何の知恵があろう。

10 それゆえ、わたしは彼らの妻を他人に与え、彼らの畑を侵略者に与える。
なぜなら、身分の低い者から高い者まで、みな利得をむさぼり、預言者から祭司に至るまで、みな偽りを行っているからだ。
11 彼らは、わたしの民の娘の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ』と言っている。
12 彼らは忌みきらうべきことをして、恥を見ただろうか。
彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。
だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、彼らの刑罰の時、よろめき倒れる」と
主は仰せられる。

13 「わたしは彼らを、刈り入れたい。
――主の御告げ――
しかし、ぶどうの木には、ぶどうがなく、いちじくの木には、いちじくがなく、葉はしおれている。
わたしはそれをなるがままにする。」

14 どうして、私たちはすわっているのか。
集まって、城壁のある町々に行き、そこで死のう。
私たちの神、主が、私たちを滅ぼす。
主が私たちに毒の水を飲ませられる。
私たちが主に罪を犯したからだ。
15 平安を待ち望んでも、幸いはなく、いやしの時を待ち望んでも、見よ、恐怖しかない。

16 「ダンから馬の鼻息が聞こえる。
その荒馬のいななきの声に、全地は震える。
彼らは来て、地と、それに満ちるもの、町と、その住民を食らう。
17 見よ。わたしが、まじないのきかないコブラや、まむしを、あなたがたの中に送り、あなたがたをかませるからだ。
――主の御告げ――」

18 私の悲しみはいやされず、私の心は弱り果てている。
19 聞け。遠くの地からの
私の民の娘の叫び声を。
「主はシオンにおられないのか。
シオンの王は、その中におられないのか。」

「なぜ、彼らは自分たちの刻んだ像により、外国のむなしいものによって、わたしの怒りを引き起こしたのか。」

20 「刈り入れ時は過ぎ、夏も終わった。
それなのに、私たちは救われない。」

21 私の民の娘の傷のために、私も傷つき、私は憂え、恐怖が、私を捕らえた。
22 乳香はギルアデにないのか。
医者はそこにいないのか。
それなのに、なぜ、私の民の娘の傷はいやされなかったのか。

9章
1 ああ、私の頭が水であったなら、私の目が涙の泉であったなら、私は昼も夜も、私の娘、私の民の殺された者のために
泣こうものを。
2 ああ、私が荒野に旅人の宿を持っていたなら、私の民を見捨てて、彼らから離れることができようものを。
彼らはみな姦通者、裏切り者の集会だから。
3 彼らは舌を弓のように曲げ、真実でなく、偽りをもって、地にはびこる。

まことに彼らは、悪から悪へ進み、わたしを知らない。――主の御告げ――

4 おのおの互いに警戒せよ。
どの兄弟も信用するな。
どの兄弟も人を押しのけ、どの友も中傷して歩き回るからだ。
5 彼らはおのおの、だまし合って、真実を語らない。
偽りを語ることを舌に教え、悪事を働き、依然として悔い改めない。

6 彼らはしいたげに、しいたげを重ね、欺きに欺きを重ねて、わたしを知ろうともしなかった。
――主の御告げ――

7 それゆえ、万軍の主はこう仰せられる。
「見よ。わたしは彼らを溶かしてためす。
いったい、わたしの民の娘に対し、ほかに何ができようか。
8 彼らの舌はとがった矢で、欺きを語る。
口先では友人に平和を語るが、腹の中では待ち伏せを計る。
9 これらのために、わたしは彼らを罰しないだろうか。
――主の御告げ――
このような国に対して、わたしが復讐しないだろうか。」

10 私は山々のために泣き声をあげて嘆き、荒野の牧草地のために哀歌を唱える。
そこは、焼き払われて通る人もなく、群れの声も聞こえず、空の鳥から家畜まで、みな逃げ去っているからだ。

11 わたしはエルサレムを石くれの山とし、ジャッカルの住みかとする。
ユダの町々を荒れ果てさせ、住む者もなくする。

12 知恵があって、これを悟ることのできる者はだれか。
主の御口が語られたことを
告げ知らせることのできる者はだれか。
どうしてこの国は滅びたのか。
どうして荒野のように焼き払われて、通る人もないのか。

13 主は仰せられる。「彼らは、わたしが彼らの前に与えたわたしの律法を捨て、わたしの声に聞き従わず、それに歩まず、
14 彼らのかたくなな心のままに歩み、先祖たちが彼らに教えたバアルに従って歩んだ。」
15 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「見よ。わたしは、この民に、苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。
16 彼らも先祖たちも知らなかった国々に彼らを散らし、剣を彼らのうしろに送り、ついに彼らを絶滅させる。」

17 万軍の主はこう仰せられる。
「よく考えて、泣き女を呼んで来させ、使いをやって巧みな女たちを連れて来させよ。」
18 彼らをせきたて、私たちのために嘆きの声をあげさせ、私たちの目に涙をしたたらせ、私たちのまぶたに水をあふれさせよ。
19 シオンから嘆きの声が聞こえるからだ。
ああ、私たちは踏みにじられ、いたく恥を見た。
私たちが国を見捨て、彼らが私たちの住まいを投げやったからだ。
20 女たちよ。主のことばを聞き、あなたがたの耳は、主の言われることばを受けとめよ。
あなたがたの娘に嘆きの歌を教え、隣の女にも哀歌を教えよ。
21 死が、私たちの窓によじのぼり、私たちの高殿に入って来、道ばたで子どもを、広場で若い男を
断ち滅ぼすからだ。

22 語れ。――主の御告げはこうだ――
人間のしかばねは、畑の肥やしのように、刈り入れ人のあとの、集める者もない束のように、横たわる。

23 主はこう仰せられる。
「知恵ある者は自分の知恵を誇るな。
つわものは自分の強さを誇るな。
富む者は自分の富を誇るな。
24 誇る者は、ただ、これを誇れ。
悟りを得て、わたしを知っていることを。
わたしは主であって、地に恵みと公義と正義を行う者であり、わたしがこれらのことを喜ぶからだ。
――主の御告げ――

25 見よ。その日が来る。――主の御告げ――
その日、わたしは、すべて包皮に割礼を受けている者を罰する。
26 エジプト、ユダ、エドム、アモン人、モアブ、および
荒野の住人でこめかみを刈り上げている
すべての者を罰する。
すべての国々は無割礼であり、イスラエルの全家も
心に割礼を受けていないからだ。」

10章
1 イスラエルの家よ。主があなたがたに語られたことばを聞け。
2 主はこう仰せられる。
「異邦人の道を見習うな。
天のしるしにおののくな。
異邦人がそれらにおののいていても。
3 国々の民のならわしはむなしいからだ。
それは、林から切り出された木、木工が、なたで造った物にすぎない。
4 それは銀と金で飾られ、釘や、槌で、動かないように打ちつけられる。
5 それは、きゅうり畑のかかしのようで、ものも言えず、歩けないので、いちいち運んでやらなければならない。
そんな物を恐れるな。
わざわいも幸いも下せないからだ。」

6 主よ。あなたに並ぶ者はありません。
あなたは大いなる方。
あなたの御名は、力ある大いなるものです。
7 諸国の民の王よ。
だれかあなたを恐れない者がありましょうか。
それは、あなたに対して当然なことです。
諸国の民のすべての知恵ある者たちの中にも、そのすべての王国の中にも、あなたと並ぶような者はいないからです。

8 彼らはみなまぬけ者で愚かなことをする。
むなしい神々の戒め――それは木にすぎない。
9 銀箔はタルシシュから、金はウファズから運ばれる。
偶像は木工と金細工人の手の作。
その衣は青色と紫色、これらはみな、名匠の作。
10 しかし、主はまことの神、生ける神、とこしえの王。
その怒りに地は震え、その憤りに国々は耐えられない。

11 あなたがたは、彼らにこう言え。「天と地を造らなかった神々は、地からも、これらの天の下からも滅びる」と。

12 主は、御力をもって地を造り、知恵をもって世界を堅く建て、英知をもって天を張られた。
13 主が声を出すと、水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、雨のためにいなずまを造り、その倉から風を出される。
14 すべての人間は愚かで無知だ。
すべての金細工人は、偶像のために恥を見る。
その鋳た像は偽りで、その中に息がないからだ。
15 それは、むなしいもの、物笑いの種だ。
刑罰の時に、それらは滅びる。
16 ヤコブの分け前はこんなものではない。
主は万物を造る方。
イスラエルは主ご自身の部族。
その御名は万軍の主である。

17 包囲されている女よ。
あなたの荷物を地から取り集めよ。
18 まことに主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはこの国の住民を、今度こそ放り出し、彼らを悩ます。
彼らに思い知らせてやるためだ。」

19 ああ、私は悲しい。この傷のために。
この打ち傷はいやしがたい。
そこで、私は言った。
「まことに、これこそ私が、負わなければならない病だ。」
20 私の天幕は荒らされ、すべての綱は断ち切られ、私の子らも私から去って、もういない。
再び私の天幕を張る者はなく、私の幕屋を建てる者もいない。
21 牧者たちは愚かで、主を求めなかった。
それで彼らは栄えず、彼らの飼うものはみな散らされる。

22 聞け、うわさを。
見よ。大いなる騒ぎが北の地からやって来る。
ユダの町々を荒れ果てた地とし、ジャッカルの住みかとするために。

23 主よ。私は知っています。
人間の道は、その人によるのでなく、歩くことも、その歩みを確かにすることも、人によるのではないことを。
24 主よ。御怒りによらず、ただ公義によって、私を懲らしてください。
そうでないと、私は無に帰してしまうでしょう。
25 あなたを知らない諸国の民の上に、あなたの御名を呼ばない諸氏族の上に、あなたの憤りを注いでください。
彼らはヤコブを食らい、これを食らって、これを絶滅させ、その住まいを荒らしたからです。

11章
1 主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「この契約のことばを聞け。これをユダの人とエルサレムの住民に語って、
3 彼らに言え。
イスラエルの神、主は、こう仰せられる。この契約のことばを聞かない者は、のろわれよ。
4 これは、わたしがあなたがたの先祖をエジプトの国、鉄の炉から連れ出した日に、『わたしの声に聞き従い、すべてわたしがあなたがたに命ずるように、それを行え。そうすれば、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる』と言って、彼らに命じたものだ。
5 それは、わたしがあなたがたの先祖に対して、乳と蜜の流れる地を彼らに与えると誓った誓いを、今日あるとおり成就するためであった。」そこで、私は答えて言った。「主よ。アーメン。」
6 すると主は私に仰せられた。「これらのことばのすべてを、ユダの町々と、エルサレムのちまたで叫んで、こう言え。『この契約のことばを聞いて、これを行え。』
7 わたしは、あなたがたの先祖をエジプトの国から導き出した日に、彼らをはっきり戒め、また今日まで、『わたしの声を聞け』と言って、しきりに戒めてきた。
8 しかし彼らは聞かず、耳を傾けず、おのおの悪いかたくなな心のままに歩んだ。それで、わたしはこの契約のことばをみな、彼らに実現させた。わたしが行うように命じたのに、彼らが行わなかったからである。」
9 ついで、主は私に仰せられた。「ユダの人、エルサレムの住民の間に、謀反がある。
10 彼らは、わたしのことばを聞こうとしなかった彼らの先祖たちの咎をくり返し、彼ら自身も、ほかの神々に従って、これに仕えた。イスラエルの家とユダの家は、わたしが彼らの先祖たちと結んだわたしの契約を破った。」
11 それゆえ、主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らにわざわいを下す。彼らはそれからのがれることはできない。彼らはわたしに叫ぶだろうが、わたしは彼らに聞かない。
12 そこで、ユダの町々とエルサレムの住民は、彼らが香をたいた神々のもとに行って叫ぶだろうが、これらは、彼らのわざわいの時に、彼らを決して救うことはできない。
13 なぜなら、ユダよ、あなたの神々は、あなたの町の数ほどもあり、あなたがたは、恥ずべきもののための祭壇、バアルのためにいけにえを焼く祭壇を、エルサレムの通りの数ほども設けたからである。
14 あなたは、この民のために祈ってはならない。彼らのために叫んだり祈りをささげたりしてはならない。彼らがわざわいに会ってわたしを呼ぶときにも、わたしは聞かないからだ。
15 わたしの愛する者は、わたしの家で、何をしているのか。何をたくらんでいるのか。
誓願のささげ物や、いけにえの肉が、わざわいをあなたから過ぎ去らせるのか。
その時には、こおどりして喜ぶがよい。
16 主はかつてあなたの名を、『良い実をみのらせる
美しい緑のオリーブの木』と呼ばれたが、大きな騒ぎの声が起こると、主はこれに火をつけ、その枝を焼かれる。
17 あなたを植えた万軍の主が、あなたにわざわいを言い渡す。これはイスラエルの家とユダの家が、悪を行い、バアルにいけにえをささげて、わたしの怒りを引き起こしたからである。」
18 主が私に知らせてくださったので、私はそれを知りました。今、あなたは、彼らのわざを、私に見せてくださいました。
19 私は、ほふり場に引かれて行くおとなしい子羊のようでした。彼らが私に敵対して、「木を実とともに滅ぼそう。彼を生ける者の地から断って、その名が二度と思い出されないようにしよう」と計画していたことを、私は知りませんでした。
20 しかし、正しいさばきをし、思いと心をためされる万軍の主よ。
あなたが彼らに復讐するのを
私は見ることでしょう。
私が、あなたに私の訴えを打ち明けたからです。
21 それゆえ、主はアナトテの人々について、こう仰せられた。「彼らはあなたのいのちをねらい、『主の名によって預言するな。われわれの手にかかってあなたが死なないように』と言っている。」
22 それで、万軍の主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らを罰する。若い男は剣で殺され、彼らの息子、娘は飢えて死に、
23 彼らには残る者がいなくなる。わたしがアナトテの人々にわざわいを下し、刑罰の年をもたらすからだ。」

12章
1 主よ。私があなたと論じても、あなたのほうが正しいのです。
それでも、さばきについて、一つのことを私はあなたにお聞きしたいのです。
なぜ、悪者の道は栄え、裏切りを働く者が、みな安らかなのですか。
2 あなたは彼らを植え、彼らは根を張り、伸びて、実を結びました。
あなたは、彼らの口には近いのですが、彼らの思いからは遠く離れておられます。
3 主よ。あなたは私を知り、私を見ておられ、あなたへの私の心をためされます。
どうか彼らを、ほふられる羊のように
引きずり出して、虐殺の日のために取り分けてください。
4 いつまで、この地は喪に服し、すべての畑の青草は枯れているのでしょうか。
そこに住む者たちの悪のために、家畜も鳥も取り去られています。
人々は、「彼は私たちの最期を見ない」と
言っているのです。

5 あなたは徒歩の人たちと走っても疲れるのに、どうして騎馬の人と競走できよう。
あなたは平穏な地で安心して過ごしているのに、どうしてヨルダンの密林で過ごせよう。
6 あなたの兄弟や、父の家の者さえ、彼らさえ、あなたを裏切り、彼らさえ、あなたのあとから大声で呼ばわるのだから、彼らがあなたに親切そうに語りかけても、彼らを信じてはならない。

7 私は、私の家を捨て、私の相続地を見放し、私の心の愛するものを、敵の手中に渡した。
8 私の相続地は、私にとって、林の中の獅子のようだ。
これは私に向かって、うなり声をあげる。
それで、私はこの地を憎む。
9 私の相続地は、私にとって、まだらの猛禽なのか。
猛禽がそれを取り巻いているではないか。
さあ、すべての野の獣を集めよ。
連れて来て、食べさせよ。
10 多くの牧者が、私のぶどう畑を荒らし、私の地所を踏みつけ、私の慕う地所を、恐怖の荒野にした。
11 それは恐怖と化し、荒れ果てて、私に向かって嘆いている。
全地は荒らされてしまった。
だれも心に留める者がいないのだ。

12 荒野にあるすべての裸の丘の上に、荒らす者が来た。
主の剣が、地の果てから地の果てに至るまで
食い尽くすので、すべての者には平安がない。
13 小麦を蒔いても、いばらを刈り取り、労苦してもむだになる。
あなたがたは、自分たちの収穫で恥を見よう。
主の燃える怒りによって。

14 「主はこう仰せられる。わたしが、わたしの民イスラエルに継がせた相続地を侵す悪い隣国の民について。見よ、わたしは彼らをその土地から引き抜き、ユダの家も彼らの中から引き抜く。
15 しかし、彼らを引き抜いて後、わたしは再び彼らをあわれみ、彼らをそれぞれ、彼らの相続地、彼らの国に帰らせよう。
16 彼らが、かつて、わたしの民にバアルによって誓うことを教えたように、もし彼らがわたしの民の道をよく学び、わたしの名によって、『主は生きておられる』と誓うなら、彼らは、わたしの民のうちに建てられよう。
17 しかし、彼らが聞かなければ、わたしはその国を根こぎにして滅ぼしてしまう。――主の御告げ――」

13章
1 主は私にこう仰せられた。「行って、亜麻布の帯を買い、それを腰に締めよ。水に浸してはならない。」
2 私は主のことばのとおり、帯を買って、腰に締めた。
3 すると、私に次のような主のことばがあった。
4 「あなたが買って腰に着けているその帯を取り、すぐ、ユーフラテス川へ行き、それをそこの岩の割れ目に隠せ。」
5 そこで、主が私に命じられたように、私は行って、それをユーフラテス川のほとりに隠した。
6 多くの日を経て、主は私に仰せられた。「すぐ、ユーフラテス川へ行き、わたしが隠せとあなたに命じたあの帯を取り出せ。」
7 私はユーフラテス川に行って、掘り、隠した所から帯を取り出したが、なんと、その帯は腐って、何の役にも立たなくなっていた。
8 すると、私に次のような主のことばがあった。
9 「主はこう仰せられる。わたしはユダとエルサレムの大きな誇りを腐らせる。
10 わたしのことばを聞こうともせず、自分たちのかたくなな心のままに歩み、ほかの神々に従って、それに仕え、それを拝むこの悪い民は、何の役にも立たないこの帯のようになる。
11 なぜなら、帯が人の腰に結びつくように、わたしは、イスラエルの全家とユダの全家をわたしに結びつけた。――主の御告げ――それは、彼らがわたしの民となり、名となり、栄誉となり、栄えとなるためだったのに、彼らがわたしに聞き従わなかったからだ。
12 あなたは彼らにこのことばを伝えよ。『イスラエルの神、主は、こう仰せられる。すべてのつぼには酒が満たされる。』彼らはあなたに、『すべてのつぼに酒が満たされることくらい、私たちは知りぬいていないだろうか』と言うが、
13 あなたは彼らに言え。『主はこう仰せられる。見よ。わたしは、この国の全住民、ダビデの王座に着いている王たち、祭司、預言者、およびエルサレムの全住民をすっかり酔わせ、
14 彼らを互いにぶつけ合わせて砕く。父も子もともどもに。――主の御告げ――わたしは容赦せず、惜しまず、あわれまないで、彼らを滅ぼしてしまおう。』」

15 耳を傾けて聞け。高ぶるな。
主が語られたからだ。
16 あなたがたの神、主に、栄光を帰せよ。
まだ主がやみを送らないうちに、まだあなたがたの足が、暗い山でつまずかないうちに。
そのとき、あなたがたが光を待ち望んでも、主はそれを死の陰に変え、暗やみとされる。
17 もし、あなたがたがこれに聞かなければ、私は隠れた所で、あなたがたの高ぶりのために泣き、涙にくれ、私の目は涙を流そう。
主の群れが、とりこになるからだ。

18 王と王母に告げよ。
「低い座に着け。
あなたがたの頭から、あなたがたの輝かしい冠が落ちたから。」
19 ネゲブの町々は閉ざされて、だれもあける者はいない。
ユダはことごとく捕らえ移され、ひとり残らず捕らえ移される。
20 あなたがたの目を上げ、北から来る者たちを見よ。
――あなたに賜った群れ、あなたの美しい羊の群れは
どこにいるのか――
21 あなたは彼らを最も親しい友として、自分に教えこんでいたのに。
主があなたを罰するとき、あなたは何と言おうとするのか。
苦痛があなたを捕らえないだろうか。
子を産む女のように。

22 あなたが心の中で、「なぜ、こんなことが、私の身に起こったのか」と
言うなら、それは、あなたの多くの咎のために、あなたのすそはまくられ、あなたのかかとがそこなわれたからだ。
23 クシュ人がその皮膚を、ひょうがその斑点を、変えることができようか。
もしできたら、悪に慣れたあなたがたでも、善を行うことができるだろう。

24 わたしは、彼らを、荒野の風に吹き飛ばされるわらのように散らす。
25 これがあなたの受ける割り当て、わたしがあなたに量り与える分である。
――主の御告げ――
あなたがわたしを忘れ、偽りに拠り頼んだためだ。
26 わたしも、あなたのすそを、顔の上までまくるので、あなたの恥ずべき所が現れる。
27 あなたの姦淫、あなたのいななき、あなたの淫行のわざ――
この忌むべき行いを、わたしは、丘の上や野原で見た。
ああ。エルサレムよ。あなたは
いつまでたっても、きよめられないのか。

14章
1 日照りのことについて、エレミヤにあった主のことば。
2 ユダは喪に服し、その門は打ちしおれ、地に伏して嘆き悲しみ、エルサレムは哀れな叫び声をあげる。
3 その貴人たちは、召使いを、水を汲みにやるが、彼らが水ためのほとりに来ても、水は見つからず、からの器のままで帰る。
彼らは恥を見、侮られて、頭をおおう。
4 国に秋の大雨が降らず、地面が割れたため、農夫たちも恥を見、頭をおおう。
5 若草がないために、野の雌鹿さえ、子を産んでも捨てる。
6 野ろばは裸の丘の上に立ち、ジャッカルのようにあえぎ、目も衰え果てる。
青草がないためだ。

7 私たちの咎が、私たちに不利な証言をしても、主よ、あなたの御名のために事をなしてください。
私たちの背信ははなはだしく、私たちはあなたに罪を犯しました。
8 イスラエルの望みである方、苦難の時の救い主よ。
なぜあなたは、この国にいる在留異国人のように、また、一夜を過ごすため立ち寄った旅人のように、すげなくされるのですか。
9 なぜ、あなたはあわてふためく人のように、また、人を救うこともできない勇士のように、されるのですか。
主よ。あなたは私たちの真ん中におられ、私たちはあなたの御名をもって、呼ばれているのです。
私たちを、置き去りにしないでください。

10 この民について、主はこう仰せられる。「このように、彼らはさすらうことを愛し、その足を制することもしない。それで、主は彼らを喜ばず、今、彼らの咎を覚えて、その罪を罰する。」
11 主はさらに、私に仰せられた。「この民のために幸いを祈ってはならない。
12 彼らが断食しても、わたしは彼らの叫びを聞かない。全焼のいけにえや、穀物のささげ物をささげても、わたしはそれを受け入れない。かえって、剣とききんと疫病で、彼らをことごとく絶ち滅ぼす。」
13 私は言った。「ああ、神、主よ。預言者たちは、『あなたがたは剣を見ず、ききんもあなたがたに起こらない。かえって、わたしはこの所でまことの平安をあなたがたに与える』と人々に言っているではありませんか。」
14 主は私に仰せられた。「あの預言者たちは、わたしの名によって偽りを預言している。わたしは彼らを遣わしたこともなく、彼らに命じたこともなく、語ったこともない。彼らは、偽りの幻と、むなしい占いと、自分の心の偽りごとを、あなたがたに預言しているのだ。
15 それゆえ、わたしの名によって預言はするが、わたしが遣わしたのではない預言者たち、『剣やききんがこの国に起こらない』と言っているこの預言者たちについて、主はこう仰せられる。『剣とききんによって、その預言者たちは滅びうせる。』
16 彼らの預言を聞いた民も、ききんと剣によってエルサレムの道ばたに投げ出され、彼らを葬る者もいなくなる。彼らも、その妻も、息子、娘もそのようになる。わたしは、彼らの上にわざわいを注ぎかける。
17 あなたは彼らに、このことばを言え。
『私の目は夜も昼も涙を流して、やむことがない。
私の民の娘、おとめの打たれた傷は大きく、いやしがたい、ひどい打ち傷。
18 野に出ると、見よ、剣で刺し殺された者たち。
町に入ると、見よ、飢えて病む者たち。
しかし、預言者も祭司も、地にさまよって、途方にくれている。』」

19 あなたはユダを全く退けたのですか。
あなたはシオンをきらわれたのですか。
なぜ、あなたは、私たちを打って、いやされないのですか。
私たちが平安を待ち望んでも、幸いはなく、いやしの時を待ち望んでも、なんと、恐怖しかありません。
20 主よ。私たちは自分たちの悪と、先祖の咎とを知っています。
ほんとうに私たちは、あなたに罪を犯しています。
21 御名のために、私たちを退けないでください。
あなたの栄光の御座を
はずかしめないでください。
あなたが私たちに立てられた契約を覚えて、それを破らないでください。
22 異国のむなしい神々の中で、大雨を降らせる者がいるでしょうか。
それとも、天が夕立を降らせるでしょうか。
私たちの神、主よ。
それは、あなたではありませんか。
私たちはあなたを待ち望みます。
あなたがこれらすべてをなさるからです。

15章
1 主は私に仰せられた。「たといモーセとサムエルがわたしの前に立っても、わたしはこの民を顧みない。彼らをわたしの前から追い出し、立ち去らせよ。
2 彼らがあなたに、『どこへ去ろうか』と言うなら、あなたは彼らに言え。『主はこう仰せられる。
死に定められた者は死に、剣に定められた者は剣に、ききんに定められた者はききんに、とりこに定められた者はとりこに。』
3 わたしは四つの種類のもので彼らを罰する。――主の御告げ――すなわち、切り殺すために剣、引きずるために犬、食い尽くし、滅ぼすために空の鳥と地の獣である。
4 わたしは彼らを、地のすべての王国のおののきとする。ユダの王ヒゼキヤの子マナセがエルサレムで行ったことのためである。
5 エルサレムよ。
いったい、だれがおまえをあわれもう。
だれがおまえのために嘆こう。
だれが立ち寄って、おまえの安否を尋ねよう。
6 おまえがわたしを捨てたのだ、――主の御告げ――
おまえはわたしに背を向けた。
わたしはおまえに手を伸ばし、おまえを滅ぼす。
わたしはあわれむのに飽いた。

7 わたしはこの国の町囲みのうちで、熊手で彼らを追い散らし、彼らの子を失わせ、わたしの民を滅ぼした。
彼らがその行いを悔い改めなかったからだ。
8 わたしはそのやもめの数を
海の砂よりも多くした。
わたしは若い男の母親に対し、真昼に荒らす者を送り、にわかに、苦痛と恐怖を彼女の上に襲わせた。
9 七人の子を産んだ女は打ちしおれ、その息はあえいだ。
彼女の太陽は、まだ昼のうちに没し、彼女は恥を見、はずかしめを受けた。
また、わたしは、彼らの残りの者を
彼らの敵の前で剣に渡す。
――主の御告げ――」

10 ああ、悲しいことだ。
私の母が私を産んだので、私は国中の争いの相手、けんかの相手となっている。
私は貸したことも、借りたこともないのに、みな、私をのろっている。

11 主は仰せられた。
「必ずわたしはあなたを解き放って、しあわせにする。
必ずわたしは、わざわいの時、苦難の時に、敵があなたにとりなしを頼むようにする。

12 だれが鉄、北からの鉄や青銅を
砕くことができようか。
13 わたしは、あなたの財宝、あなたの宝物を
獲物として、ただで引き渡す。
それは、あなたの国中で、あなたが犯した罪のためだ。
14 わたしはあなたを
あなたの知らない国で敵に仕えさせる。
わたしの怒りによって火がつき、あなたがたに向かって燃えるからだ。」

15 主よ。あなたはご存じです。
私を思い出し、私を顧み、私を追う者たちに復讐してください。
あなたの御怒りをおそくして、私を取り去らないでください。
私があなたのためにそしりを受けているのを、知ってください。
16 私はあなたのみことばを見つけ出し、それを食べました。
あなたのみことばは、私にとって
楽しみとなり、心の喜びとなりました。
万軍の神、主よ。
私にはあなたの名がつけられているからです。
17 私は、戯れる者たちの集まりにすわったことも、こおどりして喜んだこともありません。
私はあなたの御手によって、ひとりすわっていました。
あなたが憤りで私を満たされたからです。
18 なぜ、私の痛みはいつまでも続き、私の打ち傷は直らず、いえようともしないのでしょう。
あなたは、私にとって、欺く者、当てにならない小川のようになられるのですか。

19 それゆえ、主はこう仰せられた。
「もし、あなたが帰って来るなら、わたしはあなたを帰らせ、わたしの前に立たせよう。
もし、あなたが、卑しいことではなく、尊いことを言うなら、あなたはわたしの口のようになる。
彼らがあなたのところに帰ることがあっても、あなたは彼らのところに帰ってはならない。
20 わたしはあなたを、この民に対し、堅固な青銅の城壁とする。
彼らは、あなたと戦っても、勝てない。
わたしがあなたとともにいて、あなたを救い、あなたを助け出すからだ。
――主の御告げ――
21 また、わたしは、あなたを悪人どもの手から救い出し、横暴な者たちの手から助け出す。」

16章
1 次のような主のことばが私にあった。
2 「あなたは妻をめとるな。またこの所で、息子や娘を持つな。」
3 まことに、主は、この所で生まれる息子や娘につき、また、この国で、彼らを産む母親たちや、彼らを生ませる父親たちについて、こう仰せられる。
4 「彼らはひどい病気で死ぬ。彼らはいたみ悲しまれることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。また、剣とききんで滅ぼされ、しかばねは空の鳥や地の獣のえじきとなる。」
5 まことに主はこう仰せられる。「あなたは、服喪中の家に入ってはならない。悼みに行ってはならない。彼らのために嘆いてはならない。わたしはこの民から、わたしの平安と、――主の御告げ――いつくしみと、あわれみとを取り去った。
6 この国の身分の高い者や低い者が死んでも葬られず、だれも彼らをいたみ悲しまず、彼らのために身を傷つけず、髪もそらない。
7 だれも、死んだ者を悔やむために葬儀に出て、パンを裂くこともなく、その父や母を慰める杯を彼らに飲ませることもないだろう。
8 あなたは宴会の家に行き、いっしょにすわって食べたり飲んだりしてはならない。」
9 まことにイスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「見よ。わたしは、この所から、あなたがたの目の前で、あなたがたが生きているうちに、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やす。
10 あなたがこの民にこのすべてのことばを告げるとき、彼らがあなたに、『なぜ、主は私たちに、この大きなわざわいを語られたのか。私たちの咎とは何か。私たちの神、主に犯したという、私たちの罪とは何か』と尋ねたら、
11 あなたは彼らにこう言え。『あなたがたの先祖がわたしを捨て、――主の御告げ――ほかの神々に従い、これに仕え、これを拝み、わたしを捨てて、わたしの律法を守らなかったためだ。
12 また、あなたがた自身、あなたがたの先祖以上に悪事を働き、しかも、おのおの悪い、かたくなな心のままに歩み、わたしに聞き従わないので、
13 わたしはあなたがたをこの国から投げ出して、あなたがたも、先祖も知らなかった国へ行かせる。あなたがたは、そこで日夜、ほかの神々に仕える。わたしはあなたがたに、いつくしみを施さない。』
14 それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日にはもはや、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた主は生きておられる』とは言わないで、
15 ただ『イスラエルの子らを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた主は生きておられる』と言うようになる。わたしは彼らの先祖に与えた彼らの土地に彼らを帰らせる。
16 見よ。わたしは多くの漁夫をやって、――主の御告げ――彼らをすなどらせる。その後、わたしは多くの狩人をやって、すべての山、すべての丘、岩の割れ目から彼らをかり出させる。
17 わたしの目は彼らのすべての行いを見ているからだ。彼らはわたしの前から隠れることはできない。また、彼らの咎もわたしの目の前から隠されはしない。
18 わたしはまず、彼らの咎と罪に対し二倍の報復をする。それは彼らがわたしの国を忌むべきもののしかばねで汚し、忌みきらうべきものを、わたしの与えた相続地に、満たしたからである。」

19 主よ、私の力、私のとりで、苦難の日の私の逃げ場よ。
あなたのもとに、諸国の民は地の果てから来て言うでしょう。
「私たちの先祖が受け継いだものは、ただ偽るもの、何の役にも立たないむなしいものばかりだった。
20 人間は、自分のために神々を造れようか。
そんなものは神ではない」と。

21 「だから、見よ、わたしは彼らに知らせる。
今度こそ彼らに、わたしの手と、わたしの力を知らせる。
彼らは、わたしの名が主であることを知る。」

17章
1 ユダの罪は鉄の筆と金剛石のとがりでしるされ、彼らの心の板と彼らの祭壇の角に刻まれている。
2 彼らの子たちまで、その祭壇や、高い丘の茂った木のほとりにある
アシェラ像を覚えているほどだ。
3 野にあるわたしの山よ。
わたしは、あなたの財宝、すべての宝物を、獲物として引き渡す。
あなたの国中にある高き所の罪のために。
4 あなたは、わたしが与えたあなたの相続地を、手放さなければならない。
また、わたしは、あなたの知らない国で、あなたを敵に仕えさせる。
あなたがたが、わたしの怒りに火をつけたので、それはとこしえまでも燃えよう。

5 主はこう仰せられる。
「人間に信頼し、肉を自分の腕とし、心が主から離れる者はのろわれよ。
6 そのような者は荒地のむろの木のように、しあわせが訪れても会うことはなく、荒野の溶岩地帯、住む者のない塩地に住む。
7 主に信頼し、主を頼みとする者に
祝福があるように。
8 その人は、水のほとりに植わった木のように、流れのほとりに根を伸ばし、暑さが来ても暑さを知らず、葉は茂って、日照りの年にも心配なく、いつまでも実をみのらせる。

9 人の心は何よりも陰険で、それは直らない。
だれが、それを知ることができよう。
10 わたし、主が心を探り、思いを調べ、それぞれその生き方により、行いの結ぶ実によって報いる。
11 しゃこが自分で産まなかった卵を抱くように、公義によらないで富を得る者がある。
彼の一生の半ばで、富が彼を置き去りにし、そのすえはしれ者となる。」

12 私たちの聖所のある所は、初めから高く上げられた栄光の王座である。
13 イスラエルの望みである主よ。
あなたを捨てる者は、みな恥を見ます。

「わたしから離れ去る者は、地にその名がしるされる。
いのちの水の泉、主を捨てたからだ。」

14 私をいやしてください。主よ。
そうすれば、私はいえましょう。
私をお救いください。
そうすれば、私は救われます。
あなたこそ、私の賛美だからです。
15 ああ、彼らは私に言っています。
「主のことばはどこへ行ったのか。
さあ、それを来させよ。」
16 しかし、私は、あなたに従う牧者となることを、避けたことはありません。
私は、いやされない日を望んだこともありません。
あなたは、私のくちびるから出るものは、あなたの御前にあるのをご存じです。
17 私を恐れさせないでください。
あなたは、わざわいの日の、私の身の避け所です。
18 私に追い迫る者たちが恥を見、私が恥を見ないようにしてください。
彼らがうろたえ、私がうろたえないようにしてください。
彼らの上にわざわいの日を来たらせ、破れを倍にして、彼らを打ち破ってください。

19 主は私にこう仰せられる。「行って、ユダの王たちが出入りする、この民の子らの門と、エルサレムのすべての門に立ち、
20 彼らに言え。
これらの門のうちに入るユダの王たち、ユダ全体、エルサレムの全住民よ。主のことばを聞け。
21 主はこう仰せられる。『あなたがた自身、気をつけて、安息日に荷物を運ぶな。また、それをエルサレムの門のうちに持ち込むな。
22 また、安息日に荷物を家から出すな。何の仕事もするな。わたしがあなたがたの先祖に命じたとおりに安息日をきよく保て。
23 しかし、彼らは聞かず、耳も傾けず、うなじのこわい者となって聞こうとせず、懲らしめを受けなかった。
24 もし、あなたがたが、ほんとうにわたしに聞き従い、――主の御告げ――安息日にこの町の門のうちに荷物を持ち込まず、安息日をきよく保ち、この日に何の仕事もしないなら、
25 ダビデの王座に着く王たちや、車や馬に乗る首長たち、すなわち王たちとその首長たち、ユダの人、エルサレムの住民は、この町の門のうちに入り、この町はとこしえに人の住む所となる。
26 ユダの町々やエルサレムの周辺から、ベニヤミンの地や低地から、また山地やネゲブから、全焼のいけにえや、ほかのいけにえ、穀物のささげ物や乳香を携えて来る者、感謝のいけにえを携えて来る者が、主の宮に来る。
27 しかし、もし、わたしの言うことを聞き入れず、安息日をきよく保たずに、安息日に荷物を運んでエルサレムの門のうちに入るなら、わたしはその門に火をつけ、火はエルサレムの宮殿をなめ尽くして、消えることがないであろう。』」

18章
1 主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「立って、陶器師の家に下れ。そこで、あなたに、わたしのことばを聞かせよう。」
3 私が陶器師の家に下って行くと、ちょうど、彼はろくろで仕事をしているところだった。
4 陶器師は、粘土で制作中の器を自分の手でこわし、再びそれを陶器師自身の気に入ったほかの器に作り替えた。
5 それから、私に次のような主のことばがあった。
6 「イスラエルの家よ。この陶器師のように、わたしがあなたがたにすることができないだろうか。――主の御告げ――見よ。粘土が陶器師の手の中にあるように、イスラエルの家よ、あなたがたも、わたしの手の中にある。
7 わたしが、一つの国、一つの王国について、引き抜き、引き倒し、滅ぼすと語ったその時、
8 もし、わたしがわざわいを予告したその民が、悔い改めるなら、わたしは、下そうと思っていたわざわいを思い直す。
9 わたしが、一つの国、一つの王国について、建て直し、植えると語ったその時、
10 もし、それがわたしの声に聞き従わず、わたしの目の前に悪を行うなら、わたしは、それに与えると言ったしあわせを思い直す。
11 さあ、今、ユダの人とエルサレムの住民に言え。『主はこう仰せられる。見よ。わたしはあなたがたに対してわざわいを考え、あなたがたを攻める計画を立てている。さあ、おのおの悪の道から立ち返り、あなたがたの行いとわざとを改めよ。』
12 しかし、彼らは言う。『だめだ。私たちは自分の計画に従い、おのおの悪いかたくなな心のままに行うのだから』と。
13 それゆえ、主はこう仰せられる。
『さあ、国々の中で尋ねてみよ。
だれが、こんなことを聞いたことがあるか。
おとめイスラエルは、実に恐るべきことを行った。
14 レバノンの雪は、野の岩から消え去るだろうか。
ほかの国から流れて来る冷たい水が、引き抜かれるだろうか。
15 それなのに、わたしの民はわたしを忘れ、むなしいものに香をたく。
それらは、彼らをその道、いにしえの道でつまずかせ、小道に、まだ築かれていない道に行かせ、
16 彼らの国を恐怖とし、永久にあざけりとする。
そこを通り過ぎる者はみな色を失い、頭を振る。
17 東風のように、わたしは彼らを敵の前で散らす。
彼らの災難の日に、わたしは彼らに背を向け、顔を向けない。』」

18 彼らは言った。「さあ、私たちは計画を立ててエレミヤを倒そう。祭司から律法が、知恵ある者からはかりごとが、預言者からことばが滅びうせることはないはずだから。さあ、舌で彼を打ち、彼のことばにはどれにも耳を傾けまい。」

19 主よ。私に耳を傾け、私と争う者の声を聞いてください。
20 善に悪を報いてよいでしょうか。
まことに彼らは、私のいのちを取ろうとして
穴を掘ったのです。
私があなたの御前に立って、彼らに対するあなたの憤りをやめていただき、彼らについて良いことを語ったことを、覚えてください。
21 それゆえ、彼らの子らをききんに渡し、彼らを剣で殺してください。
妻たちは子を失い、また、やもめになり、夫たちは虐殺されて死に、若い男たちは戦いで剣に殺されますように。
22 あなたが突然、略奪隊に彼らを襲わせるとき、彼らの家からの叫びが聞こえます。
彼らは私を捕らえようと穴を掘り、私の足もとに、わなを隠したからです。
23 しかし、主よ。あなたは、私を殺そうとする彼らの計画を
みな、ご存じです。
彼らの咎をおおわず、彼らの罪を御前からぬぐい去らないでください。
彼らを、御前で打ち倒し、あなたの御怒りの時に、彼らを罰してください。

19章
1 主はこう仰せられる。「行って、土の焼き物のびんを買い、民の長老と年長の祭司のうちの数人といっしょに、
2 『瀬戸のかけらの門』の入口にあるベン・ヒノムの谷に出かけ、そこで、わたしがあなたに語ることばを呼ばわって、
3 言え。『ユダの王たちとエルサレムの住民よ。主のことばを聞け。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしはこの所にわざわいをもたらす。だれでも、そのことを聞く者は、耳鳴りがする。
4 彼らがわたしを捨ててこの所を見分けがつかないほどにし、この所で、彼らも彼らの先祖も、ユダの王たちも知らなかったほかの神々にいけにえをささげ、この所を罪のない者の血で満たし、
5 バアルのために自分の子どもたちを全焼のいけにえとして火で焼くため、バアルの高き所を築いたからである。このような事は、わたしが命じたこともなく、語ったこともなく、思いつきもしなかったことだ。
6 それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日には、この所はもはや、トフェテとかベン・ヒノムの谷とか呼ばれない。ただ虐殺の谷と呼ばれる。
7 また、わたしはこの所で、ユダとエルサレムのはかりごとをこぼち、彼らを敵の前で、剣で倒し、またいのちをねらう者の手によって倒し、そのしかばねを、空の鳥や地の獣にえじきとして与える。
8 また、わたしはこの町を恐怖とし、あざけりとする。そこを通り過ぎる者はみな、色を失い、そのすべての打ち傷を見てあざける。
9 またわたしは、包囲と、彼らの敵、いのちをねらう者がもたらす窮乏のために、彼らに自分の息子の肉、娘の肉を食べさせる。彼らは互いにその友の肉を食べ合う。』
10 そこであなたは、同行の人々の目の前で、そのびんを砕いて、
11 彼らに言え。『万軍の主はこう仰せられる。陶器師の器が砕かれると、二度と直すことができない。このように、わたしはこの民と、この町を砕く。人々はトフェテに葬る余地がないほどに葬る。
12 わたしはこの所と、――主の御告げ――その住民にこうしよう。わたしはこの町をトフェテのようにする。
13 エルサレムの家々とユダの王の家々、すなわち、彼らが屋上で天の万象に香をたき、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いだすべての家々は、トフェテの地のように汚される。』」
14 そこでエレミヤは、主が預言のために遣わしたトフェテから帰って来て、主の宮の庭に立ち、すべての民に言った。
15 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『見よ。わたしはこの町と、すべての町々に、わたしが告げたすべてのわざわいをもたらす。彼らがうなじのこわい者となって、わたしのことばに聞き従おうとしなかったからである。』」

20章
1 祭司であり、主の宮のつかさ、監督者であるイメルの子パシュフルは、エレミヤがこれらのことばを預言するのを聞いた。
2 パシュフルは、預言者エレミヤを打ち、彼を主の宮にある上のベニヤミンの門にある足かせにつないだ。
3 翌日になって、パシュフルがエレミヤを足かせから解いたとき、エレミヤは彼に言った。「主はあなたの名をパシュフルではなくて、『恐れが回りにある』と呼ばれる。
4 まことに主がこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたを、あなた自身とあなたの愛するすべての者への恐れとする。彼らは、あなたの目の見る所で、敵の剣に倒れる。また、わたしはユダの人全部をバビロンの王の手に渡す。彼は彼らをバビロンへ引いて行き、剣で打ち殺す。
5 また、わたしはこの町のすべての富と、すべての勤労の実と、すべての宝を渡し、またユダの王たちの財宝を敵の手に渡す。彼らはそれをかすめ奪い、略奪し、バビロンへ運ぶ。
6 パシュフルよ。あなたとあなたの家に住むすべての者は、とりことなって、バビロンに行き、そこで死に、そこで葬られる。あなたも、あなたが偽りの預言をした相手の、あなたの愛するすべての人も。』」

7 主よ。あなたが私を惑わしたので、私はあなたに惑わされました。
あなたは私をつかみ、私を思いのままにしました。
私は一日中、物笑いとなり、みなが私をあざけります。
8 私は、語るごとに、わめき、「暴虐だ。暴行だ」と叫ばなければなりません。
私への主のみことばが、一日中、そしりとなり、笑いぐさとなるのです。
9 私は、「主のことばを宣べ伝えまい。
もう主の名で語るまい」と思いましたが、主のみことばは私の心のうちで、骨の中に閉じ込められて
燃えさかる火のようになり、私はうちにしまっておくのに
疲れて耐えられません。
10 私が多くの人のささやきを聞いたからです。
「恐れが回りにあるぞ。
訴えよ。われわれもあいつを訴えよう。」
私の親しい者もみな、私のつまずくのを待ちもうけています。
「たぶん、彼は惑わされるから、われわれが彼に勝って、復讐してやろう」と。
11 しかし、主は私とともにあって、横暴な勇士のようです。
ですから、私を追う者たちは、つまずいて、勝つことはできません。
彼らは成功しないので、大いに恥をかき、それが忘れられない永久の恥となりましょう。
12 正しい者を調べ、思いと心を見ておられる万軍の主よ。
あなたが彼らに復讐されるのを
私に見せてください。
あなたに私の訴えを打ち明けたのですから。

13 主に向かって歌い、主をほめたたえよ。
主が貧しい者のいのちを、悪を行う者どもの手から救い出されたからだ。

14 私の生まれた日は、のろわれよ。
母が私を産んだその日は、祝福されるな。
15 私の父に、「あなたに男の子が生まれた」と言って伝え、彼を大いに喜ばせた人は、のろわれよ。
16 その人は、主がくつがえして
悔いない町々のようになれ。
朝には彼に叫びを聞かせ、真昼にはときの声を聞かせよ。
17 彼は、私が胎内にいるとき、私を殺さず、私の母を私の墓とせず、彼女の胎を、永久に
みごもったままにして
おかなかったのだから。
18 なぜ、私は労苦と苦悩に会うために
胎を出たのか。
私の一生は恥のうちに終わるのか。

21章
1 主からエレミヤにあったみことば。ゼデキヤ王は、マルキヤの子パシュフルと、マアセヤの子、祭司ゼパニヤをエレミヤのもとに遣わしてこう言わせた。
2 「どうか、私たちのために主に尋ねてください。バビロンの王ネブカデレザルが私たちを攻めています。主がかつて、あらゆる奇しいみわざを行われたように、私たちにも行い、彼を私たちから離れ去らせてくださるかもしれませんから。」
3 エレミヤは彼らに言った。「あなたがたは、ゼデキヤにこう言いなさい。
4 イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『見よ。あなたがたは、城壁の外からあなたがたを囲んでいるバビロンの王とカルデヤ人とに向かって戦っているが、わたしは、あなたがたの手にしている武具を取り返して、それをこの町の中に集め、
5 わたし自身が、伸ばした手と強い腕と、怒りと、憤りと、激怒とをもって、あなたがたと戦い、
6 この町に住むものは、人間も獣も打ち、彼らはひどい疫病で死ぬ。
7 そのあとで、――主の御告げ――わたしはユダの王ゼデキヤと、その家来と、その民と、この町で、疫病や剣やききんからのがれて生き残った者たちとを、バビロンの王ネブカデレザルの手、敵の手、いのちをねらう者たちの手に渡す。彼は彼らを剣の刃で打ち、彼らを惜しまず、容赦せず、あわれまない。』」
8 「あなたは、この民に言え。
主はこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたがたの前に、いのちの道と死の道を置く。
9 この町にとどまる者は、剣とききんと疫病によって死ぬが、出て、あなたがたを囲んでいるカルデヤ人にくだる者は、生きて、そのいのちは彼の分捕り物となる。
10 なぜならわたしは、幸いのためにではなく、わざわいのためにこの町から顔をそむけるからである。――主の御告げ――この町は、バビロンの王の手に渡され、彼はこれを火で焼くであろう。』」

11 ユダの王家のために――
「主のことばを聞け。
12 ダビデの家よ。主はこう仰せられる。
朝ごとに、正しいさばきを行い、かすめられている者を、しいたげる者の手から救い出せ。
さもないと、あなたがたの悪行のために、わたしの憤りが火のように燃えて焼き尽くし、消す者はいない。」

13 「ああ、この谷に住む者、平地の岩よ。
あなたに言う。――主の御告げ――
あなたがたは、『だれが、私たちのところに下って来よう。
だれが、私たちの住まいに入れよう』と
言っている。
14 わたしはあなたがたを、その行いの実にしたがって罰する。
――主の御告げ――
また、わたしは、その林に火をつける。
火はその周辺をことごとく焼き尽くす。」

22章
1 主はこう仰せられる。「ユダの王の家に下り、そこで、このことばを語って
2 言え。『ダビデの王座に着いているユダの王よ。あなたも、この門のうちに入って来るあなたの家来、あなたの民も、主のことばを聞け。
3 主はこう仰せられる。公義と正義を行い、かすめられている者を、しいたげる者の手から救い出せ。在留異国人、みなしご、やもめを苦しめたり、いじめたりしてはならない。また罪のない者の血をこの所に流してはならない。
4 もし、あなたがたがこのことばを忠実に行うなら、ダビデの王座に着いている王たちは、車や馬に乗り、彼らも、その家来、その民も、この家の門のうちに入ることができよう。
5 しかし、もしこのことばを聞かなければ、わたしは自分にかけて誓うが、――主の御告げ――この家は必ず廃墟となる。』」
6 まことに、ユダの王の家について、主はこう仰せられる。
「あなたは、わたしにとってはギルアデ、レバノンの頂。
しかし必ず、わたしはあなたを荒野にし、住む者もない町々にする。
7 わたしはあなたを攻めるため、おのおの武具を持つ破壊者たちを準備する。
彼らは、最も美しいあなたの杉の木を切り倒し、これを火に投げ入れる。
8 多くの国々の民がこの町のそばを過ぎ、彼らが互いに、『なぜ、主はこの大きな町をこのようにしたのだろう』と言うと、
9 人々は、『彼らが彼らの神、主の契約を捨て、ほかの神々を拝み、これに仕えたからだ』と言おう。」

10 死んだ者のために泣くな。
彼のために嘆くな。
去って行く者のために、大いに泣け。
彼は二度と、帰って、故郷を見ることがないからだ。
11 父ヨシヤに代わって王となり、この所から出て行った、ヨシヤの子、ユダの王シャルムについて、主はまことにこう仰せられる。「彼は二度とここには帰らない。
12 彼は引いて行かれた所で死に、二度とこの国を見ることはない。」

13 「ああ。
不義によって自分の家を建て、不正によって自分の高殿を建てる者。
隣人をただで働かせて報酬も払わず、
14 『私は自分のために、広い家、ゆったりした高殿を建て、それに窓を取りつけ、杉の板でおおい、朱を塗ろう』と言う者。
15 あなたは杉の木で競って、王になるのか。
あなたの父は飲み食いしたが、公義と正義を行ったではないか。
そのとき、彼は幸福だった。
16 彼はしいたげられた人、貧しい人の訴えをさばき、そのとき、彼は幸福だった。
それが、わたしを知ることではなかったのか。
――主の御告げ――
17 しかし、あなたの目と心とは、自分の利得だけに向けられ、罪のない者の血を流し、しいたげと暴虐を行うだけだ。
18 それゆえ、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムについて、主はこう仰せられる。
だれも、『ああ、悲しいかな、私の兄弟。
ああ、悲しいかな、私の姉妹』
と言って彼をいたまず、だれも、『ああ、悲しいかな、主よ。
ああ、悲しいかな、陛下よ』
と言って彼をいたまない。
19 彼はここからエルサレムの門まで、引きずられ、投げやられて、ろばが埋められるように埋められる。

20 レバノンに上って叫び、バシャンで声をあげ、アバリムから叫べ。
あなたの恋人はみな、砕かれたからである。
21 あなたが繁栄していたときに、わたしはあなたに語りかけたが、あなたは『私は聞かない』と言った。
わたしの声に聞き従わないということ、これが、若いころからのあなたの生き方だった。
22 あなたの牧者はみな風が追い立て、あなたの恋人はとりこになって行く。
そのとき、あなたは自分のすべての悪のゆえに、恥を見、はずかしめを受ける。
23 レバノンの中に住み、杉の木の中に巣ごもりする女よ。
陣痛があなたに起こるとき、産婦のような苦痛が襲うとき、あなたはどんなにうめくことだろう。」

24 「わたしは生きている、――主の御告げ――たとい、エホヤキムの子、ユダの王エコヌヤが、わたしの右手の指輪の印であっても、わたしは必ず、あなたをそこから抜き取り、
25 あなたのいのちをねらう者たちの手、あなたが恐れている者たちの手、バビロンの王ネブカデレザルの手、カルデヤ人の手に渡し、
26 あなたと、あなたの産みの母を、あなたがたの生まれた所ではないほかの国に投げ出し、そこであなたがたは死ぬことになる。
27 彼らが帰りたいと心から望むこの国に、彼らは決して帰らない。」
28 このエコヌヤという人は、さげすまれて砕かれる像なのか。それとも、だれにも喜ばれない器なのか。なぜ、彼と、その子孫は投げ捨てられて、見も知らぬ国に投げやられるのか。
29 地よ、地よ、地よ。主のことばを聞け。
30 主はこう仰せられる。「この人を『子を残さず、一生栄えない男』と記録せよ。彼の子孫のうちひとりも、ダビデの王座に着いて、栄え、再びユダを治める者はいないからだ。」

23章
1 「ああ。わたしの牧場の群れを滅ぼし散らす牧者たち。――主の御告げ――」
2 それゆえ、イスラエルの神、主は、この民を牧する牧者たちについて、こう仰せられる。「あなたがたは、わたしの群れを散らし、これを追い散らして顧みなかった。見よ。わたしは、あなたがたの悪い行いを罰する。――主の御告げ――
3 しかし、わたしは、わたしの群れの残りの者を、わたしが追い散らしたすべての国から集め、もとの牧場に帰らせる。彼らは多くの子を生んでふえよう。
4 わたしは彼らの上に牧者たちを立て、彼らを牧させる。彼らは二度と恐れることなく、おののくことなく、失われることもない。――主の御告げ――
5 見よ。その日が来る。
――主の御告げ――
その日、わたしは、ダビデに一つの正しい若枝を起こす。
彼は王となって治め、栄えて、この国に公義と正義を行う。
6 その日、ユダは救われ、イスラエルは安らかに住む。
その王の名は、『主は私たちの正義』と呼ばれよう。
7 それゆえ、見よ、このような日が来る。――主の御告げ――その日には、彼らは、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた主は生きておられる』とはもう言わないで、
8 『イスラエルの家のすえを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた主は生きておられる』と言って、自分たちの土地に住むようになる。」

9 預言者たちに対して――
私の心は、うちに砕かれ、私の骨はみな震える。
私は酔いどれのようだ。
ぶどう酒に負けた男のようになった。
主と、主の聖なることばのために。
10 国は姦通する者で満ちているからだ。
地はのろわれて喪に服し、荒野の牧草地は乾ききる。
彼らの走る道は悪で、正しくないものをその力とする。

11 実に、預言者も祭司も汚れている。
わたしの家の中にも、わたしは彼らの悪を見いだした。
――主の御告げ――
12 それゆえ、彼らの道は、暗やみの中のすべりやすい所のようになり、彼らは追い散らされて、そこに倒れる。
わたしが彼らにわざわいをもたらし、刑罰の年をもたらすからだ。
――主の御告げ――
13 サマリヤの預言者たちの中に、みだらな事をわたしは見た。
彼らはバアルによって預言し、わたしの民イスラエルを惑わした。
14 エルサレムの預言者たちの中にも、恐ろしい事をわたしは見た。
彼らは姦通し、うそをついて歩き、悪を行う者どもの手を強くして、その悪からだれをも戻らせない。
彼らはみな、わたしには、ソドムのようであり、その住民はゴモラのようである。

15 それゆえ、万軍の主は、預言者たちについて、こう仰せられる。
「見よ。わたしは彼らに、苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。
汚れがエルサレムの預言者たちから出て、この全土に広がったからだ。」
16 万軍の主はこう仰せられる。
「あなたがたに預言する預言者たちの
ことばを聞くな。
彼らはあなたがたを
むなしいものにしようとしている。
主の口からではなく、自分の心の幻を語っている。
17 彼らは、わたしを侮る者に向かって、『主はあなたがたに平安があると告げられた』と
しきりに言っており、また、かたくなな心のままに歩む
すべての者に向かって、『あなたがたにはわざわいが来ない』と
言っている。」

18 いったいだれが、主の会議に連なり、主のことばを見聞きしたか。
だれが、耳を傾けて主のことばを聞いたか。
19 見よ。主の暴風、――憤り――
うずを巻く暴風が起こり、悪者の頭上にうずを巻く。
20 主の怒りは、御心の思うところを行って、成し遂げるまで
去ることはない。
終わりの日に、あなたがたはそれを明らかに悟ろう。

21 わたしはこのような預言者たちを
遣わさなかったのに、彼らは走り続け、わたしは彼らに語らなかったのに、彼らは預言している。
22 もし彼らがわたしの会議に連なったのなら、彼らはわたしの民にわたしのことばを聞かせ、民をその悪の道から、その悪い行いから
立ち返らせたであろうに。

23 わたしは近くにいれば、神なのか。
――主の御告げ――
遠くにいれば、神ではないのか。
24 人が隠れた所に身を隠したら、わたしは彼を見ることができないのか。
――主の御告げ――
天にも地にも、わたしは満ちているではないか。
――主の御告げ――

25 「わたしの名によって偽りを預言する預言者たちが、『私は夢を見た。夢を見た』と言ったのを、わたしは聞いた。
26 いつまで偽りの預言が、あの預言者たちの心にあるのだろうか。いつまで欺きの預言が、彼らの心にあるのだろうか。
27 彼らの先祖がバアルのためにわたしの名を忘れたように、彼らはおのおの自分たちの夢を述べ、わたしの民にわたしの名を忘れさせようと、たくらんでいるのだろうか。
28 夢を見る預言者は夢を述べるがよい。しかし、わたしのことばを聞く者は、わたしのことばを忠実に語らなければならない。麦はわらと何のかかわりがあろうか。――主の御告げ――
29 わたしのことばは火のようではないか。また、岩を砕く金槌のようではないか。――主の御告げ――
30 それゆえ、見よ、――主の御告げ――わたしは、おのおのわたしのことばを盗む預言者たちの敵となる。
31 見よ。――主の御告げ――わたしは、自分たちの舌を使って御告げを告げる預言者たちの敵となる。
32 見よ。わたしは偽りの夢を預言する者たちの敵となる。――主の御告げ――彼らは、偽りと自慢話をわたしの民に述べて惑わしている。わたしは彼らを遣わさず、彼らに命じもしなかった。彼らはこの民にとって、何の役にも立ちはしない。――主の御告げ――
33 この民、あるいは預言者、あるいは祭司が、『主の宣告とは何か』とあなたに尋ねたら、あなたは彼らに、『あなたがたが重荷だ。だから、わたしはあなたがたを捨てる』と言え。――主の御告げ――
34 預言者でも、祭司でも、民でも、『主の宣告』と言う者があれば、その者とその家とを、わたしは罰する。」
35 あなたがたは互いに「主は何と答えられたか。主は何と語られたか」と言うがよい。
36 しかし「主の宣告」ということを二度と述べてはならない。主のことばが人の重荷となり、あなたがたが、生ける神、万軍の主、私たちの神のことばを曲げるからだ。
37 「あの預言者たちにこう言え。
主は何と答えられたか。主は何と語られたか。
38 もし、あなたがたが『主の宣告』と言うなら、それに対して、主はこう仰せられる。『わたしはあなたがたに、主の宣告、と言うなと言い送ったのに、あなたがたは主の宣告というこのことばを語っている。
39 それゆえ、見よ、わたしはあなたがたを全く忘れ、あなたがたと、あなたがたや先祖たちに与えたこの町とを、わたしの前から捨て、
40 永遠のそしり、忘れられることのない、永遠の侮辱をあなたがたに与える。』」

24章
1 バビロンの王ネブカデレザルが、エホヤキムの子、ユダの王エコヌヤと、ユダのつかさたちや、職人や、鍛冶屋をエルサレムから捕らえ移し、バビロンに連れて行って後、主は私に示された。見ると、主の宮の前に、二かごのいちじくが置かれている。
2 一つのかごのは非常に良いいちじくで、初なりのいちじくの実のようであり、もう一つのかごのは非常に悪いいちじくで、悪くて食べられないものである。
3 そのとき、主が私に、「エレミヤ。あなたは何を見ているのか」と言われたので、私は言った。「いちじくです。良いいちじくは非常に良く、悪いのは非常に悪く、悪くて食べられないものです。」
4 すると、私に次のような主のことばがあった。
5 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。この良いいちじくのように、わたしは、この所からカルデヤ人の地に送ったユダの捕囚の民を良いものにしようと思う。
6 わたしは、良くするために彼らに目をかけて、彼らをこの国に帰らせ、彼らを建て直し、倒れないように植えて、もう引き抜かない。
7 また、わたしは彼らに、わたしが主であることを知る心を与える。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らが心を尽くしてわたしに立ち返るからである。
8 しかし、悪くて食べられないあの悪いいちじくのように、――まことに主はこう仰せられる――わたしは、ユダの王ゼデキヤと、そのつかさたち、エルサレムの残りの者と、この国に残されている者、およびエジプトの国に住みついている者とを、このようにする。
9 わたしは彼らを地のすべての王国のおののき、悩みとし、また、わたしが追い散らすすべての所で、そしり、物笑いの種、なぶりもの、のろいとする。
10 わたしは彼らのうちに、剣と、ききんと、疫病を送り、彼らとその先祖に与えた地から彼らを滅ぼし尽くす。」

25章
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年、すなわち、バビロンの王ネブカデレザルの元年に、ユダの民全体についてエレミヤにあったみことば。
2 これを預言者エレミヤは、ユダの民全体とエルサレムの全住民に語って言った。
3 アモンの子、ユダの王ヨシヤの第十三年から今日まで、この二十三年間、私に主のことばがあり、私はあなたがたに絶えず、しきりに語りかけたのに、あなたがたは聞かなかった。
4 また、主はあなたがたに、主のしもべである預言者たちを早くからたびたび送ったのに、あなたがたは聞かず、聞こうと耳を傾けることもなかった。
5 主は仰せられた。「さあ、おのおの、悪の道から、あなたがたの悪い行いから立ち返り、主があなたがたと先祖たちに与えた土地で、いつまでも、とこしえに住め。
6 ほかの神々に従い、それに仕え、それを拝んではならない。あなたがたが手で造った物によって、わたしの怒りを引き起こしてはならない。そうでないと、わたしもあなたがたにわざわいを与える。
7 それでも、あなたがたはわたしに聞き従わなかった。――主の御告げ――それで、あなたがたは手で造った物でわたしの怒りを引き起こし、身にわざわいを招いた。」
8 それゆえ、万軍の主はこう仰せられる。「あなたがたがわたしのことばに聞き従わなかったために、
9 見よ、わたしは北のすべての種族を呼び寄せる。――主の御告げ――すなわち、わたしのしもべバビロンの王ネブカデレザルを呼び寄せて、この国と、その住民と、その回りのすべての国々とを攻めさせ、これを聖絶して、恐怖とし、あざけりとし、永遠の廃墟とする。
10 わたしは彼らの楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声、ひき臼の音と、ともしびの光を消し去る。
11 この国は全部、廃墟となって荒れ果て、これらの国々はバビロンの王に七十年仕える。
12 七十年の終わりに、わたしはバビロンの王とその民、――主の御告げ――またカルデヤ人の地を、彼らの咎のゆえに罰し、これを永遠に荒れ果てた地とする。
13 わたしは、この国について語ったすべてのことば、すなわち、エレミヤが万国について預言し、この書にしるされている事をみな、この地にもたらす。
14 多くの国々と大王たちが彼らを奴隷に使い、わたしも彼らに、そのしわざに応じ、その手のわざに応じて報いよう。」
15 まことにイスラエルの神、主は、私にこう仰せられた。「この憤りのぶどう酒の杯をわたしの手から取り、わたしがあなたを遣わすすべての国々に、これを飲ませよ。
16 彼らは飲んで、ふらつき、狂ったようになる。わたしが彼らの間に送る剣のためである。」
17 そこで、私は主の御手からその杯を取り、主が私を遣わされたすべての国々に飲ませた。
18 エルサレムとユダの町々とその王たち、つかさたちに。――彼らを今日のように廃墟とし、恐怖とし、あざけりとし、のろいとするためであった。――
19 エジプトの王パロと、その家来たち、つかさたち、すべての民に、
20 すべての混血の民、ウツの地のすべての王たち、ペリシテ人の地のすべての王たち――アシュケロン、ガザ、エクロン、アシュドデの残りの者――に、
21 エドム、モアブ、アモン人に、
22 ツロのすべての王たち、シドンのすべての王たち、海のかなたにある島の王たちに、
23 デダン、テマ、ブズ、こめかみを刈り上げているすべての者に、
24 アラビヤのすべての王たち、荒野に住む混血の民のすべての王たちに、
25 ジムリのすべての王たち、エラムのすべての王たち、メディヤのすべての王たちに、
26 北国のすべての王たち、近い者も遠い者もひとりひとりに、地上のすべての王国に飲ませ、彼らのあとでバビロンの王が飲む。
27 「あなたは彼らに言え。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。飲んで酔い、へどを吐いて倒れよ。起き上がるな。わたしがあなたがたの間に剣を送るからだ。』
28 もし、彼らが、あなたの手からその杯を取って飲もうとしなければ、彼らに言え。『万軍の主はこう仰せられる。あなたがたは必ず飲まなければならない。
29 見よ。わたしの名がつけられているこの町にも、わたしはわざわいを与え始めているからだ。あなたがたが、どんなに罰を免れようとしても、免れることはできない。わたしが、この地の全住民の上に、剣を呼び寄せているからだ。――万軍の主の御告げ――』
30 あなたは彼らにこのすべてのことばを預言して、言え。
『主は高い所から叫び、その聖なる御住まいから声をあげられる。
その牧場に向かって大声で叫び、酒ぶねを踏む者のように、地の全住民に向かって叫び声をあげられる。
31 その騒ぎは地の果てまでも響き渡る。
主が諸国の民と争い、すべての者をさばき、悪者どもを剣に渡されるからだ。
――主の御告げ――
32 万軍の主はこう仰せられる。
見よ。わざわいが国から国へと移り行き、大暴風が地の果てから起こる。
33 その日、主に殺される者が地の果てから地の果てまでに及び、彼らはいたみ悲しまれることなく、集められることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。』」

34 牧者たちよ。泣きわめけ。
群れのあるじたちよ。灰の中にころげ回れ。
あなたがたがほふられ、あなたがたが散らされる日が来たからだ。
あなたがたは美しい雄羊のように倒れる。
35 逃げ場は牧者たちから、のがれ場は群れのあるじたちから消えうせる。
36 聞け。牧者たちの叫び、群れのあるじたちの泣き声を。
主が彼らの牧場を荒らしておられるからだ。
37 平和な牧場も、主の燃える怒りによって荒れすたれる。
38 主は、若獅子のように、仮庵を捨てた。
主の燃える剣、主の燃える怒りによって、彼らの国が荒れ果てるからだ。

26章
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの治世の初めに、主から次のようなことばがあった。
2 「主はこう仰せられる。主の宮の庭に立ち、主の宮に礼拝しに来るユダのすべての町の者に、わたしがあなたに語れと命じたことばを残らず語れ。一言も省くな。
3 彼らがそれを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしは、彼らの悪い行いのために彼らに下そうと考えていたわざわいを思い直そう。
4 だから彼らに言え。『主はこう仰せられる。もし、あなたがたがわたしに聞き従わず、あなたがたの前に置いたわたしの律法に歩まず、
5 わたしがあなたがたに早くからたびたび送っているわたしのしもべである預言者たちのことばに聞き従わないなら、――あなたがたは聞かなかった――
6 わたしはこの宮をシロのようにし、この町を地の万国ののろいとする。』」
7 祭司と預言者とすべての民は、エレミヤがこのことばを主の宮で語っているのを聞いた。
8 主がすべての民に語れと命じたことをみな、エレミヤが語り終えたとき、祭司と預言者とすべての民は彼を捕らえて言った。「あなたは必ず死ななければならない。
9 なぜ、主の御名により、この宮がシロのようになり、この町もだれも住む者のいない廃墟となると言って預言したのか。」こうしてすべての民がエレミヤを攻撃しに、主の宮に集まった。
10 ユダの首長たちはこれらのことを聞いて、王宮から主の宮に上り、主の宮の新しい門の入口にすわった。
11 祭司や預言者たちは、首長たちやすべての民に次のように言った。「この者は死刑に当たる。彼がこの町に対して、あなたがたが自分の耳で聞いたとおりの預言をしたからだ。」
12 エレミヤは、すべての首長とすべての民に告げてこう言った。「主が、あなたがたの聞いたすべてのことばを、この宮とこの町に対して預言するよう、私を遣わされたのです。
13 さあ、今、あなたがたの行いとわざを改め、あなたがたの神、主の御声に聞き従いなさい。そうすれば、主も、あなたがたに語ったわざわいを思い直されるでしょう。
14 このとおり、私はあなたがたの手の中にあります。私をあなたがたがよいと思うよう、正しいと思うようにしなさい。
15 ただ、もしあなたがたが私を殺すなら、あなたがた自身が罪のない者の血の報いを、自分たちと、この町と、その住民とに及ぼすのだということを、はっきり知っていてください。なぜなら、ほんとうに主が、私をあなたがたのもとに送り、あなたがたの耳にこれらすべてのことばを語らせたのですから。」
16 すると、首長たちとすべての民は、祭司や預言者たちに言った。「この人は死刑に当たらない。私たちの神、主の名によって、彼は私たちに語ったのだから。」
17 それで、その地の長老たちの幾人かが立って、民の全集団に語って言った。
18 「かつてモレシェテ人ミカも、ユダの王ヒゼキヤの時代に預言して、ユダのすべての民に語って言ったことがある。
『万軍の主はこう仰せられる。
シオンは畑のように耕され、エルサレムは廃墟となり、この宮の山は森の丘となる。』
19 そのとき、ユダの王ヒゼキヤとユダのすべての人は彼を殺しただろうか。ヒゼキヤが主を恐れ、主に願ったので、主も彼らに語ったわざわいを思い直されたではないか。ところが、私たちはわが身に大きなわざわいを招こうとしている。」
20 ほかにも主の名によって預言している人がいた。すなわち、キルヤテ・エアリムの出のシェマヤの子ウリヤで、彼はこの町とこの国に対して、エレミヤのことばと全く同じような預言をしていた。
21 エホヤキム王と、そのすべての勇士や、首長たちは、彼のことばを聞いた。王は彼を殺そうとしたが、ウリヤはこれを聞いて恐れ、エジプトへ逃げて行った。
22 そこでエホヤキム王は人々をエジプトにやった。すなわち、アクボルの子エルナタンに人々を同行させて、エジプトに送った。
23 彼らはウリヤをエジプトから連れ出し、エホヤキム王のところに連れて来たので、王は彼を剣で打ち殺し、そのしかばねを共同墓地に捨てさせた。
24 しかし、シャファンの子アヒカムはエレミヤをかばい、エレミヤが民の手に渡されて殺されないようにした。

27章
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの治世の初めに、主からエレミヤに次のようなことばがあった。
2 主は私にこう仰せられる。「あなたはなわとかせとを作り、それをあなたの首につけよ。
3 そうして、エルサレムのユダの王ゼデキヤのところに来る使者たちによって、エドムの王、モアブの王、アモン人の王、ツロの王、シドンの王に伝言を送り、
4 彼らがそれぞれの主君に次のことを言うように命じよ。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。あなたがたは主君にこう言え。
5 わたしは、大いなる力と、伸ばした腕とをもって、地と、地の面にいる人間と獣を造った。それで、わたしの見る目にかなった者に、この地を与えるのだ。
6 今、わたしは、これらすべての国をわたしのしもべ、バビロンの王ネブカデネザルの手に与え、野の獣も彼に与えて仕えさせる。
7 ――彼の国に時が来るまで、すべての国は、彼と、その子と、その子の子に仕えよう。しかし時が来ると、多くの民や大王たちが彼を自分たちの奴隷とする。――
8 バビロンの王ネブカデネザルに仕えず、またバビロンの王のくびきに首を差し出さない民や王国があれば、わたしはその民を剣と、ききんと、疫病で罰し、――主の御告げ――彼らを彼の手で皆殺しにする。
9 だから、あなたがたは、バビロンの王に仕えることはない、と言っているあなたがたの預言者、占い師、夢見る者、卜者、呪術者に聞くな。
10 彼らは、あなたがたに偽りを預言しているからだ。それで、あなたがたは、あなたがたの土地から遠くに移され、わたしはあなたがたを追い散らして、あなたがたが滅びるようにする。
11 しかし、バビロンの王のくびきに首を差し出して彼に仕える民を、わたしはその土地にいこわせる。――主の御告げ――こうして、その土地を耕し、その中に住む。』」
12 ユダの王ゼデキヤにも、私はこのことばのとおりに語って言った。「あなたがたはバビロンの王のくびきに首を差し出し、彼とその民に仕えて生きよ。
13 どうして、あなたとあなたの民は、バビロンの王に仕えない国について主が語られたように、剣とききんと疫病で死んでよかろうか。
14 『バビロンの王に仕えることはない』とあなたがたに語る預言者たちのことばに聞くな。彼らはあなたがたに偽りを預言しているからだ。」
15 「わたしは彼らを遣わさなかったのに、――主の御告げ――彼らは、わたしの名によって偽りを預言している。それでわたしはあなたがたを追い散らし、あなたがたも、あなたがたに預言している預言者たちも滅びるようにする。」
16 私はまた、祭司たちとこのすべての民に語って言った。「主はこう仰せられた。『見よ。主の宮の器は、今すみやかにバビロンから持ち帰られる』と言って、あなたがたに預言しているあなたがたの預言者のことばに聞いてはならない。彼らはあなたがたに、偽りを預言しているからだ。
17 彼らに聞くな。バビロンの王に仕えて生きよ。どうして、この町が廃墟となってよかろうか。
18 もし彼らが預言者であり、もし彼らに主のことばがあるのなら、彼らは、主の宮や、ユダの王の家や、エルサレムに残されている器がバビロンに持って行かれないよう、万軍の主にとりなしの祈りをするはずだ。
19 まことに万軍の主は、宮の柱や、海や、車輪つきの台や、そのほかのこの町に残されている器について、こう仰せられる。
20 ――これらの物は、バビロンの王ネブカデネザルがエホヤキムの子、ユダの王エコヌヤ、およびユダとエルサレムのすべてのおもだった人々をエルサレムからバビロンへ引いて行ったときに、携えて行かなかったものである。――
21 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、主の宮とユダの王の家とエルサレムとに残された器について、こう仰せられる。
22 『それらはバビロンに運ばれて、わたしがそれを顧みる日まで、そこにある。――主の御告げ――そうして、わたしは、それらを携え上り、この所に帰らせる。』」

28章
1 その同じ年、すなわち、ユダの王ゼデキヤの治世の初め、第四年の第五の月に、ギブオンの出の預言者、アズルの子ハナヌヤが、主の宮で、祭司たちとすべての民の前で、私に語って言った。
2 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。わたしは、バビロンの王のくびきを打ち砕く。
3 二年のうちに、わたしは、バビロンの王ネブカデネザルがこの所から取って、バビロンに運んだ主の宮のすべての器をこの所に帰らせる。
4 バビロンに行ったエホヤキムの子、ユダの王エコヌヤと、ユダのすべての捕囚の民も、わたしはこの所に帰らせる。――主の御告げ――わたしがバビロンの王のくびきを打ち砕くからだ。」
5 そこで預言者エレミヤは、主の宮に立っている祭司たちや、すべての民の前で、預言者ハナヌヤに言った。
6 預言者エレミヤは言った。「アーメン。そのとおりに主がしてくださるように。あなたが預言したことばを主が成就させ、主の宮の器と、すべての捕囚の民がバビロンからこの所に帰って来るように。
7 しかし、私があなたの耳と、すべての民の耳に語っているこのことばを聞きなさい。
8 昔から、私と、あなたの先に出た預言者たちは、多くの国と大きな王国について、戦いとわざわいと疫病とを預言した。
9 平安を預言する預言者については、その預言者のことばが成就して初めて、ほんとうに主が遣わされた預言者だ、と知られるのだ。」
10 しかし預言者ハナヌヤは、預言者エレミヤの首から例のかせを取り、それを砕いた。
11 そしてハナヌヤは、すべての民の前でこう言った。「主はこう仰せられる。『このとおり、わたしは二年のうちに、バビロンの王ネブカデネザルのくびきを、すべての国の首から砕く。』」そこで、預言者エレミヤは立ち去った。
12 預言者ハナヌヤが預言者エレミヤの首からかせを取ってこれを砕いて後、エレミヤに次のような主のことばがあった。
13 「行って、ハナヌヤに次のように言え。『主はこう仰せられる。あなたは木のかせを砕いたが、その代わりに、鉄のかせを作ることになる。
14 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。わたしは鉄のくびきをこれらすべての国の首にはめて、バビロンの王ネブカデネザルに仕えさせる。それで彼らは彼に仕える。野の獣まで、わたしは彼に与えた。』」
15 そこで預言者エレミヤは、預言者ハナヌヤに言った。「ハナヌヤ。聞きなさい。主はあなたを遣わされなかった。あなたはこの民を偽りに拠り頼ませた。
16 それゆえ、主はこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたを地の面から追い出す。ことし、あなたは死ぬ。主への反逆をそそのかしたからだ。』」
17 預言者ハナヌヤはその年の第七の月に死んだ。

29章
1 預言者エレミヤは、ネブカデネザルがエルサレムからバビロンへ引いて行った捕囚の民、長老たちで生き残っている者たち、祭司たち、預言者たち、およびすべての民に、エルサレムから手紙を送ったが、そのことばは次のとおりである。
2 ――これは、エコヌヤ王と王母と宦官たち、ユダとエルサレムの貴族たち、職人と鍛冶屋たちが、エルサレムを出て後、
3 ユダの王ゼデキヤがバビロンの王ネブカデネザルのもとに、バビロンへ遣わした、シャファンの子エルアサとヒルキヤの子ゲマルヤの手に託したもので、次のように言っている――
4 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「エルサレムからバビロンへわたしが引いて行かせたすべての捕囚の民に。
5 家を建てて住みつき、畑を作って、その実を食べよ。
6 妻をめとって、息子、娘を生み、あなたがたの息子には妻をめとり、娘には夫を与えて、息子、娘を産ませ、そこでふえよ。減ってはならない。
7 わたしがあなたがたを引いて行ったその町の繁栄を求め、そのために主に祈れ。そこの繁栄は、あなたがたの繁栄になるのだから。」
8 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「あなたがたのうちにいる預言者たちや、占い師たちにごまかされるな。あなたがたが夢を見させている、あなたがたの夢見る者の言うことを聞くな。
9 なぜなら、彼らはわたしの名を使って偽りをあなたがたに預言しているのであって、わたしが彼らを遣わしたのではないからだ。――主の御告げ――」
10 まことに、主はこう仰せられる。「バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。
11 わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。――主の御告げ――それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。
12 あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。
13 もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。
14 わたしはあなたがたに見つけられる。――主の御告げ――わたしは、あなたがたの繁栄を元どおりにし、わたしがあなたがたを追い散らした先のすべての国々と、すべての場所から、あなたがたを集める。――主の御告げ――わたしはあなたがたを引いて行った先から、あなたがたをもとの所へ帰らせる。」
15 あなたがたは、「主は私たちのために、バビロンでも預言者を起こされた」と言っているが、
16 まことに、主は、ダビデの王座に着いている王と、この町に住んでいるすべての民と、捕囚としてあなたがたといっしょに出て行かなかったあなたがたの兄弟について、こう仰せられる。
17 万軍の主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らの中に、剣とききんと疫病を送り、彼らを悪くて食べられない割れたいちじくのようにする。
18 わたしは剣とききんと疫病で彼らを追い、彼らを、地のすべての王国のおののきとし、わたしが彼らを追い散らしたすべての国の間で、のろいとし、恐怖とし、あざけりとし、そしりとする。
19 彼らがわたしのことばを聞かなかったからだ。――主の御告げ――わたしが彼らにわたしのしもべである預言者たちを早くからたびたび送ったのに、あなたがたが聞かなかったからだ。――主の御告げ――
20 わたしがエルサレムからバビロンへ送ったすべての捕囚の民よ。主のことばを聞け。」
21 イスラエルの神、万軍の主は、わたしの名によってあなたがたに偽りを預言している者であるコラヤの子アハブと、マアセヤの子ゼデキヤについて、こう仰せられる。「見よ。わたしは彼らを、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はあなたがたの目の前で、彼らを打ち殺す。
22 バビロンにいるユダの捕囚の民はみな、のろうときに彼らの名を使い、『主がおまえをバビロンの王が火で焼いたゼデキヤやアハブのようにされるように』と言うようになる。
23 それは、彼らがイスラエルのうちで、恥ずべきことを行い、隣人の妻たちと姦通し、わたしの命じもしなかった偽りのことばをわたしの名によって語ったからである。わたしはそれを知っており、その証人である。――主の御告げ――」

24 あなたはネヘラム人シェマヤに次のように言わなければならない。
25 「イスラエルの神、万軍の主は、次のように仰せられる。あなたは、あなたの名によって、エルサレムにいるすべての民と、マアセヤの子、祭司ゼパニヤ、および、すべての祭司に次のような手紙を送った。
26 『主は、祭司エホヤダの代わりに、あなたを祭司とされましたが、それは、あなたを主の宮の監督者に任じて、すべて狂って預言をする者に備え、そういう者に足かせや、首かせをはめるためでした。
27 それなのに、なぜ、今あなたは、あなたがたに預言しているアナトテ人エレミヤを責めないのですか。
28 それで、彼はバビロンの私たちのところに使いをよこして、それは長く続く。家を建てて住みつき、畑を作ってその実を食べなさいと、言わせたのです。』」
29 ――祭司ゼパニヤがこの手紙を預言者エレミヤに読んで聞かせたとき、
30 エレミヤに次のような主のことばがあった。――
31 「すべての捕囚の民に言い送れ。主はネヘラム人シェマヤにこう仰せられる。わたしはシェマヤを遣わさなかったのに、シェマヤがあなたがたに預言し、あなたがたを偽りに拠り頼ませた。
32 それゆえ、主はこう仰せられる。『見よ。わたしはネヘラム人シェマヤと、その子孫とを罰する。彼に属する者で、だれもこの民の中に住んで、わたしがわたしの民に行おうとしている良いことを見る者はいない。――主の御告げ――彼が主に対する反逆をそそのかしたからである。』」

30章
1 主からエレミヤにあったみことばは、次のとおりである。
2 イスラエルの神、主はこう仰せられる。「わたしがあなたに語ったことばをみな、書物に書きしるせ。
3 見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、わたしの民イスラエルとユダの繁栄を元どおりにすると、主は言う。わたしは彼らをその先祖たちに与えた地に帰らせる。彼らはそれを所有する。」
4 主がイスラエルとユダについて語られたことばは次のとおりである。
5 まことに主はこう仰せられる。
「おののきの声を、われわれは聞いた。
恐怖があって平安はない。
6 男が子を産めるか、さあ、尋ねてみよ。
わたしが見るのに、なぜ、男がみな、産婦のように
腰に手を当てているのか。
なぜ、みなの顔が青く変わっているのか。
7 ああ。
その日は大いなる日、比べるものもない日だ。
それはヤコブにも苦難の時だ。
しかし彼はそれから救われる。
8 その日になると、――万軍の主の御告げ――わたしは彼らの首のくびきを砕き、彼らのなわめを解く。他国人は二度と彼らを奴隷にしない。
9 彼らは彼らの神、主と、わたしが彼らのために立てる彼らの王ダビデに仕えよう。
10 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
――主の御告げ――
イスラエルよ。おののくな。
見よ。わたしが、あなたを遠くから、あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。
ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、おびえさせる者はだれもいない。
11 わたしがあなたとともにいて、――主の御告げ――
あなたを救うからだ。
わたしは、あなたを散らした先の
すべての国々を滅ぼし尽くすからだ。
しかし、わたしはあなたを滅ぼし尽くさない。
公義によって、あなたを懲らしめ、あなたを罰せずにおくことは決してないが。」

12 まことに主はこう仰せられる。
「あなたの傷はいやしにくく、あなたの打ち傷は痛んでいる。
13 あなたの訴えを弁護する者もなく、はれものに薬をつけて、あなたをいやす者もいない。
14 あなたの恋人はみな、あなたを忘れ、あなたを尋ねようともしない。
わたしが、敵を打つようにあなたを打ち、ひどい懲らしめをしたからだ。
あなたの咎が大きく、あなたの罪が重いために。
15 なぜ、あなたは自分の傷のために叫ぶのか。
あなたの痛みは直らないのか。
あなたの咎が大きく、あなたの罪が重いため、わたしはこれらの事を、あなたにしたのだ。
16 しかし、あなたを食う者はみな、かえって食われ、あなたの敵はみな、とりことなって行き、あなたから略奪した者は、略奪され、あなたをかすめ奪った者は、わたしがみな獲物として与える。
17 わたしがあなたの傷を直し、あなたの打ち傷をいやすからだ。
――主の御告げ――
あなたが、捨てられた女、だれも尋ねて来ないシオン、と呼ばれたからだ。」

18 主はこう仰せられる。
「見よ。
わたしはヤコブの天幕の繁栄を元どおりにし、その住まいをあわれもう。
町はその廃墟の上に建て直され、宮殿は、その定められている所に建つ。
19 彼らの中から、感謝と、喜び笑う声がわき出る。
わたしは人をふやして減らさず、彼らを尊くして、軽んじられないようにする。
20 その子たちは昔のようになり、その会衆はわたしの前で堅く立てられる。
わたしはこれを圧迫する者をみな罰する。
21 その権力者は、彼らのうちのひとり、その支配者はその中から出る。
わたしは彼を近づけ、彼はわたしに近づく。
わたしに近づくためにいのちをかける者は、いったいだれなのか。――主の御告げ――
22 あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる。」

23 見よ。主の暴風、――憤り――
吹きつける暴風が起こり、悪者の頭上にうずを巻く。
24 主の燃える怒りは、御心の思うところを行って、成し遂げるまで
去ることはない。
終わりの日に、あなたがたはそれを悟ろう。

31章
1 「その時、――主の御告げ――わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。」
2 主はこう仰せられる。
「剣を免れて生き残った民は
荒野で恵みを得た。
イスラエルよ。出て行って休みを得よ。」

3 主は遠くから、私に現れた。
「永遠の愛をもって、わたしはあなたを愛した。
それゆえ、わたしはあなたに、誠実を尽くし続けた。
4 おとめイスラエルよ。
わたしは再びあなたを建て直し、あなたは建て直される。
再びあなたはタンバリンで身を飾り、喜び笑う者たちの踊りの輪に出て行こう。
5 再びあなたはサマリヤの山々に
ぶどう畑を作り、植える者たちは植えて、その実を食べることができる。
6 エフライムの山では見張る者たちが、『さあ、シオンに上って、私たちの神、主のもとに行こう』と
呼ばわる日が来るからだ。」

7 まことに主はこう仰せられる。
「ヤコブのために喜び歌え。
国々のかしらのために叫べ。
告げ知らせ、賛美して、言え。
『主よ。あなたの民を救ってください。
イスラエルの残りの者を。』
8 見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、地の果てから彼らを集める。
その中には目の見えない者も足のなえた者も、妊婦も産婦も共にいる。
彼らは大集団をなして、ここに帰る。
9 彼らは泣きながらやって来る。
わたしは彼らを、慰めながら連れ戻る。
わたしは彼らを、水の流れのほとりに導き、彼らは平らな道を歩いて、つまずかない。
わたしはイスラエルの父となろう。
エフライムはわたしの長子だから。」

10 諸国の民よ。主のことばを聞け。
遠くの島々に告げ知らせて言え。
「イスラエルを散らした者がこれを集め、牧者が群れを飼うように、これを守る」と。
11 主はヤコブを贖い、ヤコブより強い者の手から、これを買い戻されたからだ。
12 彼らは来て、シオンの丘で喜び歌い、穀物と新しいぶどう酒とオリーブ油と、羊の子、牛の子とに対する主の恵みに喜び輝く。
彼らのたましいは潤った園のようになり、もう再び、しぼむことはない。
13 そのとき、若い女は踊って楽しみ、若い男も年寄りも共に楽しむ。
「わたしは彼らの悲しみを喜びに変え、彼らの憂いを慰め、楽しませる。
14 また祭司のたましいを髄で飽かせ、わたしの民は、わたしの恵みに満ち足りる。
――主の御告げ――」

15 主はこう仰せられる。
「聞け。ラマで聞こえる。
苦しみの嘆きと泣き声が。
ラケルがその子らのために泣いている。
慰められることを拒んで。
子らがいなくなったので、その子らのために泣いている。」
16 主はこう仰せられる。
「あなたの泣く声をとどめ、目の涙をとどめよ。
あなたの労苦には報いがあるからだ。
――主の御告げ――
彼らは敵の国から帰って来る。
17 あなたの将来には望みがある。
――主の御告げ――
あなたの子らは自分の国に帰って来る。
18 わたしは、エフライムが嘆いているのを
確かに聞いた。
『あなたが私を懲らしめられたので、くびきに慣れない子牛のように、私は懲らしめを受けました。
私を帰らせてください。
そうすれば、帰ります。
主よ。あなたは私の神だからです。
19 私は、そむいたあとで、悔い、悟って後、ももを打ちました。
私は恥を見、はずかしめを受けました。
私の若いころのそしりを
負っているからです』と。
20 エフライムは、わたしの大事な子なのだろうか。
それとも、喜びの子なのだろうか。
わたしは彼のことを語るたびに、いつも必ず彼のことを思い出す。
それゆえ、わたしのはらわたは
彼のためにわななき、わたしは彼をあわれまずにはいられない。
――主の御告げ――
21 あなたは自分のために標柱を立て、道しるべを置き、あなたの歩んだ道の大路に心を留めよ。
おとめイスラエルよ。帰れ。
これら、あなたの町々に帰れ。
22 裏切り娘よ。いつまで迷い歩くのか。
主は、この国に、一つの新しい事を創造される。
ひとりの女がひとりの男を抱こう。」

23 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「わたしが彼らの繁栄を元どおりにするとき、彼らは再び次のことばを、ユダの国とその町々で語ろう。『義の住みか、聖なる山よ。主があなたを祝福されるように。』
24 ユダと、そのすべての町の者は、そこに住み、農夫も、群れを連れて旅する者も、そこに住む。
25 わたしが疲れたたましいを潤し、すべてのしぼんだたましいを満たすからだ。
26 ――ここで、私は目ざめて、見渡した。私の眠りはここちよかった。――
27 見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家に、人間の種と家畜の種を蒔く。
28 かつてわたしが、引き抜き、引き倒し、こわし、滅ぼし、わざわいを与えようと、彼らを見張っていたように、今度は、彼らを建て直し、また植えるために見守ろう。――主の御告げ――
29 その日には、彼らはもう、『父が酸いぶどうを食べたので、子どもの歯が浮く』とは言わない。
30 人はそれぞれ自分の咎のために死ぬ。だれでも、酸いぶどうを食べる者は歯が浮くのだ。
31 見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。
32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を握って、エジプトの国から連れ出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破ってしまった。――主の御告げ――
33 彼らの時代の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうだ。――主の御告げ――わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
34 そのようにして、人々はもはや、『主を知れ』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。――主の御告げ――わたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」

35 主はこう仰せられる。
主は太陽を与えて昼間の光とし、月と星を定めて夜の光とし、海をかき立てて波を騒がせる方、その名は万軍の主。
36 「もし、これらの定めがわたしの前から
取り去られるなら、――主の御告げ――
イスラエルの子孫も、絶え、いつまでもわたしの前で
一つの民をなすことはできない。」

37 主はこう仰せられる。
「もし、上の天が測られ、下の地の基が探り出されるなら、わたしも、イスラエルのすべての子孫を、彼らの行ったすべての事のために退けよう。
――主の御告げ――
38 見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、この町は、ハナヌエルのやぐらから隅の門まで、主のために建て直される。
39 測りなわは、さらにそれよりガレブの丘に伸び、ゴアのほうに向かう。
40 死体と灰との谷全体、キデロン川と東の方、馬の門の隅までの畑は、みな主に聖別され、もはやとこしえに根こぎにされず、こわされることもない。」

32章
1 ユダの王ゼデキヤの第十年、すなわち、ネブカデレザルの第十八年に、主からエレミヤにあったみことば。
2 そのとき、バビロンの王の軍勢がエルサレムを包囲中で、預言者エレミヤは、ユダの王の家にある監視の庭に監禁されていた。
3 彼が監禁されたのは、ユダの王ゼデキヤがエレミヤに、「なぜ、あなたは預言をするのか」と尋ねたとき、エレミヤが次のように答えたからである。「主はこう仰せられる。『見よ。わたしはこの町をバビロンの王の手に渡す。それで、彼はこれを攻め取る。
4 ユダの王ゼデキヤは、カルデヤ人の手からのがれることはできない。彼は必ずバビロンの王の手に渡され、彼と口と口で語り、目と目で、彼を見る。
5 彼はまた、ゼデキヤをバビロンへ連れて行く。それでゼデキヤは、わたしが彼を顧みる時まで、そこにいる。――主の御告げ――あなたがたはカルデヤ人と戦っても、勝つことはできない。』」
6 そのとき、エレミヤは言った。「私に次のような主のことばがあった。
7 見よ。あなたのおじシャルムの子ハナムエルが、あなたのところに来て、『アナトテにある私の畑を買ってくれ。あなたには買い戻す権利があるのだから』と言おう。
8 すると、主のことばのとおり、おじの子ハナムエルが私のところ、監視の庭に来て、私に言った。『どうか、ベニヤミンの地のアナトテにある私の畑を買ってください。あなたには所有権もあり、買い戻す権利もありますから、あなたが買い取ってください。』私は、それが主のことばであると知った。
9 そこで私は、おじの子ハナムエルから、アナトテにある畑を買い取り、彼に銀十七シェケルを払った。
10 すなわち、証書に署名し、それに封印し、証人を立て、はかりで銀を量り、
11 命令と規則に従って、封印された購入証書と、封印のない証書を取り、
12 おじの子ハナムエルと、購入証書に署名した証人たちと、監視の庭に座しているすべてのユダヤ人の前で、購入証書をマフセヤの子ネリヤの子バルクに渡し、
13 彼らの前で、バルクに命じて言った。
14 『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。これらの証書、すなわち封印されたこの購入証書と、封印のない証書を取って、土の器の中に入れ、これを長い間、保存せよ。
15 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。再びこの国で、家や、畑や、ぶどう畑が買われるようになるのだ』と。」
16 私は、購入証書をネリヤの子バルクに渡して後、主に祈って言った。
17 「ああ、神、主よ。まことに、あなたは大きな力と、伸ばした御腕とをもって天と地を造られました。あなたには何一つできないことはありません。
18 あなたは、恵みを千代にまで施し、先祖の咎をその後の子らのふところに報いる方、偉大な力強い神、その名は万軍の主です。
19 おもんぱかりは大きく、みわざは力があり、御目は人の子のすべての道に開いており、人それぞれの生き方にしたがい、行いの結ぶ実にしたがって、すべてに報いをされます。
20 あなたは今日まで、エジプトの国で、イスラエルと、人の中で、しるしと不思議を行われ、ご自身の名を、今日のようにされました。
21 あなたはまた、御民イスラエルを、しるしと、不思議と、強い御手と、伸べた御腕と、大いなる恐れとをもって、エジプトの国から連れ出し、
22 あなたが彼らの先祖に与えると誓われたこの国、乳と蜜の流れる国を彼らに授けられました。
23 彼らは、そこに行って、これを所有しましたが、あなたの声に聞き従わず、あなたの律法に歩まず、あなたが彼らにせよと命じた事を何一つ行わなかったので、あなたは彼らを、このようなあらゆるわざわいに会わせなさいました。
24 ご覧ください。この町を攻め取ろうとして、塁が築かれました。この町は、剣とききんと疫病のために、攻めているカルデヤ人の手に渡されようとしています。あなたの告げられた事は成就しました。ご覧のとおりです。
25 神、主よ。あなたはこの町がカルデヤ人の手に渡されようとしているのに、私に、『銀を払ってあの畑を買い、証人を立てよ』と仰せられます。」
26 エレミヤに次のような主のことばがあった。
27 「見よ。わたしは、すべての肉なる者の神、主である。わたしにとってできないことが一つでもあろうか。」
28 「それゆえ、主はこう仰せられる。見よ。わたしはこの町を、カルデヤ人の手と、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はこれを取ろう。
29 また、この町を攻めているカルデヤ人は、来て、この町に火をつけて焼く。また、人々が屋上でバアルに香をたき、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いで、わたしの怒りを引き起こしたその家々にも火をつけて焼く。
30 なぜなら、イスラエルの子らとユダの子らは、若いころから、わたしの目の前に悪のみを行い、イスラエルの子らは、その手のわざをもってわたしの怒りを引き起こすのみであったからだ。――主の御告げ――
31 この町は、建てられた日から今日まで、わたしの怒りと憤りを引き起こしてきたので、わたしはこれをわたしの顔の前から取り除く。
32 それは、イスラエルの子らとユダの子らが、すなわち彼ら自身と、その王、首長、祭司、預言者が、またユダの人もエルサレムの住民も、わたしの怒りを引き起こすために行った、すべての悪のゆえである。
33 彼らはわたしに、顔ではなくて背を向け、わたしがしきりに彼らに教えるが、聞いて懲らしめを受ける者もなく、
34 わたしの名がつけられている宮に忌むべき物を置いて、これを汚し、
35 わたしが命じもせず、心に思い浮かべもしなかったことだが、彼らはモレクのために自分の息子、娘をささげて、この忌みきらうべきことを行うために、ベン・ヒノムの谷にバアルの高き所を築き、ユダを迷わせた。」
36 それゆえ、今、イスラエルの神、主は、あなたがたが、「剣とききんと疫病により、バビロンの王の手に渡される」と言っているこの町について、こう仰せられる。
37 「見よ。わたしは、わたしの怒りと、憤りと、激怒とをもって散らしたすべての国々から彼らを集め、この所に帰らせ、安らかに住まわせる。
38 彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。
39 わたしは、いつもわたしを恐れさせるため、彼らと彼らの後の子らの幸福のために、彼らに一つの心と一つの道を与え、
40 わたしが彼らから離れず、彼らを幸福にするため、彼らととこしえの契約を結ぶ。わたしは、彼らがわたしから去らないようにわたしに対する恐れを彼らの心に与える。
41 わたしは彼らを幸福にして、彼らをわたしの喜びとし、真実をもって、心を尽くし思いを尽くして、彼らをこの国に植えよう。」
42 まことに、主はこう仰せられる。「わたしがこの大きなわざわいをみな、この民にもたらしたように、わたしが彼らに語っている幸福もみな、わたしが彼らにもたらす。
43 あなたがたが、『この地は荒れ果てて、人間も家畜もいなくなり、カルデヤ人の手に渡される』と言っているこの国で、再び畑が買われるようになる。
44 ベニヤミンの地でも、エルサレム近郊でも、ユダの町々でも、山地の町々でも、低地の町々でも、ネゲブの町々でも、銀で畑が買われ、証書に署名し、封印し、証人を立てるようになる。それは、わたしが彼らの繁栄を元どおりにするからだ。――主の御告げ――」

33章
1 エレミヤがまだ監視の庭に閉じ込められていたとき、再びエレミヤに次のような主のことばがあった。
2 「地を造られた主、それを形造って確立させた主、その名は主である方がこう仰せられる。
3 わたしを呼べ。そうすれば、わたしは、あなたに答え、あなたの知らない、理解を越えた大いなる事を、あなたに告げよう。
4 まことにイスラエルの神、主は、塁と剣で引き倒されるこの町の家々と、ユダの王たちの家々について、こう仰せられる。
5 彼らはカルデヤ人と戦おうとして出て行くが、彼らはわたしの怒りと憤りによって打ち殺されたしかばねをその家々に満たす。それは、彼らのすべての悪のために、わたしがこの町から顔を隠したからだ。
6 見よ。わたしはこの町の傷をいやして直し、彼らをいやして彼らに平安と真実を豊かに示す。
7 わたしはユダとイスラエルの繁栄を元どおりにし、初めのように彼らを建て直す。
8 わたしは、彼らがわたしに犯したすべての咎から彼らをきよめ、彼らがわたしに犯し、わたしにそむいたすべての咎を赦す。
9 この町は世界の国々の間で、わたしにとって喜びの名となり、栄誉となり栄えとなる。彼らはわたしがこの民に与えるすべての祝福のことを聞き、わたしがこの町に与えるすべての祝福と平安のために、恐れおののこう。」
10 主はこう仰せられる。「あなたがたが、『人間も家畜もいなくて廃墟となった』と言っているこの所、人間も住民も家畜もいなくて荒れすたれたユダの町々とエルサレムのちまたで、
11 楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声、『万軍の主に感謝せよ。主はいつくしみ深く、その恵みはとこしえまで』と言って、主の宮に感謝のいけにえを携えて来る人たちの声が再び聞こえる。それは、わたしがこの国の繁栄を元どおりにし、初めのようにするからだ」と主は仰せられる。
12 万軍の主はこう仰せられる。「人間も家畜もいなくて廃墟となったこの所と、そのすべての町々に、再び、群れを伏させる牧者たちの住まいができる。
13 この山の町々でも、低地の町々、ネゲブの町々、ベニヤミンの地、エルサレム近郊、ユダの町々でも、再び群れが、数を数える者の手を通り過ぎる」と主は仰せられる。
14 「見よ。その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家に語ったいつくしみのことばを成就する。
15 その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を芽ばえさせる。彼はこの国に公義と正義を行う。
16 その日、ユダは救われ、エルサレムは安らかに住み、こうしてこの町は、『主は私たちの正義』と名づけられる。」
17 まことに主はこう仰せられる。「ダビデには、イスラエルの家の王座に着く人が絶えることはない。
18 またレビ人の祭司たちにも、わたしの前で全焼のいけにえをささげ、穀物のささげ物を焼き、いつもいけにえをささげる人が絶えることはない。」
19 エレミヤに次のような主のことばがあった。
20 「主はこう仰せられる。もし、あなたがたが、昼と結んだわたしの契約と、夜と結んだわたしの契約とを破ることができ、昼と夜とが定まった時に来ないようにすることができるなら、
21 わたしのしもべダビデと結んだわたしの契約も破られ、彼には、その王座に着く子がいなくなり、わたしに仕えるレビ人の祭司たちとのわたしの契約も破られよう。
22 天の万象が数えきれず、海の砂が量れないように、わたしは、わたしのしもべダビデの子孫と、わたしに仕えるレビ人とをふやす。」
23 エレミヤに次のような主のことばがあった。
24 「あなたは、この民が、『主は選んだ二つの部族を退けた』と言って話しているのを知らないのか。彼らはわたしの民をもはや一つの民ではないとみなして侮っている。」
25 主はこう仰せられる。「もしわたしが昼と夜とに契約を結ばず、天と地との諸法則をわたしが定めなかったのなら、
26 わたしは、ヤコブの子孫と、わたしのしもべダビデの子孫とを退け、その子孫の中から、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫を治める者を選ばないようなこともあろう。しかし、わたしは彼らの繁栄を元どおりにし、彼らをあわれむ。」

34章
1 バビロンの王ネブカデレザルと、その全軍勢、および彼の支配下にある地のすべての王国とすべての国々の民が、エルサレムとそのすべての町々を攻めていたとき、主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。行って、ユダの王ゼデキヤに告げて言え。
主はこう仰せられる。『見よ。わたしはこの町をバビロンの王の手に渡す。彼はこれを火で焼こう。
3 あなたはその手からのがれることができない。あなたは必ず捕らえられて、彼の手に渡されるからだ。あなたの目はバビロンの王の目を見、彼の口はあなたの口と語り、あなたはバビロンへ行く。』
4 ユダの王ゼデキヤ。ただ、主のことばを聞きなさい。主はあなたについてこう仰せられる。『あなたは剣で死ぬことはない。
5 あなたは安らかに死んで、人々は、あなたの先祖たち、あなたの先にいた王たちのために香をたいたように、あなたのためにも香をたき、ああ主君よと言ってあなたをいたむ。このことを語るのはわたしだ。』――主の御告げ――」
6 そこで預言者エレミヤは、これらすべてのことばを、エルサレムでユダの王ゼデキヤに語った。
7 そのとき、バビロンの王の軍勢は、エルサレムとユダの残されたすべての町、ラキシュとアゼカを攻めていた。これらがユダの町々で城壁のある町として残っていたからである。
8 ゼデキヤ王がエルサレムにいるすべての民と契約を結んで、彼らに奴隷の解放を宣言して後、主からエレミヤにあったみことば。
9 ――それは各自が、ヘブル人である自分の奴隷や女奴隷を自由の身にし、同胞のユダヤ人を奴隷にしないという契約であった。
10 契約に加入したすべての首長、すべての民は、それぞれ、自分の奴隷や女奴隷を自由の身にして、二度と彼らを奴隷にしないことに同意し、同意してから彼らを去らせた。
11 しかし、彼らは、そのあとで心を翻した。そして、いったん自由の身にした奴隷や女奴隷を連れ戻して、彼らを奴隷や女奴隷として使役した。――
12 そこで、主からエレミヤに次のような主のことばがあった。
13 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『わたしが、あなたがたの先祖をエジプトの国、奴隷の家から連れ出した日に、わたしは彼らと契約を結んで言った。
14 七年の終わりには、各自、自分のところに売られて来た同胞のヘブル人を去らせなければならない。六年の間、あなたに仕えさせ、その後、あなたは彼を自由の身にせよと。しかし、あなたがたの先祖は、わたしに聞かず、耳を傾けなかった。
15 しかし、あなたがたは、きょう悔い改め、各自、隣人の解放を告げてわたしが正しいと見ることを行い、わたしの名がつけられているこの家で、わたしの前に契約を結んだ。
16 それなのに、あなたがたは心を翻して、わたしの名を汚し、いったん自由の身にした奴隷や女奴隷をかってに連れ戻し、彼らをあなたがたの奴隷や女奴隷として使役した。』
17 それゆえ、主はこう仰せられる。『あなたがたはわたしに聞き従わず、各自、自分の同胞や隣人に解放を告げなかったので、見よ、わたしはあなたがたに――主の御告げ――剣と疫病とききんの解放を宣言する。わたしは、あなたがたを地のすべての王国のおののきとする。
18 また、わたしの前で結んだ契約のことばを守らず、わたしの契約を破った者たちを、二つに断ち切られた子牛の間を通った者のようにする。
19 二つに分けた子牛の間を通った者は、ユダの首長たち、エルサレムの首長たち、宦官と祭司と一般の全民衆であった。
20 わたしは彼らを、敵の手、いのちをねらう者たちの手に渡す。そのしかばねは空の鳥、地の獣のえじきとなる。
21 わたしはまた、ユダの王ゼデキヤとそのつかさたちを敵の手、いのちをねらう者たちの手、あなたがたのところから退却したバビロンの王の軍勢の手に渡す。
22 見よ。わたしは命じ、――主の御告げ――彼らをこの町に引き返させる。彼らはこの町を攻め、これを取り、火で焼く。わたしはユダの町々を、住む者もいない荒れ果てた地とする。』」

35章
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの時代に、主からエレミヤにあったみことばは、こうである。
2 「レカブ人の家に行って、彼らに語り、彼らを主の宮の一室に連れて来て、彼らに酒を飲ませよ。」
3 そこで私は、ハバツィヌヤの子エレミヤの子であるヤアザヌヤと、その兄弟と、そのすべての息子と、レカブ人の全家を率い、
4 彼らを主の宮のイグダルヤの子、神の人ハナンの子らの部屋に連れて来た。それは、首長たちの部屋の隣にあり、入口を守る者シャルムの子マアセヤの部屋の上にあった。
5 私は、レカブ人の家の子たちの前に、ぶどう酒を満たしたつぼと杯とを出して、彼らに「酒を飲みなさい」と言った。
6 すると彼らは言った。「私たちはぶどう酒を飲みません。それは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じて、『あなたがたも、あなたがたの子らも、永久にぶどう酒を飲んではならない。
7 あなたがたは家を建てたり、種を蒔いたり、ぶどう畑を作ったり、また所有したりしてはならない。あなたがたが寄留している地の面に末長く生きるために、一生、天幕に住め』と言ったからです。
8 それで、私たちは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じたすべての命令に聞き従い、私たちも、妻も、息子、娘たちも、一生、ぶどう酒を飲まず、
9 住む家も建てず、ぶどう畑も、畑も、種も持ちません。
10 私たちは天幕に住み、すべて先祖ヨナダブが私たちに命じたとおりに、聞いて行ってきました。
11 しかし、バビロンの王ネブカデレザルがこの国に攻め上ったとき、私たちは『さあ、カルデヤの軍勢とアラムの軍勢を避けてエルサレムに行こう』と言って、エルサレムに住んだのです。」
12 そこで、エレミヤに次のような主のことばがあった。
13 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。行って、ユダの人とエルサレムの住民に言え。『あなたがたはわたしのことばを聞いて懲らしめを受けようとしないのか。――主の御告げ――
14 レカブの子ヨナダブが、酒を飲むなと子らに命じた命令は守られた。彼らは先祖の命令に聞き従ったので、今日まで飲まなかった。ところが、わたしがあなたがたにたびたび語っても、あなたがたはわたしに聞かなかった。
15 わたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを早くからたびたび送って、さあ、おのおの悪の道から立ち返り、行いを改めよ。ほかの神々を慕ってそれに仕えてはならない。わたしがあなたがたと先祖たちに与えた土地に住めと言ったのに、あなたがたは耳を傾けず、わたしに聞かなかった。
16 レカブの子ヨナダブの子たちは、先祖が命じた命令を守ってきたのに、この民はわたしに聞かなかった。』
17 それゆえ、イスラエルの神、万軍の神、主は、こう仰せられる。『見よ。わたしはユダと、エルサレムの全住民に、わたしが彼らについて語ったすべてのわざわいを下す。わたしが彼らに語ったのに、彼らが聞かず、わたしが彼らに呼びかけたのに、彼らが答えなかったからだ。』」
18 エレミヤはレカブ人の家の者に言った。「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『あなたがたは、先祖ヨナダブの命令に聞き従い、そのすべての命令を守り、すべて彼があなたがたに命じたとおりに行った。』
19 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『レカブの子、ヨナダブには、いつも、わたしの前に立つ人が絶えることはない。』」

36章
1 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、主からエレミヤに次のようなみことばがあった。
2 「あなたは巻き物を取り、わたしがあなたに語った日、すなわちヨシヤの時代から今日まで、わたしがイスラエルとユダとすべての国々について、あなたに語ったことばをみな、それに書きしるせ。
3 ユダの家は、わたしが彼らに下そうと思っているすべてのわざわいを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしも、彼らの咎と罪とを赦すことができる。」
4 それでエレミヤは、ネリヤの子バルクを呼んだ。バルクはエレミヤの口述に従って、彼に語られた主のことばを、ことごとく巻き物に書きしるした。
5 そしてエレミヤは、バルクに命じて言った。「私は閉じ込められていて、主の宮に行けない。
6 だから、あなたが行って、主の宮で、断食の日に、あなたが私の口述によって巻き物に書きしるした主のことばを、民の耳に読み聞かせ、また町々から来るユダ全体の耳にもそれを読み聞かせよ。
7 そうすれば、彼らは主の前に祈願をささげ、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。主がこの民に語られた怒りと憤りは大きいからである。」
8 そこでネリヤの子バルクは、すべて預言者エレミヤが命じたとおりに、主の宮で主のことばの巻き物を読んだ。
9 ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第五年、第九の月、エルサレムのすべての民と、ユダの町々からエルサレムに来ているすべての民に、主の前での断食が布告された。
10 そのとき、バルクは、主の宮の、書記シャファンの子ゲマルヤの部屋で、――その部屋は主の宮の新しい門の入口にある上の庭にあった――すべての民に聞こえるように、その書物からエレミヤのことばを読んだ。
11 シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、その書物にあるすべての主のことばを聞き、
12 王宮の、書記の部屋に下ったが、ちょうど、そこには、すべての首長たちがすわっていた。すなわち書記エリシャマ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナヌヤの子ゼデキヤ、およびすべての首長たちである。
13 ミカヤは、バルクがあの巻き物を民に読んで聞かせたときに聞いたすべてのことばを彼らに告げた。
14 すべての首長たちは、バルクのもとにクシの子シェレムヤの子ネタヌヤの子エフディを遣わして言わせた。「あなたが民に読んで聞かせたあの巻き物、あれを手に持って来なさい。」そこで、ネリヤの子バルクは、巻き物を手に持って彼らのところに入って来た。
15 彼らはバルクに言った。「さあ、すわって、私たちにそれを読んで聞かせてくれ。」そこで、バルクは彼らに読んで聞かせた。
16 彼らがそのすべてのことばを聞いたとき、みな互いに恐れ、バルクに言った。「私たちは、これらのことばをみな、必ず王に告げなければならない。」
17 彼らはバルクに尋ねて言った。「さあ、どのようにして、あなたはこれらのことばをみな、彼の口から書きとったのか、私たちに教えてくれ。」
18 バルクは彼らに言った。「エレミヤがこれらすべてのことばを私に口述し、私が墨でこの巻き物に書きしるしました。」
19 すると、首長たちはバルクに言った。「行って、あなたも、エレミヤも身を隠しなさい。だれにも、あなたがたがどこにいるか知られないように。」
20 彼らは巻き物を書記エリシャマの部屋に置き、庭の王のところに行ってこのすべての事を王に報告した。
21 王はエフディに、その巻き物を取りに行かせたので、彼はそれを書記エリシャマの部屋から取って来た。エフディはそれを、王と王のかたわらに立つすべての首長たちに読んで聞かせた。
22 第九の月であったので、王は冬の家の座に着いていた。彼の前には暖炉の火が燃えていた。
23 エフディが三、四段を読むごとに、王は書記の小刀でそれを裂いては、暖炉の火に投げ入れ、ついに、暖炉の火で巻き物全部を焼き尽くした。
24 王も、彼のすべての家来たちも、これらのすべてのことばを聞きながら、恐れようともせず、衣を裂こうともしなかった。
25 エルナタンとデラヤとゲマルヤは、巻き物を焼かないように、王に願ったが、王は聞き入れなかった。
26 王は、王子エラフメエルと、アズリエルの子セラヤと、アブデエルの子シェレムヤに、書記バルクと預言者エレミヤを捕らえるよう命じたが、主はふたりを隠された。
27 王が、あの巻き物、バルクがエレミヤの口述で書きしるしたことばを焼いて後、エレミヤに次のような主のことばがあった。
28 「あなたは再びもう一つの巻き物を取り、ユダの王エホヤキムが焼いた先の巻き物にあった先のことばを残らず、それに書きしるせ。
29 ユダの王エホヤキムについてはこう言え。
主はこう仰せられる。あなたはこの巻き物を焼いて言った。『あなたはなぜ、バビロンの王は必ず来てこの国を滅ぼし、ここから人間も家畜も絶やすと書いたのか』と。
30 それゆえ、主はユダの王エホヤキムについてこう仰せられる。彼には、ダビデの王座に着く者がなくなり、彼のしかばねは捨てられて、昼は暑さに、夜は寒さにさらされる。
31 わたしは、彼とその子孫、その家来たちを、彼らの咎のゆえに罰し、彼らとエルサレムの住民とユダの人々に、彼らが聞かなかったが、わたしが彼らに告げたあのすべてのわざわいをもたらす。」
32 エレミヤは、もう一つの巻き物を取り、それをネリヤの子、書記バルクに与えた。彼はエレミヤの口述により、ユダの王エホヤキムが火で焼いたあの書物のことばを残らず書きしるした。さらにこれと同じような多くのことばもそれに書き加えた。

37章
1 ヨシヤの子ゼデキヤは、エホヤキムの子エコヌヤに代わって王となった。バビロンの王ネブカデレザルが彼をユダの国の王にしたのである。
2 彼も、その家来たちも、一般の民衆も、預言者エレミヤによって語られた主のことばに聞き従わなかった。
3 ゼデキヤ王は、シェレムヤの子エフカルと、マアセヤの子、祭司ゼパニヤを預言者エレミヤのもとに遣わして言った。「どうか、私たちのために、私たちの神、主に、祈ってください。」
4 ――そのとき、エレミヤは民のうちに出入りしていて、まだ獄屋に入れられていなかった。
5 パロの軍勢がエジプトから出て来たので、エルサレムを包囲中のカルデヤ人は、そのうわさを聞いて、エルサレムから退却したときであった。――
6 そのとき、預言者エレミヤに次のような主のことばがあった。
7 「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『わたしに尋ねるために、あなたがたをわたしのもとに遣わしたユダの王にこう言え。見よ。あなたがたを助けに出て来たパロの軍勢は、自分たちの国エジプトへ帰り、
8 カルデヤ人が引き返して来て、この町を攻め取り、これを火で焼く。』
9 主はこう仰せられる。『あなたがたは、カルデヤ人は必ず私たちから去る、と言って、みずから欺くな。彼らは去ることはないからだ。
10 たとい、あなたがたが、あなたがたを攻めるカルデヤの全軍勢を打ち、その中に重傷を負った兵士たちだけが残ったとしても、彼らがそれぞれ、その天幕で立ち上がり、この町を火で焼くようになる。』」
11 カルデヤの軍勢がパロの軍勢の来るのを聞いてエルサレムから退却したとき、
12 エレミヤは、ベニヤミンの地に行き、民の間で割り当ての地を決めるためにエルサレムから出て行った。
13 彼がベニヤミンの門に来たとき、そこにハナヌヤの子シェレムヤの子のイルイヤという名の当直の者がいて、「あなたはカルデヤ人のところへ落ちのびるのか」と言って、預言者エレミヤを捕らえた。
14 エレミヤは、「違う。私はカルデヤ人のところに落ちのびるのではない」と言ったが、イルイヤは聞かず、エレミヤを捕らえて、首長たちのところに連れて行った。
15 首長たちはエレミヤに向かって激しく怒り、彼を打ちたたき、書記ヨナタンの家にある牢屋に入れた。そこを獄屋にしていたからである。
16 エレミヤは丸天井の地下牢に入れられ、長い間そこにいた。
17 ゼデキヤ王は人をやって彼を召し寄せた。王は自分の家でひそかに彼に尋ねて言った。「主から、みことばがあったか。」エレミヤは、「ありました」と言った。そして「あなたはバビロンの王の手に渡されます」と言った。
18 エレミヤはゼデキヤ王に言った。「あなたや、あなたの家来たちや、この民に、私が何の罪を犯したというので、私を獄屋に入れたのですか。
19 あなたがたに『バビロンの王は、あなたがたと、この国とを攻めに来ない』と言って預言した、あなたがたの預言者たちは、どこにいますか。
20 今、王さま、どうぞ聞いてください。どうぞ、私の願いを御前にかなえて、私を書記ヨナタンの家へ帰らせないでください。そうすれば、私はあそこで死ぬことはないでしょう。」
21 そこでゼデキヤ王は命じて、エレミヤを監視の庭に入れさせ、町からすべてのパンが絶えるまで、パン屋街から、毎日パン一個を彼に与えさせた。こうして、エレミヤは監視の庭にとどまっていた。

38章
1 さて、マタンの子シェファテヤと、パシュフルの子ゲダルヤと、シェレムヤの子ユカルと、マルキヤの子パシュフルは、すべての民にエレミヤが次のように告げていることばを聞いた。
2 「主はこう仰せられる。『この町にとどまる者は、剣とききんと疫病で死ぬが、カルデヤ人のところに出て行く者は生きる。そのいのちは彼の分捕り物として彼のものになり、彼は生きる。』
3 主はこう仰せられる。『この町は、必ず、バビロンの王の軍勢の手に渡される。彼はこれを攻め取る。』」
4 そこで、首長たちは王に言った。「どうぞ、あの男を殺してください。彼はこのように、こんなことばをみなに語り、この町に残っている戦士や、民全体の士気をくじいているからです。あの男は、この民のために平安を求めず、かえってわざわいを求めているからです。」
5 するとゼデキヤ王は言った。「今、彼はあなたがたの手の中にある。王は、あなたがたに逆らっては何もできない。」
6 そこで彼らはエレミヤを捕らえ、監視の庭にある王子マルキヤの穴に投げ込んだ。彼らはエレミヤを綱で降ろしたが、穴の中には水がなくて泥があったので、エレミヤは泥の中に沈んだ。
7 王宮にいたクシュ人の宦官エベデ・メレクは、エレミヤが穴に入れられたこと、また王がベニヤミンの門にすわっていることを聞いた。
8 そこでエベデ・メレクは、王宮から出て行き、王に告げて言った。
9 「王さま。あの人たちが預言者エレミヤにしたことは、みな悪いことばかりです。彼らはあの方を穴に投げ込みました。もう町にパンはありませんので、あの方は、下で、飢え死にするでしょう。」
10 すると、王は、クシュ人エベデ・メレクに命じて言った。「あなたはここから三十人を連れて行き、預言者エレミヤを、まだ死なないうちに、その穴から引き上げなさい。」
11 エベデ・メレクは人々を率いて、王宮の宝物倉の下に行き、そこから着ふるした着物やぼろ切れを取り、それらを綱で穴の中のエレミヤのところに降ろした。
12 クシュ人エベデ・メレクはエレミヤに、「さあ、古着やぼろ切れをあなたのわきの下にはさんで、綱を当てなさい」と言ったので、エレミヤがそのとおりにすると、
13 彼らはエレミヤを綱で穴から引き上げた。こうして、エレミヤは監視の庭にすわっていた。
14 ゼデキヤ王は人をやって、預言者エレミヤを自分のところ、主の宮の第三の入口に召し寄せた。王がエレミヤに、「私はあなたに一言尋ねる。私に何事も隠してはならない」と言うと、
15 エレミヤはゼデキヤに言った。「もし私があなたに告げれば、あなたは必ず、私を殺すではありませんか。私があなたに忠告しても、あなたは私の言うことを聞きません。」
16 そこで、ゼデキヤ王は、ひそかにエレミヤに誓って言った。「私たちのこのいのちを造られた主は生きておられる。私は決してあなたを殺さない。また、あなたのいのちをねらうあの人々の手に、あなたを渡すことも絶対にしない。」
17 するとエレミヤはゼデキヤに言った。「イスラエルの神、万軍の神、主は、こう仰せられる。『もし、あなたがバビロンの王の首長たちに降伏するなら、あなたのいのちは助かり、この町も火で焼かれず、あなたも、あなたの家族も生きのびる。
18 あなたがバビロンの王の首長たちに降伏しないなら、この町はカルデヤ人の手に渡され、彼らはこれを火で焼き、あなたも彼らの手からのがれることができない。』」
19 しかし、ゼデキヤ王はエレミヤに言った。「私は、カルデヤ人に投降したユダヤ人たちを恐れる。カルデヤ人が私を彼らの手に渡し、彼らが私をなぶりものにするかもしれない。」
20 エレミヤは言った。「彼らはあなたを渡しません。どうぞ、主の声、私があなたに語っていることに聞き従ってください。そうすれば、あなたはしあわせになり、あなたのいのちは助かるのです。
21 しかし、もしあなたが降伏するのを拒むなら、これが、主の私に示されたみことばです。
22 『見よ。ユダの王の家に残された女たちはみな、バビロンの王の首長たちのところに引き出される。聞け。彼女らは言う。――
あなたの親友たちが、あなたをそそのかし、あなたに勝った。
彼らはあなたの足を泥の中に沈ませ、背を向けてしまった。
23 あなたの妻たちや、子どもたちはみな、カルデヤ人のところに引き出され、あなたも彼らの手からのがれることができずに、バビロンの王の手に捕らえられ、この町も火で焼かれる。』」
24 ゼデキヤはエレミヤに言った。「だれにも、これらのことを知らせてはならない。そうすれば、あなたは殺されることはない。
25 もし、あの首長たちが、私があなたと話したことを聞いて、あなたのところに行き、あなたに『さあ、何を王と話したのか、教えてくれ。私たちに隠すな。あなたを殺しはしない。王はあなたに何を話したのだ』と言っても、
26 あなたは彼らに、『私をヨナタンの家に返してそこで私が死ぬことがないようにしてくださいと、王の前に嘆願していた』と言いなさい。」
27 首長たちがみなエレミヤのところに来て、彼に尋ねたとき、彼は、王が命じたことばのとおりに、彼らに告げたので、彼らは黙ってしまった。あのことはだれにも聞かれなかったからである。
28 エレミヤは、エルサレムが攻め取られる日まで、監視の庭にとどまっていた。彼はエルサレムが攻め取られたときも、そこにいた。

39章
1 ユダの王ゼデキヤの第九年、その第十の月に、バビロンの王ネブカデレザルは、その全軍勢を率いてエルサレムに攻めて来て、これを包囲した。
2 ゼデキヤの第十一年、第四の月の九日に、町は破られた。
3 そのとき、バビロンの王のすべての首長たちが入って来て、中央の門に座を占めた。すなわち、ネルガル・サル・エツェル、サムガル・ネブ、ラブ・サリスのサル・セキム、ラブ・マグのネルガル・サル・エツェル、およびバビロンの王の首長の残り全員である。
4 ユダの王ゼデキヤとすべての戦士は、彼らを見て逃げ、夜の間に、王の園の道伝いに、二重の城壁の間の門を通って町を出、アラバへの道に出た。
5 しかし、カルデヤの軍勢は彼らのあとを追い、エリコの草原でゼデキヤに追いつき、彼を捕らえて、ハマテの地のリブラにいるバビロンの王ネブカデレザルのもとに連れ上った。そこで、王は彼に宣告を下した。
6 バビロンの王はリブラで、ゼデキヤの子たちをその目の前で虐殺し、またユダのおもだった人たちもみな虐殺し、
7 ゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないで、バビロンに連れて行った。
8 カルデヤ人は、王宮も民の家も火で焼き、エルサレムの城壁を取りこわした。
9 侍従長ネブザルアダンは、町に残されていた残りの民と、王に降伏した投降者たちと、そのほかの残されていた民を、バビロンへ捕らえ移した。
10 しかし侍従長ネブザルアダンは、何も持たない貧民の一部をユダの地に残し、その日、彼らにぶどう畑と畑を与えた。
11 バビロンの王ネブカデレザルは、エレミヤについて、侍従長ネブザルアダンに次のように命じた。
12 「彼を連れ出し、目をかけてやれ。何も悪いことをするな。ただ、彼があなたに語るとおりに、彼にせよ。」
13 こうして、侍従長ネブザルアダンと、ラブ・サリスのネブシャズ・バンと、ラブ・マグのネルガル・サル・エツェルと、バビロンの王のすべての高官たちは、
14 人を遣わして、エレミヤを、監視の庭から連れ出し、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤに渡して、その家に連れて行かせた。こうして彼は民の間に住んだ。
15 エレミヤが監視の庭に閉じ込められているとき、エレミヤに次のような主のことばがあった。
16 「行って、クシュ人エベデ・メレクに話して言え。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしはこの町にわたしのことばを実現する。幸いのためではなく、わざわいのためだ。それらは、その日、あなたの前で起こる。
17 しかしその日、わたしはあなたを救い出す。――主の御告げ――あなたはあなたが恐れている者たちの手に渡されることはない。
18 わたしは必ずあなたを助け出す。あなたは剣に倒れず、あなたのいのちはあなたの分捕り物としてあなたのものになる。それは、あなたがわたしに信頼したからだ。――主の御告げ――』」

40章
1 侍従長ネブザルアダンがラマからエレミヤを釈放して後に、主からエレミヤにあったみことば。――彼がエレミヤを連れ出したとき、エレミヤは、バビロンへ引いて行かれるエルサレムとユダの捕囚の民の中で、鎖につながれていた。――
2 侍従長はエレミヤを連れ出して、彼に言った。「あなたの神、主は、この所にこのわざわいを下すと語られたが、
3 主はこれを下し、語られたとおりに行われた。あなたがたが主に罪を犯して、その御声に聞き従わなかったので、このことがあなたがたに下ったのだ。
4 そこで今、見よ、私はきょう、あなたの手にある鎖を解いてあなたを釈放する。もし、私とともにバビロンへ行くのがよいと思うなら、行きなさい。私はあなたに目をかけよう。しかし、もし、私といっしょにバビロンへ行くのが気に入らないならやめなさい。見よ。全地はあなたの前に広がっている。あなたが行くのによいと思う、気に入った所へ行きなさい。」
5 しかし彼がまだ帰ろうとしないので、「では、バビロンの王がユダの町々をゆだねたシャファンの子アヒカムの子ゲダルヤのところへ帰り、彼とともに民の中に住みなさい。でなければ、あなたが行きたいと思う所へ、どこへでも行きなさい。」こうして侍従長は、食糧と贈り物を与えて、彼を去らせた。
6 そこでエレミヤは、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのところに行って、彼とともに、国に残された民の中に住んだ。
7 野にいた将校たちとその部下たちはみな、バビロンの王がアヒカムの子ゲダルヤをその国の総督にし、彼に、バビロンに捕らえ移されなかった男、女、子どもたち、国の貧民たちをゆだねたことを聞いた。
8 ネタヌヤの子イシュマエル、カレアハの子らヨハナンとヨナタン、タヌフメテの子セラヤ、ネトファ人エファイの子ら、マアカ人の子エザヌヤと、彼らの部下たちは、ミツパにいるゲダルヤのもとに来た。
9 そこで、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤは、彼らとその部下たちに誓って言った。「カルデヤ人に仕えることを恐れてはならない。この国に住んで、バビロンの王に仕えなさい。そうすれば、あなたがたはしあわせになる。
10 私も、このように、ミツパに住んで、私たちのところに来るカルデヤ人の前に立とう。あなたがたも、ぶどう酒、夏のくだもの、油を集めて、自分の器に納め、あなたがたの取った町々に住むがよい。」
11 モアブや、アモン人のところや、エドムや、あらゆる地方にいたユダヤ人はみな、バビロンの王がユダに人を残したこと、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを彼らの総督に任命したことを聞いた。
12 そこで、ユダヤ人はみな、散らされていたすべての所からユダの地に帰って来て、ミツパのゲダルヤのもとに行き、ぶどう酒と夏のくだものを非常に多く集めた。
13 さて、野にいたカレアハの子ヨハナンと、すべての将校たちは、ミツパのゲダルヤのもとに来て、
14 彼に言った。「あなたは、アモン人の王バアリスがネタヌヤの子イシュマエルを送って、あなたを打ち殺そうとしているのを、いったい、ご存じですか。」しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、彼らの言うことを信じなかった。
15 カレアハの子ヨハナンは、ミツパでひそかにゲダルヤに話して言った。「では、私が行って、ネタヌヤの子イシュマエルを、だれにもわからないように、打ち殺しましょう。どうして、彼があなたを打ち殺し、あなたのもとに集められた全ユダヤ人が散らされ、ユダの残りの者が滅びてよいでしょうか。」
16 しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、カレアハの子ヨハナンに言った。「そんなことをしてはならない。あなたこそ、イシュマエルについて偽りを語っているからだ。」

41章
1 ところが第七の月に、王族のひとり、エリシャマの子ネタヌヤの子イシュマエルは、王の高官と十人の部下を連れて、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのもとに来て、ミツパで食事を共にした。
2 そのとき、ネタヌヤの子イシュマエルと、彼とともにいた十人の部下は立ち上がって、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを剣で打ち殺した。イシュマエルは、バビロンの王がこの国の総督にした者を殺した。
3 ミツパでゲダルヤとともにいたすべてのユダヤ人と、そこに居合わせたカルデヤ人の戦士たちをも、イシュマエルは打ち殺した。
4 ゲダルヤが殺された次の日、まだだれも知らないとき、
5 シェケムや、シロや、サマリヤから八十人の者がやって来た。彼らはみな、ひげをそり、衣を裂き、身に傷をつけ、手に穀物のささげ物や乳香を持って、主の宮に持って行こうとしていた。
6 ネタヌヤの子イシュマエルは、彼らを迎えにミツパを出て、泣きながら歩いて行き、彼らに出会ったとき、言った。「アヒカムの子ゲダルヤのところにおいでなさい。」
7 彼らが町の中に入ったとき、ネタヌヤの子イシュマエルと、彼とともにいた部下たちは、彼らを殺して穴の中に投げ入れた。
8 彼らのうちの十人がイシュマエルに、「私たちを殺さないでください。私たちは、小麦、大麦、油、蜜を畑に隠していますから」と言ったので、彼は、彼らをその仲間とともに殺すのはやめた。
9 イシュマエルが打ち殺した、ゲダルヤの指揮下の人たちのすべての死体を投げ入れた穴は、アサ王がイスラエルの王バシャを恐れて作ったものであった。ネタヌヤの子イシュマエルはそれを、殺された者で満たした。
10 イシュマエルは、ミツパに残っていたすべての民、すなわち王の娘たちと、侍従長ネブザルアダンがアヒカムの子ゲダルヤにゆだねた、ミツパに残っていたすべての民とをとりこにした。ネタヌヤの子イシュマエルは彼らをとりこにして、アモン人のところに渡ろうとして出かけて行った。
11 カレアハの子ヨハナンと、彼とともにいたすべての将校は、ネタヌヤの子イシュマエルが行ったすべての悪を聞いたので、
12 部下をみな連れて、ネタヌヤの子イシュマエルと戦うために出て行き、ギブオンにある大池のほとりで彼を見つけた。
13 イシュマエルとともにいたすべての民は、カレアハの子ヨハナンと、彼とともにいるすべての将校を見て喜んだ。
14 イシュマエルがミツパからとりこにして来たすべての民は身を翻して、カレアハの子ヨハナンのもとに帰って行った。
15 ネタヌヤの子イシュマエルは、八人の者とともにヨハナンの前をのがれて、アモン人のところへ行った。
16 カレアハの子ヨハナンと、彼とともにいたすべての将校は、ネタヌヤの子イシュマエルがアヒカムの子ゲダルヤを打ち殺して後、ミツパから、ネタヌヤの子イシュマエルから取り返したすべての残りの民、すなわちギブオンから連れ帰った勇士たち、戦士たち、女たち、子どもたち、および宦官たちを連れて、
17 エジプトに行こうとして、ベツレヘムのかたわらにあるゲルテ・キムハムへ行って、そこにとどまった。
18 それは、バビロンの王がこの国の総督としたアヒカムの子ゲダルヤをネタヌヤの子イシュマエルが打ち殺したので、カルデヤ人を恐れて、彼らから逃げるためであった。

42章
1 すべての将校たち、カレアハの子ヨハナン、ホシャヤの子イザヌヤ、および身分の低い者も高い者もみな、寄って来て、
2 預言者エレミヤに言った。「どうぞ、私たちの願いを聞いてください。私たちのため、この残った者みなのために、あなたの神、主に、祈ってください。ご覧のとおり、私たちは多くの者の中からごくわずかだけ残ったのです。
3 あなたの神、主が、私たちの歩むべき道と、なすべきことを私たちに告げてくださいますように。」
4 そこで、預言者エレミヤは彼らに言った。「承知しました。今、私は、あなたがたのことばのとおり、あなたがたの神、主に祈り、主があなたがたに答えられることはみな、あなたがたに告げましょう。何事も、あなたがたに隠しません。」
5 彼らはエレミヤに言った。「主が私たちの間で真実な確かな証人でありますように。私たちは、すべてあなたの神、主が私たちのためにあなたを送って告げられることばのとおりに、必ず行います。
6 私たちは良くても悪くても、あなたを遣わされた私たちの神、主の御声に聞き従います。私たちが私たちの神、主の御声に聞き従ってしあわせを得るためです。」
7 十日の後、主のことばがエレミヤにあった。
8 彼はカレアハの子ヨハナンと、彼とともにいるすべての将校と、身分の低い者や高い者をみな呼び寄せて、
9 彼らに言った。「あなたがたが私を遣わして、あなたがたの願いを御前に述べさせたイスラエルの神、主は、こう仰せられる。
10 『もし、あなたがたがこの国にとどまるなら、わたしはあなたがたを建てて、倒さず、あなたがたを植えて、引き抜かない。わたしはあなたがたに下したあのわざわいを思い直したからだ。
11 あなたがたが恐れているバビロンの王を恐れるな。彼をこわがるな。――主の御告げ――わたしはあなたがたとともにいて、彼の手からあなたがたを救い、彼の手からあなたがたを救い出すからだ。
12 わたしがあなたがたにあわれみを施すので、彼は、あなたがたをあわれみ、あなたがたをあなたがたの土地に帰らせる。』
13 しかしあなたがたが、『私たちはこの国にとどまらない』と言って、あなたがたの神、主の御声を聞かず、
14 『いや、エジプトの国に行こう。あそこでは戦いに会わず、角笛の音も聞かず、パンにも飢えることがないから、あそこに、私たちは住もう』と言っているのなら、
15 今、ユダの残りの者よ、主のことばを聞け。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『もし、あなたがたがエジプトに行こうと堅く決心し、そこに行って寄留するなら、
16 あなたがたの恐れている剣が、あのエジプトの国であなたがたに追いつき、あなたがたの心配しているききんが、あのエジプトであなたがたに追いすがり、あなたがたはあそこで死のう。
17 エジプトに行ってそこに寄留しようと決心した者たちはみな、そこで剣とききんと疫病で死に、わたしが彼らに下すわざわいをのがれて生き残る者はいない。』
18 まことに、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『わたしの怒りと憤りが、エルサレムの住民の上に注がれたように、あなたがたがエジプトに行くとき、わたしの憤りはあなたがたの上に注がれ、あなたがたは、のろいと、恐怖と、ののしりと、そしりになり、二度とこの所を見ることができない。』
19 ユダの残りの者よ。主はあなたがたに『エジプトへ行ってはならない』と仰せられた。きょう、私があなたがたにあかししたことを、確かに知らなければならない。
20 あなたがたは迷い出てしまっている。あなたがたは私をあなたがたの神、主のもとに遣わして、『私たちのために、私たちの神、主に祈り、すべて私たちの神、主の仰せられるとおりに、私たちに告げてください。私たちはそれを行います』と言ったのだ。
21 だから、私は、きょう、あなたがたに告げたのに、あなたがたは、あなたがたの神、主の御声を聞かず、すべてそのために主が私をあなたがたに遣わされたことを聞かなかった。
22 だから今、確かに知れ。あなたがたは、行って寄留したいと思っているその所で、剣とききんと疫病で死ぬことを。」

43章
1 エレミヤはすべての民に、彼らの神、主のことばを語り終えた。それは彼らの神、主が、このすべてのことばをもって彼を遣わされたものであった。
2 すると、ホシャヤの子アザルヤと、カレアハの子ヨハナンと、高ぶった人たちはみな、エレミヤに告げて言った。「あなたは偽りを語っている。私たちの神、主は『エジプトに行って寄留してはならない』と言わせるために、あなたを遣わされたのではない。
3 ネリヤの子バルクが、あなたをそそのかして私たちに逆らわせ、私たちをカルデヤ人の手に渡して、私たちを死なせ、また、私たちをバビロンへ引いて行かせようとしているのだ。」
4 カレアハの子ヨハナンと、すべての将校と、すべての民は、「ユダの国にとどまれ」という主の御声に聞き従わなかった。
5 そして、カレアハの子ヨハナンと、すべての将校は、散らされていた国々からユダの国に住むために帰っていたユダの残りの者すべてを、
6 男も女も子どもも、王の娘も、それに、侍従長ネブザルアダンが、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤに託したすべての者、預言者エレミヤと、ネリヤの子バルクをも連れて、
7 エジプトの国に行った。彼らは主の御声に聞き従わなかったのである。こうして、彼らはタフパヌヘスまで来た。
8 タフパヌヘスで、エレミヤに次のような主のことばがあった。
9 「あなたは手に大きな石を取り、それらを、ユダヤ人たちの目の前で、タフパヌヘスにあるパロの宮殿の入口にある敷石のしっくいの中に隠して、
10 彼らに言え。
イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしは人を送り、わたしのしもべバビロンの王ネブカデレザルを連れて来て、彼の王座を、わたしが隠したこれらの石の上に据える。彼はその石の上に本営を張ろう。
11 彼は来てエジプトの国を打ち、死に定められた者を死に渡し、とりこに定められた者をとりこにし、剣に定められた者を剣に渡す。
12 彼はエジプトの神々の宮に火をつけて、それらを焼き、彼らをとりこにする。彼は牧者が自分の着物のしらみをつぶすようにエジプトの国をつぶして、ここから無事に去って行こう。
13 彼はエジプトの国にある太陽の宮の柱を砕き、エジプトの神々の宮を火で焼こう。」

44章
1 エジプトの国に住むすべてのユダヤ人、すなわちミグドル、タフパヌヘス、ノフ、およびパテロス地方に住む者たちについて、エレミヤにあったみことばは、次のとおりである。
2 「イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『あなたがたは、わたしがエルサレムとユダのすべての町に下したあのすべてのわざわいを見た。見よ。それらはきょう、廃墟となって、そこに住む者もない。
3 それは、彼らが悪を行ってわたしの怒りを引き起こし、彼ら自身も、あなたがたも先祖も知らなかったほかの神々のところに行き、香をたいて仕えたためだ。
4 それでわたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを早くからたびたび送り、どうか、わたしの憎むこの忌みきらうべきことを行わないように、と言ったのに、
5 彼らは聞かず、耳も傾けず、ほかの神々に香をたいて、その悪から立ち返らなかった。
6 それで、わたしの憤りと怒りが、ユダの町々とエルサレムのちまたに注がれて燃え上がり、それらは今日のように廃墟となり荒れ果ててしまった。』
7 それで今、イスラエルの神、万軍の神、主は、こう仰せられる。『あなたがたは自分自身に大きなわざわいを招こうとしているのか。なぜユダの中から男も女も、幼子も乳飲み子も断ち、残りの者を生かしておかないようにするのか。
8 なぜ、あなたがたの手のわざによってわたしの怒りを引き起こし、寄留しに来たエジプトの国でも、ほかの神々に香をたき、あなたがた自身を断ち滅ぼし、地のすべての国の中で、ののしりとなり、そしりとなろうとするのか。
9 あなたがたは、ユダの国とエルサレムのちまたで行ったあなたがたの先祖の悪、ユダの王たちの悪、王妃たちの悪、あなたがたの悪、妻たちの悪を忘れたのか。
10 彼らは今日まで心砕かれず、恐れず、わたしがあなたがたとあなたがたの先祖の前に与えたわたしの律法と定めに歩まなかった。』
11 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『見よ。わたしは、わたしの顔をあなたがたからそむけて、わざわいを下し、ユダのすべての民を断ち滅ぼそう。
12 わたしは、寄留しにエジプトの国へ行こうと決心したユダの残りの者を取り除く。彼らはみな、エジプトの国で、剣とききんに倒れて滅びる。身分の低い者も高い者もみな、剣とききんで死に、のろい、恐怖、ののしり、そしりとなる。
13 わたしは、エルサレムを罰したと同じように、エジプトの国に住んでいる者たちを、剣とききんと疫病で罰する。
14 エジプトの国に来てそこに寄留しているユダの残りの者のうち、のがれて生き残る者、帰って行って住みたいと願っているユダの地へ帰れる者はいない。ただのがれる者だけが帰れよう。』」
15 すると、自分たちの妻がほかの神々に香をたいていることを知っているすべての男たちと、大集団をなしてそばに立っているすべての女たち、すなわち、エジプトの国とパテロスに住むすべての民は、エレミヤに答えて言った。
16 「あなたが主の御名によって私たちに語ったことばに、私たちは従うわけにはいかない。
17 私たちは、私たちの口から出たことばをみな必ず行って、私たちも、先祖たちも、私たちの王たちも、首長たちも、ユダの町々やエルサレムのちまたで行っていたように、天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぎたい。私たちはその時、パンに飽き足り、しあわせでわざわいに会わなかったから。
18 私たちが天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぐのをやめた時から、私たちは万事に不足し、剣とききんに滅ぼされた。」
19 「私たち女が、天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぐとき、女王にかたどった供えのパン菓子を作り、注ぎのぶどう酒を注いだのは、私たちの夫と相談せずにしたことでしょうか。」
20 そこでエレミヤは、男女のすべての民と、彼に口答えしたすべての民に語って言った。
21 「ユダの町々やエルサレムのちまたで、あなたがたや、あなたがたの先祖や、王たちや、首長たち、それに一般の人々がいけにえをささげたことを主は覚え、心に思い浮かべられたのではないか。
22 主は、あなたがたの悪い行い、あなたがたが行ったあの忌みきらうべきことのために、もう耐えられず、それであなたがたの国は今日のように、住む者もなく、廃墟となり、恐怖、ののしりとなった。
23 あなたがたがいけにえをささげ、主に罪を犯して、主の御声に聞き従わず、主の律法と定めとあかしに歩まなかったために、あなたがたに、このわざわいが今日のように来たのだ。」
24 ついで、エレミヤは、すべての民、すべての女に言った。「エジプトの国にいるすべてのユダの人々よ。主のことばを聞け。
25 イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。『あなたがたとあなたがたの妻は、自分たちの口で約束したことをその手で果たせ。あなたがたは、私たちは天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ごうと誓った誓願を、必ず実行すると言っている。では、あなたがたの誓願を確かに果たし、あなたがたの誓願を必ず実行せよ。』
26 それゆえ、エジプトの国に住むすべてのユダの人々。主のことばを聞け。『見よ。わたしはわたしの偉大な名によって誓う。――主は仰せられる――エジプトの全土において、神である主は生きておられると言って、わたしの名がユダヤ人の口にとなえられることはもうなくなる。
27 見よ。わたしは彼らを見張っている。わざわいのためであって、幸いのためではない。エジプトの国にいるすべてのユダヤ人は、剣とききんによって、ついには滅び絶える。
28 剣をのがれる少数の者だけが、エジプトの国からユダの国に帰る。こうして、エジプトの国に来て寄留しているユダの残りの者たちはみな、わたしのと彼らのと、どちらのことばが成就するかを知る。
29 これがあなたがたへのしるしである。――主の御告げ――わたしはこの所であなたがたを罰する。それは、あなたがたにわざわいを下すというわたしのことばは必ず成就することをあなたがたが知るためである。』
30 主はこう仰せられる。『見よ。わたしは、ユダの王ゼデキヤを、そのいのちをねらっていた彼の敵、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡したように、エジプトの王パロ・ホフラをその敵の手、そのいのちをねらう者たちの手に渡す。』」

45章
1 ネリヤの子バルクが、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、エレミヤの口述によってこれらのことばを書物に書いたときに、預言者エレミヤが彼に語ったことばは、こうである。
2 「バルクよ。イスラエルの神、主は、あなたについてこう仰せられる。
3 あなたは言った。『ああ、哀れなこの私。主は私の痛みに悲しみを加えられた。私は嘆きで疲れ果て、いこいもない。』
4 あなたが主にこう言うので、主はこう仰せられる。『見よ。わたしは自分が建てた物を自分でこわし、わたしが植えた物を自分で引き抜く。この全土をそうする。
5 あなたは、自分のために大きなことを求めるのか。求めるな。見よ。わたしがすべての肉なる者に、わざわいを下すからだ。――主の御告げ――しかし、わたしは、あなたの行くどんな所ででも、あなたのいのちを分捕り物としてあなたに与える。』」

46章
1 諸国の民について、預言者エレミヤにあった主のことば。
2 エジプトについて、すなわちユーフラテス河畔のカルケミシュにいたエジプトの王パロ・ネコの軍勢について。ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、バビロンの王ネブカデレザルはこれを打ち破った。
3 「盾と大盾を整えて、戦いに向かえ。
4 騎兵よ。馬に鞍をつけて乗れ。
かぶとを着けて部署につけ。
槍をみがき、よろいを着よ。
5 何ということか、この有様。
彼らはおののき、うしろに退く。
勇士たちは打たれ、うしろも振り向かずに逃げ去った。
恐れが回りにある。――主の御告げ――
6 足の速い者も逃げることができない。
勇士たちものがれることができない。
北のほう、ユーフラテス川のほとりで、彼らはつまずき倒れた。
7 ナイル川のようにわき上がり、川々のように寄せては返すこの者はだれか。
8 エジプトだ。――ナイル川のようにわき上がり、川々のように寄せては返す。
彼は言った。『わき上がって地をおおい、町も住民も滅ぼしてしまおう。』
9 馬よ、上れ。戦車よ、走れ。
勇士たちよ、出陣だ。
盾を取るクシュ人、プテ人、弓を引き張るルデ人よ。
10 その日は、万軍の神、主の日、仇に復讐する復讐の日。
剣は食らって飽き、彼らの血に酔う。
北の地、ユーフラテス川のほとりでは、万軍の神、主に、いけにえがささげられる。
11 おとめエジプトの娘よ。
ギルアデに上って乳香を取れ。
多くの薬を使ってもむなしい。
あなたはいやされない。
12 国々は、あなたの恥を聞いた。
あなたの哀れな叫び声は地に満ちた。
勇士は勇士につまずき、共に倒れたからだ。」

13 バビロンの王ネブカデレザルが来て、エジプトの国を打つことについて、主が預言者エレミヤに語られたみことば。
14 エジプトで告げ、ミグドルで聞かせ、ノフとタフパヌヘスで聞かせて言え。
「立ち上がって備えをせよ。
剣があなたの回りを食い尽くしたからだ。
15 なぜ、あなたの雄牛は押し流されたのか。
立たなかったのか。
主が彼を追い払われたからだ。
16 多くの者がつまずき、倒れた。
彼らは互いに言った。
『さあ、私たちの民のところ、生まれ故郷に帰ろう。
あのしいたげる者の剣を避けて。』
17 彼らは、そこで叫んだ。
エジプトの王パロは、時期を逸して騒ぐ者。
18 わたしは生きている。
――その名を万軍の主という王の御告げ――
彼は山々の中のタボルのように、海のほとりのカルメルのように、必ず来る。
19 エジプトに住む娘よ。捕虜になる身支度をせよ。
ノフは荒れ果て、廃墟となって住む人もなくなるからだ。
20 エジプトはかわいい雌の子牛。
北からあぶが襲って来る。
21 その中にいた傭兵も、肥えた子牛のようだった。
彼らもまた、背を向けて共に逃げ、立ち止まろうともしなかった。
彼らの滅びの日、刑罰の時が、彼らの上に来たからだ。
22 彼女の声は蛇のように消え去る。
彼らは軍勢を率いて来る。
きこりのように、斧を持って入って来る。
23 彼らはその森を切り倒す。――主の御告げ――
それは測り知られず、いなごより多くて数えることができないからだ。
24 娘エジプトは、はずかしめられ、北の民の手に渡された。」

25 イスラエルの神、万軍の主は、仰せられる。「見よ。わたしは、ノのアモンと、パロとエジプト、その神々と王たち、パロと彼に拠り頼む者たちとを罰する。
26 わたしは彼らを、そのいのちをねらっている者たちの手、すなわちバビロンの王ネブカデレザルの手とその家来たちの手に渡す。その後、エジプトは、昔の日のように人が住むようになる。――主の御告げ――
27 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
イスラエルよ。おののくな。
見よ。わたしが、あなたを遠くから、あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。
ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、おびえさせる者はだれもいない。
28 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
――主の御告げ――
わたしがあなたとともにいるからだ。
わたしは、あなたを追いやった先の
すべての国々を滅ぼし尽くすからだ。
わたしはあなたを滅ぼし尽くさない。
公義によって、あなたを懲らしめ、あなたを罰せずにおくことは決してないが。」

47章
1 パロがまだガザを打たないうちに、ペリシテ人について、預言者エレミヤにあった主のことば。
2 主はこう仰せられる。
「見よ。北から水が上って来て、あふれる流れとなり、地と、それに満ちるもの、町とその住民とにあふれかかる。
人々は泣き叫び、地の住民はみな泣きわめく。
3 荒馬のひづめの音、戦車の響き、車輪の騒音のため、父たちは気力を失って、子らを顧みない。
4 すべてのペリシテ人を破滅させる日が
来たからだ。
その日には、ツロとシドンを、生き残って助ける者もみな、断ち滅ぼされる。
主が、カフトルの島に残っているペリシテ人も
破滅させるからだ。
5 ガザは頭をそられ、アシュケロンは滅びうせた。
アナク人の残りの者よ。
いつまで、あなたは身を傷つけるのか。」

6 「ああ。主の剣よ。
いつまで、おまえは休まないのか。
さやに納まり、静かに休め。」
7 どうして、おまえは休めよう。
主が剣に命じられたのだ。
アシュケロンとその海岸――
そこに剣を向けられたのだ。

48章
1 モアブについて。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。
「ああ、悲しいかな、ネボ。これは荒らされた。
キルヤタイムもはずかしめられ、攻め取られた。
そのとりでは、はずかしめられて
打ちのめされた。
2 もはやモアブの栄誉はない。
ヘシュボンでは、これに悪事をたくらんでいる。
『行って、あの国民を断ち滅ぼして
無き者にしよう。』
マデメンよ。おまえも黙る。
剣がおまえのあとを追っている。」
3 聞け。ホロナイムからの悲鳴。
「破壊だ。大破滅だ」と。
4 モアブは打ち破られた。
その叫びはツォアルまで聞こえた。
5 ルヒテの坂を泣きながら嘆きが上る。
敵はホロナイムの下り坂では、いたいたしい破滅の叫びを聞いた。
6 逃げて、おまえたちのいのちを救え。
荒野の中の野ろばのようになれ。
7 おまえは自分の作った物や
財宝に拠り頼んだので、おまえまで捕らえられ、ケモシュはその祭司や首長たちとともに、捕囚となって出て行く。
8 荒らす者がすべての町に入って来る。
一つの町ものがれることができない。
谷は滅びうせ、平地は根絶やしにされる。
主が仰せられるからだ。
9 モアブに翼を与えて、飛び去らせよ。
その町々は住む者もなくて荒れ果てる。
10 主のみわざをおろそかにする者は、のろわれよ。その剣をとどめて血を流さないようにする者は、のろわれよ。

11 モアブは若い時から安らかであった。
彼はぶどう酒のかすの上にじっとたまっていて、器から器へあけられたこともなく、捕囚として連れて行かれたこともなかった。
それゆえ、その味はそのまま残り、かおりも変わらなかった。
12 「それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、彼に酒蔵の番人を送る。彼らはそれを器から移し、その器をあけ、そのつぼを砕く。
13 モアブは、ケモシュのために恥を見る。イスラエルの家が、彼らの拠り頼むベテルのために恥を見たように。」

14 どうして、あなたがたは「われわれは勇士、戦いの豪の者」と言えようか。
15 モアブは荒らされ、その町々は襲われて、えり抜きの若者たちも、ほふり場に下って行く。
――その名を万軍の主という王の御告げ――
16 モアブの災難は近づいた。
そのわざわいは、すみやかに来る。
17 その回りの者、その名を知る者はみな、これのために嘆け。
「どうして力ある杖、美しい笏が砕かれたのか」
と言え。
18 ディボンに住む娘よ。
栄光の座からおりて、潤いのない地にすわれ。
モアブを荒らす者が、あなたを襲い、あなたの要塞を滅ぼしたからだ。
19 アロエルに住む女よ。
道のかたわらに立って見張れ。
逃げて来る男、のがれて来る女に尋ねて、「何が起こったのか」と言え。
20 モアブは打ちのめされて、はずかしめられた。
泣きわめき、叫べ。
アルノンで、「モアブは荒らされた」と告げよ。
21 さばきは次の平地に来た。ホロン、ヤハツ、メファアテ、
22 ディボン、ネボ、ベテ・ディブラタイム、
23 キルヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、
24 ケリヨテ、ボツラ、モアブの国の遠近のすべての町々に。
25 「モアブの角は切り落とされ、その腕は砕かれた。――主の御告げ――」

26 彼を酔わせよ。主に対して高ぶったからだ。モアブは、へどを吐き散らし、彼もまた物笑いとなる。
27 イスラエルは、あなたの物笑いではなかったのか。それとも、あなたが彼のことを語るたびごとに彼に向かって頭を振っていたのは、彼が見つけられた盗人のひとりであったためか。
28 モアブの住民よ。
町を見捨てて岩間に住め。
穴の入口のそばに巣を作る鳩のようになれ。
29 私たちはモアブの高ぶりを聞いた。
実に高慢だ。
その高慢、その高ぶり、その誇り、その心の高ぶりを。
30 「わたしは、彼の高ぶりを知っている。――主の御告げ――その自慢話は正しくない。その行いも正しくない。」
31 それゆえ、モアブのために私は泣きわめき、モアブ全体のために私は叫ぶ。キル・ヘレスの人々のために嘆く。
32 シブマのぶどうの木よ。
ヤゼルの涙にまさって、私はおまえのために泣く。
おまえのつるは伸びて海を越えた。
ヤゼルの海に達した。
おまえの夏のくだものとぶどうの取り入れを、荒らす者が襲った。
33 「モアブの果樹園とその国から、喜びと楽しみは取り去られ、私は酒ぶねから酒を絶やした。
喜びの声をあげてぶどうを踏む者もなく、ぶどう踏みの喜びの声は、もう喜びの声ではない。」
34 ヘシュボンが叫んだため、その声はエルアレとヤハツまで、ツォアルからホロナイムやエグラテ・シェリシヤまで届いた。ニムリムの水さえ、荒廃した地となるからだ。
35 「またわたしは、モアブの、――主の御告げ――高き所でいけにえをささげ、その神々に香をたく者を取り除く。」
36 それゆえ、私の心はモアブのために笛のように鳴り、私の心はキル・ヘレスの人々のために笛のように鳴る。彼らの得た富も消えうせたからだ。
37 彼らは頭の毛をみなそり、ひげもみな切り取り、手にもみな傷をつけ、腰に荒布を着けているからだ。
38 モアブのすべての屋根の上や、広場には、ただ嘆きだけがある。
「わたしがモアブを、だれにも喜ばれない器のように、砕いたからだ。――主の御告げ――」
39 どうしてこうも打ちのめされて、泣きわめくのか。どうして、モアブは恥を見、背を見せたのか。モアブは、その回りのすべての者の物笑いとなり、恐れとなってしまった。
40 まことに、主はこう仰せられる。「見よ。彼は鷲のように飛びかかり、モアブに向かって翼を広げる。
41 町々は攻め取られ、要害は取られる。
その日、モアブの勇士の心も、産みの苦しみをする女の心のようになる。
42 モアブは滅ぼされて、民でなくなった。
主に対して高ぶったからだ。
43 モアブの住民よ。恐れと穴とわなとが、あなたを襲う。――主の御告げ――
44 その恐れから逃げた者は、穴に落ち、穴から上る者は、わなに捕らえられる。
わたしがモアブに、彼らの刑罰の年を来させるからだ。
――主の御告げ――
45 ヘシュボンの陰には、のがれる者たちが力尽きて立ち止まる。
火がヘシュボンから、炎がシホンのうちから出て、モアブのこめかみと、騒がしい子らの頭の頂を焼いた。
46 ああ。モアブ。
ケモシュの民は滅びた。
あなたの息子はとりこにされ、娘は捕虜になって連れ去られた。
47 しかし終わりの日に、わたしはモアブの繁栄を元どおりにする。
――主の御告げ――」
ここまではモアブへのさばきである。

49章
1 アモン人について。主はこう仰せられる。
「イスラエルには子がないのか。
世継ぎがないのか。
なぜ、彼らの王がガドを所有し、その民が町々に住んだのか。
2 それゆえ、見よ、その日が来る。
――主の御告げ――
その日、わたしは、アモン人のラバに
戦いの雄たけびを聞かせる。
そこは荒れ果てた廃墟となり、その娘たちは火で焼かれる。
イスラエルがその跡を継ぐ」と
主は仰せられる。
3 「ヘシュボンよ。泣きわめけ。
アイが荒らされたから。
ラバの娘たちよ。叫べ。荒布をまとえ。
嘆いて囲い場の中を走り回れ。
彼らの王が、その祭司や首長たちとともに、捕囚として連れて行かれるからだ。
4 裏切り娘よ。
あなたの谷には水が流れているからといって、なぜ、その多くの谷を誇るのか。
あなたは自分の財宝に拠り頼んで、言う。
『だれが、私のところに来よう。』
5 見よ。わたしは四方からあなたに
恐怖をもたらす。――万軍の神、主の御告げ――
あなたがたはみな、散らされて、逃げる者を集める者もいない。
6 そうして後、わたしはアモン人の繁栄を元どおりにする。
――主の御告げ――」

7 エドムについて。万軍の主はこう仰せられた。
「テマンには、もう知恵がないのか。
賢い者から分別が消えうせ、彼らの知恵は朽ちたのか。
8 デダンの住民よ。逃げよ、のがれよ。
深く潜め。
わたしがエサウの災難をもたらすからだ。
彼を罰する時だ。
9 ぶどうを収穫する者たちが、あなたのところに来るなら、彼らは取り残しの実を残さない。
盗人は、夜中に来るなら、彼らの気のすむまで荒らす。
10 わたしがエサウを裸にし、その隠し所をあらわにし、身を隠すこともできないようにするからだ。
彼の子孫も兄弟も隣人も
踏みにじられてひとりもいなくなる。
11 あなたのみなしごたちを見捨てよ。
わたしが彼らを生きながらえさせる。
あなたのやもめたちは、わたしに拠り頼まなければならない。」
12 まことに主はこう仰せられる。「見よ。あの杯を飲むように定められていない者も、それを飲まなければならない。あなただけが罰を免れることができようか。罰を受けずには済まない。いや、あなたは必ずそれを飲まなければならない。
13 わたしは自分にかけて誓ったからだ。――主の御告げ――必ずボツラは恐怖、そしりとなり、廃墟、ののしりとなる。そのすべての町々は、永遠の廃墟となる。」
14 私は主から知らせを聞いた。
「使者が国々の間に送られた。
『集まって、エドムに攻め入れ。
戦いに立ち上がれ。』
15 見よ。わたしはあなたを国々の中の小さい者、人にさげすまれる者とするからだ。
16 岩の住みかに住む者、丘の頂を占める者よ。
あなたの脅かしが、あなた自身を欺いた。
あなたの心は高慢だ。
あなたが鷲のように巣を高くしても、わたしは、そこから引き降ろす。
――主の御告げ――」
17 エドムは恐怖となり、そこを通り過ぎる者はみな、色を失い、そのすべての打ち傷を見てあざける。
18 ソドムとゴモラとその近隣の破滅のように、――主は仰せられる――そこに人は住まず、そこに人の子は宿らない。
19 「見よ。獅子がヨルダンの密林から水の絶えず流れる牧場に上って来るように、わたしは一瞬にして彼らをそこから追い出そう。わたしは、選ばれた人をそこに置く。なぜなら、だれかわたしのような者があろうか。だれかわたしを呼びつける者があろうか。だれかわたしの前に立つことのできる牧者があろうか。」
20 それゆえ、エドムに対してめぐらされた主のはかりごとと、テマンの住民に対して立てられたご計画を聞け。
必ず、群れの小さい者まで引きずって行かれ、必ず、彼らの牧場はそのことでおびえる。
21 彼らの倒れる音で地は震え、その叫び声が葦の海でも聞こえた。
22 見よ。彼は鷲のように舞い上がっては襲い、ボツラの上に翼を広げる。その日、エドムの勇士の心も、産みの苦しみをする女の心のようになる。

23 ダマスコについて。
「ハマテとアルパデは恥を見た。
悪い知らせを聞いたからだ。
彼らは海のように震えおののいて恐れ、静まることもできない。
24 ダマスコは弱り、恐怖に捕らわれ、身を巡らして逃げた。
産婦のような苦しみと苦痛に捕らえられて。
25 いったい、どうして、栄誉の町、わたしの喜びの都は捨てられたのか。
26 それゆえ、その日、その若い男たちは町の広場に倒れ、その戦士たちもみな、断ち滅ぼされる。
――万軍の主の御告げ――
27 わたしは、ダマスコの城壁に火をつける。
その火はベン・ハダデの宮殿をなめ尽くす。」

28 バビロンの王ネブカデレザルが打ったケダルとハツォルの王国について。主はこう仰せられる。
「さあ、ケダルへ攻め上り、東の人々を荒らせ。
29 その天幕と羊の群れは奪われ、その幕屋もそのすべての器も、らくだも、運び去られる。
人々は彼らに向かって
『恐れが回りにある』と叫ぶ。
30 ハツォルの住民よ。逃げよ。遠くへのがれよ。
深く潜め。――主の御告げ――
バビロンの王ネブカデレザルは、あなたがたに対してはかりごとをめぐらし、あなたがたに対して
たくらみを設けているからだ。
31 さあ、安心して住んでいるのんきな国に攻め上れ。
――主の御告げ――
そこにはとびらもなく、かんぬきもなく、その民は孤立して住んでいる。
32 彼らのらくだは獲物に、その家畜の群れは分捕り物になる。
わたしは、こめかみを刈り上げている者たちを
四方に吹き散らし、彼らに災難を各方面から来させる。
――主の御告げ――
33 ハツォルはとこしえまでも荒れ果てて、ジャッカルの住みかとなり、そこに人は住まず、そこに人の子は宿らない。」

34 ユダの王ゼデキヤの治世の初めに、エラムについて預言者エレミヤにあった主のことば。
35 万軍の主はこう仰せられる。
「見よ。
わたしはエラムの力の源であるその弓を砕く。
36 わたしは天の四隅から、四方の風をエラムに来させ、彼らをこの四方の風で吹き散らし、エラムの散らされた者が入らない国は
ないようにする。
37 わたしは、エラムを敵の前におののかせ、そのいのちをねらう者たちの前におののかせ、彼らの上にわざわいを下し、わたしの燃える怒りをその上に下す。
――主の御告げ――
わたしは、彼らのうしろに剣を送って、彼らを絶ち滅ぼす。
38 わたしはエラムにわたしの王座を置き、王や首長たちをそこから滅ぼす。
――主の御告げ――
39 しかし、終わりの日になると、わたしはエラムの繁栄を元どおりにする。
――主の御告げ――」

50章
1 主が預言者エレミヤを通して、バビロンについて、すなわちカルデヤ人の国について語られたみことば。
2 「諸国の民の間に告げ、旗を掲げて知らせよ。
隠さずに言え。
『バビロンは捕らえられた。
ベルははずかしめられ、メロダクは砕かれた。
その像ははずかしめられ、その偶像は砕かれた。』
3 なぜなら、北から一つの国がここに攻め上り、この地を荒れ果てさせたからだ。ここには住む者もない。人間から家畜に至るまで逃げ去った。
4 その日、その時、――主の御告げ――
イスラエルの民もユダの民も共に来て、泣きながら歩み、その神、主を、尋ね求める。
5 彼らはシオンを求め、その道に顔を向けて、『来たれ。忘れられることのないとこしえの契約によって、主に連なろう』と言う。
6 わたしの民は、迷った羊の群れであった。その牧者が彼らを迷わせ、山々へ連れ去った。彼らは山から丘へと行き巡って、休み場も忘れてしまった。
7 彼らを見つける者はみな彼らを食らい、敵は『私たちには罪がない。彼らが、正しい牧場である主、彼らの先祖の望みであった主に、罪を犯したためだ』と言った。
8 バビロンの中から逃げ、カルデヤ人の国から出よ。
群れの先頭に立つやぎのようになれ。
9 見よ。わたしが、大国の集団を奮い立たせて、北の地からバビロンに攻め上らせる。
彼らはこれに向かって陣ぞなえをし、これを攻め取る。
彼らの矢は、練達の勇士の矢のようで、むなしくは帰らない。
10 カルデヤは略奪され、これを略奪する者はみな満ち足りる。
――主の御告げ――

11 わたしの相続地を略奪する者たち。
あなたがたは楽しみ、こおどりして喜び、穀物を打つ雌の子牛のようにはしゃぎ、荒馬のようにいなないても、
12 あなたがたの母はいたく恥を見、あなたがたを産んだ者ははずかしめを受けた。
見よ。彼女は国々のうちの最後の者、荒野となり、砂漠と荒れた地となる。
13 主の怒りによって、そこに住む者はなく、ことごとく廃墟と化する。
バビロンのあたりを通り過ぎる者は
みな、色を失い、そのすべての打ち傷を見てあざける。
14 すべて弓を張る者よ。
バビロンの回りに陣ぞなえをし、これを射よ。
矢を惜しむな。
彼女は主に罪を犯したのだから。
15 その回りに、ときの声をあげよ。
彼女は降伏した。
その柱は倒れ、その城壁はこわれた。
これこそ主の復讐だ。
彼女に復讐せよ。
彼女がしたとおりに、これにせよ。
16 種を蒔く者や、刈り入れの時にかまを取る者を、バビロンから切り取れ。
しいたげる者の剣を避けて、人はおのおの自分の民に帰り、自分の国へ逃げて行く。」

17 イスラエルは雄獅子に散らされた羊。先にはアッシリヤの王がこれを食らったが、今度はついに、バビロンの王ネブカデレザルがその骨まで食らった。
18 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。「見よ。わたしはアッシリヤの王を罰したように、バビロンの王とその国を罰する。
19 わたしはイスラエルをその牧場に帰らせる。彼はカルメルとバシャンで草を食べ、エフライムの山とギルアデで、その願いは満たされる。
20 その日、その時、――主の御告げ――イスラエルの咎は見つけようとしても、それはなく、ユダの罪も見つけることはできない。わたしが残す者の罪を、わたしが赦すからだ。」

21 「メラタイムの地、ペコデの住民のところに
攻め上れ。
彼らを追って、殺し、彼らを聖絶せよ。
――主の御告げ――
すべて、わたしがあなたに命じたとおりに、行え。」
22 「国中には戦いの声、大いなる破滅。
23 万国を打った鉄槌は、どうして折られ、砕かれたのか。
バビロンよ。
どうして国々の恐怖となったのか。
24 バビロンよ。
わたしがおまえにわなをかけ、おまえは捕らえられた。
おまえはそれを知らなかった。
おまえは見つけられてつかまえられた。
おまえが主に争いをしかけたからだ。
25 主はその倉を開いて、その憤りの武器を持ち出された。
それは、カルデヤ人の国で、万軍の神、主の、される仕事があるからだ。
26 四方からそこに攻め入れ。その穀物倉を開け。
これを麦束のように積み上げ、これを聖絶して、何一つ残すな。
27 その雄牛をみな滅ぼせ。ほふり場に下らせよ。
ああ。哀れな彼ら。
彼らの日、その刑罰の時が来たからだ。」

28 聞け。バビロンの国からのがれて来た者が、シオンで、私たちの神、主の、復讐のこと、その宮の復讐のことを告げ知らせている。
29 射手を呼び集めて
バビロンを攻め、弓を張る者はみな、これを囲んで陣を敷き、ひとりものがすな。
そのしわざに応じてこれに報い、これがしたとおりに、これにせよ。
主に向かい、イスラエルの聖なる方に向かって
高ぶったからだ。
30 「それゆえ、その日、その若い男たちは町の広場に倒れ、その戦士もみな、断ち滅ぼされる。――主の御告げ――
31 高ぶる者よ。見よ。わたしはあなたを攻める。
――万軍の神、主の御告げ――
あなたの日、わたしがあなたを罰する時が来たからだ。
32 そこで、高ぶる者はつまずき倒れ、これを起こす者もいない。
わたしは、その町に火をつける。
火はその回りのものをすべて焼き尽くす。」

33 万軍の主はこう仰せられる。「イスラエルの民とユダの民は、共にしいたげられている。彼らをとりこにした者はみな、彼らを捕らえて解放しようとはしない。」
34 彼らを贖う方は強く、その名は万軍の主。主は、確かに彼らの訴えを支持し、この国をいこわせるが、バビロンの住民を震え上がらせる。
35 剣が、カルデヤ人にも、――主の御告げ――
バビロンの住民、その首長たち、知恵ある者たちにも下る。
36 剣が自慢する者たちにも下り、彼らは愚かになる。
剣がその勇士たちにも下り、彼らはおののく。
37 剣がその馬と車と、そこに住む混血の民にも下り、彼らは女のようになる。
剣がその財宝にも下り、それらはかすめ取られる。
38 その水の上には、ひでりが下り、それはかれる。
ここは刻んだ像の国で、彼らは偶像の神に狂っているからだ。
39 それゆえ、そこには荒野の獣が山犬とともに住み、だちょうがそこに住む。もう、いつまでも人は住まず、代々にわたって、住む人はない。
40 神がソドムと、ゴモラと、その近隣を滅ぼされたように、――主の御告げ――そこには人が住まず、そこには人の子が宿らない。
41 見よ。一つの民が北から来る。大きな国と多くの王が地の果て果てから奮い立つ。
42 彼らは弓と投げ槍を堅く握り、残忍で、あわれみがない。その声は海のようにとどろく。バビロンの娘よ。彼らは馬に乗り、ひとりのように陣ぞなえをして、あなたを攻める。
43 バビロンの王は、彼らのうわさを聞いて気力を失い、産婦のような苦しみと苦痛に捕らえられる。
44 「見よ。獅子がヨルダンの密林から水の絶えず流れる牧場に上って来るように、わたしは一瞬にして彼らをそこから追い出そう。わたしは、選ばれた人をそこに置く。なぜなら、だれかわたしのような者があろうか。だれかわたしを呼びつける者があろうか。だれかわたしの前に立つことのできる牧者があろうか。」
45 それゆえ、バビロンに対してめぐらされた主のはかりごとと、カルデヤ人の国に対して立てられたご計画を聞け。
必ず、群れの小さい者まで引きずって行かれ、必ず、彼らの牧場はそのことでおびえる。
46 バビロンの捕らえられる音で地は震え、その叫びが国々の間でも聞こえた。

51章
1 主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはバビロンとその住民に対し、破壊する者の霊を奮い立たせ、
2 他国人たちをバビロンに送る。
彼らはこれを吹き散らし、その国を滅ぼす。
彼らは、わざわいの日に、四方からこれを攻める。」

3 射手には弓を張らせ、よろいを着けてこれを襲わせよ。
そこの若い男を惜しむことなく、その全軍を聖絶せよ。
4 刺し殺された者たちが、カルデヤ人の国に倒れ、突き刺された者たちが、そのちまたに倒れる。
5 しかし、イスラエルもユダも、その神、万軍の主から、決して見捨てられない。
彼らの国は、イスラエルの聖なる方にそむいた罪に
満ちていたが。
6 バビロンの中から逃げ、それぞれ自分のいのちを救え。
バビロンの咎のために断ち滅ぼされるな。
これこそ、主の復讐の時、報いを主が返される。
7 バビロンは主の御手にある金の杯。
すべての国々はこれに酔い、国々はそのぶどう酒を飲んで、酔いしれた。
8 たちまち、バビロンは倒れて砕かれた。
このために泣きわめけ。
その痛みのために乳香を取れ。
あるいはいやされるかもしれない。

9 私たちは、バビロンをいやそうとしたのに、それはいやされなかった。
私たちはこれを見捨てて、おのおの自分の国へ帰ろう。
バビロンへの罰は、天に達し、大空まで上ったからだ。
10 主は、私たちの正義の主張を明らかにされた。
来たれ。私たちはシオンで、私たちの神、主のみわざを語ろう。

11 矢をとぎ、丸い小盾を取れ。
主はメディヤ人の王たちの霊を
奮い立たせられた。
主の御思いは、バビロンを滅ぼすこと。
それは主の復讐、その宮のための復讐である。
12 バビロンの城壁に向かって旗を揚げよ。
見張りを強くし、番兵を立てよ。伏兵を備えよ。
主ははかりごとを立て、バビロンの住民について語られたことを
実行されたからだ。
13 大水のほとりに住む財宝豊かな者よ。
あなたの最期、あなたの断ち滅ぼされる時が来た。
14 万軍の主はご自分をさして誓って言われた。
「必ず、わたしはばったのような大群の人を
あなたに満たす。
彼らはあなたに向かって叫び声をあげる。」
15 主は、御力をもって地を造り、知恵をもって世界を堅く建て、英知をもって天を張られた。
16 主が声を出すと、水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、雨のためにいなずまを造り、その倉から風を出される。
17 すべての人間は愚かで無知だ。
すべての金細工人は、偶像のために恥を見る。
その鋳た像は偽りで、その中に息がないからだ。
18 それは、むなしいもの、物笑いの種だ。
刑罰の時に、それらは滅びる。
19 ヤコブの分け前はこんなものではない。
主は万物を造る方。
イスラエルは主ご自身の部族。
その御名は万軍の主である。

20 「あなたはわたしの鉄槌、戦いの道具だ。
わたしはあなたを使って国々を砕き、あなたを使って諸王国を滅ぼす。
21 あなたを使って馬も騎手も砕き、あなたを使って戦車も御者も砕き、
22 あなたを使って男も女も砕き、あなたを使って年寄りも幼い者も砕き、あなたを使って若い男も若い女も砕き、
23 あなたを使って牧者も群れも砕き、あなたを使って農夫もくびきを負う牛も砕き、あなたを使って総督や長官たちも砕く。
24 わたしはバビロンとカルデヤの全住民に、彼らがシオンで行ったすべての悪のために、あなたがたの目の前で報復する。
――主の御告げ――

25 全地を破壊する、破壊の山よ。
見よ。わたしはおまえを攻める。
――主の御告げ――
わたしはおまえに手を伸べ、おまえを岩から突き落とし、おまえを焼け山とする。
26 だれもおまえから石を取って、隅の石とする者はなく、礎の石とする者もない。
おまえは永遠に荒れ果てる。
――主の御告げ――

27 この地に旗を掲げ、国々の中に角笛を鳴らせ。
国々を整えてこれを攻めよ。
アララテ、ミニ、アシュケナズの王国を
召集してこれを攻めよ。
ひとりの長を立ててこれを攻めよ。
群がるばったのように、馬を上らせよ。
28 国々を整えてこれを攻めよ。
メディヤ人の王たち、その総督やすべての長官たち、その支配する全土の民を整えて、これを攻めよ。
29 地は震え、もだえる。
主はご計画をバビロンに成し遂げ、バビロンの国を
住む者もない荒れ果てた地とされる。
30 バビロンの勇士たちは戦いをやめて、とりでの中にすわり込み、彼らの力も干からびて、女のようになる。
その住まいは焼かれ、かんぬきは砕かれる。
31 飛脚はほかの飛脚に走り次ぎ、使者もほかの使者に取り次いで、バビロンの王に告げて言う。
「都はくまなく取られ、
32 渡し場も取られ、葦の舟も火で焼かれ、戦士たちはおじ惑っている。」

33 イスラエルの神、万軍の主が、こう仰せられたからだ。
「バビロンの娘は、踏まれるときの打ち場のようだ。
もうしばらくで、刈り入れの時が来る。
34 『バビロンの王ネブカデレザルは、私を食い尽くし、私をかき乱して、からの器にした。
竜のように私をのみこみ、私のおいしい物で腹を満たし、私を洗い流した。』
35 シオンに住む者は、『私と私の肉親になされた暴虐は、バビロンにふりかかれ』と言え。
エルサレムは、『私の血はカルデヤの住民に注がれよ』と言え。」

36 それゆえ、主はこう仰せられる。
「見よ。わたしはあなたの訴えを取り上げ、あなたのために報復する。
わたしはその海を干上がらせ、その泉をからす。
37 バビロンは石くれの山となり、ジャッカルの住みかとなり、恐怖、あざけりとなる。
38 彼らは共に、若獅子のようにほえ、雄獅子のように叫ぶ。
39 彼らがいらだっているとき、わたしは彼らに宴会を開き、彼らを酔わせて踊らせ、永遠の眠りについて、目ざめないようにする。
――主の御告げ――
40 わたしは彼らを、子羊のように、また雄羊か雄やぎのように、ほふり場に下らせる。
41 ああ、バビロンは攻め取られ、全地の栄誉となっていた者は捕らえられた。
ああ、バビロンは国々の間で恐怖となった。
42 海がバビロンの上にのしかかり、その波のざわめきにそれはおおわれた。
43 その町々は荒れ果て、地は砂漠と荒れた地となり、だれも住まず、人の子が通りもしない地となる。
44 わたしはバビロンでベルを罰し、のみこんだ物を吐き出させる。
国々はもう、そこに流れ込むことはない。
ああ、バビロンの城壁は倒れてしまった。

45 わたしの民よ。
その中から出よ。
主の燃える怒りを免れて、おのおの自分のいのちを救え。
46 そうでないと、あなたがたの心は弱まり、この国に聞こえるうわさを恐れよう。うわさは今年も来、その後の年にも、うわさは来る。この国には暴虐があり、支配者はほかの支配者を攻める。
47 それゆえ、見よ、その日が来る。その日、わたしは、バビロンの刻んだ像を罰する。この国全土は恥を見、その刺し殺された者はみな、そこに倒れる。
48 天と地とその中のすべてのものは、バビロンのことで喜び歌う。北からこれに向かって、荒らす者たちが来るからだ。――主の御告げ――
49 バビロンは、イスラエルの刺し殺された者たちのために、倒れなければならない。バビロンによって、全地の刺し殺された者たちが倒れたように。
50 剣からのがれた者よ。行け。立ち止まるな。遠くから主を思い出せ。エルサレムを心に思い浮かべよ。
51 『私たちは、そしりを聞いて、はずかしめを受けた。他国人が主の宮の聖所に入ったので、侮辱が私たちの顔をおおった。』」

52 「それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日、わたしは、その刻んだ像を罰する。刺された者がその全土でうめく。
53 たといバビロンが天に上っても、たとい、そのとりでを高くして近寄りがたくしても、わたしのもとから荒らす者たちが、ここに来る。――主の御告げ――」
54 聞け。バビロンからの叫び、カルデヤ人の地からの大いなる破滅の響きを。
55 主がバビロンを荒らして、そこから大いなる声を絶やされるからだ。その波は大水のように鳴りとどろき、その声は鳴りどよめく。
56 荒らす者がバビロンを攻めに来て、その勇士たちは捕らえられ、その弓も折られる。主は報復の神で、必ず報復されるからだ。
57 「わたしは、その首長たちや、知恵ある者、総督や長官、勇士たちを酔わせる。彼らは永遠の眠りについて、目ざめることはない。――その名を万軍の主という王の御告げ――」
58 万軍の主はこう仰せられる。
「バビロンの広い城壁は、全くくつがえされ、その高い門も火で焼かれる。
国々の民はむなしく労し、諸国の民は、ただ火に焼かれるために
疲れ果てる。」

59 マフセヤの子ネリヤの子セラヤが、ユダの王ゼデキヤとともに、その治世の第四年に、バビロンへ行くとき、預言者エレミヤがセラヤに命じたことば。そのとき、セラヤは宿営の長であった。
60 エレミヤはバビロンに下るわざわいのすべてを一つの巻き物にしるした。すなわち、バビロンについてこのすべてのことばが書いてあった。
61 エレミヤはセラヤに言った。「あなたがバビロンに入ったときに、これらすべてのことばをよく注意して読み、
62 『主よ。あなたはこの所について、これを滅ぼし、人間から獣に至るまで住むものがないようにし、永遠に荒れ果てさせる、と語られました』と言い、
63 この書物を読み終わったなら、それに石を結びつけて、ユーフラテス川の中に投げ入れ、
64 『このように、バビロンは沈み、浮かび上がれない。わたしがもたらすわざわいのためだ。彼らは疲れ果てる』と言いなさい。」
ここまでが、エレミヤのことばである。

52章
1 ゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。
2 彼は、すべてエホヤキムがしたように、主の目の前に悪を行った。
3 エルサレムとユダにこのようなことが起こったのは、主の怒りによるもので、ついに主は彼らを御前から投げ捨てられたのである。
そののち、ゼデキヤはバビロンの王に反逆した。
4 ゼデキヤの治世の第九年、第十の月の十日に、バビロンの王ネブカデレザルは、その全軍勢を率いてエルサレムを攻めに来て、これに対して陣を敷き、周囲に塁を築いた。
5 こうして町はゼデキヤ王の第十一年まで包囲されていたが、
6 第四の月の九日、町の中では、ききんがひどくなり、民衆に食物がなくなった。
7 そのとき、町が破られ、戦士たちはみな逃げて、夜のうちに、王の園のほとりにある二重の城壁の間の門の道から町を出た。カルデヤ人が町を包囲していたので、彼らはアラバへの道を行った。
8 カルデヤの軍勢が王のあとを追い、エリコの草原でゼデキヤに追いついたとき、王の軍隊はみな王から離れて散ってしまった。
9 そこでカルデヤ人は王を捕らえ、ハマテの地のリブラにいるバビロンの王のところへ彼を連れ上った。バビロンの王は彼に宣告を下した。
10 バビロンの王は、ゼデキヤの子らを彼の目の前で虐殺し、ユダのすべての首長たちをリブラで虐殺した。
11 またゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないだ。バビロンの王は、彼をバビロンへ連れて行き、彼を死ぬ日まで獄屋に入れておいた。
12 第五の月の十日――それは、バビロンの王ネブカデレザル王の第十九年であった。――バビロンの王に仕えていた侍従長ネブザルアダンがエルサレムに来て、
13 主の宮と王宮とエルサレムのすべての家を焼き、そのおもだった建物をことごとく火で焼いた。
14 侍従長といっしょにいたカルデヤの全軍勢は、エルサレムの回りの城壁を全部取りこわした。
15 侍従長ネブザルアダンは、民の貧民の一部と、町に残されていた残りの民と、バビロンの王に降伏した者たちと、残りの群衆を捕らえ移した。
16 しかし、侍従長ネブザルアダンは、国の貧民の一部を残し、ぶどう作りと農夫とにした。
17 カルデヤ人は、主の宮の青銅の柱と、主の宮にある青銅の車輪つきの台と、海とを砕いて、その青銅をみなバビロンへ運んだ。
18 また、灰つぼ、十能、心切りばさみ、鉢、平皿、奉仕に用いるすべての青銅の器具を奪った。
19 また、侍従長は小鉢、火皿、鉢、灰つぼ、燭台、平皿、水差しなど、純金、純銀のものを奪った。
20 ソロモン王が主の宮のために作った二本の柱、一つの海、車輪つきの台の下にある十二の青銅の牛、これらすべての器具の青銅の重さは、量りきれなかった。
21 その柱は、一本の柱の高さが十八キュビトで、その回りを測るには十二キュビトのひもがいり、その厚さは指四本分で、中は空洞になっていた。
22 その上に青銅の柱頭があり、一つの柱頭の高さは五キュビトであり、柱頭の回りに、網細工とざくろがあって、それもみな青銅で、他の柱もざくろもこれと同様であった。
23 回りには九十六のざくろがあり、回りの網細工の上には全部で百のざくろがあった。
24 侍従長はさらに、祭司のかしらセラヤと次席祭司ゼパニヤと三人の入口を守る者を捕らえ、
25 戦士の指揮官であったひとりの宦官と、町にいた王の七人の側近と、一般の人々を徴兵する将軍の書記と、町の中にいた一般の人々六十人を、町から捕らえ去った。
26 侍従長ネブザルアダンは彼らを捕らえ、リブラにいるバビロンの王のもとへ連れて行った。
27 バビロンの王は彼らを打ち、ハマテの地のリブラで殺した。こうして、ユダはその国から捕らえ移された。
28 ネブカデレザルが捕らえ移した民の数は次のとおり。第七年には、三千二十三人のユダヤ人。
29 ネブカデレザルの第十八年には、エルサレムから八百三十二人。
30 ネブカデレザルの第二十三年には、侍従長ネブザルアダンが、七百四十五人のユダヤ人を捕らえ移し、その合計は四千六百人であった。
31 ユダの王エホヤキンが捕らえ移されて三十七年目の第十二の月の二十五日に、バビロンの王エビル・メロダクは、彼が即位した年のうちに、ユダの王エホヤキンを釈放し、獄屋から出し、
32 彼に優しいことばをかけ、彼の位をバビロンで彼とともにいた王たちの位よりも高くした。
33 彼は囚人の服を着替え、その一生の間、いつも王の前で食事をした。
34 彼の生活費は、死ぬ日までその一生の間、日々の分をいつもバビロンの王から支給されていた。